6 / 111
第5話.俺の現状、そして初魔法
しおりを挟む
大きな男が俺のおでこに手を当ててすぐ、男の手が少しだけ光、俺の体の中に温かい何かが流れ込んできた。でも何だこれは? と思っているとすぐに光は消え、それと同時に体に流れてきていた温かい何かも消え、すぐに男が手を離す。
『大丈夫そうだな。悪いところは見つからない。これなら薬もいらないだろう。後は飯をどんどん食わせてやることだ。子供はたくさんご飯を食べて、どんどん成長するから生き物だからな。まぁ、当分の間、ミルクやティーばかりだろうが』
大きな男がそう言うと、また大きな別の男が近づいてきて。
『それは人間も同じなのか?』
そう最初の男に聞いた。そんな話しを続ける男達を見つめる俺。生まれたばかりの赤ん坊のせいで、ほとんど体を動かせず。この世界へ来てからずっと目だけで、何とか様子を伺っているけど、それにもだんだんと慣れてきて。目を少し動かしたくらいじゃ、全然疲れなくなってきた。
最初は目を少し動かすだけでも、思っていたよりも体力を使っていて。あの最初の最悪家族のもとでも、その疲れからと赤ん坊だからなのか、すぐに眠ることになり、何度そんな事を繰り返したか。挙句海への投げ捨てだ。
あの時眠っていなくて本当に良かった、少しはあのバカ神と話しができたからな。なんて事を考えていると、頭の上で笑う声が。
『ふふふ、何をそんなにジッと見ているの? 2人を見ていても面白いことなんてないでしょう? あっ、さっきの事が気になるのかしら。あの人が何をしたのぉ? って。きっと今説明しても分からないわよね。でも話しかけることも大事よね』
俺が男達をジッと見ていることに気づいた、俺を抱っこしてくれている綺麗な女の人が、さっきの男の行動について教えてくれた。
どうもさっきのあの男の行為は、俺の体調を診る行為だったらしい。簡単に言えば診察だな。あの男は魔法で病気を見つけ、病気が見つかればその治療をし。
もし怪我をした場合はその怪我を治すといった、この人達が住んでいる場所の治癒師で。病院の先生みたいな人物だった。
さっきは俺のおでこに手を当てた状態で魔法を使い、体を全て調べてくれて。それで全く問題なしと診断されたんだ。
俺が気絶をして、ここが何処だか分からないけれど、ここまで連れてきてもらった時に、1度診察は受けていたらしいけど。俺が起きたから、再度診察をしたって感じだ。
怪我もしていなかったらしくて、俺としては先ずはひと安心だな。後でここへ連れてきてくれた人に、何とかお礼が言えれば良いんけど、気絶する前の記憶が曖昧だからなぁ。
『人間も俺達も、基本子育ては同じだ。どちらかと言えば俺達の方が、人間よりも神経を使うかもしれないくらいだ。この子は健康、しかも人間。今からご飯をいっぱい食べさせてやれ』
『分かった』
『キュリス、分かったと返事は良いが、まだ話し合いの途中で何も決まってはいない。皆席に戻れ』
何処からか聞こえた、なんか圧を感じるような声。その声に男達が移動し、綺麗な女の人も女の子と一緒に移動すると目線が下がった。どうも何かに座った感じだ。そして周りの様子を見てみれば、部屋にいる人達が同じ方向を見ていた。
が、俺の位置からだと、目をどんなに動かしても、みんなが見ている方を見ることはできず、途中で疲れて諦めることに。まぁ、話しが聞こえれば、とりあえずは良いか。バカ神にもらった言語能力は役に立ってるみたいだし。うん、そうだ。神は使えないが、これは役にたった。
『え~、それは僕があげたんだから、僕が役に立ったってことでしょう?』
『煩い、バカ神。お前が役にやったんじゃなくて、能力が役に立ったんだ』
急に神が話しかけてきて、俺がそう頭の中で言い返していると。女の人の小さな声が。
『ふふ、嫌だわ。どうしたの、そんな変な顔をして。赤ちゃんが眉間に皺を寄せてブスッとした顔をするの、初めて見たわよ。可愛いお顔が台無しよ』
俺、今そんな顔をしてたのか。俺は何とか腕を動かして、自分の頬を触って頬を揉む。そういえばこの世界には鏡があるのか? 俺まだ自分の顔を見てないんだけど。今度の人生こそイケメンに!!
