上 下
14 / 72

14.冒険者ギルドと商業ギル、そして魔獣登録

しおりを挟む
 次の日、僕たち家族と、新しく家族になる予定の子ムーンラビット家族と共に。僕達は昨日に続き、お店が集まる地区へ来ていた。冒険者ギルドと商業ギルドへ行くためだ。

 力を授かってすぐに契約、とはもちろん出来るわけもなく。みんなが魔法を授かった日から簡単に、魔法を使えれば苦労はないわけで。まずは魔法を使うための練習の日々が待っている。

 誰に教えてもらかと言えば、幼稚園とか小学校じゃないけど、この世界にも学校があって。一応地球での高校までがあるんだよ。その上もあるらしいけど、その辺はちょっと良くわからないから、また今度調べてみるつもりだ。

 それで学校だけど、学校は絶対に行かないといけないわけじゃなくて。行きたい子、学びたい子は行けばい良いし。別の行かなくても良いっていう子は行かなくても問題はない。親が教えてくれれば、別に問題はないからな。

 ただ、幼稚園的な場所には、初めて魔法に触れるってことで、けっこう大勢が通っている。基本を教えるのはやっぱり、魔法に詳しい先生に習う方が良いって。親に教えてもらうと感覚で教える親がいるらしくて、子供が理解できないんだ。

 ちなみにパパは感覚で教えるタイプで。前に魔法の事を聞いたら、グッと集めてバッと放つ、だった。その時に魔法の練習が始まっても、パパにはもう何も聞かないと思った。

 逆にママは、しっかり詳しく教えてくれたんだけど、詳し過ぎてね。この時の魔法はどうとかこうとか、あまりの詳しさに理解ができず。ママは凄いけど、やっぱし教わるのはダメだと思った。

 こういう時は小さい子にもしっかりと分かるように教えてくれる、専門の先生の所へ通う方が絶対に良いと思う。国からも、どんな家庭の子も学べるようにって、支援金が出ているから。みんなそういうのを気にしないで通えるんだ。

 勉強は週に3日。午前中と午後の部に分かれていて。もしその時間に参加で来なくても、そういう子達のために別の日に補習授業が用意されている。

 と、幼稚園的な場所はみんなが来るけれど、それから上の学校に上がるにつれて、だんだんとみんな通わなくなってくる。それは魔法のレベルによるんだ。
 僕みたいにレベルが低ければ、そこまで専門に勉強しなくても。自分で努力をすれば、自分の限界までレベルを上げることができる。

 だけど強いレベルを授かった子達は、やっぱりそれだけ練習が必要だし。その強い魔法を練習するには、それだけ強い力を使う先生に学ばないと行けなくて。

 最後まで学校に通っている子達は、いわゆるエリートっていうやつだ。上級魔法ばかりの学校に中級の魔法しかできない子は通わないだろう? こうやってレベルの低い子から段々と学校に通わなくなるんだよ。

 まぁ、確かに魔法エリートの人達や、強い騎士達はみんなの憧れで、とっても人気者だけど。だからと言って魔法のレベルの低い人達がバカにされることもなく。
 みんな最初は色々、家族も子供の将来を気にするけれど、案外受け入れるのも早くて。自分に合った生活を送るから問題はないんだ。ある魔法に関して以外は……。

 それで僕も、来月から幼稚園的な場所へ行く事になっている。そこで魔法を勉強して、初級の初級を学んだら、いよいよ子ムーンラビット家族と魔獣契約をする事に。だから今の僕と子ムーンラビット達は仮契約状態だ。
 だけど契約するのは間違いないから、登録をしに冒険者ギルドと商業ギルドに行くんだよ。

 冒険者ギルドは、街や国から、または個人的な依頼を冒険者に依頼して。冒険者は自分のレベルに合った依頼を受ける場所だ。例えば魔獣の討伐や、素材採取だな。そして冒険者が無事に依頼をこなせば、その依頼で決められている報酬をもらえると。
 あとは冒険者が依頼に関係なく、冒険や探検に行き、討伐した魔獣や採取した素材の買取なんかもしている。

 と、色々とあるんだけど、冒険者になるには登録が必要で。その登録は冒険者ギルドがやっているんだ。登録をすると、みんな始めは最低ランクのDランクで登録されて。依頼もランクにあったものしか受けることはできない。
 ランクはDから最高ランクのSSSまであるけど、今の段階でSSSはどの国にもいない。最高でSSで、世界で5人しかいないらしい。

 そしてその登録なんだけど、魔獣と一緒に活動をしている冒険者もいっぱいで。そういう冒険者は魔獣も登録をする。もしその魔獣が何かした場合は契約した人の責任になるから、それをしっかりと管理するためだ。
 
 あと、もう1つ、これは冒険者も関係しているけれど、冒険者に関係ない人も関係していて。冒険者じゃない人も、魔獣登録をする人が多いいんだ。それは何故か。
 どこにでもバカはいて、人の魔獣を自分の魔獣だと因縁をつけて、奪おうとする人達がいるんだよ。

 そういうバカに魔獣を奪われた時、しっかりと登録をしておくと、揉めた時に登録を確認すれば誰の魔獣か分かるし。もし奪われて後で救出した場合も、登録を確認することで、元々の家族の元へ返すことができる。だから冒険者だけじゃなくて、冒険者じゃない人も登録にくるんだ。

 それは商業ギルドも同じで。商業ギルドは商人の人達が使うギルドだ。商業に関わりのある人達は、必ず登録することになっている。
 それとここでも買取をしていて、物によっては冒険者ギルドよりも高値で買ってくれるから、冒険者が商業ギルドに素材を売りにくることも。買取だけなら、商業ギルドに登録しなくても大丈夫になっている。

 そして勿論商業ギルドでも魔獣登録をしていて。冒険者ギルドと商業ギルドは全然違う施設だから、こっちでも魔獣登録をしている人が多いんだ。ダブル登録でより安心ってこと。

 ただ登録自体は、例えば先に冒険者ギルドで登録をしてから、商業ギルドへ行った場合、商業ギルドでの登録は簡単にできるんだ。冒険者ギルドで登録した情報に、商業ギルドの情報を上書きすれば良いだけだから。

 僕は仮だけど、もう家族になることが決まっているから、これから登録をしておくんだ。何かあったら大変だもん。大切な家族をしっかり守らなくちゃ。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

精霊に好かれた私は世界最強らしいのだが

天色茜
ファンタジー
普通の女子高校生、朝野明莉沙(あさのありさ)は、ある日突然異世界召喚され、勇者として戦ってくれといわれる。 だが、同じく異世界召喚された他の二人との差別的な扱いに怒りを覚える。その上冤罪にされ、魔物に襲われた際にも誰も手を差し伸べてくれず、崖から転落してしまう。 その後、自分の異常な体質に気づき...!?

知識スキルで異世界らいふ

チョッキリ
ファンタジー
他の異世界の神様のやらかしで死んだ俺は、その神様の紹介で別の異世界に転生する事になった。地球の神様からもらった知識スキルを駆使して、異世界ライフ

異世界転生してしまったがさすがにこれはおかしい

増月ヒラナ
ファンタジー
不慮の事故により死んだ主人公 神田玲。 目覚めたら見知らぬ光景が広がっていた 3歳になるころ、母に催促されステータスを確認したところ いくらなんでもこれはおかしいだろ!

まさか転生? 

花菱
ファンタジー
気付いたら異世界?  しかも身体が? 一体どうなってるの… あれ?でも…… 滑舌かなり悪く、ご都合主義のお話。 初めてなので作者にも今後どうなっていくのか分からない……

もふもふ相棒と異世界で新生活!! 神の愛し子? そんなことは知りません!!

ありぽん
ファンタジー
[第3回次世代ファンタジーカップエントリー] 特別賞受賞 書籍化決定!! 応援くださった皆様、ありがとうございます!! 望月奏(中学1年生)は、ある日車に撥ねられそうになっていた子犬を庇い、命を落としてしまう。 そして気づけば奏の前には白く輝く玉がふわふわと浮いていて。光り輝く玉は何と神様。 神様によれば、今回奏が死んだのは、神様のせいだったらしく。 そこで奏は神様のお詫びとして、新しい世界で生きることに。 これは自分では規格外ではないと思っている奏が、規格外の力でもふもふ相棒と、 たくさんのもふもふ達と楽しく幸せに暮らす物語。

器用貧乏の意味を異世界人は知らないようで、家を追い出されちゃいました。

武雅
ファンタジー
この世界では8歳になると教会で女神からギフトを授かる。 人口約1000人程の田舎の村、そこでそこそこ裕福な家の3男として生まれたファインは8歳の誕生に教会でギフトを授かるも、授かったギフトは【器用貧乏】 前例の無いギフトに困惑する司祭や両親は貧乏と言う言葉が入っていることから、将来貧乏になったり、周りも貧乏にすると思い込み成人とみなされる15歳になったら家を、村を出て行くようファインに伝える。 そんな時、前世では本間勝彦と名乗り、上司と飲み入った帰り、駅の階段で足を滑らし転げ落ちて死亡した記憶がよみがえる。 そして15歳まであと7年、異世界で生きていくために冒険者となると決め、修行を続けやがて冒険者になる為村を出る。 様々な人と出会い、冒険し、転生した世界を器用貧乏なのに器用貧乏にならない様生きていく。 村を出て冒険者となったその先は…。 ※しばらくの間(2021年6月末頃まで)毎日投稿いたします。 よろしくお願いいたします。

追放されましたがマイペースなハーフエルフは今日も美味しい物を作る。

翔千
ファンタジー
ハーフエルフのシェナは所属していたAランクの勇者パーティーで魔力が弱いからと言う理由で雑用係をさせられていた。だが、ある日「態度が大きい」「役に立たない」と言われ、パーティー脱退の書類にサインさせられる。所属ギルドに出向くと何故かギルドも脱退している事に。仕方なく、フリーでクエストを受けていると、森で負傷した大男と遭遇し、助けた。実は、シェナの母親、ルリコは、異世界からトリップしてきた異世界人。アニメ、ゲーム、漫画、そして美味しい物が大好きだったルリコは異世界にトリップして、エルフとの間に娘、シェナを産む。料理上手な母に料理を教えられて育ったシェナの異世界料理。 少し捻くれたハーフエルフが料理を作って色々な人達と厄介事に出会うお話です。ちょこちょこ書き進めていくつもりです。よろしくお願します。

賢者が過ごす二千年後の魔法世界

チドリ正明@不労所得発売中!!
ファンタジー
魔法研究に熱心な賢者ジェレミー・ラーク。 彼はひょんなことから、世界の悪の根源である魔王グラディウスと邂逅してしまう。 ジェレミーは熾烈な戦闘の末に一騎打ちにより死亡したと考えられていたが、実は禁忌の魔法【強制冷凍睡眠(コールドスリープ)】を自身にかけることで一命を取り留めていた。 「目が覚めたら、魔法が発展して栄えた文明になっているんだろうなあ……」 ジェレミーは確かな期待を胸に、氷の世界に閉ざされていく。 そして、後に両者が戦闘を繰り広げた地は『賢者の森』と呼ばれることになる……。 それから二千年後、ジェレミーは全ての文明や技術が発展しまくったであろう世界で目を覚ました。 しかし、二千年後の世界の文明は、ジェレミーと魔王の戦いの余波により一度滅びかけていたことで、ほとんど文明は変化しておらず、その中でも魔法だけは使い物にならないレベルにまで成り下がっていた。 失望したジェレミーは途端に魔法への探究心を失い、これまでの喧騒から逃れるようにして、賢者の森の中で過ごすことを決める。 だが、自給自足のスローライフも彼にとっては容易すぎたのか、全く退屈な日々が続いていた。 そんな時、賢者の森に供物として一人の少女が捧げられることで物語は動き始める。 ジェレミーは二千年前の殺伐とした世界から打って変わって平和な世の中で、様々な人々と出逢いながら、自由気ままに生きていくのであった。

処理中です...