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199.エンシェントドラゴンおじさんが復活してからの出来事

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『それとな、詳しくはまだ聞き出せていないのだが、どうにも奴等は何かを復活させようとしているようだ。そしてそれにはかなりの魔力を使うようでな』

「国を支配するために、お前の力が必要で、お前を復活させたのではないのか? まだ何かを復活させるつもりだと?」

『ああ。我は今回のことにちょうど使えるからと、復活させられたようだ。それと、何を復活させるかは分からないが、他にもやろうとしている事が色々あるらしい。この幼子、カナデも、それらをするために必要だと』

 エンシェントドラゴンおじさんとアルフォンスさんが、同時に僕を見てきました。え? 何々? ただでさえよく分かってないのに、今度は僕のことまで出てきたよ。
 小さい僕、大したことはできないと思うんだけど。だって歩くのもよちよちなのに。そんな僕の何が必要なの?

『まず、順に説明するぞ』

 そこからは、エンシェントドラゴンおじさんが復活してからの事を、詳しく聞きました。

 まず復活したエンシェントドラゴンおじさんはそのまま、エンシェントドラゴンおじさんを復活させて、しかも奴隷契約をした人。名前はコースタスクっていう人間と、すぐにある場所へ向かいました。

 向かったっていうか、数分後にはその場所に着いたんだけど。まぁ、エンシェントドラゴンおじさんが飛んで移動すればね。人間には遠い場所でも数分で着いちゃうわけで。
 それでついた場所には数十人の青黒ローブを着ている人達が集まっていました。その中の数人は、刺繍の入っているローブを着ていて、その人達は集まっている人達の中でも、結構な魔力を持っていたって。

 青黒ローブ。あの人達のことだよね、僕達のことを襲ってきた、黒い人型モヤの青黒ローブ。僕達にだけ見えるやつ。何で僕達だけに見えるのか、後でちょっと、その事を聞いてみようかな?

 それでその人達と、というか、その刺繍の入っているローブの人達と話し始めたコースタスク。どうもその話から、他にも青黒黒ローブ達はいて、もうしっかりと待機できていると報告が。そしてその待機している場所が、ドラゴンの森だっていうのも分かりました。

 そうかあの最初のバタバタ。僕達がアリスターの遊び部屋に避難した時には、もうドラゴンの森の周りに、あの人達は来ていたんだね、それでストライド達がその人達を倒してくれて。

 話しはすぐに終わって、刺繍の青黒ローブ達以外は、すぐに石を使って移動を始めました。なんか別の場所に移動できる、特別な石があるみたいだよ。長い距離は移動できないけど、少しの距離だったら一瞬で移動する事ができる特別な石だって。

 それでみんながいなくなると、残った刺繍の青黒ローブ達に、また話しを始めたコースタスク。
 ここまでは予定通り。そしてこのまま予定通りドラゴンの森に攻め込み、子供を回収したら、すぐに次の行動に移るって。それからドラゴン達は、できるだけ倒しておきたいとも言っていたんだって。

 子供。何のことか分からなかったエンシェントドラゴンおじさん。でもその時は別に興味もなかったから、詳しいことは聞かずに、またすぐ移動する事になりました。
 
 ただドラゴンの森へ移動する最中、そしてドラゴンの森についてから、色々とコースタクス達の話を聞いていると、どうにもよくない事をやろうとしている事に気づいて。そして子供についても、かなりの力を持っているから必ず手に入れるとか、何だかんだ話していて。

 エンシェントドラゴンおじさんは、ドラゴンの森に着く前に、大きな力に気づいていました。でもそれが子供の魔力とは分かっていなくて。
 ただその後、コースタスクにエンシェントドラゴンおじさんが、これから自分が何をするのか話しを聞いた時に、その強い魔力が子供のものだって分かったって。それが僕だったの。

 そしてそれとは別に、ある気配にも気づいていました。そう、この時になぜか、居ないはずのアサヒさんの気配を、僕のいる場所から感じて。そして僕を確認した、あの初めて会った時、完全に僕からアサヒさんの気配を感じたんだって。

 それでね、この時エンシェントドラゴンおじさんは色々考えていて。アサヒさんが居たら、アサヒさんを連れてあの場から逃げる。僕とアサヒさんが一緒にいて、アサヒさんが僕を連れて行けっていうなら、僕も連れて逃げる。

 でももし僕しか居なかったら。僕からアサヒさんの気配がしているからね、アサヒさんに何かしら関係しているかもしれなかったら、僕を連れて逃げる。なんて事を色々考えていたみたいだよ。

 結局は僕しかそこには居なかったけど。それで今僕達はここにいて、エンシェントドラゴンおじさんの話しを聞いているところだよ。

「なるほど、お前が人間の子供を連れてきた理由と、それまでの行動は分かった。子供については後で更に詳しく話しを聞こう。力の事もアサヒの事もだ。まぁ、気配で分かっている事もあるが、それでも他にも確認する事もあるからな。それよりも先の、そのコースタクスという人間と、ローブの者達についてだ」

『ああ』

「先に、お前には後どのくらい時間が残っている?」

『あと約3日くらいだろう。だがここから、なるべくカナデ達から離れた方が良いからな。完璧に残っている時間はあと2日だ』

「そうか。で、お前がカナデ達から離れたら、カナデ達は誰が面倒を?」

『それはお前に頼もうと思っていた。それかお前の仲間にな』

「はぁ、まったく。私がここへ来なかったら、そして里の人間が、それを断ったらどうするつもりだったんだ」

『なに、お前は子供好きだからな。なにも問題ないと思っていたぞ。それにお前の里の者達も、幼い者を放ってはおかないだろう?』

「…お前という奴は。分かった後のことは任せろ。それもカナデに後で話しを聞きながら、カナデのお今後について話しをする」

『助かる。それでコースタスク達についてだが…』

 え? え? エンシェントドラゴンおじさんが僕達から離れる? 後はまかせろ? 何が?
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