星降る丘

七瀬ななし

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新時代の幕開け

人類の箱舟

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俺は、建設のお願いを元老人たちに進言した。現在は、老人たちの外見もそれぞれの好みによって若者であったり壮年であったりするのだが。
 
「にわかには信じられないことなのだが」
「でも事実です。」
「その巨大な構築物を誰が資金提供するのかね。」
「各国政府ということになるかと思います。あまりにも巨大なプロジェクトですので、一企業が出来る範疇を超えておりますので。」
「だから、各国に顔がきく我々にお願いをしていると?」
「その通りです。」

アバター同士のリンクによって、言語の壁は、ほぼ感じられない。もう、意識することもほぼなくなってしまったが。

「それで、連中が、この情報と、技術提供の見返りに要求したものは何かね。」
「おそらく、情報かと。あとは、我々を観察して、いろいろな知見を得るためかと。」
「こんな原始的な生命体を観察して、何か、連中に意味があるのかね。」
「さあ、しかし、我々も、ナノマシン群のために、ほぼ労働などはなくなりましたし、死ななくなったことにより芸術やエンタメも変わりました。連中ほどの生命体が欲するものが何か、おそらく我々もその高みに登らなければわからないかと。でも、まずは、この問題を乗り切らないと大絶滅が待ち受けております。」

俺としては、もっと時間が欲しかったが、教えてくれただけでもありがたいとせねば。ある日突然前触れもなく、人類が滅びるというシナリオに比べたら格段にましだし。

俺はとりあえず、俺ができる範疇でのプランを実行に移すことにした。ちょうど、箱舟のノウハウがあるので、その箱舟に、例の移動手段を載せれば、移住可能な惑星を見つけることはたやすいだろう。俺はこれをプランBとして、俺たちの社運をかけた事業としたのであった。
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