いきたがり

秋臣

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美輝

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シャワーから戻ると入れ替わりに三木さんがバスルームへ行く。
「すぐ戻るから酒飲まないで待ってて」
「酒?」
「うん、酔っ払いは趣味じゃないの」
言ってることがよく分からなかった。
すぐ戻ると言った割には少し時間を要して三木さんはバスローブ姿で戻ってきた。
と思ったら自分の寝室へ行ってしまった。
俺に話があるとか、そういうことじゃないのか?なんでシャワー?
三木さんのすることは理解できないことが多い、気にしないようにしよう。
「八雲さーーん!」
「はい」
「こっちこっち~」
「こっちって…」寝室じゃないか。
「あの、三木さん、寝るなら私は部屋で休ませてもらいますね、おやすみなさい」
三木さんの寝室の前を通り過ぎようとしたら、ドアが開き腕を掴まれ引っ張り込まれた。
「よし、捕獲」
「なんなんですか?」
「ん?こっちだよ」と腕を掴んだままベッドの方へ歩き出す。
そして俺をトンとベッドの上に押し倒した。
俺はベッドで仰向けに、三木さんは足元で腕組みして立っている。
「三木さん?」
「ねえ、八雲さん。ちょっと古傷に触るけどいい?」
「え?」
「八雲さんの元奥さんが俺に話したこと覚えてる?」
碌なこと言ってなかった…求めてばかりとか絶倫とか…
「俺さあ、ずっと試してみたくてね。その絶倫」
「は?」
「ここにいる間、性欲処理している様子もなかったし、八雲さんも溜まってるでしょ?」
カッと頭に血が上る。
「何を言ってる!俺はもう42だぞ、もう衰えてるから問題ないし、あなたにそんなことまで心配される謂れはないです。さすがに失礼だ!」
「それは失敬。じゃあ試してみましょうよ、衰えてるかどうか、その絶倫とやらを」
「三木さん!」
「あ、俺バイだから。男相手の時はネコね、ネコって抱かれる方ってこと」

バスローブをスルッと脱ぐ。
部屋は明かりが灯されていなくて、外からの微かな夜の光が三木さんのシルエットを浮かび上がらせる。
さすがホストと言うべきなのか、三木さんだからなのか、体は程よく筋肉がついて引き締まっている、無駄なものを全て排除した惚れ惚れするような体だ。そこにあの顔が乗っているのだから、神様はどれだけ不公平なのだろうか。
ギシッ
三木さんがベッドに上がる。
妖しげな表情で俺を見下ろすと
「『Starlight』の『美輝』です。
今夜は楽しみたい?それとも楽しませてくれる?どちらを御所望?」
そう言って俺のバスローブを脱がせながら三木さんの唇が触れた。
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