27 / 98
甘く淫らなラブロマンスの長編版(※短編の続きではありません)
子種は?
しおりを挟む涙が零れたら反射的にスン、と鼻をすすってしまった。
その音に驚いたのか、私に覆い被さっていた殿下の上半身がガバッと起き上がる。
殿下と、目が合った。
顔面蒼白、という言葉がパッと思い浮かぶ。
こんな表情の殿下、初めて見た。
「ミーネ、酷い事をして……本当に、すまない……」
殿下の声が、震えている。
「大丈夫、です。殿下、私のナカ、に、全て、入れて、いただけたの、でしょうか」
普通に話したつもりだったのに。
脚の付け根から私の身体に挿入されたままの殿下の存在。
その圧迫感が凄くて、息が乱れてしまう。
「ああ、ミーネ、これで全部ナカに入っている」
ぁ…………
殿下の、が、全部、ナカに……
よか、った……
「嬉し……殿下の、子種を、いただけ、たの、ですね?」
「ぇ……と」
戸惑ったように喉を詰まらせた殿下の視線とぶつかる。
……違うの?
一度視線を逸らした殿下は、再び私の方を見つめると申し訳なさそうに言葉を続けた。
「子種を出すには……、激しく動かなければ、難しい、かと」
――激しく動く!?
入れただけで、あんなに痛かったのに!?
思わず目を見開いてしまう。
すると殿下に優しく頭を撫でられた。
いつも私を慰める時のように。
「ミーネ……これ以上は、止めておこう」
殿下の言葉にドキリとした。
ここで止めたら、もう二度と殿下にお情けをいただけないのでは。
横になったまま、シーツをギュッと掴んだ。
「止めないで、ください、殿下。お願いです」
「……そんなに妊娠したいのか、ミーネ」
コクコクと首を縦に振る。
殿下はわずかに険しい表情を見せ唇をぎゅっと結んでから、ためらいがちに口を開いた。
「それなら……少しでも痛みを和らげるように、ミーネの身体に触れ……解す事を許してもらえるだろうか?」
痛み、を……?
そう言われて、気がついた。
殿下がうっすらと汗をかいている事に。
痛みを堪えて、滲んでいる汗?
ふ、と以前ベルマリーが肩を揉んでくれた時の事を思い出した。
「ミーネ様、勉強ばかりして身体がガチガチに固まってますよ」とか言って。
私の身体がこわばっているから、殿下に痛みを与えているの?
私の身体が解されれば、殿下の痛みも和らぎますか?
殿下にマッサージをしてもらうなんて、恐れ多い、けど……。
「お願い、します……。殿下、私を、解して、ください……」
殿下が自分の指を二本、ペロリと舐めた。
その光景は、とても色気を帯びていて。
初めて見る蠱惑的な殿下の姿に、身体の奥がキュンと疼いてしまう。
「ひ、ぁっ」
唾液で濡れた指で、突然ヌルリと撫でられ腰が浮く。
なぜか殿下に撫でられたのは、脚の付け根にある小さな突起。
湯浴みの時、どのくらい力を入れて洗えばいいのかいつも困る場所。
殿下、解すって――
穴のすぐそばを、解すのですか!?
「ぁ、ハ、ァァ、んン」
ヌルヌル優しく擦られて、なんだか変な声が出てしまう。
声が漏れないよう、すぐに手で口を塞ぐ。
「ミーネ、声は聞かせて。もう間違えたくないからどう感じているのか知りたい。手は、ここでも掴んでおいて」
手をとられ、殿下のシャツに誘導された。
そして再び突起を撫でられ、甘ったるい声が鼻から抜ける。
不敬だけれど、殿下のシャツを握る手にギュッと力が入ってしまう。
「っ、凄いな、こんなに締めつけて」
気の、せい?
私の穴の直径を広げるように、殿下の象徴がグンッと一回り大きくなった気がする。
つい先ほどまで、すごく、痛かったし……
大きくなったら、さらに痛いはず、なのに。
「殿、下……、なんか、へ、ん、です……」
「変? どんな風に?」
「殿下の、が、奥に、当たって……」
「っ、大丈夫かミーネ、痛いのか?」
身体の芯が、ゾクゾク、する。
「痛く、ない、です……むし、ろ」
「むしろ?」
「殿下の、指、も、奥、も、気持ち、ぃの」
「くっ、ミー……ネ……」
はぅ、また大きくなった。
絶対に、気のせいなんかじゃない。
奥をグリッと押され、お尻がヒュッと浮くような快感が走る。
「ゃ、殿下、ァ、おっき、く、ン、しちゃ、ん、ぃゃ、ァ」
眉を寄せ苦しそうな表情で殿下が、ハッ、と短く息を吐いた。
「煽らないでくれ、動きたくなる」
「ん、ァぅ、ッ、ぁ、ャッ」
殿下の指の腹のスベスベしたところが、私の小さな突起を這う。
まるで襞の間まで洗うように反対の手の指で広げながら。
丁寧に、何度も何度も指が滑る。
「奥の気持ちいい所は、ここか?」
脚の付け根同士をつけたまま、殿下が腰を押しつけてきた。
くっついたまま腰を押し込まれているだけだから、擦られるような痛みは無い。
ほとんど動いていないのに、私のナカで殿下の先端がつんつん奥を突いてくる。
「ふッ、ン、ソコ、ィゃ、ヘン、な、ぅ」
「そうか、ここ、か」
身体の奥の方で、ゾクゾクするのが、止まらない。
足までガクガク震えてきた。
まるで、痙攣するみたいに。
な、に、この、感じ!?
怖くなって、救いを求めるように殿下の顔の方へ手を伸ばす。
そうしたら、パクリと指を咥えられた。
そのまま殿下の口内で、レロ……と指を舐められる。
指先から伝わってくる、ねっとりと生温かい殿下の舌の感触。
「ひぅ、っ、んンッ」
指を舐められ、突起を撫でられながら奥をグリッと突かれて。
「ンぅ、ん、ぁッ、ァ、ァアッ」
突然電流が流れたようにビクッビクッと身体が震え、目の前がチカチカ眩しく光り続けたかと思ったらフッと暗くなった。
21
お気に入りに追加
7,449
あなたにおすすめの小説
娼館で元夫と再会しました
無味無臭(不定期更新)
恋愛
公爵家に嫁いですぐ、寡黙な夫と厳格な義父母との関係に悩みホームシックにもなった私は、ついに耐えきれず離縁状を机に置いて嫁ぎ先から逃げ出した。
しかし実家に帰っても、そこに私の居場所はない。
連れ戻されてしまうと危惧した私は、自らの体を売って生計を立てることにした。
「シーク様…」
どうして貴方がここに?
元夫と娼館で再会してしまうなんて、なんという不運なの!
夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました
氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。
ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。
小説家になろう様にも掲載中です
貴妃エレーナ
無味無臭(不定期更新)
恋愛
「君は、私のことを恨んでいるか?」
後宮で暮らして数十年の月日が流れたある日のこと。国王ローレンスから突然そう聞かれた貴妃エレーナは戸惑ったように答えた。
「急に、どうされたのですか?」
「…分かるだろう、はぐらかさないでくれ。」
「恨んでなどいませんよ。あれは遠い昔のことですから。」
そう言われて、私は今まで蓋をしていた記憶を辿った。
どうやら彼は、若かりし頃に私とあの人の仲を引き裂いてしまったことを今も悔やんでいるらしい。
けれど、もう安心してほしい。
私は既に、今世ではあの人と縁がなかったんだと諦めている。
だから…
「陛下…!大変です、内乱が…」
え…?
ーーーーーーーーーーーーー
ここは、どこ?
さっきまで内乱が…
「エレーナ?」
陛下…?
でも若いわ。
バッと自分の顔を触る。
するとそこにはハリもあってモチモチとした、まるで若い頃の私の肌があった。
懐かしい空間と若い肌…まさか私、昔の時代に戻ったの?!
今夜は帰さない~憧れの騎士団長と濃厚な一夜を
澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ラウニは騎士団で働く事務官である。
そんな彼女が仕事で第五騎士団団長であるオリベルの執務室を訪ねると、彼の姿はなかった。
だが隣の部屋からは、彼が苦しそうに呻いている声が聞こえてきた。
そんな彼を助けようと隣室へと続く扉を開けたラウニが目にしたのは――。
お腹の子と一緒に逃げたところ、結局お腹の子の父親に捕まりました。
下菊みこと
恋愛
逃げたけど逃げ切れなかったお話。
またはチャラ男だと思ってたらヤンデレだったお話。
あるいは今度こそ幸せ家族になるお話。
ご都合主義の多分ハッピーエンド?
小説家になろう様でも投稿しています。
婚約者が巨乳好きだと知ったので、お義兄様に胸を大きくしてもらいます。
鯖
恋愛
可憐な見た目とは裏腹に、突っ走りがちな令嬢のパトリシア。婚約者のフィリップが、巨乳じゃないと女として見れない、と話しているのを聞いてしまう。
パトリシアは、小さい頃に両親を亡くし、母の弟である伯爵家で、本当の娘の様に育てられた。お世話になった家族の為にも、幸せな結婚生活を送らねばならないと、兄の様に慕っているアレックスに、あるお願いをしに行く。
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる