19 / 58
19話 カッコいい名前、ゴンザレス
しおりを挟む
「さて、それじゃあ、これから名前を決めようと思うが、本当に俺が決めて良いんだな」
『良いっチュ!! カズキが付けてくれた名前がいいっチュ!!』
「そうか。それじゃあ、今から考えた名前を言っていくから、気に入ったものがあったら何個か選んで。その選んだ中から、1つを選ぼう。沢山候補があった方が、本当に好きな名前を選べるだろうからな」
『分かったっチュ!!』
「そうだな、忘れないように、メモしておこう。紙とペン……は分かるんだよな?」
『分かるっチュ!!』
「よし、そうしたら、最初はポチなんてそうだ?」
『……』
「モルルだから、モルでも良いな」
『……』
「あとは、タマ……は、ネコか。いや、そうなるとポチも犬だな。まぁ、良いか。俺の苗字を取って、高橋さんなんてのはどうだ? 食べ物の名前なんかもどうだろう。ほら、この紙に書いてある、これはおでんっていう食べ物なんだが、おでん、なんていうのも可愛いぞ」
『……』
「他にも食べ物だと、クッキーにつまみに。いや、そうなると、食べ物ならいくらでも選べるから、可愛い物を抜粋した方が良いか? そうだ! 今まで代表と呼んでいたから、社長や部長なんていうのはどうだ? 社長や部長っていうのは、偉い人のことだぞ。社長が1番偉いんだ」
次々に名前を言っていく俺。しかし、どうにも代表の反応がない。どうしたのかと思って代表を見てみると、凄い顔をしていた。眉間に皺を寄せ、口元はチッと舌打ちでもしていそうな形になっていて。挙句、ダメだこいつって感じの目で俺を見ていたよ。
「どうした?」
『……なんか、ダメな気がするっチュ。知ってる名前もあるっチュ。でもあんまりだっチュ』
「全部可愛いと思うけどな」
『……だめっチュ』
と、話している時だった。母さんが代表に、魔獣用ホットミルクを作ってきてくれて、部屋に入ってきたんだけど。代表の顔を見て、俺が何か代表に酷いことをしたんじゃないかと、めちゃくちゃ怒ってきた。
俺は別に酷いことなどしていない事、そして今は名前を考えていることを、すぐに母さんに話したよ。まぁ、疑われるくらい、代表は凄い顔をしていたからな。
「本当に名前を考えていたの? 代表ちゃん、本当にいじめられていない?」
代表があの表情のまま、うんうん頷く。
「じゃあ何で、こんな顔になっちゃってるのよ。名前はあなたが考えているのよね。ちょっとママに聞かせてごらんない」
俺は母さんに言われるまま、今考えたばかりの名前を母さんに伝える。すると母さんは呆気に取られた顔をした後、神妙な面持ちになって。
「あなた、それ本当に言ってるの?」
と言ってきた。そんなに酷い名前だったのか? 俺はとても可愛くて、代表に似合うと思うんだが。
……そう言えば、前世で俺の家族に名前をつけた時も、魔獣達に毎回、今の代表みたいな表情をされたり、母さんみたいなことを言われたな。それで側近のメイヤーに、『本の中から選びなさい』と言われて、結局全て本の中から選んだ気が。
「はぁ、良い名前が出るまで、ママもう少しここに居るわ。それとまず名前を考える前に、代表ちゃんが、どういう名前が良いか聞きなさい。可愛い名前、カッコいい名前、渋い名前、明るい名前、いろいろあるでしょう」
それもそうか。俺が考えて良いと言われていたし、ファインドモルルは可愛いから、勝手に可愛い名前が良いだろうと思っていたが。そういうのも大事だな。
俺はすぐに代表に聞いてみる事に。すると少し考えた後、代表は可愛い名前でもどんな名前でも良いけれど、1番はカッコいい名前が良いと言ってきた。
『オレ、ずっと考えてたっチュ。前に人間がカッコいい名前言ってて、オレ、それが好きだったっチュ。だけど名前全部覚えてなくて、半分覚えてたけど、半分分からなかったっチュ。でもでも、カズキの名前聞いてたら思い出したっチュ。その名前みたいに、カッコいい名前が良いっチュ!!』
「そんな名前があったのか。よし、じゃあ、その名前を聞いて、それから考えよう。もしそれが気に入っているならそれでも良いし」
「どんな名前なの?」
『ゴンザレス、だっチュ!!』
「「……」」
部屋の中が静まり返った。まさかの代表の気に入っている名前は、名前の中でも代表に1番似合わなそうな名前だった。母さんの方を見ると、母さんもなんとも言えない表情で苦笑いをしていた。たぶん、同じことを思ったんだろう。
『ゴンザレス、カッコいいだっチュウゥゥゥ~!』
「そ、そうだな」
「え、ええ、カッコいい名前ね」
『その人間言ってたっチュ。体型も、防具も、名前でも、全てカッコよく見えるだろうってっチュ。だからオレも、たくさんカッコいいが良いっチュ』
「そうか。代表は、珍しい物を見つけられる、カッコいい魔獣だもんな。名前もカッコいい方が良いもんな」
『うん、だっチュ!!』
「分かった!! 俺が決めて良いのなら、ゴンザレスよりカッコいい名前を考えてやるぞ!」
『本当だっチュか!? やったぁチュウゥゥゥッ!!』
その場でジャンプする代表。母さんがこそっと俺に聞いてきた。
「あなた、そんな事を言って大丈夫なの? さっきのあなたが考えたら名前を聞いたら、ママ、不安しかないわ」
「大丈夫だよ。ちょっと俺に考えがあるんだ。たまたま最近目に止まった物があって。ちょっとそれを調べてみる」
「そう? あなたがそういうのなら……。でも、本当にカッコいい、代表ちゃんが認める名前を考えるのよ」
「ああ」
俺は代表に少し待っていてくれと言ってから、パソコンを立ち上げた。そして地球の歴史が載っているファイルを開くき検索をかける。そして考えていた物が見つかると、それの意味を調べ。
……やっぱり。うん、これなら代表も気に入ってくれるんじゃないだろうか。
「代表、良い名前を考えたぞ!」
『何だっチュ!! 何だッチュウゥゥゥ!!』
「代表の名前は……」
『良いっチュ!! カズキが付けてくれた名前がいいっチュ!!』
「そうか。それじゃあ、今から考えた名前を言っていくから、気に入ったものがあったら何個か選んで。その選んだ中から、1つを選ぼう。沢山候補があった方が、本当に好きな名前を選べるだろうからな」
『分かったっチュ!!』
「そうだな、忘れないように、メモしておこう。紙とペン……は分かるんだよな?」
『分かるっチュ!!』
「よし、そうしたら、最初はポチなんてそうだ?」
『……』
「モルルだから、モルでも良いな」
『……』
「あとは、タマ……は、ネコか。いや、そうなるとポチも犬だな。まぁ、良いか。俺の苗字を取って、高橋さんなんてのはどうだ? 食べ物の名前なんかもどうだろう。ほら、この紙に書いてある、これはおでんっていう食べ物なんだが、おでん、なんていうのも可愛いぞ」
『……』
「他にも食べ物だと、クッキーにつまみに。いや、そうなると、食べ物ならいくらでも選べるから、可愛い物を抜粋した方が良いか? そうだ! 今まで代表と呼んでいたから、社長や部長なんていうのはどうだ? 社長や部長っていうのは、偉い人のことだぞ。社長が1番偉いんだ」
次々に名前を言っていく俺。しかし、どうにも代表の反応がない。どうしたのかと思って代表を見てみると、凄い顔をしていた。眉間に皺を寄せ、口元はチッと舌打ちでもしていそうな形になっていて。挙句、ダメだこいつって感じの目で俺を見ていたよ。
「どうした?」
『……なんか、ダメな気がするっチュ。知ってる名前もあるっチュ。でもあんまりだっチュ』
「全部可愛いと思うけどな」
『……だめっチュ』
と、話している時だった。母さんが代表に、魔獣用ホットミルクを作ってきてくれて、部屋に入ってきたんだけど。代表の顔を見て、俺が何か代表に酷いことをしたんじゃないかと、めちゃくちゃ怒ってきた。
俺は別に酷いことなどしていない事、そして今は名前を考えていることを、すぐに母さんに話したよ。まぁ、疑われるくらい、代表は凄い顔をしていたからな。
「本当に名前を考えていたの? 代表ちゃん、本当にいじめられていない?」
代表があの表情のまま、うんうん頷く。
「じゃあ何で、こんな顔になっちゃってるのよ。名前はあなたが考えているのよね。ちょっとママに聞かせてごらんない」
俺は母さんに言われるまま、今考えたばかりの名前を母さんに伝える。すると母さんは呆気に取られた顔をした後、神妙な面持ちになって。
「あなた、それ本当に言ってるの?」
と言ってきた。そんなに酷い名前だったのか? 俺はとても可愛くて、代表に似合うと思うんだが。
……そう言えば、前世で俺の家族に名前をつけた時も、魔獣達に毎回、今の代表みたいな表情をされたり、母さんみたいなことを言われたな。それで側近のメイヤーに、『本の中から選びなさい』と言われて、結局全て本の中から選んだ気が。
「はぁ、良い名前が出るまで、ママもう少しここに居るわ。それとまず名前を考える前に、代表ちゃんが、どういう名前が良いか聞きなさい。可愛い名前、カッコいい名前、渋い名前、明るい名前、いろいろあるでしょう」
それもそうか。俺が考えて良いと言われていたし、ファインドモルルは可愛いから、勝手に可愛い名前が良いだろうと思っていたが。そういうのも大事だな。
俺はすぐに代表に聞いてみる事に。すると少し考えた後、代表は可愛い名前でもどんな名前でも良いけれど、1番はカッコいい名前が良いと言ってきた。
『オレ、ずっと考えてたっチュ。前に人間がカッコいい名前言ってて、オレ、それが好きだったっチュ。だけど名前全部覚えてなくて、半分覚えてたけど、半分分からなかったっチュ。でもでも、カズキの名前聞いてたら思い出したっチュ。その名前みたいに、カッコいい名前が良いっチュ!!』
「そんな名前があったのか。よし、じゃあ、その名前を聞いて、それから考えよう。もしそれが気に入っているならそれでも良いし」
「どんな名前なの?」
『ゴンザレス、だっチュ!!』
「「……」」
部屋の中が静まり返った。まさかの代表の気に入っている名前は、名前の中でも代表に1番似合わなそうな名前だった。母さんの方を見ると、母さんもなんとも言えない表情で苦笑いをしていた。たぶん、同じことを思ったんだろう。
『ゴンザレス、カッコいいだっチュウゥゥゥ~!』
「そ、そうだな」
「え、ええ、カッコいい名前ね」
『その人間言ってたっチュ。体型も、防具も、名前でも、全てカッコよく見えるだろうってっチュ。だからオレも、たくさんカッコいいが良いっチュ』
「そうか。代表は、珍しい物を見つけられる、カッコいい魔獣だもんな。名前もカッコいい方が良いもんな」
『うん、だっチュ!!』
「分かった!! 俺が決めて良いのなら、ゴンザレスよりカッコいい名前を考えてやるぞ!」
『本当だっチュか!? やったぁチュウゥゥゥッ!!』
その場でジャンプする代表。母さんがこそっと俺に聞いてきた。
「あなた、そんな事を言って大丈夫なの? さっきのあなたが考えたら名前を聞いたら、ママ、不安しかないわ」
「大丈夫だよ。ちょっと俺に考えがあるんだ。たまたま最近目に止まった物があって。ちょっとそれを調べてみる」
「そう? あなたがそういうのなら……。でも、本当にカッコいい、代表ちゃんが認める名前を考えるのよ」
「ああ」
俺は代表に少し待っていてくれと言ってから、パソコンを立ち上げた。そして地球の歴史が載っているファイルを開くき検索をかける。そして考えていた物が見つかると、それの意味を調べ。
……やっぱり。うん、これなら代表も気に入ってくれるんじゃないだろうか。
「代表、良い名前を考えたぞ!」
『何だっチュ!! 何だッチュウゥゥゥ!!』
「代表の名前は……」
31
お気に入りに追加
171
あなたにおすすめの小説

冤罪だと誰も信じてくれず追い詰められた僕、濡れ衣が明るみになったけど今更仲直りなんてできない
一本橋
恋愛
女子の体操着を盗んだという身に覚えのない罪を着せられ、僕は皆の信頼を失った。
クラスメイトからは日常的に罵倒を浴びせられ、向けられるのは蔑みの目。
さらに、信じていた初恋だった女友達でさえ僕を見限った。
両親からは拒絶され、姉からもいないものと扱われる日々。
……だが、転機は訪れる。冤罪だった事が明かになったのだ。
それを機に、今まで僕を蔑ろに扱った人達から次々と謝罪の声が。
皆は僕と関係を戻したいみたいだけど、今更仲直りなんてできない。
※小説家になろう、カクヨムと同時に投稿しています。

魅了が解けた貴男から私へ
砂礫レキ
ファンタジー
貴族学園に通う一人の男爵令嬢が第一王子ダレルに魅了の術をかけた。
彼女に操られたダレルは婚約者のコルネリアを憎み罵り続ける。
そして卒業パーティーでとうとう婚約破棄を宣言した。
しかし魅了の術はその場に運良く居た宮廷魔術師に見破られる。
男爵令嬢は処刑されダレルは正気に戻った。
元凶は裁かれコルネリアへの愛を取り戻したダレル。
しかしそんな彼に半年後、今度はコルネリアが婚約破棄を告げた。
三話完結です。
病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない
月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。
人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。
2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事)
。
誰も俺に気付いてはくれない。そう。
2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。
もう、全部どうでもよく感じた。

異世界初? のスーパー銭湯もとい『娯楽施設スケルトン』開業です!!
ありぽん☆書籍発売中
ファンタジー
ある争いに巻き込まれ、攻撃されたことにより。
前世は日本のブラック企業に勤め、
何の楽しみもなく、毎日をただただ生きていた事を思い出した俺。
まさか次の人生は、異世界感満載の世界でスケルトンとして生活しているなんて。
だけど……。
ま、スケルトンでも良いか。これからのスケルトン人生を楽しめたらならと。
前世を思い出した事で、色々なことに目覚めた俺は、
異世界で忙しく生きている人々のため。
みんながゆっくりと休養できる、スーパー銭湯を開業する事に。
その名も『すっごい娯楽施設、スケルトン』
これは俺スケルトンが開業した、
本当はみんなにゆっくり疲れを癒してもらいと思っているのに、
何故か毎日がドタバタで騒がしくなってしまう、スーパー銭湯物語である。
人間も魔物も神獣も、どなたでも大歓迎!! 『すっごい娯楽施設、スケルトン』へ、ぜひお越しください!!

英雄一家は国を去る【一話完結】
青緑
ファンタジー
婚約者との舞踏会中、火急の知らせにより領地へ帰り、3年かけて魔物大発生を収めたテレジア。3年振りに王都へ戻ったが、国の一大事から護った一家へ言い渡されたのは、テレジアの婚約破棄だった。

私に姉など居ませんが?
山葵
恋愛
「ごめんよ、クリス。僕は君よりお姉さんの方が好きになってしまったんだ。だから婚約を解消して欲しい」
「婚約破棄という事で宜しいですか?では、構いませんよ」
「ありがとう」
私は婚約者スティーブと結婚破棄した。
書類にサインをし、慰謝料も請求した。
「ところでスティーブ様、私には姉はおりませんが、一体誰と婚約をするのですか?」


【完結】私、殺されちゃったの? 婚約者に懸想した王女に殺された侯爵令嬢は巻き戻った世界で殺されないように策を練る
金峯蓮華
恋愛
侯爵令嬢のベルティーユは婚約者に懸想した王女に嫌がらせをされたあげく殺された。
ちょっと待ってよ。なんで私が殺されなきゃならないの?
お父様、ジェフリー様、私は死にたくないから婚約を解消してって言ったよね。
ジェフリー様、必ず守るから少し待ってほしいって言ったよね。
少し待っている間に殺されちゃったじゃないの。
どうしてくれるのよ。
ちょっと神様! やり直させなさいよ! 何で私が殺されなきゃならないのよ!
腹立つわ〜。
舞台は独自の世界です。
ご都合主義です。
緩いお話なので気楽にお読みいただけると嬉しいです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる