星降る丘

七瀬ななし

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新時代の幕開け

新しい時間

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俺は、シンディの乗った箱舟の横に新しい箱舟を横付けした。
向こうからしてみれば、超高速で飛んでいる横にいきなり俺たちが出現したものだから驚いたろう。

「もしかして、五郎なの。」

懐かしいシンディの声だ。

「よお、シンディ、10年ぶりっていうか、そっちだともう少し短く感じたかな。」
「まだ亜光速にもなっていないからそれはないけど・・・・・一体何があったの。」

俺は、細かい出来事を説明した。

「はあ?神様に会った?」
「というか、神様の知り合いの神様っていうか、俺たちを発生させた神様の知り合いにこの技術教えてもらったんだ。」
「で、もう向こうはすっかり植民が終わっているのね。」
「そうだ。それで、この船も改造して、一気に飛ぼうと思っている。」
「はあ、なんてデタラメな。」

結局、全て地球を覆うことはできなかったが、ガンマバーストに合わせて回転するベルトで対応した。ただ、多かれ少なかれ被害が出ることはわかったので、シンディたちが向かった先を調べたら、ビンゴ。植民に適した惑星が2つも見つかったので、そちらに我々は逃れている。あっという間につけるのだから、回数はかかるが、箱舟何万台かで行き来すれば植民も楽だったというわけだ。箱舟の建設は金がかかったが、それでも地球全てを覆うスフィアよりは安かったし。

「なるほど、じゃあ、宇宙エレベーターは相当役に立ったっていうわけね。」
「まあね。ある程度の大きさの箱さえあれば、それを軌道上に移動させるのも一瞬になったからね。」
「それって、将来的には、エレベーターに乗ると、植民地に将来的にいけるようになる可能性があるってこと?」
「現時点では無理だけど。もしかしたらね。」

俺たちが話している間にも、ナノマシンで生成された工作機械での作業は終わり、シンディ達の箱舟は、我々のものと同じ仕様になった。

「さあ、ジャンプの時間だ。」

俺たちは、植民した惑星の1つに飛んだ。

「新しい世界にようこそ。」

俺は、シンディにそう囁いた。眼下に広がる異世界は、すでに植民を終えているとはいえ、まだまだ未開の地という感じだ。

「フロンティアって、こういうものなのかしらね。」
「どうなんだろうか。」

俺たちの船は、軌道上にとどまり、ステーションへと接舷した。そこから地上までは一瞬だった。
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