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甘く淫らなラブロマンスの長編版(※短編の続きではありません)

本編『気付いたら身体が動いていた』の後のネイブルとサフィニア(上)

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※長くなってしまったので二回に分けました。後半は明日、更新予定です。
※R-18ですが本番行為はありません。次話も本番なしです。

※こちらのシーンはネイブルによるサフィニアの媚薬解消シーンですが、いつか大幅改稿できたらこの回は削除して、今回の話の一部をラッドレン殿下とミーネの場面に変更し本編へ入れたいと考えております。
作者の勝手な主張で恐縮です。その可能性があること予めお含みおきくださいませ。

ネイブルファンの皆様(いらっしゃるか分かりませんが……)、削除予定の話となり申し訳ございません。





 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇



 蝶番が壊れそうなほどの勢いでドアが開き、赤い髪の男がぐったりとした女性を肩に抱きかかえて入ってきた。

 その赤髪の大柄な男性はフレイツファルジュ王国騎士団長の息子、ネイブル。

 ズカズカと室内へ入ってきたその粗暴な様子からは想像できないくらいそっと丁寧に抱きかかえていた女性をベッドへ寝かせると、ネイブルは部屋の内側からドアの鍵を閉めた。

 そして眉間にしわを寄せ、険しい表情をしながら再びベッドの方へと戻ってくる。

 ベッドの上で熱を帯びたように苦し気な呼吸をし、頬を赤く染めているのはアールガード辺境伯の娘のサフィニアだった。
 若草色のドレスを纏い、金色に輝く美しい髪がサラサラと流れるようにベッドの上で広がっている。

 ネイブルとサフィニアは学園で共に学び、18歳で学園を卒業した後に一年通ったギフティラ学院ではふたりとも生徒会に所属していた。
 そのため言葉を交わした事は何度もあるけれど、ギフティラ学院を卒業してからのこの一年はたまに見かけた時に会話をする程度。
 ふたりきりで話をした事は今までに一度も無い。

 ベッドをギシリと軋ませて腰をおろすと、ネイブルは一瞬ためらってからベッドで横たわっているサフィニアへ話しかけた。

「……媚薬を抜くには快楽を得るのが手っ取り早い。サフィニア嬢、自慰はできるか?」
「じ、い……?」

 ネイブルは自分の首のうしろに手をあてながら、ハァ、とため息をつく。

「その様子だとやり方を知らねぇか……」

 サフィニアの上半身を起こすと、ネイブルはうしろからその華奢な身体を抱きしめ自分に寄りかからせるようにしてベッドの中央に座った。

 ふたりの距離が近くなり、サフィニアのつけている薔薇の香水の匂いがネイブルの鼻をくすぐる。
 気高い香りをまとうサフィニアを今から辱めなければならない事に、ネイブルは申し訳ない気持ちで胸が痛んだ。

「体、触っけど不快な感じだったらすぐに言ってくれ」
「ぇ……」

 媚薬のせいで頬を赤く染めたサフィニアが不思議そうに首を小さく傾げる。
 これから何をされるのかまだ理解していない無垢な様子に、ますますネイブルの心が締めつけられた。

 く、と喉を詰まらせサフィニアから目を逸らした視線の先で、テーブルの上の花瓶に色鮮やかな花が飾られている事に気づく。

 サフィニアが男に初めて肌を晒さなければならない場所が、綺麗で高級な宿の一室である事にネイブルはほんの少しだけ安堵した。

 苦しそうに息をしているサフィニアのドレスを少し捲り、裾の方からズボッと手を差し込んだネイブル。

 ひ、と怯えたように声を上げ逃げようと動くサフィニアの身体を、もう一方の手でギュッと抱きしめ動きを封じた。

「三回くらいイけば、楽になっから」

 ドロワーズの中に差し込まれたネイブルの指先が、サフィニアの陰核に直接触れる。

 ぃ、と小さく呟かれたサフィニアの声。
 ネイブルの耳には「痛い」と聞こえた。
 本当は反射的に、ィャ、と発した言葉だったが。

「あー俺の指ガサガサだし節もゴツゴツしてっから、いきなり触ったら痛いよな」

 ネイブルの指が陰核から離れ、サフィニアのドロワーズに触れる。

「舌で舐めた方がいいかもしんねぇ。下着、脱がすぞ」

 言葉の意味が分からずほんの少しの間キョトンとしていたサフィニアだったが、すぐに状況を理解したのか驚愕の表情を浮かべた。
 ドロワーズに指をかけたネイブルの腕を掴んでサフィニアは必死に動きを止めようとしたけれど、屈強なネイブルにとっては何の抵抗にもならない。

 ひ、と聞こえたサフィニアの高い悲鳴を無視してネイブルはドロワーズを難なく脱がせてしまった。
 その拍子にバランスを崩しうしろへと倒れていくサフィニアの身体を、高級で柔らかなベッドがふんわりと受けとめている。

 ネイブルはサフィニアの両膝を掴むと、ガバッと左右に大きく開いた。

「ぃ、ゃ、みな、ぃで……ッ」
「わかったよ。目、瞑ってっから安心しろ。俺には何も見えねぇ」

 言葉通りに目を閉じたネイブルは、そのままサフィニアの脚の付け根に向かって顔を近付けていく。

 小さな水音を立ててネイブルの舌がサフィニアの陰核へとくっついた。

「ァ、ンぅ……ッ」

 ドレスの上からネイブルの頭を掴んだサフィニアが、グッと喉を反らす。
 ネイブルは一度唇を離すと、サフィニアの脚の付け根に指を添えた。

 くぱぁ、と陰核を指で広げて、再び舌をそこへ密着させる。
 そしてそのまま舌を動かし、サフィニアの陰核をざらりとした感触で刺激した。

「ン、んッ……ぁ、んぅ、ンんッァ、ァアッ」

 何度も舌で擦ったあと、ぢぅ、とネイブルが音を立ててサフィニアの陰核を吸った瞬間、一段と甘い嬌声が室内に響く。
 サフィニアの身体がビクッビクッと震え、絶頂を迎えたことがネイブルにも分かった。

 震えが止まり脱力した様子のサフィニアの呼吸はまだ荒いが、最初よりは少し落ち着いたように見える。

 ネイブルはサフィニアの上半身を抱き起こし、自分の胸に寄りかからせるようにしてうしろから抱きしめた。

 ドレスの裾を捲り、サフィニアの内腿にそっと触れる。

「次は指でも痛くねぇかな……」
「ふッ、ぅ」

 ネイブルの指が陰核に触れた瞬間、嬌声を上げそうになったサフィニアは慌てて自分の口に手をあてて堪えた。

「声、我慢しなくていいぞ。出した方が楽だろうし」

 サフィニアは口に手をあてたまま、ぎゅッと目を瞑り小さく首を横に振っている。

「声が出ちまうのは媚薬のせいだから気にすんな、ほら出せ」

 陰核から手を離したネイブルはサフィニアの両手首を掴むと、あっという間に片手だけで拘束してしまった。
 そして空いている方の手で、再びサフィニアの脚の付け根を優しく撫で始める。

「……ぃ、ゃぁ」
「やっぱ俺の指で触ると痛いか?」

 サフィニアは首を横に振る。
 嫌と言ったのは、痛いからではない。

「こんな、はしたなぃ、姿……嫌われて、しまぅ、から」

 サフィニアの手首を拘束していた手を離すと、ネイブルはその手でサフィニアの頭をポンポンと軽く叩いた。

「このくらいで嫌いになんてならねぇよ。サフィニア嬢が真面目で品もあるってこと、生徒会で一緒だったからちゃんと知ってるって」

 ネイブルの大きな手が、宥めるようにサフィニアの頭を優しく撫でる。

「だから今は余計な事を考えなくていい。気持ちよくなっとけ」

 うしろから抱きしめるような形でサフィニアの前にまわされたネイブルの手が両方、ドレスの裾を捲りながらサフィニアの脚の付け根へ辿り着く。

 ネイブルは左手の指でサフィニアの陰核を撫でながら、そのすぐそばにある穴の入り口へ右手の指を少しずつ沈めていった。

「ふッ、ン……ァァ……」

 サフィニアから聞こえてくる、甘くて高い声。

「痛くねぇか?」

 ネイブルの問いかけに、サフィニアが小さく頷く。
 その様子を見たネイブルは、ホッと安堵の息を吐いた。
 サフィニアの中で何かを探るように、ネイブルの指がゆっくりと動き始める。
 自分の体内でネイブルの指が蠢いているのを感じ、サフィニアはビクビク身体を震わせた。

「ぁ、ャ、ィ、ャ、ッ!」

 陰核の裏側を擦られた瞬間、得体の知れない痺れが駆け抜けサフィニアの腰が反射的に浮く。

「ここか?」

 たった今サフィニアがビクッと反応した場所を、確かめるようにネイブルが指先でなぞった。

「ゃッ、ぁ、ィャ……ァ……」
「嫌って言ってるわりに、気持ちよさそうだぞ」

 ネイブルの言う通りだった。
 嫌な感じはしない。
 むしろ、気持ちいい。
 快感で身体の奥がゾクゾク震えてしまう。 

「ひぅ、はずか、し……」
「何が? 俺に触られてるのが? それとも今みたいに腰揺らして反応しちゃってるのが?」
「ど、どっち、も、です……」

 ふ、と小さくネイブルが笑った。

「やべぇ、素直で可愛いんだけど」
「ひァ、ゃ、ァ……ッ」

 サフィニアの穴のナカの気持ちいいところをネイブルの指が擦る。
 くちゅ、くちゅ、くちゅ、と淫猥な水音が聞こえ、サフィニアは激しい羞恥心に襲われた。

「ここ、外からも擦ればイけっかな」
「んンッ!」
「ぅあ、締めつけ、すげ……」

 ナカから刺激しながらサフィニアの陰核をクニクニ揺さぶると、挿し込んでいるネイブルの指がキュゥ……と締めつけられた。
 背中を弓のように反らしたサフィニアの身体がビクッビクッと震えている。
 少し時間が過ぎ震えが治まると、サフィニアの身体から力が抜けて人形のようにぐったりとしてしまった。

「あと一回イけば、媚薬も抜けるかもしんねぇな」

 仰向けに寝かせたサフィニアの脚の間に陣取り、ネイブルは彼女の両膝に手をあてて思いきり開いた。

「すっげぇ濡れてる」
「ャ……」

 小さく抵抗の言葉を発したサフィニアだったが、脚を閉じる力はもうない。





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