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しおりを挟む痛くしないし優しくすると約束する。続きをしても、よいか――
まだ会ったばかりなのに……。
でも、先ほどのアエルに対する態度や声音は作られたものではなかった……彼の事は信じても大丈夫だと本能が訴えている。
運命の相手という義務的な理由ではあるけれど、私のことを愛しいと言ってくれた。愛し、大切にするとも。
この人は、私がつらい思いをしないように丁寧に導いてくれるはず、初めてを捧げても……きっと……後悔は、しない。
そんな風に思っている自分がいて驚く。
「魔……ヴェルク、様」
耳元で囁くと、彼の身体がピクリと揺れた。
「リリィ、今……我に何か魔法を使ったか?」
? 魔法? そんな事はしていない。
「そなたに名を囁かれたら、胸が熱くなった」
甘えるように私の肩に顔をうずめる彼。
身体は大きいのに、なんだか可愛い。
「こんな感覚、初めだ」
「ヴェルク様……」
彼の髪に、そっと手を添える。
「続きを……していただきたいです」
背中にまわされていたヴェルク様の手が、私の脇腹から臍の横を滑り上へとむかう。
そのまま乳房の輪郭をなぞられて、身体がピクンと跳ねる。
顔を上げたヴェルク様にジッと胸を見つめられ、その熱を帯びた視線で溶かされてしまうかと思った。
「大丈夫そうだな。……では、続きを、しようか」
脇の下に手を入れられて、ヒョイと身体が浮きヴェルク様の脚の上から降ろされる。
「足を持ち上げるから、溺れぬようにな」
ヴェルク様は私の左足のふくらはぎを軽く掴むと、水面より高くガバッと持ち上げた。
必然的に、私は脚を思いきり開くことになってしまう。
よろけそうになったので、両手を後ろについて身体を支えた。
乳白色の湯の中は見えないとはいえ、この体勢なんだかとても恥ずかしいのですが……。
そんな私の方へヴェルク様が身体を少し寄せたので、緊張で全身が強張った。
い、いきなりここでなさるのですか、ヴェルク様!?
「ふ、ぅ、ンぁ、ぁ、ぃゃ……」
「リリィはここが弱いのか。ハハッ、そんな姿もまた可愛いらしい」
「はず、かし、ィ、です、ンッ」
「今まで、こんな風にされたことは?」
「こ、んな、ァン、こと、ァ、はじ、めて、で」
「ふむ、ではリリィのこの姿を見るのは我が初めてということか」
なぜか満足そうに口角を上げたヴェルク様。
そんな意地悪そうな顔しても、妖艶な美しさを纏っているなんて、狡いです。
「やっぱり、そこ、汚い、からァ、んン、ダ、メェ……」
「汚くなんてない。リリィのここも、すごく甘いぞ。まだ止まらず出てくるから、舐め尽くしてあげねばな」
「んッ、ゃアッ、そ、んな、ァァっ、とこ、なめ、ちゃ……ぃ、ゃ」
「このあと痛くならないように、たくさんしておく必要がある。我にまかせておけばよい」
「ヴェル、ク、さまぁ、ッ、ぁぁ……」
「その表情で我の名を呼ばれるとクるな、リリィ」
ヴェルク様の舌使いが激しくて艶めかしくて、背中を反らせて刺激に耐える。
身体を支えている腕がガクガクして、今にも身体が崩れ落ちそう。
結界の外で私たちの会話を聞いている人がいたら誤解のないように声を大にして言いたい。
実際には自分でも信じられないくらい甘ったるい声しか口から出てこないけれど。
ヴェルク様は卑しさのかけらもない魔王でした。
人間の私の方が煩悩だらけで恥ずかしいくらいに。
てっきり性行為をされるものだとばかり思っていた自分を叱ってやりたい。
ヴェルク様は純粋に私の治療をしてくれています。
汚いからと断りましたが、直接舐めた方が治りが早いとおっしゃって。
魔王に足の裏を舐められる聖女なんて、そうそういないのではないでしょうか。
でも、足の裏って……舐められるとゾクゾクするのですね。
先ほど乳房を舐められた時のように、なぜか下腹部も切ないくらいにジンジンしてくるし。
「顔が真っ赤だリリィ。いま血が止まったから、もう少しで治療も終わる。のぼせる前に出なければな」
「熱い、ですぅ……」
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
【お詫びとお知らせ】
今回は肩すかし回となり大変失礼いたしました。m(_ _)m
その代わりと言ってはなんですが、他作『婚約破棄予定の御曹司に溺愛調教される無自覚ドSな同居生活でお試し中です』にて
ラブ仕様クリスマスバージョンのお話を投稿しておりますので、もしよろしければお立ち寄りください。
また、今後2週間程度、もしかしたら投稿ができないかもしれません。
お待たせしてしまうことになり大変申し訳ありませんが、今しばらくお待ちいただければ幸いです。
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