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甘く淫らなラブロマンスの長編版(※短編の続きではありません)
安心?
しおりを挟む密着していた殿下の身体が、離れていったと思ったら。
シュル……と微かにリボンの解ける音がした。
……ぇ、もしかして、脱がされてる?
肌を晒すのが恥ずかしくて抵抗しようとしたけれど、遅かった。
夜着は脱がすためにあるような作りの物しかないから。
簡単に身体から取り払われてしまう。
おそらく下着も奪われてしまって、あるべき所にない。
そうしたら脚を開かれて。
何も着てないから恥ずかしすぎて閉じようとしたけど。
たぶん殿下が脚の間にいるのだと思う、閉じられない。
「濡れているのが分かる?」
脚の付け根にある割れ目をクチュクチュ音を立てて撫でられた。
身体が勝手にビクッと弾む。
「っ、ㇺん……――」
声を上げそうになってしまい、咄嗟に手で口を塞いだ。
せっかく顔が見えないように覆っているのに。
声を出したら、サフィニア様と違う、と殿下をがっかりさせてしまう。
「口は塞がないで。声を聞かせて」
両手を優しく掴まれて、口から離された。
「っ声、出して……いいのですか?」
「たくさん聞きたい」
殿下に触られると出てしまう声、いつもよりも高いから。
もしかして、普段のサフィニア様の声と、似ていたりするのかしら。
「……俺の声が聞こえて、嫌だったりする?」
なぜか不安そうな声で、そう聞かれた。
そんな事、思うはずない。
それに今は、姿が見えない分、声を聞いてないと、不安で。
「声、聞きたいです。安心する、から」
「……安心、ね……」
……殿下、不満そう?
もしかして、怒っている?
どんな表情をしているのか、確認したい。
「……目隠しをとってもいいですか?」
「それはダメだよ」
そうよね、サフィニア様を想像したいから……。
今日はこのままの姿で、子種をいただく行為をするのかしら。
「では……頭を、撫でていてくれませんか」
「なぜ?」
「そばにいるか分からないと、不安なので」
殿下に頭を撫でてもらうと、安心するから。
せめて、それだけでも。
「手が塞がってしまうのは困るな」
殿下が、小さく笑った。
些細な願いも叶わず、胸がキュッと切ない。
「では、俺の頭を撫でていればいい」
両手を殿下に誘導された。
サラリと指に触れたのは、おそらく殿下の髪。
殿下の頭になんて初めて触れた。私のくせ毛と違ってサラサラの手触りが心地いい。
もしかして今日は、殿下の頭を撫でながら子を宿すための営みができるのかしら。
それなら、すごく嬉しい。
挿入されるのは、破瓜の時以来で少し怖いから。
今回も痛いと思うけど、殿下の髪の感触に集中していればきっと痛みも和らぐはず。
そう思いながら殿下の頭を撫でていたら、その位置が少しずつ私のお腹の方へと動いていった。
私の身体に殿下の子種を挿入するには、殿下の身体が私の足の方に移動し過ぎている気がする。
だって殿下の頭が、私の股のあたりにあるから。
突然、フッと風を感じて身体が跳ねた。
窓は閉まっているし風なんて吹いていないのに。
先ほどクチュクチュ音を立てられ濡れそぼった場所に、風を感じるのは何故――
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