159 / 247
第1章3節 学園生活/楽しい三学期
第154話 身近なあなたのこと
しおりを挟む
「ふー……手が凝ってきたなあ」
エリスは手に持っていた物を机に置き、肩を回す。
「ごめんね、課外活動のことで手伝わせて」
「気にしないでいいよ~。これもまた経験経験」
現在彼女がいるのは、カタリナが生活している寮の部屋。他のルームメイトは出計らっていて、今はセバスンを含めた三人しかいない。男子達は試験に向けて気合を入れている一方、女子達はまだ気楽なようだ。
「学園祭で販売する商品って、もうこの頃から作ってるんだね~」
「そうだよ。ゆっくり時間をかけて手作りの商品を作るんだ」
「何かいいね……あれっ」
エリスは目の前にある菓子入れに手を伸ばすが、そこは空になっていた。
「ああ、お菓子なくなっちゃったか……足りなかったかな」
「何かごめんね、わたしがばくばく食べちゃったからだね」
「いいよ、気にしないで。手伝ってもらってるんだからこれぐらい……あ、紅茶も残り少しだ。買ってこないとな……」
「じゃあ今行こうよ。休憩も兼ねてさ」
「……わかった。エリスがそう言うなら、あたしもそうするよ。セバスン、留守番お願い」
「承知致しました」
こうして二人は準備を整え、外へと繰り出す。
一方第二階層。それなりに高いビルが多く立ち並ぶ中を、休日模様の二人の魔術師が行く。
「あ~……今日あったかいなあ。コート着てきたの間違いだったかなあ……」
「まあ三月も近付いてきたしな」
「そうだねえ……はぁ」
カベルネは隣を歩いているティナをちらっと見て、そして溜息をつく。
「……仕方ないだろ。試験も近いんだから、教師は忙しいんだ」
「わかってるよぉ……ティナも付き合ってくれてありがとうねぇ……優しいねぇ……」
「そういう君も随分と優しいよな……弟君からもらったチケット、受け取ったんだろ?」
「まあね……」
左手に握られた二枚の紙が、力を込められ更に皺が付く。
「ん……?」
「どうした?」
「あの子、生徒会室にいた……ちょっと挨拶してこよう」
「……さあ、到着しましたわ! ここがわたくしのおすすめのお店、『柳屋』でございますのよ!」
「はへぇ……素朴な感じぃ……」
第二階層に到着したエリスとカタリナ。そこで予期せぬ出会いがあり、予期せぬ店に導かれることになっていた。
「ここのレモンケーキが美味しくて、しっとり甘酸っぱい手が止まらないお味なのですわ! それでいて値段はお手頃! わたくしも普段から贔屓にしている素晴らしいお店なんですの!」
「それはすごい……! アザーリア先輩、ありがとうございます!」
「あ、ありがとうございます……!」
「いいえ、これも何かの縁でございますわ……って、あら!」
アザーリアは視界に紫髪の人物の姿を納めると、そちらに向かって行く。
「カベルネ様! 先週ぶりですわね!」
「え、ああ……久しぶりだね」
「今日はすっかりオフモードという感じだな」
「うふふ、このキュロットスカートは最近買ったんですの~!」
楽しそうにしているアザーリアを見て、入り口に差しかかっていたエリスとカタリナも思わず戻ってきた。
「アザーリア先輩、お知り合いの方ですか?」
「まあエリスちゃん! 放ってしまって申し訳ありませんわ! そうですわね、この機会だからご紹介いたしますわ! この方達は……」
「あ、待って。大人なんだし自分で自己紹介するよ。あたしはカベルネ、スコーティオ家はシルヴァ様に仕える魔術師だよ」
「ティナだ。所属はカベルネと同じ」
「……シルヴァ様ですか?」
エリスは不思議そうに問う。カタリナも首を傾げていた。
「あ~……知らない? いや、授業でちょっとだけ聞いたぐらいかな? アザーリア、この子達って一年生かな?」
「その通り、採れ立てぴっちぴちの一年生ですわ! わたくしの可愛い後輩ですの!」
「成程。ならば知らないのも無理はない。何せ四月からずっと帰ってないからな……」
「えーと……セーヴァ様の弟とか、ですか?」
「はいビンゴ。もっとも年が十歳ぐらい離れていて、仲もそんなに良くないみたいだけどね」
「私達も四月に会ったっきりでそろそろ顔を忘れそうなぐらいだ」
「へぇ……不思議な方ですね」
軒下に入って話をする五人の横を、土曜日を過ごす人が通り過ぎていく。特に何の変わりもない、普段の街の光景。
「ところで、お二人はどうしてこの階層にいらっしゃいますの?」
「ああ、今日は休日なんだ。それでマイケルに貰ったこれを消化しようと」
「まあ! 王国劇団のチケットですわね!」
カベルネは半券をひらひらと見せる。そこに描いてあったのは二人の男。
片方は少し乱れた髭を生やした、赤い鎧の男性。その隣にいる――鉄の鎧を着た少年を、跪き見つめながら立っている。
「『騎士王アーサーと円卓の騎士ガウェインの絆』。話は知ってるけどさ、劇で見たことはないからこの機会に~って」
「……」
「……ん? どうしたエリス? だっけ? そんな複雑そうな顔して?」
「あ、いや……」
「……そのお話ってどんな話なんですか?」
カタリナは純然たる興味から、二人に問いかけた。
「えっとね、騎士王伝説の一節で、アーサーとガウェインが冒険する話。その途中で二人は荒野の城に入るんだけど、そこの城主にアーサーは呪いをかけられる。七日以内に女が望む物は何かという問いに対して答えを出さないと死ぬっていうね」
「え……それって不味くないですか」
「不味かった。ギリギリまで答えは見つかんなかった。でも最後の最後に答えを知っているという超絶ブスの女が現れてさー。自分を円卓の騎士の一人と結婚させるというのを条件に、城まで行って城主に答えを突きつけてやった」
「その、結婚する円卓の騎士って……」
「当然事情を知っているガウェインだよね。今まで話した内容が前半で、後半はブス女にガウェインが振り回される日常が描かれる。聡明で勇猛なガウェインが散々な目に合う。そんで最後は何かいいことがあって、人は見かけじゃなくて心だよね! ってオチであっそれめでてーなー」
「笑い有りしんみり有りでよく喜劇の題材にされている伝承だな。作家によってはアーサーが涙を流したりする情けない男として描かれているぞ。それを絆というのかどうかは賛否が分かれるが」
ティナはそう言って半券に目を通した後、近くの壁掛け時計を見遣る。
「っと、こんな話をしていたら開演時間が迫ってきたぞ」
「ならばそろそろ行くか~。んじゃ、また会う機会があったらよろしくね」
「よろしくお願いしますわ!」
「……はい、よろしく……です」
「んじゃあね~」
カベルネとティナが去っていくのを、学生三人は姿が見えなくなるまで見つめていた。
「……エリスちゃん?」
「は、はいっ」
「どうしましたの、騎士王伝説の話になってから気分が落ち込んだようですけど」
「騎士王伝説……ええっと、そんな話もあったなあって思い出してたんです」
「そうでしたの。ならいいのですけれど……そうだ、よろしければ買い物を手伝って差し上げましてよ?」
「大丈夫です、作業のお供を買うだけなので。お気持ちだけ受け取っておきます」
「うふふ……それなら、わたくしはここで失礼しますわ」
アザーリアは小刻みに跳ねながら、エリス達の前から去るのだった。
(……)
(騎士王伝説についての文献は……目を通してきたけど……)
(……本当にアーサーがそんなことしたのかな?)
(あのアーサーが……)
「……エリス、あたし達も買い物行こうよ」
「んあっ……そうだね、当初の目的を果たそう」
(今まで意識してなかったこと……忘れがちだったこと。いつか訊かないとな……)
その日の晩、唐突にエリスの脳内を『思い立ったが吉日』ということわざが過った。
「アーサーぁー」
「どうした」
夕食の後、実家から送られてきた苺を食べながら、何ともない会話という雰囲気で。
「アーサーってさー、昔ガウェインと一緒に冒険したの?」
「……」
「そこで出された問題がわかんなくて、泣き付いたりしたの?」
「……」
「他にも色んな冒険をアーサーはしてきたのー?」
「……」
「記憶にない」
まあそうだよね、とエリスが切り上げようとした矢先。
「仮に実際オレがそうだとしたら、お前は失望するか」
予想の斜め上の返しをされたので驚く。
「え……っと」
「……」
黙って苺と紅茶を食す彼の顔を見ながら適切な答えを探る。
「……」
「失望はしない……けど」
「意外に思って、それから嬉しくなるかな」
今度はアーサーが驚く番。食指を止めてエリスを見つめる。
「嬉しい……」
「アーサーも普通の人間と同じように、色んな感情があるんだなあって。そう遠くない存在だと思うと安心するの」
「……」
点と点が繋がるように疑問は生まれる。
「お前は、オレが人間に近いことを実感すると嬉しくなるのか」
「うん。だって、あなたは伝説の騎士王だよ。やっぱりすごい存在……って思っちゃうもん」
「……」
「あとはそうだなあ……」
「友達のことを知れて嬉しい、って感じなのかな?」
「……友達」
「同年代の子としてさ。加えていつも一緒にいるんだもん、知りたいと思うのは普通のことじゃない?」
アーサーはエリスの微笑みに大きく頷き、反応を示した。
「アーサー……?」
「……オレにもそういう時がある」
「お前のことを知れて嬉しい、って時が……」
照れ笑いと共に頭を掻く。
「……」
「……そうなんだ」
エリスはアーサーの隣まで移動し、彼がソファーに置いていた手を握った。
「……何だ」
「何となく。あったかいでしょ?」
「……ああ」
雪解けはもう近い。大切な――友達と共に。
一足お先に二人は春を感じていた。
エリスは手に持っていた物を机に置き、肩を回す。
「ごめんね、課外活動のことで手伝わせて」
「気にしないでいいよ~。これもまた経験経験」
現在彼女がいるのは、カタリナが生活している寮の部屋。他のルームメイトは出計らっていて、今はセバスンを含めた三人しかいない。男子達は試験に向けて気合を入れている一方、女子達はまだ気楽なようだ。
「学園祭で販売する商品って、もうこの頃から作ってるんだね~」
「そうだよ。ゆっくり時間をかけて手作りの商品を作るんだ」
「何かいいね……あれっ」
エリスは目の前にある菓子入れに手を伸ばすが、そこは空になっていた。
「ああ、お菓子なくなっちゃったか……足りなかったかな」
「何かごめんね、わたしがばくばく食べちゃったからだね」
「いいよ、気にしないで。手伝ってもらってるんだからこれぐらい……あ、紅茶も残り少しだ。買ってこないとな……」
「じゃあ今行こうよ。休憩も兼ねてさ」
「……わかった。エリスがそう言うなら、あたしもそうするよ。セバスン、留守番お願い」
「承知致しました」
こうして二人は準備を整え、外へと繰り出す。
一方第二階層。それなりに高いビルが多く立ち並ぶ中を、休日模様の二人の魔術師が行く。
「あ~……今日あったかいなあ。コート着てきたの間違いだったかなあ……」
「まあ三月も近付いてきたしな」
「そうだねえ……はぁ」
カベルネは隣を歩いているティナをちらっと見て、そして溜息をつく。
「……仕方ないだろ。試験も近いんだから、教師は忙しいんだ」
「わかってるよぉ……ティナも付き合ってくれてありがとうねぇ……優しいねぇ……」
「そういう君も随分と優しいよな……弟君からもらったチケット、受け取ったんだろ?」
「まあね……」
左手に握られた二枚の紙が、力を込められ更に皺が付く。
「ん……?」
「どうした?」
「あの子、生徒会室にいた……ちょっと挨拶してこよう」
「……さあ、到着しましたわ! ここがわたくしのおすすめのお店、『柳屋』でございますのよ!」
「はへぇ……素朴な感じぃ……」
第二階層に到着したエリスとカタリナ。そこで予期せぬ出会いがあり、予期せぬ店に導かれることになっていた。
「ここのレモンケーキが美味しくて、しっとり甘酸っぱい手が止まらないお味なのですわ! それでいて値段はお手頃! わたくしも普段から贔屓にしている素晴らしいお店なんですの!」
「それはすごい……! アザーリア先輩、ありがとうございます!」
「あ、ありがとうございます……!」
「いいえ、これも何かの縁でございますわ……って、あら!」
アザーリアは視界に紫髪の人物の姿を納めると、そちらに向かって行く。
「カベルネ様! 先週ぶりですわね!」
「え、ああ……久しぶりだね」
「今日はすっかりオフモードという感じだな」
「うふふ、このキュロットスカートは最近買ったんですの~!」
楽しそうにしているアザーリアを見て、入り口に差しかかっていたエリスとカタリナも思わず戻ってきた。
「アザーリア先輩、お知り合いの方ですか?」
「まあエリスちゃん! 放ってしまって申し訳ありませんわ! そうですわね、この機会だからご紹介いたしますわ! この方達は……」
「あ、待って。大人なんだし自分で自己紹介するよ。あたしはカベルネ、スコーティオ家はシルヴァ様に仕える魔術師だよ」
「ティナだ。所属はカベルネと同じ」
「……シルヴァ様ですか?」
エリスは不思議そうに問う。カタリナも首を傾げていた。
「あ~……知らない? いや、授業でちょっとだけ聞いたぐらいかな? アザーリア、この子達って一年生かな?」
「その通り、採れ立てぴっちぴちの一年生ですわ! わたくしの可愛い後輩ですの!」
「成程。ならば知らないのも無理はない。何せ四月からずっと帰ってないからな……」
「えーと……セーヴァ様の弟とか、ですか?」
「はいビンゴ。もっとも年が十歳ぐらい離れていて、仲もそんなに良くないみたいだけどね」
「私達も四月に会ったっきりでそろそろ顔を忘れそうなぐらいだ」
「へぇ……不思議な方ですね」
軒下に入って話をする五人の横を、土曜日を過ごす人が通り過ぎていく。特に何の変わりもない、普段の街の光景。
「ところで、お二人はどうしてこの階層にいらっしゃいますの?」
「ああ、今日は休日なんだ。それでマイケルに貰ったこれを消化しようと」
「まあ! 王国劇団のチケットですわね!」
カベルネは半券をひらひらと見せる。そこに描いてあったのは二人の男。
片方は少し乱れた髭を生やした、赤い鎧の男性。その隣にいる――鉄の鎧を着た少年を、跪き見つめながら立っている。
「『騎士王アーサーと円卓の騎士ガウェインの絆』。話は知ってるけどさ、劇で見たことはないからこの機会に~って」
「……」
「……ん? どうしたエリス? だっけ? そんな複雑そうな顔して?」
「あ、いや……」
「……そのお話ってどんな話なんですか?」
カタリナは純然たる興味から、二人に問いかけた。
「えっとね、騎士王伝説の一節で、アーサーとガウェインが冒険する話。その途中で二人は荒野の城に入るんだけど、そこの城主にアーサーは呪いをかけられる。七日以内に女が望む物は何かという問いに対して答えを出さないと死ぬっていうね」
「え……それって不味くないですか」
「不味かった。ギリギリまで答えは見つかんなかった。でも最後の最後に答えを知っているという超絶ブスの女が現れてさー。自分を円卓の騎士の一人と結婚させるというのを条件に、城まで行って城主に答えを突きつけてやった」
「その、結婚する円卓の騎士って……」
「当然事情を知っているガウェインだよね。今まで話した内容が前半で、後半はブス女にガウェインが振り回される日常が描かれる。聡明で勇猛なガウェインが散々な目に合う。そんで最後は何かいいことがあって、人は見かけじゃなくて心だよね! ってオチであっそれめでてーなー」
「笑い有りしんみり有りでよく喜劇の題材にされている伝承だな。作家によってはアーサーが涙を流したりする情けない男として描かれているぞ。それを絆というのかどうかは賛否が分かれるが」
ティナはそう言って半券に目を通した後、近くの壁掛け時計を見遣る。
「っと、こんな話をしていたら開演時間が迫ってきたぞ」
「ならばそろそろ行くか~。んじゃ、また会う機会があったらよろしくね」
「よろしくお願いしますわ!」
「……はい、よろしく……です」
「んじゃあね~」
カベルネとティナが去っていくのを、学生三人は姿が見えなくなるまで見つめていた。
「……エリスちゃん?」
「は、はいっ」
「どうしましたの、騎士王伝説の話になってから気分が落ち込んだようですけど」
「騎士王伝説……ええっと、そんな話もあったなあって思い出してたんです」
「そうでしたの。ならいいのですけれど……そうだ、よろしければ買い物を手伝って差し上げましてよ?」
「大丈夫です、作業のお供を買うだけなので。お気持ちだけ受け取っておきます」
「うふふ……それなら、わたくしはここで失礼しますわ」
アザーリアは小刻みに跳ねながら、エリス達の前から去るのだった。
(……)
(騎士王伝説についての文献は……目を通してきたけど……)
(……本当にアーサーがそんなことしたのかな?)
(あのアーサーが……)
「……エリス、あたし達も買い物行こうよ」
「んあっ……そうだね、当初の目的を果たそう」
(今まで意識してなかったこと……忘れがちだったこと。いつか訊かないとな……)
その日の晩、唐突にエリスの脳内を『思い立ったが吉日』ということわざが過った。
「アーサーぁー」
「どうした」
夕食の後、実家から送られてきた苺を食べながら、何ともない会話という雰囲気で。
「アーサーってさー、昔ガウェインと一緒に冒険したの?」
「……」
「そこで出された問題がわかんなくて、泣き付いたりしたの?」
「……」
「他にも色んな冒険をアーサーはしてきたのー?」
「……」
「記憶にない」
まあそうだよね、とエリスが切り上げようとした矢先。
「仮に実際オレがそうだとしたら、お前は失望するか」
予想の斜め上の返しをされたので驚く。
「え……っと」
「……」
黙って苺と紅茶を食す彼の顔を見ながら適切な答えを探る。
「……」
「失望はしない……けど」
「意外に思って、それから嬉しくなるかな」
今度はアーサーが驚く番。食指を止めてエリスを見つめる。
「嬉しい……」
「アーサーも普通の人間と同じように、色んな感情があるんだなあって。そう遠くない存在だと思うと安心するの」
「……」
点と点が繋がるように疑問は生まれる。
「お前は、オレが人間に近いことを実感すると嬉しくなるのか」
「うん。だって、あなたは伝説の騎士王だよ。やっぱりすごい存在……って思っちゃうもん」
「……」
「あとはそうだなあ……」
「友達のことを知れて嬉しい、って感じなのかな?」
「……友達」
「同年代の子としてさ。加えていつも一緒にいるんだもん、知りたいと思うのは普通のことじゃない?」
アーサーはエリスの微笑みに大きく頷き、反応を示した。
「アーサー……?」
「……オレにもそういう時がある」
「お前のことを知れて嬉しい、って時が……」
照れ笑いと共に頭を掻く。
「……」
「……そうなんだ」
エリスはアーサーの隣まで移動し、彼がソファーに置いていた手を握った。
「……何だ」
「何となく。あったかいでしょ?」
「……ああ」
雪解けはもう近い。大切な――友達と共に。
一足お先に二人は春を感じていた。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
Radiantmagic-煌炎の勇者-
橘/たちばな
ファンタジー
全てを創世せし神によって造られた、様々な種族が生息する世界──その名はレディアダント。
世界は神の子孫代々によって守られ、幾多の脅威に挑みし者達は人々の間では英雄として語り継がれ、勇者とも呼ばれていた。
そして勇者の一人であり、大魔導師となる者によって建国されたレイニーラ王国。民は魔法を英雄の力として崇め、王国に住む少年グライン・エアフレイドは大魔導師に憧れていた。魔法学校を卒業したグラインは王国を守る魔法戦士兵団の入団を志願し、入団テストを受ける事になる。
一つの試練から始まる物語は、やがて大きな戦いへと発展するようになる──。
※RPG感のある王道路線型の光と闇のファンタジーです。ストーリー内容、戦闘描写において流血表現、残酷表現が含まれる場合もあり。
天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】
田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。
俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。
「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」
そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。
「あの...相手の人の名前は?」
「...汐崎真凛様...という方ですね」
その名前には心当たりがあった。
天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。
こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。
ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話
桜井正宗
青春
――結婚しています!
それは二人だけの秘密。
高校二年の遙と遥は結婚した。
近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。
キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。
ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。
*結婚要素あり
*ヤンデレ要素あり
獅子の末裔
卯花月影
歴史・時代
未だ戦乱続く近江の国に生まれた蒲生氏郷。主家・六角氏を揺るがした六角家騒動がようやく落ち着いてきたころ、目の前に現れたのは天下を狙う織田信長だった。
和歌をこよなく愛する温厚で無力な少年は、信長にその非凡な才を見いだされ、戦国武将として成長し、開花していく。
前作「滝川家の人びと」の続編です。途中、エピソードの被りがありますが、蒲生氏郷視点で描かれます。
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
MP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
熟女愛好家ユウスケの青春(熟女漁り)
MisakiNonagase
恋愛
高校まで勉強一筋で大学デビューをしたユウスケは家庭教師の教え子の母親と不倫交際するが、彼にとって彼女とが初の男女交際。そこでユウスケは自分が熟女好きだと自覚する。それからユウスケは戦略と実戦を重ねて、清潔感と聞き上手を武器にたくさんの熟女と付き合うことになるストーリーです。
女男の世界
キョウキョウ
ライト文芸
仕事の帰りに通るいつもの道、いつもと同じ時間に歩いてると背後から何かの気配。気づいた時には脇腹を刺されて生涯を閉じてしまった佐藤優。
再び目を開いたとき、彼の身体は何故か若返っていた。学生時代に戻っていた。しかも、記憶にある世界とは違う、極端に男性が少なく女性が多い歪な世界。
男女比が異なる世界で違った常識、全く別の知識に四苦八苦する優。
彼は、この価値観の違うこの世界でどう生きていくだろうか。
※過去に小説家になろう等で公開していたものと同じ内容です。
※カクヨムにも掲載中の作品です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる