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50p【素殴り練習試合】
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練習場にはシンカさんとシンさんもいた。
「シンさん!!!久しぶりです!!」
「え?君もしかして、リキ?リキなの?」とシンさんは驚いていた。
シンさんの見た目は全く変わっていなくて安心する。
「はい!あー、髪型だけちょっとイメチェンしてみました。」
「また会えてよかった。」とシンさんは嬉しそうな顔を向けてくれた。
「あの、練習試合したいんで、パーティー抜けて、シンと組んでてもらえますか。」
「あっ、すみません。」
咲とのパーティーを解除した。
咲とシンカさんは練習場の中心部へ移動する。
「咲、あれがりきのAI?」とシンさんに聞かれた。
「はい!!やっと、やっと手に入れたんです。」
嬉しさが顔に込み上げてきてしまう。
「おめでとう。でも、手に入れて早々練習試合か。」
「はい。シンカさんがもう引いてくれなさそうだったんで。咲が嫌がってたら止めてましたけど、やる気あるみたいなのでいいかなと。」
「へぇ…。」
練習試合のカウントダウンがはじまった。僕の目の前にホログラム画面がでて、近場で見てるような映像が映る。それはシンさんの方にも出ていて、僕の画面は咲視点だけど、シンさんの画面はシンカさん視点だった。
カウントダウンが0になって試合が開始された。
とてつもない速さでシンカさんは咲に蹴りをいれようとして、蹴り切ると咲はシンカさんの蹴り上げた足にふわりと一瞬着地して、またふわりとジャンプをして避ける。
咲の身軽な身体能力を見て「マジかよ。」とシンカさんは呟く。
「わお。シンカが敬語を乱すなんて。」とシンさんも驚く。
咲は浮いたままシンカさんの顔面を蹴ろうとするが、シンカさんがそれを避けて、咲は次の攻撃が来る前に見切って距離をとった。
咲はシンカさんに殴ろうと右こぶしをあげる。シンカさんはそれをガードしようと肘をあげるが、咲は挑戦的な笑みを浮かべて、シンカさんの両腕を両手で抑えて頭突きをかました。ゴンッではなく、ガンッという鈍い音が響いた。
「イッデェェ!!!」とシンカさんが痛そうに片目を瞑る。
「うわ。痛そう。」とシンさんが少し青ざめながら言う。
シンカさんの額からタラリと血が滴った。
そのまま二回目の頭突きをかまそうとする、シンカさんは避けようとするが手がほどけないようだった。
シンカさんは「こんのっ!!馬鹿力っ!!!」と言って、咲の腹を蹴って無理矢理距離をとった。
「凄いAIだね。聞いてたのと全然違うじゃん。僕アレとは戦いたくないな。」とシンさんはドン引きしている様子。
「いったーーい!!女の子のお腹を蹴るなんてどういう神経してんのよ!!」とお腹を押さえてヨロヨロと立つ咲。
「は?頭突きだけで体力半分も削りやがってどういう神経してんだよ!!」と、暴言を吐くかのような勢いで怒鳴るシンカさん。見たことも想像もしたことのないシンカさんの態度に驚いてしまう。
「ぶふっ。シンカッ、クククッ。喋り方に余裕なさすぎでしょ。」とシンさんは体を小刻みに震わしながら笑う。
次に咲はシンカさんの後ろにまわって、回し蹴りをいれる。シンカさんはそれをガードするが、そのまま吹き飛ばされて壁にあたってダウンした。
「ふんっ♪雑魚♪」
練習試合は終了してしまった。
「あれ?魔王にならないんですね。」
「素手勝負の設定なら全ての効果が除去されて、基礎ステータスのみで戦う試合なはず。咲はシンカのステータスを大きく上回ってるって事だけわかるね。」
「なるほど。そういう試合だったんですね。」
「あーあー。シンカが気を失うなんて、こんなのはじめてだよ。」とシンさんはシンカさんの体を拾いに行って戻ってきた。
ちょっとしてシンカさんは目をあけた。
「筋力500以上、体力は自分の2倍。素早さ500以上で間違えないようですね。さて、この事実をどう頭の悪いルナに伝えるか。」
「誰は頭悪いですって?」と練習場にルナさんが入ってきた。
ルナさんの見た目も全く変わっていなかった。
「ルナ!起きたの?」とシンさんが驚く。
「えぇ。練習試合見てたわ。おかえり、陽子。」と、当然のように咲に話しかけるルナさん。
(ルナさん!?咲のリアルを知ってる!?不味いんじゃないのか?)
咲はルナさんをじっと見つめる。ルナさんもまた咲をじっと見つめる。
「今はAI咲。その名前で呼ばないで。」と咲。
「なるほどね。色々あるみたいね。全ての答え合わせはヴァルプルギスの前夜にでもしましょう。どうせ抱えてる問題はすぐには解決しないものだから。」
「ヴァルプルギスの前夜…。」
「そんな事より、シンカが負けるとこ初めて見たわ。なんだか新鮮。」とルナさん。
「勝てる気でいました。負けた事なんて一度もなかったんで。それに3段になって、リーチも長くなったはずなのに、とんだ化け物娘ですよアレわ。」とシンカさんは咲を睨む。
「化け物娘!?ひっどーい!」と咲は顔を膨らます。
「まぁまぁ。」僕は咲をなだめる。
「なら、もう一人でも大丈夫かしら?どうなの?AI咲。聞いてると思うけど、りきは後1回の負けたらペナルティ送りだけど。」
「まだ武器がないから、私一人じゃ守り切れないかな。」
「そう、じゃあ、シン。ついてあげれる?」
「あぁ、うん。」
「決まりね。じゃあシンよろしくね。」
「うん、しっかり守るよ。」
ルナさんは一度ぎゅっとシンさんを抱きしめてからゲートでシンカさんとどこかへ消えていった。
「シンさん!!!久しぶりです!!」
「え?君もしかして、リキ?リキなの?」とシンさんは驚いていた。
シンさんの見た目は全く変わっていなくて安心する。
「はい!あー、髪型だけちょっとイメチェンしてみました。」
「また会えてよかった。」とシンさんは嬉しそうな顔を向けてくれた。
「あの、練習試合したいんで、パーティー抜けて、シンと組んでてもらえますか。」
「あっ、すみません。」
咲とのパーティーを解除した。
咲とシンカさんは練習場の中心部へ移動する。
「咲、あれがりきのAI?」とシンさんに聞かれた。
「はい!!やっと、やっと手に入れたんです。」
嬉しさが顔に込み上げてきてしまう。
「おめでとう。でも、手に入れて早々練習試合か。」
「はい。シンカさんがもう引いてくれなさそうだったんで。咲が嫌がってたら止めてましたけど、やる気あるみたいなのでいいかなと。」
「へぇ…。」
練習試合のカウントダウンがはじまった。僕の目の前にホログラム画面がでて、近場で見てるような映像が映る。それはシンさんの方にも出ていて、僕の画面は咲視点だけど、シンさんの画面はシンカさん視点だった。
カウントダウンが0になって試合が開始された。
とてつもない速さでシンカさんは咲に蹴りをいれようとして、蹴り切ると咲はシンカさんの蹴り上げた足にふわりと一瞬着地して、またふわりとジャンプをして避ける。
咲の身軽な身体能力を見て「マジかよ。」とシンカさんは呟く。
「わお。シンカが敬語を乱すなんて。」とシンさんも驚く。
咲は浮いたままシンカさんの顔面を蹴ろうとするが、シンカさんがそれを避けて、咲は次の攻撃が来る前に見切って距離をとった。
咲はシンカさんに殴ろうと右こぶしをあげる。シンカさんはそれをガードしようと肘をあげるが、咲は挑戦的な笑みを浮かべて、シンカさんの両腕を両手で抑えて頭突きをかました。ゴンッではなく、ガンッという鈍い音が響いた。
「イッデェェ!!!」とシンカさんが痛そうに片目を瞑る。
「うわ。痛そう。」とシンさんが少し青ざめながら言う。
シンカさんの額からタラリと血が滴った。
そのまま二回目の頭突きをかまそうとする、シンカさんは避けようとするが手がほどけないようだった。
シンカさんは「こんのっ!!馬鹿力っ!!!」と言って、咲の腹を蹴って無理矢理距離をとった。
「凄いAIだね。聞いてたのと全然違うじゃん。僕アレとは戦いたくないな。」とシンさんはドン引きしている様子。
「いったーーい!!女の子のお腹を蹴るなんてどういう神経してんのよ!!」とお腹を押さえてヨロヨロと立つ咲。
「は?頭突きだけで体力半分も削りやがってどういう神経してんだよ!!」と、暴言を吐くかのような勢いで怒鳴るシンカさん。見たことも想像もしたことのないシンカさんの態度に驚いてしまう。
「ぶふっ。シンカッ、クククッ。喋り方に余裕なさすぎでしょ。」とシンさんは体を小刻みに震わしながら笑う。
次に咲はシンカさんの後ろにまわって、回し蹴りをいれる。シンカさんはそれをガードするが、そのまま吹き飛ばされて壁にあたってダウンした。
「ふんっ♪雑魚♪」
練習試合は終了してしまった。
「あれ?魔王にならないんですね。」
「素手勝負の設定なら全ての効果が除去されて、基礎ステータスのみで戦う試合なはず。咲はシンカのステータスを大きく上回ってるって事だけわかるね。」
「なるほど。そういう試合だったんですね。」
「あーあー。シンカが気を失うなんて、こんなのはじめてだよ。」とシンさんはシンカさんの体を拾いに行って戻ってきた。
ちょっとしてシンカさんは目をあけた。
「筋力500以上、体力は自分の2倍。素早さ500以上で間違えないようですね。さて、この事実をどう頭の悪いルナに伝えるか。」
「誰は頭悪いですって?」と練習場にルナさんが入ってきた。
ルナさんの見た目も全く変わっていなかった。
「ルナ!起きたの?」とシンさんが驚く。
「えぇ。練習試合見てたわ。おかえり、陽子。」と、当然のように咲に話しかけるルナさん。
(ルナさん!?咲のリアルを知ってる!?不味いんじゃないのか?)
咲はルナさんをじっと見つめる。ルナさんもまた咲をじっと見つめる。
「今はAI咲。その名前で呼ばないで。」と咲。
「なるほどね。色々あるみたいね。全ての答え合わせはヴァルプルギスの前夜にでもしましょう。どうせ抱えてる問題はすぐには解決しないものだから。」
「ヴァルプルギスの前夜…。」
「そんな事より、シンカが負けるとこ初めて見たわ。なんだか新鮮。」とルナさん。
「勝てる気でいました。負けた事なんて一度もなかったんで。それに3段になって、リーチも長くなったはずなのに、とんだ化け物娘ですよアレわ。」とシンカさんは咲を睨む。
「化け物娘!?ひっどーい!」と咲は顔を膨らます。
「まぁまぁ。」僕は咲をなだめる。
「なら、もう一人でも大丈夫かしら?どうなの?AI咲。聞いてると思うけど、りきは後1回の負けたらペナルティ送りだけど。」
「まだ武器がないから、私一人じゃ守り切れないかな。」
「そう、じゃあ、シン。ついてあげれる?」
「あぁ、うん。」
「決まりね。じゃあシンよろしくね。」
「うん、しっかり守るよ。」
ルナさんは一度ぎゅっとシンさんを抱きしめてからゲートでシンカさんとどこかへ消えていった。
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