26 / 28
プロハーレムマスター(笑)編
アイスの日再び
しおりを挟む
「ねえ、たかちゃん。」
「あ、なんだ。」
「何か変わったことに気がついた?」
「うーん、特に何も。」
松木加代は、絶賛俺の上にぐでーっといつものように腹ばいになりながらアイスを食べている。アイスが時々、俺の腹のシャツの上に落ちてきて気持ち悪い。
「なあ、お前がこんなにひっついてると暑くてかなわんのだが。」
「中学生とこんなにひっつけるなんて滅多にないことだよ。感謝しないと。」
「いや、もう不快指数が天元突破なんだけど。」
「あーあ。夢がないなー、たかちゃんは。で、何か気がついた。」
「うーん、あ、髪切った?」
「違うよ!先月切ってそのまま。切った時にも尋ねたけど全然あてられなかったじゃん。」
「そうだっけか。」
クーラーはあまりいい仕事をしていないようだ。しかし、中学生とはいえ、女性に腹の上に乗っかられているというのは、もしかしたら、事案なのではないか。俺は、ぼーっと考えていた。
「あ、わかった!そのTシャツ、新しいだろ?」
「これ、去年一緒に買いに行って大きかったから寝かして置いたやつ。そんなこともわすれちゃったの、たかちゃん。」
「うーん、ヒントは?」
「そうだなあ。私の成長です。」
「わかった、身長が伸びたんだ。」
「いや、その兆候すらない。たかちゃんも小さいけど、私もこのまま伸びないかも。まあ、どうせ、たかちゃんにもらってもらうには、いいサイズだと思うからいいか。」
「だとすると・・・・・。」
俺は、考えるのを放棄した。どこからか蝉の声が聞こえてくる。暑い夏だ。
「なんだ、資格でも取れたとか。英検とか、漢検とか。」
「たかちゃんのアホ!そんなの外見からわからないじゃないか。」
「そうかな。俺たちは、日々成長している。そして、徐々に、死に近づいていっている。毎日、1日ずつ着実に墓場に向かっているのだ。」
「こわ、こっわ。何そのネガティブ・シンキング。中学生にそんなこというなんて、ひくわー。」
「ギブ。」
「ふっふっふっー。なんと加代ちゃんのバストが1cmも大きくなったのだ!おののけ。」
「うーん、そうか?さっきから感じられるのは、肋骨だけだが・・・・。」
「たかちゃんのアホー!」
「ギェー!!!」
いきなり、股間を殴られて俺は悶絶した。
「あ、ごめん、使い物にならなくなってないよね。ちょっと加代ちゃんに見せてみ!」
「アホか見せるか。」
俺は痛みが引くまで手足をぐたーっと投げ出した。
「ごめんよ、アイスちょっと舐めていいから。」
「おう、助かる。」
俺は加代のアイスをもらって全部食べてやった。
「あ、ひどーい!たかちゃんのバカー!」
「バカって言う奴がバカなんだぞ!」
俺たちはしばらく怒鳴りあったが疲弊してやめた。
「ねえ。」
「なんだ。」
「罰としてアイスおごってよ。」
「おう。スーパーカップでいいか?」
「いや、なぜそれで妥協すると思う?」
「小学生の時は喜んで食べてたじゃん。」
「あん時はあん時、今は今。」
「じゃ、モールの中のイタリアンジェラートでも食べにいくか?」
「おう!」
「門の前で20分後に会おう。」
ところが、俺が外に出てみると、みんなが俺を待ち構えていた。
「お前らなー!」
大舘沙羅が、偉そうに、踏ん反り返った。
「イタリアンジェラートと聞いて飛んできましたわ。輝さん、いい仕事をなさいましたわ。」
「奥様、ほめてほめてー。ボクやったよ!」
こいつら揃いも揃って暇なのか?なあ。
「やっほーお兄さまー。きてあげたよー。嬉しい?」
大迫留里。こいつはガチの現役アイドルだ。生意気にもサングラスをかけている。変装のつもりなのだろう。池乃恋もいるが、なぜか西瓜こと竹下桃と一緒にメイド服を着せられている。
「ああ、これですの、この間の罰として、しばらくメイドをやらせているのですわ。おほほほほ!」
沙羅は、怖い。恋も西瓜も、わなわなと震えている。
「ぼっちゃま、私たちも警護でお伴しますわ!」
春さんと、霞がどこからともなく現れた。
「わ、私はじゃあ、記録係でついていく。」
電柱の後ろから楓がビデオカメラ(4K)を抱えて飛び出してくる。記録係ってなんぞや?
すると、向こうからハアハアと加代が走ってきた。
「あー、たかちゃん、ずるい!どうなってるの?」
お前が遅いせいで、つかまってしまったわい!
俺たちは拉致されてマイクロバスに放り込まれた。
「なあ、モールだったら歩いてもいけるだろ?」
「何をおっしゃいますの。今から、イタリアに参りますわよ!」
「マジか!」
すると、後ろからひょこっと顔を出した胸の薄い女がいた。
「あんたたちのせいで、ずっとタダ働きさせられてるのよ!どうしてくれるの!」
「誰だっけ?」
「私よ私、天才キューチューバーの姉崎京子様よ!」
「あ、登録者数9千人の!」
「ちゃんとあたしのこと覚えてんじゃないのよ!具体的な数字まで!」
「いやー忘れてたなー。なんて、俺たち登録者数300万人を突破しちゃったしー!」
俺が煽ると胸の薄い女は、ぷるぷる震えていた。しかし、かわいそうにプライベートジェットではメイド服に着替えさせられて給仕の仕事をさせられていた。こんど、チャンネル登録者数の増やし方教えてやろう。
女性たちに埋もれて暑くなってボーっと考える俺なのであった。
「あ、なんだ。」
「何か変わったことに気がついた?」
「うーん、特に何も。」
松木加代は、絶賛俺の上にぐでーっといつものように腹ばいになりながらアイスを食べている。アイスが時々、俺の腹のシャツの上に落ちてきて気持ち悪い。
「なあ、お前がこんなにひっついてると暑くてかなわんのだが。」
「中学生とこんなにひっつけるなんて滅多にないことだよ。感謝しないと。」
「いや、もう不快指数が天元突破なんだけど。」
「あーあ。夢がないなー、たかちゃんは。で、何か気がついた。」
「うーん、あ、髪切った?」
「違うよ!先月切ってそのまま。切った時にも尋ねたけど全然あてられなかったじゃん。」
「そうだっけか。」
クーラーはあまりいい仕事をしていないようだ。しかし、中学生とはいえ、女性に腹の上に乗っかられているというのは、もしかしたら、事案なのではないか。俺は、ぼーっと考えていた。
「あ、わかった!そのTシャツ、新しいだろ?」
「これ、去年一緒に買いに行って大きかったから寝かして置いたやつ。そんなこともわすれちゃったの、たかちゃん。」
「うーん、ヒントは?」
「そうだなあ。私の成長です。」
「わかった、身長が伸びたんだ。」
「いや、その兆候すらない。たかちゃんも小さいけど、私もこのまま伸びないかも。まあ、どうせ、たかちゃんにもらってもらうには、いいサイズだと思うからいいか。」
「だとすると・・・・・。」
俺は、考えるのを放棄した。どこからか蝉の声が聞こえてくる。暑い夏だ。
「なんだ、資格でも取れたとか。英検とか、漢検とか。」
「たかちゃんのアホ!そんなの外見からわからないじゃないか。」
「そうかな。俺たちは、日々成長している。そして、徐々に、死に近づいていっている。毎日、1日ずつ着実に墓場に向かっているのだ。」
「こわ、こっわ。何そのネガティブ・シンキング。中学生にそんなこというなんて、ひくわー。」
「ギブ。」
「ふっふっふっー。なんと加代ちゃんのバストが1cmも大きくなったのだ!おののけ。」
「うーん、そうか?さっきから感じられるのは、肋骨だけだが・・・・。」
「たかちゃんのアホー!」
「ギェー!!!」
いきなり、股間を殴られて俺は悶絶した。
「あ、ごめん、使い物にならなくなってないよね。ちょっと加代ちゃんに見せてみ!」
「アホか見せるか。」
俺は痛みが引くまで手足をぐたーっと投げ出した。
「ごめんよ、アイスちょっと舐めていいから。」
「おう、助かる。」
俺は加代のアイスをもらって全部食べてやった。
「あ、ひどーい!たかちゃんのバカー!」
「バカって言う奴がバカなんだぞ!」
俺たちはしばらく怒鳴りあったが疲弊してやめた。
「ねえ。」
「なんだ。」
「罰としてアイスおごってよ。」
「おう。スーパーカップでいいか?」
「いや、なぜそれで妥協すると思う?」
「小学生の時は喜んで食べてたじゃん。」
「あん時はあん時、今は今。」
「じゃ、モールの中のイタリアンジェラートでも食べにいくか?」
「おう!」
「門の前で20分後に会おう。」
ところが、俺が外に出てみると、みんなが俺を待ち構えていた。
「お前らなー!」
大舘沙羅が、偉そうに、踏ん反り返った。
「イタリアンジェラートと聞いて飛んできましたわ。輝さん、いい仕事をなさいましたわ。」
「奥様、ほめてほめてー。ボクやったよ!」
こいつら揃いも揃って暇なのか?なあ。
「やっほーお兄さまー。きてあげたよー。嬉しい?」
大迫留里。こいつはガチの現役アイドルだ。生意気にもサングラスをかけている。変装のつもりなのだろう。池乃恋もいるが、なぜか西瓜こと竹下桃と一緒にメイド服を着せられている。
「ああ、これですの、この間の罰として、しばらくメイドをやらせているのですわ。おほほほほ!」
沙羅は、怖い。恋も西瓜も、わなわなと震えている。
「ぼっちゃま、私たちも警護でお伴しますわ!」
春さんと、霞がどこからともなく現れた。
「わ、私はじゃあ、記録係でついていく。」
電柱の後ろから楓がビデオカメラ(4K)を抱えて飛び出してくる。記録係ってなんぞや?
すると、向こうからハアハアと加代が走ってきた。
「あー、たかちゃん、ずるい!どうなってるの?」
お前が遅いせいで、つかまってしまったわい!
俺たちは拉致されてマイクロバスに放り込まれた。
「なあ、モールだったら歩いてもいけるだろ?」
「何をおっしゃいますの。今から、イタリアに参りますわよ!」
「マジか!」
すると、後ろからひょこっと顔を出した胸の薄い女がいた。
「あんたたちのせいで、ずっとタダ働きさせられてるのよ!どうしてくれるの!」
「誰だっけ?」
「私よ私、天才キューチューバーの姉崎京子様よ!」
「あ、登録者数9千人の!」
「ちゃんとあたしのこと覚えてんじゃないのよ!具体的な数字まで!」
「いやー忘れてたなー。なんて、俺たち登録者数300万人を突破しちゃったしー!」
俺が煽ると胸の薄い女は、ぷるぷる震えていた。しかし、かわいそうにプライベートジェットではメイド服に着替えさせられて給仕の仕事をさせられていた。こんど、チャンネル登録者数の増やし方教えてやろう。
女性たちに埋もれて暑くなってボーっと考える俺なのであった。
0
お気に入りに追加
14
あなたにおすすめの小説
一目ぼれした小3美少女が、ゲテモノ好き変態思考者だと、僕はまだ知らない
草笛あたる(乱暴)
恋愛
《視点・山柿》
大学入試を目前にしていた山柿が、一目惚れしたのは黒髪ロングの美少女、岩田愛里。
その子はよりにもよって親友岩田の妹で、しかも小学3年生!!
《視点・愛里》
兄さんの親友だと思っていた人は、恐ろしい顔をしていた。
だけどその怖顔が、なんだろう素敵! そして偶然が重なってしまい禁断の合体!
あーれーっ、それだめ、いやいや、でもくせになりそうっ!
身体が恋したってことなのかしら……っ?
男女双方の視点から読むラブコメ。
タイトル変更しました!!
前タイトル《 恐怖顔男が惚れたのは、変態思考美少女でした 》
全力でおせっかいさせていただきます。―私はツンで美形な先輩の食事係―
入海月子
青春
佐伯優は高校1年生。カメラが趣味。ある日、高校の屋上で出会った超美形の先輩、久住遥斗にモデルになってもらうかわりに、彼の昼食を用意する約束をした。
遥斗はなぜか学校に住みついていて、衣食は女生徒からもらったものでまかなっていた。その報酬とは遥斗に抱いてもらえるというもの。
本当なの?遥斗が気になって仕方ない優は――。
優が薄幸の遥斗を笑顔にしようと頑張る話です。
粗暴で優しい幼馴染彼氏はおっとり系彼女を好きすぎる
春音優月
恋愛
おっとりふわふわ大学生の一色のどかは、中学生の時から付き合っている幼馴染彼氏の黒瀬逸希と同棲中。態度や口は荒っぽい逸希だけど、のどかへの愛は大きすぎるほど。
幸せいっぱいなはずなのに、逸希から一度も「好き」と言われてないことに気がついてしまって……?
幼馴染大学生の糖度高めなショートストーリー。
2024.03.06
イラスト:雪緒さま
夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました
氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。
ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。
小説家になろう様にも掲載中です
王妃の仕事なんて知りません、今から逃げます!
gacchi
恋愛
側妃を迎えるって、え?聞いてないよ?
王妃の仕事が大変でも頑張ってたのは、レオルドが好きだから。
国への責任感?そんなの無いよ。もういい。私、逃げるから!
12/16加筆修正したものをカクヨムに投稿しました。
10 sweet wedding
国樹田 樹
恋愛
『十年後もお互い独身だったら、結婚しよう』 そんな、どこかのドラマで見た様な約束をした私達。 けれど十年後の今日、私は彼の妻になった。 ……そんな二人の、式後のお話。
私のドレスを奪った異母妹に、もう大事なものは奪わせない
文野多咲
恋愛
優月(ゆづき)が自宅屋敷に帰ると、異母妹が優月のウェディングドレスを試着していた。その日縫い上がったばかりで、優月もまだ袖を通していなかった。
使用人たちが「まるで、異母妹のためにあつらえたドレスのよう」と褒め称えており、優月の婚約者まで「異母妹の方が似合う」と褒めている。
優月が異母妹に「どうして勝手に着たの?」と訊けば「ちょっと着てみただけよ」と言う。
婚約者は「異母妹なんだから、ちょっとくらいいじゃないか」と言う。
「ちょっとじゃないわ。私はドレスを盗られたも同じよ!」と言えば、父の後妻は「悪気があったわけじゃないのに、心が狭い」と優月の頬をぶった。
優月は父親に婚約解消を願い出た。婚約者は父親が決めた相手で、優月にはもう彼を信頼できない。
父親に事情を説明すると、「大げさだなあ」と取り合わず、「優月は異母妹に嫉妬しているだけだ、婚約者には異母妹を褒めないように言っておく」と言われる。
嫉妬じゃないのに、どうしてわかってくれないの?
優月は父親をも信頼できなくなる。
婚約者は優月を手に入れるために、優月を襲おうとした。絶体絶命の優月の前に現れたのは、叔父だった。
旦那の真実の愛の相手がやってきた。今まで邪魔をしてしまっていた妻はお祝いにリボンもおつけします
暖夢 由
恋愛
「キュリール様、私カダール様と心から愛し合っておりますの。
いつ子を身ごもってもおかしくはありません。いえ、お腹には既に育っているかもしれません。
子を身ごもってからでは遅いのです。
あんな素晴らしい男性、キュリール様が手放せないのも頷けますが、カダール様のことを想うならどうか潔く身を引いてカダール様の幸せを願ってあげてください」
伯爵家にいきなりやってきた女(ナリッタ)はそういった。
女は小説を読むかのように旦那とのなれそめから今までの話を話した。
妻であるキュリールは彼女の存在を今日まで知らなかった。
だから恥じた。
「こんなにもあの人のことを愛してくださる方がいるのにそれを阻んでいたなんて私はなんて野暮なのかしら。
本当に恥ずかしい…
私は潔く身を引くことにしますわ………」
そう言って女がサインした書類を神殿にもっていくことにする。
「私もあなたたちの真実の愛の前には敵いそうもないもの。
私は急ぎ神殿にこの書類を持っていくわ。
手続きが終わり次第、あの人にあなたの元へ向かうように伝えるわ。
そうだわ、私からお祝いとしていくつか宝石をプレゼントさせて頂きたいの。リボンもお付けしていいかしら。可愛らしいあなたととてもよく合うと思うの」
こうして一つの夫婦の姿が形を変えていく。
---------------------------------------------
※架空のお話です。
※設定が甘い部分があるかと思います。「仕方ないなぁ」とお赦しくださいませ。
※現実世界とは異なりますのでご理解ください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる