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散髪スキルは世界を変える!

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自分が少し強くなってレイが気がついたこと。それは。

「あ、ダメだこりゃ!」

そして暗闇が訪れた。

「えーと、どのぐらい寝てた。」

「主様の回復スキルのおかげか、気絶したのは、1時間といったところか。」

「まあ、回復スキル役に立ったな。しかし・・・・・・。」

レイは、剣聖の強さを思い出して身震いした。このままでは回復をマックスにでもしない限り立ち向かえない。かといって、そこまで待っていて毎回死にそうになるのも、難儀だ・・・・・・・・。

「こうなったら、搦め手で行くか・・・・・。」

その日からレイはストーカーになった。何を悲うてむさいオッサンのストーカーをせねばならんのか。

そして、この剣聖が、実はムッツリで、自分がモテたいと思っていることに気がついた。嫌な幼児だ。こんなことに気がつくなんて・・・・・。

「ほう、さすれば、お前がこのワシの男前度を上げてくれるというのか。」

「はい、師匠。幸いなことに、私は、散髪スキル(中)を持っております。それを使えば、モテモテになること、間違いなしです。」

「剣聖は、そんな世俗のことには興味がないが・・・・・。」

嘘ばっかりである。食いつくようにレイを見ているが、そこは見ないふりをしてあげた。

「まあやってみるが良い。」

そこからレイは努力した。ムサいオッサンが少しだけ格好良くなるようにだ。

「うわっははは!さすがは、ワシじゃ。男前じゃのう。」

「はい師匠、惚れ惚れするぐらい格好いいです。」

「よし、今日はちょっと用事があるから、午後の訓練はなしじゃ!」

小さくガッツポーズをするレイであった。

「で、どうするのじゃ。主様。」

「これさ、これ!」

そこには剣聖の髪の毛が山となっていた。

「まさか・・・・・。」

「まあ血が一番良かったけど、背に腹は変えられない。」

「髪の毛を食べるのか?うへえ。」

レイもやりたくなかった。ヒゲを剃っている時に、なんとか血を得られないものかと思ったが、剣聖の防御は、カミソリをはるかに上回っていた。髪の毛だって、かなり強化したミスリルのハサミでやっと切れたぐらいだったから。


「まずい・・・・・・。」

泣きながらもしゃもしゃ毛を食べるレイであった。

しかしおかげで、剣聖の持つスキルが(小)という限定的なものであったが手に入れられた。あとは訓練で伸ばしていくだけだ。


意外なことに。レイのヘアカットは大評判で、大勢の屋敷の人間がカットに訪れた。そのついでに髪の毛からいろいろスキルを得るレイであった。



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