狂った執事は転生令嬢を溺愛し過ぎて過保護です!!～身分の差わきまえなさい！～

第二十二話【王子とのハッピーエンド】

結婚式当日、王城は喜びに満ちていた。壮大な庭園が優雅に装飾され、華やかな花々が咲き誇り、幸せな雰囲気が漂っていた。

王子は輝く王冠を戴き、王家の威厳を示し、ペルシカは美しいウェディングドレスに身を包み、その純潔と優雅さが一際際立っていた。

王城の中庭には立派な祭壇が設けられ、そこに立つペルシカと王子は神聖な誓いを交わした。司祭の祝福の下、二人の愛が永遠に続くことを願いながら、キスを交わす。

その後、宮廷の広間では豪華な宴が催され、王室の親族や貴族、そして王国の民たちが祝福の言葉を贈った。美味しい料理と楽しい音楽が会場を彩り、幸せな笑顔が絶えることのないひとときが過ぎていく。

結婚式の終わりには、花火が打ち上げられ、歓声と拍手が響き渡る。王城の中庭は、幸せと喜びに包まれ、多くの人々が笑顔でお祝いをした。

その後、王城ではなく、二人はハイドシュバルツ家に戻り、初夜を迎えることとなった。

ハイドシュバルツ家に戻ると、王子はヤードへと早変わりし、優しくペルシカの手を取り、彼女を浴室に案内します。そこでは暖かな湯が満ち、芳香が漂っていた。

「本日はお疲れ様でございました。さぁ、私奴わたくしめに全てお任せください。」
「なんだか、罪悪感を感じるわ。」
「いえ、私奴わたくしめがこうしたいのです。例え、最初の相手が私奴わたくしめでなくとも、完璧にお嬢様を送り出したいのです。」

ヤードは丁寧にペルシカの体を洗いながら、彼女の緊張を和らげようとする。彼の手は柔らかく、慎重に彼女の肌を撫で、心地よい感触を与えていく。

洗い終わった後、ヤードはペルシカの体を香り高いオイルでマッサージした。もちろんオイルは無色透明だ。彼の指先がしなやかにペルシカの肌をなぞる。

そして、ヤードはペルシカの髪を丁寧にセットし、彼女を美しく飾り付けます。彼の手際は巧みで、ペルシカは自分を特別な存在として扱われていることを感じる。

ペルシカの準備が終わり、ヤードはペルシカの手を取り、彼女を初夜を過ごす部屋へと案内します。

最後に、ヤードは部屋をロマンチックな雰囲気に演出し、キャンドルを灯し、部屋中に花を飾ります。彼はペルシカの初夜を祝福し、彼女の幸せを願います。

「では…、お嬢様…全てが完璧な形で整いました。私奴わたくしめは誇りに思います。お嬢様の美しさ、気高い心、そしてその存在そのものが、この夜を祝福するために生まれてきたように思えます。」
「何を言ってるの？大袈裟ね…。早く変わりなさいよ。」
「それでは、どうぞ、心おきなく、王子との初夜をお楽しみください。どうか、この初夜が貴方にとって愛と幸福に満ちたものとなりますように。私奴わたくしめはいつでもあなたのそばにいます。忘れないで下さいね。」

ヤードの姿が金髪碧眼の王子の姿に変わり、ペルシカを見つめながら、初夜を迎えるための豪華なローブを身にまとっていました。

「とても、美しいですね。ペルシカ。」

（声と喋り方がヤードでしかないのだけれど…。）

「どうも…。」

王子は優しくペルシカの手を取り、部屋の中央に置かれた豪華なベッドに誘った。

ペルシカは緊張しながらも、王子の優しい手つきに安心し、彼についてベッドに向かう。二人は共に座り、しばらくの間、静かに互いを見つめ合います。

「ど、どーんとやってしまって！」

ペルシカの言葉に王子は目を見開きキョトンとした顔をしてから吹き出して笑ってしまいます。

「ペルシカ、その言葉は雰囲気が台無しでございます。」
「小っ恥ずかしくして、仕方ないのよ。」
「え？でも、回帰前は色々とやってきたではありませんか。」
「そ、それはそれ！これはこれよ！」

王子はペルシカの手をとり、優しく手にキスを落とします。そして、何度もキスをします。

「ちょっと！」
「はははっ。顔が真っ赤ですよ。今だけは俺のペルシカだ。」

王子はペルシカの唇に優しくキスをします。そのキスは愛情と温かさに満ちており、ペルシカは王子の愛に包まれるような幸福感に満たされます。

二人は互いを抱きしめ、初めての夜を優しく過ごしました。


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ペルシカが目覚めると、隣には王子が深い眠りについています。彼女は昨夜の出来事を思い出し、恥ずかしさに顔を赤らめます。

「ヤード、朝の支度をして頂戴。」

ペルシカがそう呟くと、突然王子の姿が消え、ヤードの姿に変わりました。ヤードがペルシカの隣に横たわり、彼女を見つめていました。

「酷い事をなさいますね。お嬢様。私奴わたくしめは少し王子に同情してしまいます。」
「だって、こんな…。恥ずかしいの耐えられないもん。あの人歯の浮くような言葉ばっかで…起きたら何を言われるかわかったもんじゃないわ。」

ヤードはペルシカを優しく抱きしめ、子供をあやすかのようにヨシヨシと彼女の頭を撫でました。彼の愛情に包まれた温かさが、ペルシカの心を和ませました。

「はいはい。よく頑張りましたね。偉いですよ。お嬢様。」
「早く朝の支度してよ…。」
「承知致しました。ですが、朝方まで頑張られておりましたので、現在は昼過ぎでございます。本日はこのままお休みになられた方がよろしいかと思われますが？」
「え！？今昼過ぎなの？」

ペルシカが起き上がろうとすると、腰が痛み、激しい筋肉痛が身体を襲った。

「大丈夫でございますか？お辛そうな顔をなさっていますよ？」
「う…。やっぱり今日はゆっくり休む事にするわ。」
「では、過ごしやすいローブをご用意致しますね。その後で昼食を部屋にお持ち致します。」

ヤードは丁寧にペルシカの体を支え、彼女に過ごしやすいローブを着せました。ペルシカが心地よさそうに微笑むと、ヤードも嬉しそうな表情で応えた。そして、ヤードは昼食を運ぶために部屋を出て行き、すぐに銀のトレイに昼食を載せて戻ってきました。丁寧にテーブルにそれを置き、ペルシカの横に座りました。

ヤードはスプーンで丁寧に料理をすくい、ペルシカの口元に運びました。

「ほら、お嬢様。あーん。」

彼女が口の中に料理を受け入れると、ヤードはやさしく微笑んで、また次の一口を用意しました。

「おや、今日は随分と素直でございますね？いつもなら嫌味の１つや２つはおっしゃるではありませんか。」
「今日は特別よ。だって、どうせ一部始終見てたんでしょ？」
「えぇ、まぁそうですね。」
「だから…その…。せめてもの罪滅ぼしというか…。」
「なりません！お嬢様！そんな事では私奴わたくしめと過ごす【Ｐーーー！（自主規制音）】の時も、朝になれば王子と交代させられるという事ではありませんか！？」
「え…いや、それはどうかしら…。」
「目が覚めたら檻の中だなんて…そんな残酷な事がございますでしょうか！！お嬢様、今から、お一人で昼食をお食べください。」

ヤードはスプーンをそっと置きました。

「え！？ちょっ、え？」

「私奴わたくしめは王子以上に【Ｐーーーー！】で【Ｐーーー！】な夜を朝まで行った後に、目が覚めたら再び【Pーーーー！！】がしたいのでございます！！」

ペルシカは泣きそうな顔で、両手で耳をふさいでみせました。そ

「やめて！！！ご飯の味がしなくなるようなことを言わないで！！」

「お嬢様がいけないのです！」

ヤードは珍しく拗ねるような仕草で怒り、プイっとそっぽを向いたかと思えば、その姿が次の瞬間には王子の姿に変わってしまいました。

（えぇ～～～～！！！このタイミングで変わるの！？）

「えっと…。ご、ごきげんよう…。」

王子はニッコリと怒ったような笑みを浮かべました。その表情は何かを企んでいるかのようにも見えました。

その後、ペルシカは王子から歯の浮くような甘い言葉を浴びせられながら、昼食を食べさせられるはめになりました。彼女は王子の言葉に耐えつつ、昼食を食べるしかありませんでした。