6 / 61
5.何はともあれエルフの里へ
しおりを挟む
エルフが俺達に言った、『お前達のその表情は何だ?』って。何だって何だよ? 俺達の表情に何か問題でもあるのか? 俺は蝶達とスレイムを見てみる。するとみんなも俺の顔を見てきて。そしてみんなで首を傾げた。
勿論俺は首を傾げる事なんてできないけれど、心の中で首を傾げたんだよ。だって俺達の表情はいつも通りだったんだから。俺の表情もそうだったから、みんなも首を傾けたんだろうし。
またみんなでエルフを見ると、エルフは俺達を最初に見た時の、綺麗で格好いい顔ではなく、凄く嫌そう表情になっていて。俺達と目が合うと更に嫌そうな表情になったんだ。そして、
「だからそれは何だと聞いている」
って聞いてきたんだ。だからそっちこそ何なんだよ。仕方なくまた俺はみんなを見て、みんなも俺を見てきて。何だよ! 通りでだよ! イライラしながらエルフを見返した。
「はぁ、やはり来るんじゃなかった。長が行けと言うから仕方なく来たが、やはり他に押し付ければよかったんだ。しかもこんな人間の赤ん坊に対して、言葉遣いも何もないだろう」
何だ何だ? 今までの言葉遣いと全然違うぞ? 今までは文句を言っていても、俺達に訳の分からないことを言っていても、一応話し方だけは丁寧だったのに。
今はぜんぜん違う、軽くなったっていうか、乱暴とまでは言わないけど、けっこう砕けた言葉遣いになったっていうか。どうしていきなり変わったんだ。
「それか、何かと理由をつけて、あいつがもうすぐ帰ってくる所だったからな。それを待って、あいつに行ってもらえば良かったんだ」
まぁ、文句が止まらない止まらない。
「そうすれば最初に見つけたあいつの責任になって、俺は何もせずに家に帰れたのに。大体お前達がいるのなら、お前達が向こうへ連れて行けば良かっただろう。お前達が助けたということは、そっちでも何か指示が出ていたんじゃないのか?」
お前達って、俺は何も知らないぞ? と思っていたら、蝶達やスライムがエルフに話し始めて。今までにないくらい、すごい勢いで話していた。しかも文句を言っているような感じで。ゴブリンの時だって、こんな勢いじゃなかったのに。
「何だ、お前達勝手にここへ来たのか。その赤ん坊を助けるために。じゃあやっぱりお前達の方で」
『******!!』
「何だと、何でそんなことを勝手に決めたんだ。いや言ったんだ!!」
『******、******!!』
「そんなこと俺が知るわけないだろう! 今からでももう1度話し合って、今すぐにそいつを連れて……」
『******、******、******!!』
「はぁ、何を考えているんだ。お前達の中心は」
みんなの話しについて行けなくなった俺。ただただみんなの話を聞くことしかできなかった。それにしてもエルフはよく、みんなの話していることが分かるな。自然と共に生きていると、よく地球では言われているけど。
こっちの世界でも同じで、自然と共に生きているから、みんなの言葉が分かったりするのか? 俺も話せたら良いんだけどな。そうすればしっかりとみんなにお礼が言えるのに。
みんなが話しを初めてどれくらい経ったのか。更にみんなの勢いがヒートアップするんじゃないか、そう思われた時。新たな人物が現れた。
「何をしているんだ。何か見つけた場合、すぐに連絡するように言われていただろう」
声は上から聞こえて、それからすぐにシュッ!! と背の高い人物が現れたんだ。
服装は最初のエルフと同じで。背は最初エルフよりも高く、髪の毛は腰くらいまであったが結んでいないため、サラサラと髪の毛がたなびいている。金髪だけど最初のエルフよりも少し暗い? 感じの髪色だ。そして尖った耳。彼もエルフだろう。顔は……、またイケメンかよ。
「別に大したことじゃないから知らせなかった」
「大したことがないだと。人間の赤子がいるだけで大事なのに、彼らまで居るなんて。これが本当に大したことがない?」
「そうだ、大した事はない! それにその赤ん坊は、そいつらが連れて帰るだろう。お前達、そうお前達の中心にもう1度知らせろ」
「その言葉遣いはなんだ? いつも我々種族に相応しい言葉遣いにしろと言われているだろう。はぁ、いや今は言葉遣いは良い。それよりも現状を理解しないと。みんな、私にも話しを聞かせてほしい」
新たに現れたエルフは、最初のエルフよりも落ち着いている感じがして、みんなに丁寧に色々聴いてきた。それに丁寧に返すみんな。最初のエルフの時とは大違いだ。その姿を見て、嫌そうな顔をする最初のエルフ。そして音にはしないが、『チッ』というような仕草をして。
そんな最初のエルフの様子に、俺はここの中で少し笑ってしまった。これが違いよ。そっちが後から来たエルフみたいに、話しをしっかり聞いてくれれば、みんなもあんな勢いで、何かを話さなかったと思うよ?
