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ドワーフの武器
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この取引で、レイが期待していたのは、これで手に入るガラクタであった。実は領民には、こうやって廃品回収をするからいらないガラクタを分けてくれるように頼んでいたのだ。
もちろんガラクタとはいえども鉄などが使われていれば鋳つぶしてリサイクルするのであるが、そこはそれ。肉の価値は高い(特にこの蝙蝠?は大変美味で知られなかなか手に入らないので)ウィンウィンの取引となっているのだ。
そしてある日、壊れてしまった短剣を手に入れたレイは欣喜雀躍とした。
「ヤバイ、またドワーフのガラハド作の武器だ。こんなところでまた手に入るなんて、ここに住んでいたのか?」
レイは知らなかったが、ここがガラハドの生地に近く、修行時代の習作がゴロゴロしていたのだ。ただ、古くなってしまって領民はその価値を知らないのだが、価値を知っている人が見たらたとえ習作とはいえ、絶対手放さな逸品が多かったのである。
「これは幸運だったな。」
レイはインベントリに入れてひとりごちた。この短剣、大人では短くメインウェポンとしては物足りないが、3歳児の彼には大剣並みである。おそらく10歳まではメインとして使えるのではないかとホクホクとした。
既にレイはガラハド作の武器や装備を3点も手に入れていた。守りの腕輪、知恵の指輪、そしてこの短剣である。
実はレイは知らなかったのだが、ガラハド作の腕輪や指輪は、短剣などよりもよっぽどお宝といってもいいものであった。好事家が見たらそれこそ、どんなにふっかけられても手に入れたいと思う品であった。
なぜなら、ガラハド作のアクセサリーほぼ現存しないと考えられていたからだ。自分の工房を開いてからは、レベルがあまり高くなくても作成できる腕輪や指輪などは、弟子に任せていたため、ガラハド工房作のアクセサリーはかなりの数現存していても本人作のものは、もうほぼ王宮にしか存在しない国宝級のものであったのだ。
効果も素晴らしいが、何よりも、装着している人と合わせて成長してくれる成長の魔法がかけられているのが、素晴らしい。それにはレイも気がついていて少しワクワクしているが、そおん成長が天井無しであるということには気がついていない。
幸運だったのは、レイに認識阻害(大)のスキルがこの蝙蝠狩りのために生えたことで、そうでなければ、価値を知った人間に腕を切り落とされ腕ごと盗まれたり、本人ごと誘拐されてもおかしくないような価値のあるものだった。
かなりの距離を歩いて、インベントリから新品の短剣を取り出すと、腰につった。これも、罠づくりと料理の手伝いで生えてきた裁縫(小)で作った質素な鞘に収めているので、一見して名刀であるということは、認識阻害も合わせて誰も気がつかないだろう。
レイはワクワクしながら、翌日、また蝙蝠狩りに出かけた。そこで、将来を左右する出会いがあるとは知らずに。
もちろんガラクタとはいえども鉄などが使われていれば鋳つぶしてリサイクルするのであるが、そこはそれ。肉の価値は高い(特にこの蝙蝠?は大変美味で知られなかなか手に入らないので)ウィンウィンの取引となっているのだ。
そしてある日、壊れてしまった短剣を手に入れたレイは欣喜雀躍とした。
「ヤバイ、またドワーフのガラハド作の武器だ。こんなところでまた手に入るなんて、ここに住んでいたのか?」
レイは知らなかったが、ここがガラハドの生地に近く、修行時代の習作がゴロゴロしていたのだ。ただ、古くなってしまって領民はその価値を知らないのだが、価値を知っている人が見たらたとえ習作とはいえ、絶対手放さな逸品が多かったのである。
「これは幸運だったな。」
レイはインベントリに入れてひとりごちた。この短剣、大人では短くメインウェポンとしては物足りないが、3歳児の彼には大剣並みである。おそらく10歳まではメインとして使えるのではないかとホクホクとした。
既にレイはガラハド作の武器や装備を3点も手に入れていた。守りの腕輪、知恵の指輪、そしてこの短剣である。
実はレイは知らなかったのだが、ガラハド作の腕輪や指輪は、短剣などよりもよっぽどお宝といってもいいものであった。好事家が見たらそれこそ、どんなにふっかけられても手に入れたいと思う品であった。
なぜなら、ガラハド作のアクセサリーほぼ現存しないと考えられていたからだ。自分の工房を開いてからは、レベルがあまり高くなくても作成できる腕輪や指輪などは、弟子に任せていたため、ガラハド工房作のアクセサリーはかなりの数現存していても本人作のものは、もうほぼ王宮にしか存在しない国宝級のものであったのだ。
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かなりの距離を歩いて、インベントリから新品の短剣を取り出すと、腰につった。これも、罠づくりと料理の手伝いで生えてきた裁縫(小)で作った質素な鞘に収めているので、一見して名刀であるということは、認識阻害も合わせて誰も気がつかないだろう。
レイはワクワクしながら、翌日、また蝙蝠狩りに出かけた。そこで、将来を左右する出会いがあるとは知らずに。
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