もふもふ相棒と異世界で新生活!! 神の愛し子? そんなことは知りません!!

ありぽん

文字の大きさ
上 下
73 / 114
連載

205.ラジオ体操と朝ごはんと食器

しおりを挟む
「う~ん!!」

『ふわぁ~なの!』

『ぴよぉ~、朝の運動する』

 朝、何故か良い匂いで目を覚ました僕達。そして、エンシェントドラゴンおじさんと行動するようになってから、こんなにスッキリ目が覚めたのは久しぶりってくらいに、しっかりと起きた僕達は。

 エンシェントドラゴンおじさんに、もう少しでご飯だって言われたから。それまでの間、洞窟の入り口の前に立って朝日を浴びながら、朝の運動をする事に。入り口には昨日集まってきた、虫や鳥達ももちろん付いて来たよ。

 いっちにさんし、ごうろくしちはち。僕が少し前に、みんなにラジオ体操を教えたんだ。完璧に全部ってわけじゃないけど、分かるところだけね。

 これをフィルとクルクル、そしてアリスターがとっても気に入っちゃって。みんながしっかり起きられた日は、朝揃ってやっていたんだ。最初に僕達のラジオ体操を見たエセルバードさん達には、変な踊りをして、何をしているんだって言われたけど。

『お前達は、何故そんな変な踊りを、朝からやっているんだ?』

 ここでも同じ事を言われるなんて。エンシェントドラゴンおじさんが、僕達のラジオ体操を見て、エセルバードさん達と同じ事を言ってきました。
 何かに捧げるための踊りか、何かを召喚するための踊り、それからただ単に楽しむための踊り。踊りには色々理由があるらしんだけど、その踊りみたいだって。

 捧げる? 召喚? そんな凄いものじゃないよ。寝ていて固まっている体を、これから1日しっかり動かすための運動。

「こりぇ、うんど」

『うんど?』

『うんどうなの』

『うんど、うんどう、運動の事か』

『これやると、体が動くようになる。それからしっかり目が覚めていても、もっとバッチリ目が覚める。…でもそれはみんなバラバラ。カナデは運動してもいつも眠そう。フィルは時々眠そう』

『ふむ、確かにカナデはいつも朝、眠そうにしているな。運動か…、我にも教えてくれるか?』

 僕達の運動を見ていて、エンシェントドラゴンおじさんもやってみたくなったって。それに体が動くようになるって、クルクルが言った事にも興味が出たみたい。

 僕は順番にエンシェントドラゴンおじさんに、ラジオ体操を教えていきます。本当は人間の体の方が楽だと思うんだけど、それからそれをエンシェントドラゴンおじさんにも言ったんだけど。
 エンシェントドラゴンおじさんは、ドラゴンの姿でも出来るようにしたいからって、ドラゴンの姿のままラジオ体操をやる事に。

 まぁ、フィルもクルクルも魔獣だからね。みんなそれぞれできる姿勢も変わってくるわけで。僕の動きに近い動きをしている感じだから問題はなし。
 1つずつ、丁寧にエンシェントドラゴンおじさんに教えます。手はこうとか、その時の足はこうとか。

 それでエンシェントドラゴンおじさんは、僕が教えるどの体操もすぐにできちゃって。結局1回しか教えていないのに、その後通してやってみたら、完璧にできちゃいました。虫と鳥達は…。

 いや、鳥達はね、クルクルがやってるから、それを真似して一緒にやっていたけど。まさか虫まで足を動かしたり羽を動かしたり、一緒にラジオ体操をするとは思わなかったよ。
 虫ってこんな動きできるの? というか、人のマネをする? この世界の虫はこれが普通なのかな? あ~あ、屈伸運動まで。僕思わず拍手しちゃったよ。

 と、いうことで、みんなで並んでラジオ体操。いっちにさんし、ごうろくしちはち。にぃにさんし、ごうろくしちはち。

『ふむ、なるほど。体がほぐれるのと、確かに動きが良くなった気がするな。それに良い具合に体が温まった』

 と、エンシェントドラゴンおじさんが感想を言ったら。

「お前達は、何を朝から踊っているのだ」

 いつものあの言葉。いつの間にかアルフォンスさんが僕達の後ろに立っていました。それでジトッとした目で僕達を見ていたの。だからアルフォンスさんにもラジオ体操について説明。

 そして説明を聞いたアルフォンスさんも、ラジオ体操に興味を持ってね。アルフォンスさんにもラジオ体操を押せる事に。それでアルフォンスさんも、1回で覚えちゃったよ。
 最後にもう1度みんなで、並んでラジオ体操をしました。

「確かにこれは良いかもしれないな。もともと朝は、私もなるべく体を動かし、体を温めていたが、これならば1回やるだけでしっかりと体がほぐれ、体が動くようになり温まる。次回からはこれを使わせてもらおう」

 うんうん、そうして。ただ、僕達みたいに何回もやると、逆に体がお熱くなりすぎて、汗がダラダラになるから気をつけてね。最初に自分達でやって、エンシェントドラゴンおじさんにおしえて、揃ってみんなでやって。アルフォンスさんとも同じ事をしたから、僕達汗がダラダラだよ。

「よし、体もしっかりとしたところで、ご飯の準備ができている。さぁ、食べに行こう」

 アルフォンスさんにそう言われて、洞窟の奥まで移動すると、そこにはしっかりとした朝食が用意されていました。

 野菜のサンドイッチに、お肉が挟んであるサンドイッチ、それからスクランブルエッグみたいな物に、少しのサラダ。あとはフルーツのジュースに、ヨーグルトみたいな物まで用意してあったんだ。

 凄いのは朝ごはんだけじゃありません。料理が乗っているお皿。もちろんここに、いつもの陶器や石でできている食器はないけど、今料理はしっかりとお皿に乗っていて。

 何でできているか聞いたら、全部葉っぱでできているんだって。コップもね。しっかり葉っぱで編まれていて、下にソースや果物の汁が漏れるとか、絶対にないって。だからコップも心配なし。
 
 豪華な朝のご飯に、僕もフィルもクルクルも食べるよりも前に、じっと朝ごはんを見つめちゃったよ。

「ここにある食材と、私が朝焼いたパンで作った」

『アルフォンスは料理が得意だからな。そしてこういった食器を作るのも得意なのだ。昨日の夜、お前達が寝てから、我らはもう少し話しをしていたのだが、しっかりとしたご飯が必要だろう、それから食器も必要だろうと。話しをしながら作ってくれたのだ』

 話しをしながら、この完璧な食器を? そしてこの朝のご飯まで? 僕はフィルとクルクルを見ます。そうしたらフィル達も僕を見ていて。
 みんなで頷き合ったら、一斉にアルフォンスさんの所へ。そしてアルフォンスさんに抱きついて、大きな声でお礼を言いました。

「あがちょ!!」

『ありがとなの!!』

『ありがとう!!』

 虫も鳥達も、みんながアルフォンスさんの周りに集まって、たぶんありがとうとって、伝えています。

「………別に問題ない。さぁ、早く食べてしまうぞ。その後はまた話し合いだからな」

 こんなに凄い朝ご飯に食器、アルフォンスさん、本当にありがとう!!
しおりを挟む
感想 1,422

あなたにおすすめの小説

夢のテンプレ幼女転生、はじめました。 憧れののんびり冒険者生活を送ります

ういの
ファンタジー
旧題:テンプレ展開で幼女転生しました。憧れの冒険者になったので仲間たちとともにのんびり冒険したいとおもいます。 七瀬千那(ななせ ちな)28歳。トラックに轢かれ、気がついたら異世界の森の中でした。そこで出会った冒険者とともに森を抜け、最初の街で冒険者登録しました。新米冒険者(5歳)爆誕です!神様がくれた(と思われる)チート魔法を使ってお気楽冒険者生活のはじまりです!……ちょっと!神獣様!精霊王様!竜王様!私はのんびり冒険したいだけなので、目立つ行動はお控えください!! 初めての投稿で、完全に見切り発車です。自分が読みたい作品は読み切っちゃった!でももっと読みたい!じゃあ自分で書いちゃおう!っていうノリで書き始めました。 【5/22 書籍1巻発売中!】

【完結】兄の事を皆が期待していたので僕は離れます

まりぃべる
ファンタジー
一つ年上の兄は、国の為にと言われて意気揚々と村を離れた。お伽話にある、奇跡の聖人だと幼き頃より誰からも言われていた為、それは必然だと。 貧しい村で育った弟は、小さな頃より家の事を兄の分までせねばならず、兄は素晴らしい人物で対して自分は凡人であると思い込まされ、自分は必要ないのだからと弟は村を離れる事にした。 そんな弟が、自分を必要としてくれる人に会い、幸せを掴むお話。 ☆まりぃべるの世界観です。緩い設定で、現実世界とは違う部分も多々ありますがそこをあえて楽しんでいただけると幸いです。 ☆現実世界にも同じような名前、地名、言葉などがありますが、関係ありません。

【一話完結】断罪が予定されている卒業パーティーに欠席したら、みんな死んでしまいました

ツカノ
ファンタジー
とある国の王太子が、卒業パーティーの日に最愛のスワロー・アーチェリー男爵令嬢を虐げた婚約者のロビン・クック公爵令嬢を断罪し婚約破棄をしようとしたが、何故か公爵令嬢は現れない。これでは断罪どころか婚約破棄ができないと王太子が焦り始めた時、招かれざる客が現れる。そして、招かれざる客の登場により、彼らの運命は転がる石のように急転直下し、恐怖が始まったのだった。さて彼らの運命は、如何。

侯爵家の愛されない娘でしたが、前世の記憶を思い出したらお父様がバリ好みのイケメン過ぎて毎日が楽しくなりました

下菊みこと
ファンタジー
前世の記憶を思い出したらなにもかも上手くいったお話。 ご都合主義のSS。 お父様、キャラチェンジが激しくないですか。 小説家になろう様でも投稿しています。 突然ですが長編化します!ごめんなさい!ぜひ見てください!

【完結】公爵家の末っ子娘は嘲笑う

たくみ
ファンタジー
 圧倒的な力を持つ公爵家に生まれたアリスには優秀を通り越して天才といわれる6人の兄と姉、ちやほやされる同い年の腹違いの姉がいた。  アリスは彼らと比べられ、蔑まれていた。しかし、彼女は公爵家にふさわしい美貌、頭脳、魔力を持っていた。  ではなぜ周囲は彼女を蔑むのか?                        それは彼女がそう振る舞っていたからに他ならない。そう…彼女は見る目のない人たちを陰で嘲笑うのが趣味だった。  自国の皇太子に婚約破棄され、隣国の王子に嫁ぐことになったアリス。王妃の息子たちは彼女を拒否した為、側室の息子に嫁ぐことになった。  このあつかいに笑みがこぼれるアリス。彼女の行動、趣味は国が変わろうと何も変わらない。  それにしても……なぜ人は見せかけの行動でこうも勘違いできるのだろう。 ※小説家になろうさんで投稿始めました

夫の妹に財産を勝手に使われているらしいので、第三王子に全財産を寄付してみた

今川幸乃
恋愛
ローザン公爵家の跡継ぎオリバーの元に嫁いだレイラは若くして父が死んだため、実家の財産をすでにある程度相続していた。 レイラとオリバーは穏やかな新婚生活を送っていたが、なぜかオリバーは妹のエミリーが欲しがるものを何でも買ってあげている。 不審に思ったレイラが調べてみると、何とオリバーはレイラの財産を勝手に売り払ってそのお金でエミリーの欲しいものを買っていた。 レイラは実家を継いだ兄に相談し、自分に敵対する者には容赦しない”冷血王子”と恐れられるクルス第三王子に全財産を寄付することにする。 それでもオリバーはレイラの財産でエミリーに物を買い与え続けたが、自分に寄付された財産を勝手に売り払われたクルスは激怒し…… ※短め

もふもふと始めるゴミ拾いの旅〜何故か最強もふもふ達がお世話されに来ちゃいます〜

双葉 鳴|◉〻◉)
ファンタジー
「ゴミしか拾えん役立たずなど我が家にはふさわしくない! 勘当だ!」 授かったスキルがゴミ拾いだったがために、実家から勘当されてしまったルーク。 途方に暮れた時、声をかけてくれたのはひと足先に冒険者になって実家に仕送りしていた長兄アスターだった。 ルークはアスターのパーティで世話になりながら自分のスキルに何ができるか少しづつ理解していく。 駆け出し冒険者として少しづつ認められていくルーク。 しかしクエストの帰り、討伐対象のハンターラビットとボアが縄張り争いをしてる場面に遭遇。 毛色の違うハンターラビットに自分を重ねるルークだったが、兄アスターから引き止められてギルドに報告しに行くのだった。 翌朝死体が運び込まれ、素材が剥ぎ取られるハンターラビット。 使われなくなった肉片をかき集めてお墓を作ると、ルークはハンターラビットの魂を拾ってしまい……変身できるようになってしまった! 一方で死んだハンターラビットの帰りを待つもう一匹のハンターラビットの助けを求める声を聞いてしまったルークは、その子を助け出す為兄の言いつけを破って街から抜け出した。 その先で助け出したはいいものの、すっかり懐かれてしまう。 この日よりルークは人間とモンスターの二足の草鞋を履く生活を送ることになった。 次から次に集まるモンスターは最強種ばかり。 悪の研究所から逃げ出してきたツインヘッドベヒーモスや、捕らえられてきたところを逃げ出してきたシルバーフォックス(のちの九尾の狐)、フェニックスやら可愛い猫ちゃんまで。 ルークは新しい仲間を募り、一緒にお世話するブリーダーズのリーダーとしてお世話道を極める旅に出るのだった! <第一部:疫病編> 一章【完結】ゴミ拾いと冒険者生活:5/20〜5/24 二章【完結】ゴミ拾いともふもふ生活:5/25〜5/29 三章【完結】ゴミ拾いともふもふ融合:5/29〜5/31 四章【完結】ゴミ拾いと流行り病:6/1〜6/4 五章【完結】ゴミ拾いともふもふファミリー:6/4〜6/8 六章【完結】もふもふファミリーと闘技大会(道中):6/8〜6/11 七章【完結】もふもふファミリーと闘技大会(本編):6/12〜6/18

友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。

石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。 だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった 何故なら、彼は『転生者』だから… 今度は違う切り口からのアプローチ。 追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。 こうご期待。

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。