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『雪がさ‥異世界転生したんだよ』
『なんだジョニー、頭にデッドボールでもくらったのか?』
中学からの友人がいきなり変なことを言い出したので、つい僕も変なテンションで返してしまった。もう後悔してきた。

『誰だよジョニー‥』
『だったら僕に合わせてラノベでも読み始めたのか?』
中学の頃から野球一筋‥
という訳ではないが得意らしく、次のエースは俺だと自称するくらいの奴だ。
いきなりラノベなんて読み出したのならやはりデッドボールをくらったのかもしれない。

『おすすめは最近アニメ化し‥』
『いや、見てないわ。雪と連絡が取れないんだ。』
『入学したばかりなんだし忙しいんでしょ』
『もう6月だぞ?』
『どのくらい連絡取れないん?』
『ゴールデンウィークより前からだな』
『‥‥』 
『な、おかしいだろ』
『でもさ、なんで異世界なんだ。』
『いないんだよ。学校にも』
『どういう意味だよ』
至極真っ当な疑問だろう。こいつとは同じクラスだが休んでるとこなんて見たことない。
放課後だって野球部があるはずだ。

『雪と同じ高校に行ったやつに聞いたんだよ』
『原田?』
『おう』
『なんて?』
『ほれ』
そう言ってスマホの画面を見してきた。
『紙枝なら別の高校じゃないか?俺は知らないぞ』

なるほど、次のこいつの言葉は簡単に予想できる。
『いまから高校行ってみようぜ』
ほら、予想通りだ。

『そういえば野球部はどしたんだよ』
『サボった』

どうやらこいつにとって彼女の存在は思ったより大きかったようだ。
まさか部活までサボるなんて完全に予想外だ。

思ったよりマズイ状況にあるかもしれない。

『夜に見たいアニメあるんだけどな‥』
『いいから行くぞ』
ほんとこいつのこういう所は嫌いだ。

もしかしたらデッドボールをくらうのは僕の方かもしれない。

(16時か‥)

そう僕は手にしたスマホを操作しながら考えを巡らした。

(続く)
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