36 / 53
35.寄り添う愛の温もり
しおりを挟む
私はベッドに横たわり、頭痛と吐き気に襲われながら、どうにか深呼吸を繰り返していた。窓から薄暗い光が差し込む部屋は、どこか静寂に包まれているように感じられた。つわりの症状がひどく、体は重く、ただ横になっていることしかできなかった。
「俺はどうすれば…どうして昨日、自分を抑えることができなかったんだ…。」
隣で呟くユリドレの声には、自責の念が滲んでいた。彼は目の前で苦しむ私の姿を見て、どうすることもできない無力感を味わっているようだった。
「だ、大丈夫…。それは多分関係ありませんので…。」
私は絞り出すように答えるが、声は弱々しく、力が入らなかった。
「大丈夫ですよ、少し辛い時期があると思いますが…。きちんと栄養を摂り、十分な休息を取ることが大切です。また、何か心配事や不安なことがあれば、いつでも相談してくださいね。」
女性医師は優しく微笑みながら診察を終え、私を安心させようとしてくれた。その言葉に、ユリドレの緊張が少し緩むのがわかった。
「ハーフ同士でも無事出産した例はあるんだな?」
ユリドレは食い入るように医師に問いかけた。その瞳には、焦りと希望が入り混じった光が宿っていた。
「はい、実際にこの国でハーフ同士の方が無事に出産した例もございます。ただ、そのようなケースは非常にまれですので、周囲のサポートと適切なケアが重要です。私たちは最善を尽くしますので、安心してください。」
女性医師の言葉は穏やかで、その微笑みには確かな自信が感じられた。
医師が部屋を後にすると、ユリドレはすぐに私の隣に座った。
「女性の医師は珍しいですね。」
弱々しく問いかける私に、彼は誇らしげに答えた。
「はい、メイのために全国から探し出しました。」
(またとんでもないことを…本当にこの人は…。)
私は心の中で呆れながらも、そんな彼の過剰なまでの愛情に、少しだけ心が軽くなるのを感じた。
ユリドレはそっと私の額に手を当て、汗を感じるとすぐに立ち上がった。しばらくして戻ってくると、手には温かいタオルを持っていた。
「少し顔を拭きますね。」
彼の声は柔らかく、まるで壊れ物を扱うかのように慎重だった。タオルが顔に触れるたびに、その温かさが心地よく、彼の優しさが伝わってくる。
次に、彼はテーブルの上に用意してあった水差しを手に取り、グラスに水を注いだ。そして私の背中に手を回し、慎重に体を起こす。
「少しだけ、これを飲んでください。」
彼が差し出したグラスを口元に運ぶと、手が震えて水が少しこぼれるのを見て、彼がいかに緊張しているかが伝わってきた。
「ありがとう、ユリ…。」
私は小さく微笑みながら礼を言ったが、その言葉が彼にとってどれほどの救いになったのか、彼の表情を見てすぐに分かった。ユリドレの顔が少し緩み、安心したように息をついた。
ユリドレは私が楽に眠れるように、ベッドの枕を整え、毛布を優しく掛け直してくれた。その細やかな気遣いに、私は彼の愛情を改めて感じた。彼はそれだけでは終わらず、部屋の明かりを調整し、私の体調に合うように空気を入れ替えたりと、休む間もなく動き回っていた。
時折、彼は私の顔をじっと見つめていた。そこには心配や不安、そして私をどうにかして支えたいという強い思いが読み取れた。
彼は私が完全に眠りにつくまで、決してその場を離れることはなかった。椅子に腰掛け、私の顔をじっと見守りながら、私の呼吸の音に耳を傾けていた。その優しい視線は、まるで私が眠る天使のように見えているのではないかと思わせるほどだった。
やがて、つわりの辛さも少し和らぎ、私は深い眠りに落ちていった。その間も、ユリドレは私の隣で変わらず見守り続けていた。
数日が経ち、つわりの症状が徐々に落ち着いてきた。以前のようなひどい吐き気は和らいだものの、まだ体は重く、ベッドの上で過ごす時間が続いていた。その間もユリは一瞬たりとも私の側を離れようとせず、まるで自分の使命のように私を見守り続けていた。
彼はベッド脇の椅子に腰掛け、静かに私の髪を撫でる。その手のひらの温もりは、どこかくすぐったくて、優しくも心地よかった。ユリの顔を見上げると、彼は私の顔をじっと見つめ、柔らかい微笑みを浮かべていた。その目には深い愛情と、言葉にしきれないような切なさが滲んでいた。
「ユリ、ありがとう。あなたがいてくれるおかげで、本当に助かってるわ。でも、ちゃんと休んでね。ユリだって疲れてるでしょう?」
私の言葉に、ユリは薄く笑いながら首を横に振った。
「十分に休んでるよ、大丈夫です。」
(絶対嘘だわ。全然休んでない顔してる癖に…)
心の中でツッコミを入れるものの、その言葉は口には出さなかった。ユリが私のためにここまでしてくれていることは痛いほど伝わっていたからだ。それでも彼の疲れた顔を見るたびに、どうにかして休ませてあげたいと思ってしまう。
少し沈黙が続き、私はふと気になっていたことを思い切って口にした。
「ねえ、ユリ…そろそろ私たち、敬語をやめにしない?」
ユリは一瞬だけ目を見開き、考えるように息を吐いた。その仕草にはいつもの余裕はなく、少しばかり戸惑いが見えた。
「メイは普通に話してくれて構いません。でも、俺はもう少し時間が欲しいんです。」
「時間?どうして?」
「俺は切り替えが凄く下手なんです。」彼は少し自嘲するような笑みを浮かべ、言葉を続けた。「もともと、誰かに優しく接するタイプではありませんでしたから。もしメイに対して、無意識にぶっきらぼうな言葉を口にしてしまったら…俺はもう立ち直れないと思うんです。」
その言葉に、私の胸がぎゅっと締め付けられるような感覚を覚えた。そんなに自分を追い詰めていたなんて…。私は、彼の手をそっと握りしめ、できるだけ優しい声で答えた。
「それは、大変ね。…でも、私はそんなことで怒ったりしないわ。」
ユリの目が少しだけ丸くなり、彼の口元にふわりと柔らかな笑みが浮かんだ。その笑顔を見ると、なぜだか私まで顔が熱くなる。
「メイがそう言ってくれるなら嬉しいです。でも、もう少しだけ時間をくださいね。俺なりに、頑張ってみますから。」
彼の優しさと真剣さに触れ、私の心には温かなものが広がった。少し照れ臭くなり、私は話題を変えることにした。
「わ、わかった。それで…王城で何があったの?」
その問いに、ユリは一瞬だけ眉を寄せ、逡巡するような表情を見せた。そして、深く息を吐き、困ったような笑みを浮かべた。
「その話は…子供を無事に産んでからにしましょう。」
「えっ!?いや、ちゃんと聞かないと不安で眠れないわ!また何か勝手にやらかしてるんじゃないかって思っちゃうもの。」
ユリは苦笑しながら私を見つめ、その目にはほんの少しの迷いが見えた。しばらくの沈黙の後、彼は観念したように頷いた。
「分かりました。ただし、もし気分が悪くなったらすぐに言ってくださいね。…どこから話せばいいでしょうか。」
そう言いながら、彼は私の手をそっと包み込むように握り、優しく親指で撫でた。その仕草に、彼がどれだけ私を気遣っているかが伝わり、心が温かくなる。
ユリは言葉を慎重に選びながら、事件の経緯を静かに説明した。
「王城では、王子の剣術訓練中に不幸な事故が起きました。俺の代わりに訓練を任せていた騎士が、使っていた木刀を壊してしまい、やむを得ず王子に真剣を持たせたんです。その後、王子が誤って剣を振り下ろした際、その騎士を斬りつけてしまいました。意図せず起きた出来事でしたが…非常に痛ましい結果になりました。」
ユリの声には深い苦悩が滲み、言葉を絞り出すたびに、彼の心が重く揺れているのが分かった。
「俺はどうすれば…どうして昨日、自分を抑えることができなかったんだ…。」
隣で呟くユリドレの声には、自責の念が滲んでいた。彼は目の前で苦しむ私の姿を見て、どうすることもできない無力感を味わっているようだった。
「だ、大丈夫…。それは多分関係ありませんので…。」
私は絞り出すように答えるが、声は弱々しく、力が入らなかった。
「大丈夫ですよ、少し辛い時期があると思いますが…。きちんと栄養を摂り、十分な休息を取ることが大切です。また、何か心配事や不安なことがあれば、いつでも相談してくださいね。」
女性医師は優しく微笑みながら診察を終え、私を安心させようとしてくれた。その言葉に、ユリドレの緊張が少し緩むのがわかった。
「ハーフ同士でも無事出産した例はあるんだな?」
ユリドレは食い入るように医師に問いかけた。その瞳には、焦りと希望が入り混じった光が宿っていた。
「はい、実際にこの国でハーフ同士の方が無事に出産した例もございます。ただ、そのようなケースは非常にまれですので、周囲のサポートと適切なケアが重要です。私たちは最善を尽くしますので、安心してください。」
女性医師の言葉は穏やかで、その微笑みには確かな自信が感じられた。
医師が部屋を後にすると、ユリドレはすぐに私の隣に座った。
「女性の医師は珍しいですね。」
弱々しく問いかける私に、彼は誇らしげに答えた。
「はい、メイのために全国から探し出しました。」
(またとんでもないことを…本当にこの人は…。)
私は心の中で呆れながらも、そんな彼の過剰なまでの愛情に、少しだけ心が軽くなるのを感じた。
ユリドレはそっと私の額に手を当て、汗を感じるとすぐに立ち上がった。しばらくして戻ってくると、手には温かいタオルを持っていた。
「少し顔を拭きますね。」
彼の声は柔らかく、まるで壊れ物を扱うかのように慎重だった。タオルが顔に触れるたびに、その温かさが心地よく、彼の優しさが伝わってくる。
次に、彼はテーブルの上に用意してあった水差しを手に取り、グラスに水を注いだ。そして私の背中に手を回し、慎重に体を起こす。
「少しだけ、これを飲んでください。」
彼が差し出したグラスを口元に運ぶと、手が震えて水が少しこぼれるのを見て、彼がいかに緊張しているかが伝わってきた。
「ありがとう、ユリ…。」
私は小さく微笑みながら礼を言ったが、その言葉が彼にとってどれほどの救いになったのか、彼の表情を見てすぐに分かった。ユリドレの顔が少し緩み、安心したように息をついた。
ユリドレは私が楽に眠れるように、ベッドの枕を整え、毛布を優しく掛け直してくれた。その細やかな気遣いに、私は彼の愛情を改めて感じた。彼はそれだけでは終わらず、部屋の明かりを調整し、私の体調に合うように空気を入れ替えたりと、休む間もなく動き回っていた。
時折、彼は私の顔をじっと見つめていた。そこには心配や不安、そして私をどうにかして支えたいという強い思いが読み取れた。
彼は私が完全に眠りにつくまで、決してその場を離れることはなかった。椅子に腰掛け、私の顔をじっと見守りながら、私の呼吸の音に耳を傾けていた。その優しい視線は、まるで私が眠る天使のように見えているのではないかと思わせるほどだった。
やがて、つわりの辛さも少し和らぎ、私は深い眠りに落ちていった。その間も、ユリドレは私の隣で変わらず見守り続けていた。
数日が経ち、つわりの症状が徐々に落ち着いてきた。以前のようなひどい吐き気は和らいだものの、まだ体は重く、ベッドの上で過ごす時間が続いていた。その間もユリは一瞬たりとも私の側を離れようとせず、まるで自分の使命のように私を見守り続けていた。
彼はベッド脇の椅子に腰掛け、静かに私の髪を撫でる。その手のひらの温もりは、どこかくすぐったくて、優しくも心地よかった。ユリの顔を見上げると、彼は私の顔をじっと見つめ、柔らかい微笑みを浮かべていた。その目には深い愛情と、言葉にしきれないような切なさが滲んでいた。
「ユリ、ありがとう。あなたがいてくれるおかげで、本当に助かってるわ。でも、ちゃんと休んでね。ユリだって疲れてるでしょう?」
私の言葉に、ユリは薄く笑いながら首を横に振った。
「十分に休んでるよ、大丈夫です。」
(絶対嘘だわ。全然休んでない顔してる癖に…)
心の中でツッコミを入れるものの、その言葉は口には出さなかった。ユリが私のためにここまでしてくれていることは痛いほど伝わっていたからだ。それでも彼の疲れた顔を見るたびに、どうにかして休ませてあげたいと思ってしまう。
少し沈黙が続き、私はふと気になっていたことを思い切って口にした。
「ねえ、ユリ…そろそろ私たち、敬語をやめにしない?」
ユリは一瞬だけ目を見開き、考えるように息を吐いた。その仕草にはいつもの余裕はなく、少しばかり戸惑いが見えた。
「メイは普通に話してくれて構いません。でも、俺はもう少し時間が欲しいんです。」
「時間?どうして?」
「俺は切り替えが凄く下手なんです。」彼は少し自嘲するような笑みを浮かべ、言葉を続けた。「もともと、誰かに優しく接するタイプではありませんでしたから。もしメイに対して、無意識にぶっきらぼうな言葉を口にしてしまったら…俺はもう立ち直れないと思うんです。」
その言葉に、私の胸がぎゅっと締め付けられるような感覚を覚えた。そんなに自分を追い詰めていたなんて…。私は、彼の手をそっと握りしめ、できるだけ優しい声で答えた。
「それは、大変ね。…でも、私はそんなことで怒ったりしないわ。」
ユリの目が少しだけ丸くなり、彼の口元にふわりと柔らかな笑みが浮かんだ。その笑顔を見ると、なぜだか私まで顔が熱くなる。
「メイがそう言ってくれるなら嬉しいです。でも、もう少しだけ時間をくださいね。俺なりに、頑張ってみますから。」
彼の優しさと真剣さに触れ、私の心には温かなものが広がった。少し照れ臭くなり、私は話題を変えることにした。
「わ、わかった。それで…王城で何があったの?」
その問いに、ユリは一瞬だけ眉を寄せ、逡巡するような表情を見せた。そして、深く息を吐き、困ったような笑みを浮かべた。
「その話は…子供を無事に産んでからにしましょう。」
「えっ!?いや、ちゃんと聞かないと不安で眠れないわ!また何か勝手にやらかしてるんじゃないかって思っちゃうもの。」
ユリは苦笑しながら私を見つめ、その目にはほんの少しの迷いが見えた。しばらくの沈黙の後、彼は観念したように頷いた。
「分かりました。ただし、もし気分が悪くなったらすぐに言ってくださいね。…どこから話せばいいでしょうか。」
そう言いながら、彼は私の手をそっと包み込むように握り、優しく親指で撫でた。その仕草に、彼がどれだけ私を気遣っているかが伝わり、心が温かくなる。
ユリは言葉を慎重に選びながら、事件の経緯を静かに説明した。
「王城では、王子の剣術訓練中に不幸な事故が起きました。俺の代わりに訓練を任せていた騎士が、使っていた木刀を壊してしまい、やむを得ず王子に真剣を持たせたんです。その後、王子が誤って剣を振り下ろした際、その騎士を斬りつけてしまいました。意図せず起きた出来事でしたが…非常に痛ましい結果になりました。」
ユリの声には深い苦悩が滲み、言葉を絞り出すたびに、彼の心が重く揺れているのが分かった。
16
お気に入りに追加
238
あなたにおすすめの小説
1度だけだ。これ以上、閨をともにするつもりは無いと旦那さまに告げられました。
尾道小町
恋愛
登場人物紹介
ヴィヴィアン・ジュード伯爵令嬢
17歳、長女で爵位はシェーンより低が、ジュード伯爵家には莫大な資産があった。
ドン・ジュード伯爵令息15歳姉であるヴィヴィアンが大好きだ。
シェーン・ロングベルク公爵 25歳
結婚しろと回りは五月蝿いので大富豪、伯爵令嬢と結婚した。
ユリシリーズ・グレープ補佐官23歳
優秀でシェーンに、こき使われている。
コクロイ・ルビーブル伯爵令息18歳
ヴィヴィアンの幼馴染み。
アンジェイ・ドルバン伯爵令息18歳
シェーンの元婚約者。
ルーク・ダルシュール侯爵25歳
嫁の父親が行方不明でシェーン公爵に相談する。
ミランダ・ダルシュール侯爵夫人20歳、父親が行方不明。
ダン・ドリンク侯爵37歳行方不明。
この国のデビット王太子殿下23歳、婚約者ジュリアン・スチール公爵令嬢が居るのにヴィヴィアンの従妹に興味があるようだ。
ジュリアン・スチール公爵令嬢18歳デビット王太子殿下の婚約者。
ヴィヴィアンの従兄弟ヨシアン・スプラット伯爵令息19歳
私と旦那様は婚約前1度お会いしただけで、結婚式は私と旦那様と出席者は無しで式は10分程で終わり今は2人の寝室?のベッドに座っております、旦那様が仰いました。
一度だけだ其れ以上閨を共にするつもりは無いと旦那様に宣言されました。
正直まだ愛情とか、ありませんが旦那様である、この方の言い分は最低ですよね?
十三月の離宮に皇帝はお出ましにならない~自給自足したいだけの幻獣姫、その寵愛は予定外です~
氷雨そら
恋愛
幻獣を召喚する力を持つソリアは三国に囲まれた小国の王女。母が遠い異国の踊り子だったために、虐げられて王女でありながら自給自足、草を食んで暮らす生活をしていた。
しかし、帝国の侵略により国が滅びた日、目の前に現れた白い豹とソリアが呼び出した幻獣である白い猫に導かれ、意図せず帝国の皇帝を助けることに。
死罪を免れたソリアは、自由に生きることを許されたはずだった。
しかし、後見人として皇帝をその地位に就けた重臣がソリアを荒れ果てた十三月の離宮に入れてしまう。
「ここで、皇帝の寵愛を受けるのだ。そうすれば、誰もがうらやむ地位と幸せを手に入れられるだろう」
「わー! お庭が広くて最高の環境です! 野菜植え放題!」
「ん……? 連れてくる姫を間違えたか?」
元来の呑気でたくましい性格により、ソリアは荒れ果てた十三月の離宮で健気に生きていく。
そんなある日、閉鎖されたはずの離宮で暮らす姫に興味を引かれた皇帝が訪ねてくる。
「あの、むさ苦しい場所にようこそ?」
「むさ苦しいとは……。この離宮も、城の一部なのだが?」
これは、天然、お人好し、そしてたくましい、自己肯定感低めの姫が、皇帝の寵愛を得て帝国で予定外に成り上がってしまう物語。
小説家になろうにも投稿しています。
3月3日HOTランキング女性向け1位。
ご覧いただきありがとうございました。
「君の為の時間は取れない」と告げた旦那様の意図を私はちゃんと理解しています。
あおくん
恋愛
憧れの人であった旦那様は初夜が終わったあと私にこう告げた。
「君の為の時間は取れない」と。
それでも私は幸せだった。だから、旦那様を支えられるような妻になりたいと願った。
そして騎士団長でもある旦那様は次の日から家を空け、旦那様と入れ違いにやって来たのは旦那様の母親と見知らぬ女性。
旦那様の告げた「君の為の時間は取れない」という言葉はお二人には別の意味で伝わったようだ。
あなたは愛されていない。愛してもらうためには必要なことだと過度な労働を強いた結果、過労で倒れた私は記憶喪失になる。
そして帰ってきた旦那様は、全てを忘れていた私に困惑する。
※35〜37話くらいで終わります。
追放された悪役令嬢はシングルマザー
ララ
恋愛
神様の手違いで死んでしまった主人公。第二の人生を幸せに生きてほしいと言われ転生するも何と転生先は悪役令嬢。
断罪回避に奮闘するも失敗。
国外追放先で国王の子を孕んでいることに気がつく。
この子は私の子よ!守ってみせるわ。
1人、子を育てる決心をする。
そんな彼女を暖かく見守る人たち。彼女を愛するもの。
さまざまな思惑が蠢く中彼女の掴み取る未来はいかに‥‥
ーーーー
完結確約 9話完結です。
短編のくくりですが10000字ちょっとで少し短いです。
敗戦して嫁ぎましたが、存在を忘れ去られてしまったので自給自足で頑張ります!
桗梛葉 (たなは)
恋愛
タイトルを変更しました。
※※※※※※※※※※※※※
魔族 vs 人間。
冷戦を経ながらくすぶり続けた長い戦いは、人間側の敗戦に近い状況で、ついに終止符が打たれた。
名ばかりの王族リュシェラは、和平の証として、魔王イヴァシグスに第7王妃として嫁ぐ事になる。だけど、嫁いだ夫には魔人の妻との間に、すでに皇子も皇女も何人も居るのだ。
人間のリュシェラが、ここで王妃として求められる事は何もない。和平とは名ばかりの、敗戦国の隷妃として、リュシェラはただ静かに命が潰えていくのを待つばかり……なんて、殊勝な性格でもなく、与えられた宮でのんびり自給自足の生活を楽しんでいく。
そんなリュシェラには、実は誰にも言えない秘密があった。
※※※※※※※※※※※※※
短編は難しいな…と痛感したので、慣れた文字数、文体で書いてみました。
お付き合い頂けたら嬉しいです!
婚姻初日、「好きになることはない」と宣言された公爵家の姫は、英雄騎士の夫を翻弄する~夫は家庭内で私を見つめていますが~
扇 レンナ
恋愛
公爵令嬢のローゼリーンは1年前の戦にて、英雄となった騎士バーグフリートの元に嫁ぐこととなる。それは、彼が褒賞としてローゼリーンを望んだからだ。
公爵令嬢である以上に国王の姪っ子という立場を持つローゼリーンは、母譲りの美貌から『宝石姫』と呼ばれている。
はっきりと言って、全く釣り合わない結婚だ。それでも、王家の血を引く者として、ローゼリーンはバーグフリートの元に嫁ぐことに。
しかし、婚姻初日。晩餐の際に彼が告げたのは、予想もしていない言葉だった。
拗らせストーカータイプの英雄騎士(26)×『宝石姫』と名高い公爵令嬢(21)のすれ違いラブコメ。
▼掲載先→アルファポリス、小説家になろう、エブリスタ
大嫌いな幼馴染の皇太子殿下と婚姻させられたので、白い結婚をお願いいたしました
柴野
恋愛
「これは白い結婚ということにいたしましょう」
結婚初夜、そうお願いしたジェシカに、夫となる人は眉を顰めて答えた。
「……ああ、お前の好きにしろ」
婚約者だった隣国の王弟に別れを切り出され嫁ぎ先を失った公爵令嬢ジェシカ・スタンナードは、幼馴染でありながら、たいへん仲の悪かった皇太子ヒューパートと王命で婚姻させられた。
ヒューパート皇太子には陰ながら想っていた令嬢がいたのに、彼女は第二王子の婚約者になってしまったので長年婚約者を作っていなかったという噂がある。それだというのに王命で大嫌いなジェシカを娶ることになったのだ。
いくら政略結婚とはいえ、ヒューパートに抱かれるのは嫌だ。子供ができないという理由があれば離縁できると考えたジェシカは白い結婚を望み、ヒューパートもそれを受け入れた。
そのはず、だったのだが……?
離縁を望みながらも徐々に絆されていく公爵令嬢と、実は彼女のことが大好きで仕方ないツンデレ皇太子によるじれじれラブストーリー。
※こちらの作品は小説家になろうにも重複投稿しています。
【完結】不誠実な旦那様、目が覚めたのでさよならです。
完菜
恋愛
王都の端にある森の中に、ひっそりと誰かから隠れるようにしてログハウスが建っていた。
そこには素朴な雰囲気を持つ女性リリーと、金髪で天使のように愛らしい子供、そして中年の女性の三人が暮らしている。この三人どうやら訳ありだ。
ある日リリーは、ケガをした男性を森で見つける。本当は困るのだが、見捨てることもできずに手当をするために自分の家に連れて行くことに……。
その日を境に、何も変わらない日常に少しの変化が生まれる。その森で暮らしていたリリーには、大好きな人から言われる「愛している」という言葉が全てだった。
しかし、あることがきっかけで一瞬にしてその言葉が恐ろしいものに変わってしまう。人を愛するって何なのか? 愛されるって何なのか? リリーが紆余曲折を経て辿り着く愛の形。(全50話)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる