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ゲイバー
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こっちに来てから1~2年経った頃に、ふとゲイバーに行ってみた。
女の子には声をかけられたり誘われたりすることも多かったが、興味がないので煩わしいだけだった。
かといって男が欲しくてゲイバーに行きたいのかと言ったらそこまで貪欲でもなく、ただなんとなく行ったことがなかったから興味本位で行ってみたのだ。
その類の店の周りは独特の雰囲気があり、来るべきじゃなかったかなと躊躇していたら、
「うちのお店来る?」と声をかけてくれた人がいた。
それが俺が通うゲイバー『1.5』のママだった。
なんでも俺が迷子のように見えて放って置けなかったと後日聞いた。
その時の話をママがするたびに恥ずかしくなる。
「かわいかったのよ~お店の前でウロウロしてて。で、声かけたら本当に可愛くてさ~可愛いというより美人ね!」
「ママ、凄い上玉拾ったねえ」と他の常連さんたちに囃し立てられると
「ちょっと!上玉なんて下衆な言い方やめてちょうだいよ。柊ちゃんはこの世の宝よ」
「ママ…やめてよ…」恥ずかしい。
「それにね、綺麗ってだけじゃないの、柊ちゃんは。感性もピカイチなのよ」
「なにそれ、何かエピソードでもあるの?」
「ふふふ、教えなーい」
「ケチ!教えないから振るなよ!」
ギャハハハ
ここはいつも楽しい。
ゲイバーだけどそこまでグイグイ来られることもないから寛げる。
どうやらママや常連さんが俺にちょっかい出しそうな客を牽制してるらしいのだけど。
様々な年代の様々な経歴や知識を持った人たちが沢山いて勉強になるし、とにかく楽しい。声をかけてくれたママには感謝してる。
女の子には声をかけられたり誘われたりすることも多かったが、興味がないので煩わしいだけだった。
かといって男が欲しくてゲイバーに行きたいのかと言ったらそこまで貪欲でもなく、ただなんとなく行ったことがなかったから興味本位で行ってみたのだ。
その類の店の周りは独特の雰囲気があり、来るべきじゃなかったかなと躊躇していたら、
「うちのお店来る?」と声をかけてくれた人がいた。
それが俺が通うゲイバー『1.5』のママだった。
なんでも俺が迷子のように見えて放って置けなかったと後日聞いた。
その時の話をママがするたびに恥ずかしくなる。
「かわいかったのよ~お店の前でウロウロしてて。で、声かけたら本当に可愛くてさ~可愛いというより美人ね!」
「ママ、凄い上玉拾ったねえ」と他の常連さんたちに囃し立てられると
「ちょっと!上玉なんて下衆な言い方やめてちょうだいよ。柊ちゃんはこの世の宝よ」
「ママ…やめてよ…」恥ずかしい。
「それにね、綺麗ってだけじゃないの、柊ちゃんは。感性もピカイチなのよ」
「なにそれ、何かエピソードでもあるの?」
「ふふふ、教えなーい」
「ケチ!教えないから振るなよ!」
ギャハハハ
ここはいつも楽しい。
ゲイバーだけどそこまでグイグイ来られることもないから寛げる。
どうやらママや常連さんが俺にちょっかい出しそうな客を牽制してるらしいのだけど。
様々な年代の様々な経歴や知識を持った人たちが沢山いて勉強になるし、とにかく楽しい。声をかけてくれたママには感謝してる。
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