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かわいそう(笑)なプレイボーイ

最悪の目覚め

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「孝様」「お兄様」「たかなくん」「たかちゃん!」「たかくん!」

今日もうるさい目覚めだった。

たまには、鳥のさえずりで優雅に目覚めたいものだ。

「おまいら、俺をほっといてくれ!つーかどうやって入った!」
俺は、掛け布団を引き寄せ周りを見渡した。肉食女子から身を守るように布団にくるまった俺、まさしく食われる5秒前。

「簡単ですわ!」

巨大な胸を強調するように張ったのは、俺の親のグループ子会社社長令嬢大館紗羅。どうでもいいが、でけえな。いろいろと。

「孝様のお母様からいただいたに決まっております。それに・・・」

後ろで礼をするのは、俺つきメイドの春さんだ。

「春さんにもちょっと心付けを・・・」
「賄賂かい!」

俺を獲物を追う目で眺めているのは、このお嬢様、現役妹アイドル大迫留理。テニス部部長、池乃恋、お隣の中学生松木加代、そして俺のストーカー歴16年日比野楓の五人である。ああ、どうしてこうなった。俺が欲しいのは、俺を心から愛してくれる女の子だけなのに。

「あのなあ、今から着替えるから、でてってくれ。」
「いやですわ。」「手伝ってあげるよ~!」「手伝いますわ!」「ぬげ~!」「はあはあ、写真機を・・・・・」

写真機ってなんぞや、っていうか、写真にとんなよ、ストーカー!

「あのなあ、男には生理的現象ってもんがあるんだよ、でてけ。」
「ふふ、それなら、もうさっきみんなで確認しましたわ!ずいぶんとかわいい」
「ストップ!その先は、15禁になっちまう!やめてくれ!」
「なんのことかわからないけど、でていってあげるね。」

しかし、一人だけ残ってじーっと見ているストーカー。怖い。こいつの部屋には、俺のグッズでいっぱいだと、一度春さんが顔を青くして報告してくれた。怖いからいいや。もう。

「なあ、楓もでてけよ!」
「き、きしゅしてくれたら!」
「するかボケ!」
「幼稚園のころはしてくれた!」

そうなのだ。生まれた時から同じ病院、同じ保育園と、運命を感じてしまった楓は、立派な俺のストーカ化してしまった。小さいころはあんなに可愛かったのに、はぁー。

「あ、すみません。でていってください。おねげえしますだ。」
「わかったわ。また、一つ貸しよ。」

どうでもいいわ!もう貸しが10万は超えているだろう。

「まだ、9万8千、10万超えたら、結婚してもらうから・・・・・・」

俺の心まで読めるようになったのかこいつ。

ゾゾゾーとしながら、俺は着替えるのだ。どうしてこうなった。
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