『よし、話し合いを再開するぞ。アルゼイヤの報告の途中だったが。この子供がなぜここへ落とされたのか分かったか?』
『はっ! この子供が生まれた家を確認。何人か潜入させたところ、どうもこの赤ん坊の容姿が問題だったようで。黒髪、黒目の赤ん坊が、自分達の家系に生まれるわけがない。この赤ん坊がもし、もし魔力爆発を起こせばどうなる事か。そして気持ち悪いという理由で、この子供を捨てたようです』
『人間の世界では、黒髪、黒目は珍しいからな。なかなか生まれてこない。しかもその容姿の者は、魔力量が多いせいで、魔力爆発を起こすことも。きちんと育てる家族がほとんどだが、中には今回のように気味悪がり、赤子をいなかった者とする家族も』
『あの私達が感じた悪の感情は、それのせいか』
『色々な感情が混ざり合っていたものね。悪意、弱さ、罪悪感。それは色々な感情が。こんなに可愛い赤ちゃんを消そうとするなんて』
『では、ウィルフ、ディーナ、この子自体に何か問題は? 確かに魔力が多過ぎるという問題はあるが。それは何とでもできる。その他に問題はあるか?』
『俺が見た感じは問題はないな。今言った通り体に問題はないし、ここへ来てすぐにステータスも確認したが、こっちも問題はない』
『私の方も問題はありません。この子に呪いはかけられていないわ。まぁ、もし呪いがかけられていても、私がすぐに払ってしまうから問題ないけど』
呪いだって!? この世界にはそんなにもあるのか。はぁ、良かった。俺は呪われていなかったらしい。どんな呪いがあるか知らないけど、あの最初の家族ならやりかねない。はぁ、本当の良かった。
『そうか。ではこの子自体に、問題は全くないのだな』
『大丈夫そうだな。悪いところは見つからない。これなら薬もいらないだろう。後は飯をどんどん食わせてやることだ。子供はたくさんご飯を食べて、どんどん成長するから生き物だからな。まぁ、当分の間、ミルクやティーばかりだろうが』
大きな男がそう言うと、また大きな別の男が近づいてきて。
『それは人間も同じなのか?』
そう最初の男に聞いた。そんな話しを続ける男達を見つめる俺。生まれたばかりの赤ん坊のせいで、ほとんど体を動かせず。この世界へ来てからずっと目だけで、何とか様子を伺っているけど、それにもだんだんと慣れてきて。目を少し動かしたくらいじゃ、全然疲れなくなってきた。
最初は目を少し動かすだけでも、思っていたよりも体力を使っていて。あの最初の最悪家族のもとでも、その疲れからと赤ん坊だからなのか、すぐに眠ることになり、何度そんな事を繰り返したか。挙句海への投げ捨てだ。
あの時眠っていなくて本当に良かった、少しはあのバカ神と話しができたからな。なんて事を考えていると、頭の上で笑う声が。
『ふふふ、何をそんなにジッと見ているの? 2人を見ていても面白いことなんてないでしょう? あっ、さっきの事が気になるのかしら。あの人が何をしたのぉ? って。きっと今説明しても分からないわよね。でも話しかけることも大事よね』
俺が男達をジッと見ていることに気づいた、俺を抱っこしてくれている綺麗な女の人が、さっきの男の行動について教えてくれた。
どうもさっきのあの男の行為は、俺の体調を診る行為だったらしい。簡単に言えば診察だな。あの男は魔法で病気を見つけ、病気が見つかればその治療をし。
もし怪我をした場合はその怪我を治すといった、この人達が住んでいる場所の治癒師で。病院の先生みたいな人物だった。
さっきは俺のおでこに手を当てた状態で魔法を使い、体を全て調べてくれて。それで全く問題なしと診断されたんだ。
俺が気絶をして、ここが何処だか分からないけれど、ここまで連れてきてもらった時に、1度診察は受けていたらしいけど。俺が起きたから、再度診察をしたって感じだ。
怪我もしていなかったらしくて、俺としては先ずはひと安心だな。後でここへ連れてきてくれた人に、何とかお礼が言えれば良いんけど、気絶する前の記憶が曖昧だからなぁ。
『人間も俺達も、基本子育ては同じだ。どちらかと言えば俺達の方が、人間よりも神経を使うかもしれないくらいだ。この子は健康、しかも人間。今からご飯をいっぱい食べさせてやれ』
『分かった』
『キュリス、分かったと返事は良いが、まだ話し合いの途中で何も決まってはいない。皆席に戻れ』
何処からか聞こえた、なんか圧を感じるような声。その声に男達が移動し、綺麗な女の人も女の子と一緒に移動すると目線が下がった。どうも何かに座った感じだ。そして周りの様子を見てみれば、部屋にいる人達が同じ方向を見ていた。
が、俺の位置からだと、目をどんなに動かしても、みんなが見ている方を見ることはできず、途中で疲れて諦めることに。まぁ、話しが聞こえれば、とりあえずは良いか。バカ神にもらった言語能力は役に立ってるみたいだし。うん、そうだ。神は使えないが、これは役にたった。
『え~、それは僕があげたんだから、僕が役に立ったってことでしょう?』
『煩い、バカ神。お前が役にやったんじゃなくて、能力が役に立ったんだ』
急に神が話しかけてきて、俺がそう頭の中で言い返していると。女の人の小さな声が。
『ふふ、嫌だわ。どうしたの、そんな変な顔をして。赤ちゃんが眉間に皺を寄せてブスッとした顔をするの、初めて見たわよ。可愛いお顔が台無しよ』
俺、今そんな顔をしてたのか。俺は何とか腕を動かして、自分の頬を触って頬を揉む。そういえばこの世界には鏡があるのか? 俺まだ自分の顔を見てないんだけど。今度の人生こそイケメンに!!
『よし、話し合いを再開するぞ。アルゼイヤの報告の途中だったが。この子供がなぜここへ落とされたのか分かったか?』
『はっ! この子供が生まれた家を確認。何人か潜入させたところ、どうもこの赤ん坊の容姿が問題だったようで。黒髪、黒目の赤ん坊が、自分達の家系に生まれるわけがない。この赤ん坊がもし、もし魔力爆発を起こせばどうなる事か。そして気持ち悪いという理由で、この子供を捨てたようです』
『人間の世界では、黒髪、黒目は珍しいからな。なかなか生まれてこない。しかもその容姿の者は、魔力量が多いせいで、魔力爆発を起こすことも。きちんと育てる家族がほとんどだが、中には今回のように気味悪がり、赤子をいなかった者とする家族も』
『あの私達が感じた悪の感情は、それのせいか』
『色々な感情が混ざり合っていたものね。悪意、弱さ、罪悪感。それは色々な感情が。こんなに可愛い赤ちゃんを消そうとするなんて』
『では、ウィルフ、ディーナ、この子自体に何か問題は? 確かに魔力が多過ぎるという問題はあるが。それは何とでもできる。その他に問題はあるか?』
『俺が見た感じは問題はないな。今言った通り体に問題はないし、ここへ来てすぐにステータスも確認したが、こっちも問題はない』
『私の方も問題はありません。この子に呪いはかけられていないわ。まぁ、もし呪いがかけられていても、私がすぐに払ってしまうから問題ないけど』
呪いだって!? この世界にはそんなにもあるのか。はぁ、良かった。俺は呪われていなかったらしい。どんな呪いがあるか知らないけど、あの最初の家族ならやりかねない。はぁ、本当の良かった。
『そうか。ではこの子自体に、問題は全くないのだな』
24
お気に入りに追加
1,125
あなたにおすすめの小説
私のスローライフはどこに消えた?? 神様に異世界に勝手に連れて来られてたけど途中攫われてからがめんどくさっ!
魔悠璃
ファンタジー
タイトル変更しました。
なんか旅のお供が増え・・・。
一人でゆっくりと若返った身体で楽しく暮らそうとしていたのに・・・。
どんどん違う方向へ行っている主人公ユキヤ。
R県R市のR大学病院の個室
ベットの年配の女性はたくさんの管に繋がれて酸素吸入もされている。
ピッピッとなるのは機械音とすすり泣く声
私:[苦しい・・・息が出来ない・・・]
息子A「おふくろ頑張れ・・・」
息子B「おばあちゃん・・・」
息子B嫁「おばあちゃん・・お義母さんっ・・・」
孫3人「いやだぁ~」「おばぁ☆☆☆彡っぐ・・・」「おばあちゃ~ん泣」
ピーーーーー
医師「午後14時23分ご臨終です。」
私:[これでやっと楽になれる・・・。]
私:桐原悠稀椰64歳の生涯が終わってゆっくりと永遠の眠りにつけるはず?だったのに・・・!!
なぜか異世界の女神様に召喚されたのに、
なぜか攫われて・・・
色々な面倒に巻き込まれたり、巻き込んだり
事の発端は・・・お前だ!駄女神めぇ~!!!!
R15は保険です。
野草から始まる異世界スローライフ
深月カナメ
ファンタジー
花、植物に癒されたキャンプ場からの帰り、事故にあい異世界に転生。気付けば子供の姿で、名前はエルバという。
私ーーエルバはスクスク育ち。
ある日、ふれた薬草の名前、効能が頭の中に聞こえた。
(このスキル使える)
エルバはみたこともない植物をもとめ、魔法のある世界で優しい両親も恵まれ、私の第二の人生はいま異世界ではじまった。
エブリスタ様にて掲載中です。
表紙は表紙メーカー様をお借りいたしました。
プロローグ〜78話までを第一章として、誤字脱字を直したものに変えました。
物語は変わっておりません。
一応、誤字脱字、文章などを直したはずですが、まだまだあると思います。見直しながら第二章を進めたいと思っております。
よろしくお願いします。
神に異世界へ転生させられたので……自由に生きていく
霜月 祈叶 (霜月藍)
ファンタジー
小説漫画アニメではお馴染みの神の失敗で死んだ。
だから異世界で自由に生きていこうと決めた鈴村茉莉。
どう足掻いても異世界のせいかテンプレ発生。ゴブリン、オーク……盗賊。
でも目立ちたくない。目指せフリーダムライフ!
プラス的 異世界の過ごし方
seo
ファンタジー
日本で普通に働いていたわたしは、気がつくと異世界のもうすぐ5歳の幼女だった。田舎の山小屋みたいなところに引っ越してきた。そこがおさめる領地らしい。伯爵令嬢らしいのだが、わたしの多少の知識で知る貴族とはかなり違う。あれ、ひょっとして、うちって貧乏なの? まあ、家族が仲良しみたいだし、楽しければいっか。
呑気で細かいことは気にしない、めんどくさがりズボラ女子が、神様から授けられるギフト「+」に助けられながら、楽しんで生活していきます。
乙女ゲーの脇役家族ということには気づかずに……。
#不定期更新 #物語の進み具合のんびり
#カクヨムさんでも掲載しています
社畜から卒業したんだから異世界を自由に謳歌します
湯崎noa
ファンタジー
ブラック企業に入社して10年が経つ〈宮島〉は、当たり前の様な連続徹夜に心身ともに疲労していた。
そんな時に中高の同級生と再開し、その同級生への相談を行ったところ会社を辞める決意をした。
しかし!! その日の帰り道に全身の力が抜け、線路に倒れ込んでしまった。
そのまま呆気なく宮島の命は尽きてしまう。
この死亡は神様の手違いによるものだった!?
神様からの全力の謝罪を受けて、特殊スキル〈コピー〉を授かり第二の人生を送る事になる。
せっかくブラック企業を卒業して、異世界転生するのだから全力で謳歌してやろうじゃないか!!
※カクヨム、小説家になろう、ノベルバでも連載中
5歳で前世の記憶が混入してきた --スキルや知識を手に入れましたが、なんで中身入ってるんですか?--
ばふぉりん
ファンタジー
「啞"?!@#&〆々☆¥$€%????」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
五歳の誕生日を迎えた男の子は家族から捨てられた。理由は
「お前は我が家の恥だ!占星の儀で訳の分からないスキルを貰って、しかも使い方がわからない?これ以上お前を育てる義務も義理もないわ!」
この世界では五歳の誕生日に教会で『占星の儀』というスキルを授かることができ、そのスキルによってその後の人生が決まるといっても過言では無い。
剣聖 聖女 影朧といった上位スキルから、剣士 闘士 弓手といった一般的なスキル、そして家事 農耕 牧畜といったもうそれスキルじゃないよね?といったものまで。
そんな中、この五歳児が得たスキルは
□□□□
もはや文字ですら無かった
~~~~~~~~~~~~~~~~~
本文中に顔文字を使用しますので、できれば横読み推奨します。
本作中のいかなる個人・団体名は実在するものとは一切関係ありません。
転生チート薬師は巻き込まれやすいのか? ~スローライフと時々騒動~
志位斗 茂家波
ファンタジー
異世界転生という話は聞いたことがあるが、まさかそのような事を実際に経験するとは思わなかった。
けれども、よくあるチートとかで暴れるような事よりも、自由にかつのんびりと適当に過ごしたい。
そう思っていたけれども、そうはいかないのが現実である。
‥‥‥才能はあるのに、無駄遣いが多い、苦労人が増えやすいお話です。
「小説家になろう」でも公開中。興味があればそちらの方でもどうぞ。誤字は出来るだけ無いようにしたいですが、発見次第伝えていただければ幸いです。あと、案があればそれもある程度受け付けたいと思います。
チート転生~チートって本当にあるものですね~
水魔沙希
ファンタジー
死んでしまった片瀬彼方は、突然異世界に転生してしまう。しかも、赤ちゃん時代からやり直せと!?何げにステータスを見ていたら、何やら面白そうなユニークスキルがあった!!
そのスキルが、随分チートな事に気付くのは神の加護を得てからだった。
亀更新で気が向いたら、随時更新しようと思います。ご了承お願いいたします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる