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甘く淫らなラブロマンスの長編版(※短編の続きではありません)
一緒にいてほしい(ラッドレン視点)
しおりを挟む好きな女性の恋は応援するべきだと、正義の心が必死に叫んでいる。
「ぁ、ほらマーコットが来たよ。声をかけた方がいいんじゃないか?」
目の前の窓ガラスを手で軽く叩くと、マーコットが上を見てこちらへ優しげな笑顔を向けた。
実は少しダークな面もあるマーコットだが、ミーネの事は大切に扱い幸せにしてくれるはずだ。
だから俺は、打ち合わせも早めに終わって時間ができた事だし二人で花祭りへ出かけてくればいい、と快く送り出さなくては。
ミーネはマーコットの事が好きなのだから。
――本当にそれでいいのか。
ミーネの事が好きなのに――
俺の中で抑えていた感情が囁いた。
いいに決まっている。
ミーネはマーコットの事が好きなのだから。
それが俺の勘違いでは無いという証拠に。
タジェロンの時とは比べ物にならないくらいの反応をみせるに違いない。
水色のワンピースの裾に手を差し込み、ミーネの太腿に触れた。
「でん、か……」
「手を振り返さないと変に思われるよ、ミーネ」
艶めかしいミーネの声。
耳まで真っ赤にして。
本命に見られているから、こんなにすぐ反応するんだろう?
クロッチ部分からショーツの中へ、指を滑らせた。
「ぁ……ッ!」
「ほら、ちゃんと手を振らないと」
「ンぅ……殿下……なぜ、こんな事を……」
ミーネが誰を好きなのか確かめるため。
好きな相手との時間を作ってあげたい。
嫌だそんな事はしたくないという本音に、無理やり蓋をして閉じ込めた。
「なぜって? 好きな相手に見られながらだと身体の反応が違うと思うから、確かめたくて」
ミーネが好きなのはマーコットだから諦めろと、自分の心に言い聞かせる。
「おそらくいつもより気持ちが昂り、身体の準備ができるのも早いはずだ」
「……ん……ぅ……ッ」
ミーネは我慢しようとしているのかもしれないが、身体は正直だ。
マーコットに見られているから、濡れ方が凄い。
俺が指で撫でているところでクチュクチュと官能的な音が聞こえる。
これなら指もすんなりと入ってしまうだろう。
「ミーネ……もうこんなになってる」
濡れそぼったソコへ指を挿れた瞬間、ぬちゅ、と水音が響いた。
「んンッ!」
声まで可愛い。
ミーネの何もかもが可愛すぎて、心がグシャグシャに乱されて。
本当は、マーコットと一緒に行ってほしくない。
俺と一緒にいてほしい。
そんな風に願ってはいけない事を強く望んでしまう。
せめて、今日は、今日だけでも。
マーコットと出かけるのは諦めて、俺と過ごしてほしい。
体だけでもいいから俺の手の中に堕ちてきてくれ――
「そうそう、ミーネはマーコットを呼び止めるつもりだったのだろう?」
手を伸ばして窓を開けた。
出かけるのは無理だという答えを、ミーネに選択してもらうために。
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