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3.魔法と剣、5歳の儀式
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まず1番の違い。それは魔法が使える、という事だ。まさか本当に魔法を使っている世界があるなんて。赤ん坊の頃、初めて魔法を見た時の衝撃といったら。
この世界に誕生しておそらく5日目? なにしろ色々衝撃すぎたのと、生まれたての赤ん坊だったからか。気絶したり寝てしまったりで記憶が曖昧で。
なんとか納得をし、周りを気にし始めたのが、それくらいの日数が経ってからだったと思う。
その時はパパが僕を抱いていて、ママは僕の顔を拭こうと、空の桶にタオルを入れて、俺に近づいてきた。
まだ首は座っておらず、目で見える範囲しか、周りを見る事はできなかったけど。パパが抱いていてくれたおかげで、しっかりとママが見えていたんだ。
まだ生まれたばかりの僕に、この世界の言葉が分かるわけもなく。ニコニコと笑いながら何かを言って、桶を小さな台の上へ置いたママ。
次は水かお湯を取りに行くのかと思っていたけど、ママは何処にも行かず、何故か桶に向かって手をかざして。
そうしてまた、ブツブツと何かを言った瞬間。いきなり桶の上にバサァッと、何処からともなく透明な液体が溢れてきて、そのままそ桶の中へ。そしてママは何事もなかったように、タオルを絞って僕の顔を拭いて。タオルが肌に触れた時に気づいたけど、おけに入った液体は、紛れもなく水だった。
その時の様子を、少し前に話してくれたパパ達。僕は小さな口を名一杯開けて、ボケッと桶を見たまま。ママ達が何か僕に話しかけても、ちょっとほっぺを突いてみても、本当に何にも反応を示さないくらい、固まっていたって。
その様子が可愛くて、でも面白くもあって。ママ達はそれから少しの間、その話しをしては笑っていたと。
ただ、何回か魔法を見せた後だったのに、あの時だけは凄く驚いていて、なんでだろうとは思ってみたいだ。僕の記憶が曖昧な時に、魔法を何度か使っていたらしい。
だけどしっかりと意識して、魔法を見たのは初めてだったから。そんな状態で初魔法を見れば、そうもなるだろう。本当に衝撃的だったんだから。
と、こんな風に、この世界には魔法があって。基本的な最低レベルの生活魔法は、みんなが使えるらしい。
基本の魔法属性は、水、火、風、土、光、の5つで、この5つに関しての、最低レベルの魔法をみんなが使え、使えな人はいないらしい。
そしてこの属性以外も、色々魔法はあるんだけど、その魔法に関しては、人それぞれ使える魔法が違ってくる。
パパは雷魔法を使えて、ママは回復魔法を使えるし、カロリーナの両親も生産系の魔法を使える。それはそれは色々な魔法があるんだ。
ただ、どんな魔法が使えるかは、5歳になって特別な儀式を受けないと分からないんだ。街には地球で言うとことの教会みたいな所があって。5歳になると子供達は教会に集まって、神から魔法を授かる儀式をする。
そうして儀式の後、1人ずつ祭壇の前に行ってお祈りを捧げると、自分が将来ずっと使うであろう魔法を授かる事ができるんだ。
僕は今年5歳。明日はその儀式の日で。僕はこの日をどんなに楽しみに待っていた事か。もちろん待っていたのは僕だけじゃない。儀式の日が近づいてくると、対象の子供がいる家は、かなりピリピリし始める。
それは何故か。それでその子の将来がほとんど決まってしまうからだ。例えばパパの雷魔法。これを2人の子が授かったとして。でも同じ属性を授かったととしても、そのレベルが違うんだよ。
1人の子は最低限レベルの、1種類の雷魔法しか使えない。もう1人の子は努力する事で、かなり強いレベルの雷魔法が使えるようになり、さらに沢山の種類の雷魔法を使える。
といった感じで、同じ物でもかなりの差がついてしまい。それぞれの子達の将来が大きく変わってしまうんだ。
もちろん弱いからと言って、大きな問題はない。だけどそれでもやっぱり、将来なれるだろう職業、その職業での地位は変わってくるわけで。
だから両親は、この儀式が始まる前はかなりピリピリするんだよ。ちなみに僕の両親は、どんなものを授かっても良いと、そんなに気にしておらず。僕が自分で幸せだと思える暮らしができればそれで良いと。
僕も将来は両親の手伝いをしたいと、別にそんな強い魔法を授からなくても良いと思っているから、そピリピリはしていない。ただ1つだけ、欲しいなと思っている物はあるけれど。
まぁそれも、絶対に欲しいって物じゃなく、できればだから問題はない。別になくても困らないし。
それからその儀式の時に基本魔法も、どれだけ強い魔法が使えるようになるか分かるらしい。火には火の、水には水の、それぞれやっぱり色々な種類の魔法があるんだ。
ちなみに両親は、けっこうな魔法が使えるようで、時々街の人が手伝ってくれとか、助けてくれとかお願いをしに来る。
他にこの世界と地球で違うところは、魔法以外に、剣や斧、弓などの武器が使われているところかな。
この世界には騎士が普通にいて、街を敵から守ってくれているし。生活する上で、その武器を使っているんだ。
だから僕の家にも、パパの剣とママの斧と弓が普通に置いてある。そしてその武器と魔法を合わせて使うことができ、更に強力な攻撃をする事もできて、攻撃の種類は数えきれないほどに。色々できるのは面白いなって思う。それは僕も楽しみだ。
他にも大きく違うことがあるんだけど……。
「アーベル、ごはんよ!」
「いただいます! きょうのごはんはなに?」
「きょうは、ツノネズミのまるやき!」
「ちゃんとやいた?」
「うん! ほら、はやくたべましょ!」
今日のおままごとご飯は、ツノネズミの丸焼きだった。そう、ツノネズミの。
この世界に誕生しておそらく5日目? なにしろ色々衝撃すぎたのと、生まれたての赤ん坊だったからか。気絶したり寝てしまったりで記憶が曖昧で。
なんとか納得をし、周りを気にし始めたのが、それくらいの日数が経ってからだったと思う。
その時はパパが僕を抱いていて、ママは僕の顔を拭こうと、空の桶にタオルを入れて、俺に近づいてきた。
まだ首は座っておらず、目で見える範囲しか、周りを見る事はできなかったけど。パパが抱いていてくれたおかげで、しっかりとママが見えていたんだ。
まだ生まれたばかりの僕に、この世界の言葉が分かるわけもなく。ニコニコと笑いながら何かを言って、桶を小さな台の上へ置いたママ。
次は水かお湯を取りに行くのかと思っていたけど、ママは何処にも行かず、何故か桶に向かって手をかざして。
そうしてまた、ブツブツと何かを言った瞬間。いきなり桶の上にバサァッと、何処からともなく透明な液体が溢れてきて、そのままそ桶の中へ。そしてママは何事もなかったように、タオルを絞って僕の顔を拭いて。タオルが肌に触れた時に気づいたけど、おけに入った液体は、紛れもなく水だった。
その時の様子を、少し前に話してくれたパパ達。僕は小さな口を名一杯開けて、ボケッと桶を見たまま。ママ達が何か僕に話しかけても、ちょっとほっぺを突いてみても、本当に何にも反応を示さないくらい、固まっていたって。
その様子が可愛くて、でも面白くもあって。ママ達はそれから少しの間、その話しをしては笑っていたと。
ただ、何回か魔法を見せた後だったのに、あの時だけは凄く驚いていて、なんでだろうとは思ってみたいだ。僕の記憶が曖昧な時に、魔法を何度か使っていたらしい。
だけどしっかりと意識して、魔法を見たのは初めてだったから。そんな状態で初魔法を見れば、そうもなるだろう。本当に衝撃的だったんだから。
と、こんな風に、この世界には魔法があって。基本的な最低レベルの生活魔法は、みんなが使えるらしい。
基本の魔法属性は、水、火、風、土、光、の5つで、この5つに関しての、最低レベルの魔法をみんなが使え、使えな人はいないらしい。
そしてこの属性以外も、色々魔法はあるんだけど、その魔法に関しては、人それぞれ使える魔法が違ってくる。
パパは雷魔法を使えて、ママは回復魔法を使えるし、カロリーナの両親も生産系の魔法を使える。それはそれは色々な魔法があるんだ。
ただ、どんな魔法が使えるかは、5歳になって特別な儀式を受けないと分からないんだ。街には地球で言うとことの教会みたいな所があって。5歳になると子供達は教会に集まって、神から魔法を授かる儀式をする。
そうして儀式の後、1人ずつ祭壇の前に行ってお祈りを捧げると、自分が将来ずっと使うであろう魔法を授かる事ができるんだ。
僕は今年5歳。明日はその儀式の日で。僕はこの日をどんなに楽しみに待っていた事か。もちろん待っていたのは僕だけじゃない。儀式の日が近づいてくると、対象の子供がいる家は、かなりピリピリし始める。
それは何故か。それでその子の将来がほとんど決まってしまうからだ。例えばパパの雷魔法。これを2人の子が授かったとして。でも同じ属性を授かったととしても、そのレベルが違うんだよ。
1人の子は最低限レベルの、1種類の雷魔法しか使えない。もう1人の子は努力する事で、かなり強いレベルの雷魔法が使えるようになり、さらに沢山の種類の雷魔法を使える。
といった感じで、同じ物でもかなりの差がついてしまい。それぞれの子達の将来が大きく変わってしまうんだ。
もちろん弱いからと言って、大きな問題はない。だけどそれでもやっぱり、将来なれるだろう職業、その職業での地位は変わってくるわけで。
だから両親は、この儀式が始まる前はかなりピリピリするんだよ。ちなみに僕の両親は、どんなものを授かっても良いと、そんなに気にしておらず。僕が自分で幸せだと思える暮らしができればそれで良いと。
僕も将来は両親の手伝いをしたいと、別にそんな強い魔法を授からなくても良いと思っているから、そピリピリはしていない。ただ1つだけ、欲しいなと思っている物はあるけれど。
まぁそれも、絶対に欲しいって物じゃなく、できればだから問題はない。別になくても困らないし。
それからその儀式の時に基本魔法も、どれだけ強い魔法が使えるようになるか分かるらしい。火には火の、水には水の、それぞれやっぱり色々な種類の魔法があるんだ。
ちなみに両親は、けっこうな魔法が使えるようで、時々街の人が手伝ってくれとか、助けてくれとかお願いをしに来る。
他にこの世界と地球で違うところは、魔法以外に、剣や斧、弓などの武器が使われているところかな。
この世界には騎士が普通にいて、街を敵から守ってくれているし。生活する上で、その武器を使っているんだ。
だから僕の家にも、パパの剣とママの斧と弓が普通に置いてある。そしてその武器と魔法を合わせて使うことができ、更に強力な攻撃をする事もできて、攻撃の種類は数えきれないほどに。色々できるのは面白いなって思う。それは僕も楽しみだ。
他にも大きく違うことがあるんだけど……。
「アーベル、ごはんよ!」
「いただいます! きょうのごはんはなに?」
「きょうは、ツノネズミのまるやき!」
「ちゃんとやいた?」
「うん! ほら、はやくたべましょ!」
今日のおままごとご飯は、ツノネズミの丸焼きだった。そう、ツノネズミの。
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