「なるほど、そういう事か」
静かにきちんと話したおかげか、最初のエルフよりも早く話しを終えたエルフ。
「ならばそちらの言う通り、こちらで対処しよう。ミルバーン。、里に戻るぞ。それとお前が最初にこの場所へ着いたんだ。この赤子はお前が責任を持って、里へ連れ帰るんだ」
「そっちに任せれば良いだろう!」
「彼らはすでに決めている。当分あの場所へは戻らないそうだ。それと向こうは後で会うと。今すぐに戻るぞ」
「俺は嫌な予感しかしない。今ここで別れた方が……」
「ミルバーン!」
「はあぁぁぁ、分かった。連れて行けば良いんだろう」
今度こそ俺達に聞こえるように、最後に舌打ちをしたミルバーンと言われたエルフ。2人が俺を囲み。
「我々のことをどれだけ理解できるか。私の名はシャノン、こっちはミルバーン。これからお前を我々の里、エルフの里へと連れて行く。我々の里でしっかりと世話をするから、安心して眠っていると良い」
エルフ。エルフって言ったよな? やっぱりエルフで間違えがなかった。それに今エルフの里へ連れて行くって。しかも世話もしてくれるって? 聞き間違いじゃない? はあぁぁぁ、良かった助かった。
そう思った瞬間、また睡魔が襲ってきて、俺はすぐに寝てしまったんだ。
勿論俺は首を傾げる事なんてできないけれど、心の中で首を傾げたんだよ。だって俺達の表情はいつも通りだったんだから。俺の表情もそうだったから、みんなも首を傾けたんだろうし。
またみんなでエルフを見ると、エルフは俺達を最初に見た時の、綺麗で格好いい顔ではなく、凄く嫌そう表情になっていて。俺達と目が合うと更に嫌そうな表情になったんだ。そして、
「だからそれは何だと聞いている」
って聞いてきたんだ。だからそっちこそ何なんだよ。仕方なくまた俺はみんなを見て、みんなも俺を見てきて。何だよ! 通りでだよ! イライラしながらエルフを見返した。
「はぁ、やはり来るんじゃなかった。長が行けと言うから仕方なく来たが、やはり他に押し付ければよかったんだ。しかもこんな人間の赤ん坊に対して、言葉遣いも何もないだろう」
何だ何だ? 今までの言葉遣いと全然違うぞ? 今までは文句を言っていても、俺達に訳の分からないことを言っていても、一応話し方だけは丁寧だったのに。
今はぜんぜん違う、軽くなったっていうか、乱暴とまでは言わないけど、けっこう砕けた言葉遣いになったっていうか。どうしていきなり変わったんだ。
「それか、何かと理由をつけて、あいつがもうすぐ帰ってくる所だったからな。それを待って、あいつに行ってもらえば良かったんだ」
まぁ、文句が止まらない止まらない。
「そうすれば最初に見つけたあいつの責任になって、俺は何もせずに家に帰れたのに。大体お前達がいるのなら、お前達が向こうへ連れて行けば良かっただろう。お前達が助けたということは、そっちでも何か指示が出ていたんじゃないのか?」
お前達って、俺は何も知らないぞ? と思っていたら、蝶達やスライムがエルフに話し始めて。今までにないくらい、すごい勢いで話していた。しかも文句を言っているような感じで。ゴブリンの時だって、こんな勢いじゃなかったのに。
「何だ、お前達勝手にここへ来たのか。その赤ん坊を助けるために。じゃあやっぱりお前達の方で」
『******!!』
「何だと、何でそんなことを勝手に決めたんだ。いや言ったんだ!!」
『******、******!!』
「そんなこと俺が知るわけないだろう! 今からでももう1度話し合って、今すぐにそいつを連れて……」
『******、******、******!!』
「はぁ、何を考えているんだ。お前達の中心は」
みんなの話しについて行けなくなった俺。ただただみんなの話を聞くことしかできなかった。それにしてもエルフはよく、みんなの話していることが分かるな。自然と共に生きていると、よく地球では言われているけど。
こっちの世界でも同じで、自然と共に生きているから、みんなの言葉が分かったりするのか? 俺も話せたら良いんだけどな。そうすればしっかりとみんなにお礼が言えるのに。
みんなが話しを初めてどれくらい経ったのか。更にみんなの勢いがヒートアップするんじゃないか、そう思われた時。新たな人物が現れた。
「何をしているんだ。何か見つけた場合、すぐに連絡するように言われていただろう」
声は上から聞こえて、それからすぐにシュッ!! と背の高い人物が現れたんだ。
服装は最初のエルフと同じで。背は最初エルフよりも高く、髪の毛は腰くらいまであったが結んでいないため、サラサラと髪の毛がたなびいている。金髪だけど最初のエルフよりも少し暗い? 感じの髪色だ。そして尖った耳。彼もエルフだろう。顔は……、またイケメンかよ。
「別に大したことじゃないから知らせなかった」
「大したことがないだと。人間の赤子がいるだけで大事なのに、彼らまで居るなんて。これが本当に大したことがない?」
「そうだ、大した事はない! それにその赤ん坊は、そいつらが連れて帰るだろう。お前達、そうお前達の中心にもう1度知らせろ」
「その言葉遣いはなんだ? いつも我々種族に相応しい言葉遣いにしろと言われているだろう。はぁ、いや今は言葉遣いは良い。それよりも現状を理解しないと。みんな、私にも話しを聞かせてほしい」
新たに現れたエルフは、最初のエルフよりも落ち着いている感じがして、みんなに丁寧に色々聴いてきた。それに丁寧に返すみんな。最初のエルフの時とは大違いだ。その姿を見て、嫌そうな顔をする最初のエルフ。そして音にはしないが、『チッ』というような仕草をして。
そんな最初のエルフの様子に、俺はここの中で少し笑ってしまった。これが違いよ。そっちが後から来たエルフみたいに、話しをしっかり聞いてくれれば、みんなもあんな勢いで、何かを話さなかったと思うよ?
「なるほど、そういう事か」
静かにきちんと話したおかげか、最初のエルフよりも早く話しを終えたエルフ。
「ならばそちらの言う通り、こちらで対処しよう。ミルバーン。、里に戻るぞ。それとお前が最初にこの場所へ着いたんだ。この赤子はお前が責任を持って、里へ連れ帰るんだ」
「そっちに任せれば良いだろう!」
「彼らはすでに決めている。当分あの場所へは戻らないそうだ。それと向こうは後で会うと。今すぐに戻るぞ」
「俺は嫌な予感しかしない。今ここで別れた方が……」
「ミルバーン!」
「はあぁぁぁ、分かった。連れて行けば良いんだろう」
今度こそ俺達に聞こえるように、最後に舌打ちをしたミルバーンと言われたエルフ。2人が俺を囲み。
「我々のことをどれだけ理解できるか。私の名はシャノン、こっちはミルバーン。これからお前を我々の里、エルフの里へと連れて行く。我々の里でしっかりと世話をするから、安心して眠っていると良い」
エルフ。エルフって言ったよな? やっぱりエルフで間違えがなかった。それに今エルフの里へ連れて行くって。しかも世話もしてくれるって? 聞き間違いじゃない? はあぁぁぁ、良かった助かった。
そう思った瞬間、また睡魔が襲ってきて、俺はすぐに寝てしまったんだ。
640
お気に入りに追加
1,099
あなたにおすすめの小説
滅びる異世界に転生したけど、幼女は楽しく旅をする!
白夢
ファンタジー
何もしないでいいから、世界の終わりを見届けてほしい。
そう言われて、異世界に転生することになった。
でも、どうせ転生したなら、この異世界が滅びる前に観光しよう。
どうせ滅びる世界なら、思いっきり楽しもう。
だからわたしは旅に出た。
これは一人の幼女と小さな幻獣の、
世界なんて救わないつもりの放浪記。
〜〜〜
ご訪問ありがとうございます。
可愛い女の子が頼れる相棒と美しい世界で旅をする、幸せなファンタジーを目指しました。
ファンタジー小説大賞エントリー作品です。気に入っていただけましたら、ぜひご投票をお願いします。
お気に入り、ご感想、応援などいただければ、とても喜びます。よろしくお願いします!
23/01/08 表紙画像を変更しました
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です!
小説家になろうでも10位獲得しました!
そして、カクヨムでもランクイン中です!
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。
いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。
欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・
●●●●●●●●●●●●●●●
小説家になろうで執筆中の作品です。
アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。
現在見直し作業中です。
変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。

異世界でチート無双! いやいや神の使いのミスによる、僕の相棒もふもふの成長物語
ありぽん
ファンタジー
ある異世界で生きるアーベル。アーベルにはある秘密があった。何故か彼は地球での記憶をそのままに転生していたのだ。
彼の地球での一生は、仕事ばかりで家族を顧みず、そのせいで彼の周りからは人が離れていき。最後は1人きりで寿命を終えるという寂しいもので。
そのため新たな人生は、家族のために生きようと誓い、そしてできるならばまったりと暮らしたいと思っていた。
そんなマーベルは5歳の誕生日を迎え、神からの贈り物を授かるために教会へ。しかし同じ歳の子供達が、さまざまな素晴らしい力を授かる中、何故かアーベルが授かった力はあまりにも弱く。
だがアーベルはまったく気にならなかった。何故なら授かった力は、彼にとっては素晴らしい物だったからだ。
その力を使い、家族にもふもふ魔獣達を迎え、充実した生活を送っていたアーベル。
しかし変化の時は突然訪れた。そしてその変化により、彼ともふもふ魔獣達の理想としている生活から徐々に離れ始め?
これはアーベルの成長物語、いやいや彼のもふもふ達の成長物語である。

フェンリルさんちの末っ子は人間でした ~神獣に転生した少年の雪原を駆ける狼スローライフ~
空色蜻蛉
ファンタジー
真白山脈に棲むフェンリル三兄弟、末っ子ゼフィリアは元人間である。
どうでもいいことで山が消し飛ぶ大喧嘩を始める兄二匹を「兄たん大好き!」幼児メロメロ作戦で仲裁したり、たまに襲撃してくる神獣ハンターは、人間時代につちかった得意の剣舞で撃退したり。
そう、最強は末っ子ゼフィなのであった。知らないのは本狼ばかりなり。
ブラコンの兄に溺愛され、自由気ままに雪原を駆ける日々を過ごす中、ゼフィは人間時代に負った心の傷を少しずつ癒していく。
スノードームを覗きこむような輝く氷雪の物語をお届けします。
※今回はバトル成分やシリアスは少なめ。ほのぼの明るい話で、主人公がひたすら可愛いです!

魔力∞を魔力0と勘違いされて追放されました
紗南
ファンタジー
異世界に神の加護をもらって転生した。5歳で前世の記憶を取り戻して洗礼をしたら魔力が∞と記載されてた。異世界にはない記号のためか魔力0と判断され公爵家を追放される。
国2つ跨いだところで冒険者登録して成り上がっていくお話です
更新は1週間に1度くらいのペースになります。
何度か確認はしてますが誤字脱字があるかと思います。
自己満足作品ですので技量は全くありません。その辺り覚悟してお読みくださいm(*_ _)m

やっと買ったマイホームの半分だけ異世界に転移してしまった
ぽてゆき
ファンタジー
涼坂直樹は可愛い妻と2人の子供のため、頑張って働いた結果ついにマイホームを手に入れた。
しかし、まさかその半分が異世界に転移してしまうとは……。
リビングの窓を開けて外に飛び出せば、そこはもう魔法やダンジョンが存在するファンタジーな異世界。
現代のごくありふれた4人(+猫1匹)家族と、異世界の住人との交流を描いたハートフルアドベンチャー物語!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる