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しおりを挟む「凄い……」
成瀬君に手をひかれて辿り着いた部屋は、もの凄く広い部屋だった。
利用したことないから分からないけれど、スイートルームというものかもしれない。
しかもドアを開けてすぐ目に入った壁一面の大きな窓の外には、キラキラと煌めく夜景が広がっている。
レストランで見た夜景も素晴らしかったけれど、最上階のこの部屋から見えるのは遠くまで宝石を散りばめたような無数の光。
部屋に入ったところで成瀬君の手が離されたので、窓際まで行き夜景を眺めた。
光に手が届かないのは分かっているけれど、窓ガラスにそっと手を当ててみる。
いつの間にか後ろに立っていた成瀬君の手が背後から伸びてきて、思わず肩がビクッとしてしまう。
窓ガラスに置いた私の両手に、成瀬君の大きな手がそれぞれ重ねられた。
耳元で、切なさを帯びたテノールが甘く響く。
「桜井、俺と結婚して成瀬になって。いや、俺が桜井になってもいい。もう二度と、またね、なんて聞きたくない」
結婚……?
成瀬君、本気で言ってるの……?
「そのためにも今日は俺の身体を憶えさせるから」
え? 身体? 憶えさせる??
背中のファスナーがジジジィーとおろされた。
続いてプツン、とブラのホックが外される。
「またね、なんて言わせないように。桜井の方から俺を求めたくなるように」
開いたファスナーから成瀬君の手がワンピースの中に潜り込み、私の身体の前へとまわり胸をやわやわと揉んだ。
「ぁぁ、桜井の身体、本当に柔らかい……」
心の底から幸せそうに呟く成瀬君。
その声を聞いたら胸がキュンと切なくなった。
でも目の前には夜景が広がっていて、まるで、外でされてるみたいで。
恥ずかしすぎて、外が見ていられなくて、首をひねってうしろにいる成瀬君に助けを求める。
「や、なるせ、く、んッ」
「桜井、今すごくエロい顔してる。俺の事煽り過ぎ」
「んッ、ゃぁ……!」
エロい顔って、何?
「カー、テ……しめ、て……」
「何で?」
「はず、かし……から……ぁ……」
「大丈夫、ここのホテルの部屋は外からは見えないって鈴木が言ってた。あいつこういう情報詳しいから、安心して」
鈴木さんって副社長秘書の?
そういえばうちの会社、安全に滞在できる施設を海外セレブ向けに紹介している部署がある。
かと言って成瀬君にうしろからこんな事されて……安心なんてできない。
「でも、桜井が心配なら、外からは見えないようにうしろしか捲らないから」
ワンピースのうしろの裾がファサッとお尻まで捲られた。
私の後ろ姿は空気に晒され、無防備この上ない状態。
成瀬君の指が、ストッキングの上から私のショーツのクロッチ部分を擦りながら何度も往復する。
「ンンッ、ィャ、ャ、ァ……」
「桜井の声が可愛すぎて、俺、情けないくらい余裕ない」
胸を揉んでいた成瀬君の手が離れていった。
余裕ないから、これ以上しないってこと?
終わり、なの、かな……?
「ごめんな、優しく脱がせられなくて。あとで弁償するから」
弁償? 何、を??
ビリッと何かが裂ける音がしたと思ったら、ショーツのクロッチ部分が少しずらされヌチュ、と響く水音。
!!??
成瀬君、直接、触ってる!?
ストッキング破られ……!?
「っ、ぁあッ、ハ、んッ」
靴は脱いでないしストッキングも穿いたままなのに、クロッチ部分から入り込んだ成瀬君の指が淫らな液をクチュクチュと泡立てていく。
「ゃ、ぁ、ぁぁ……」
「桜井、職場にはスカート穿いてこない方がいいよ」
「ン、ぁ……ど、して……?」
ぬちゅ、と音を立てて成瀬君の指が穴のナカに入ってきた。
「俺、絶対にこうしたくなる」
成瀬君に、会社でこんな事を――?
一瞬だけど、会社で成瀬君に触られ乱れている自分を想像してしまった。
お腹の奥が切なくなる。
「あ、きゅぅって締まった。桜井、もしかして今やらしい事考えた?」
「ゃ、言わな、でぇ」
「真面目なのにえっちな桜井、可愛い」
水辺のそばの小石をクリクリ親指で転がしながら、成瀬君の指がにゅちゅにゅちゅと穴のナカを掻き混ぜる。
いつの間にかもう片方の手は胸の頂を完璧に捕らえ、甘い刺激を与えていて。
とどめとばかりに背骨でヌルル……と舌を這わされて、私の膝がガクガク揺れた。
身体が崩れ落ちそうになったけれど、成瀬君の腕に支えられる。
そこからは意識がない。
ただ意識がなくなる寸前に「好きだ、桜井」と囁く声が聞こえ、唇に柔らかいものが触れた気がした。
ンッ、ふ、ぅ……
奇妙な甘い感覚で目が覚めた。
なんか、寝言で変な声が出ちゃった気がする。
なにか怖い夢でも見たのかな、私。
あれ? 成瀬君??
どうして私のそんなところに
顔をうずめているの???
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