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第四章 某国の姫君
第39話 キャラの渋滞とは、こういう事だ~!
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「ユーキ……あたしの事分かる?」
メルクの背中に隠れながら、恐る恐る尋ねるパティ。
「どうしたのさパティ!? メル君に隠れて」
いつものユーキの様子に、パアッと表情が明るくなり、ユーキに抱きつくパティ。
「良かったー! ユーキー!!」
「うわっ!! 何だよパティ、いきなり!? いやまあ、いきなりなのはいつもの事だけど……」
「うんうん、そうよ! いつものパティさんよ!」
「ふむ……どうやら先程のセラ君の結界によって、元のユーキ君に戻ったみたいだな」
「元の!? マ、マナちゃん!! 私達の事は分かるか!?」
元に戻ったと聞いて、慌ててユーキに質問するマルス国王。
「当たり前じゃない! 父様! 母様!」
「よ、良かった~!!」
「また振り出しに戻ったのかと思って、心配しちゃったわ~」
ホッと胸をなで下ろすマルス国王とレナ王妃。
「あれ? セラさんの結界で元に戻ったのなら、マルス様達の事を両親と認識してるのは変なんじゃ? さっきもユーキさんはセラさんの事をお姉ちゃんって呼んでましたし……今までは呼び捨てだったのに……」
「ふむ、確かに……ユーキ君! 今の君はどういう状態なのかね? 私達の事を、どの程度認識しているのか?」
「え!? どの程度って言われても……あ、ところで君は誰?」
「なっ!! ……なんて事だ……」
まさかのユーキの言葉に、激しくうなだれるアイバーン。
「ああ、ご、ごめん!! 冗談!! 冗談だから!! アイバーンのアイ君! 変態のアイ君! ちゃんと分かってるから~!!」
「そ、そうか! 変態という事さえ分かっていてくれれば、それでいい!!」
「いや、ダメでしょう……」
「変態、と聞いては黙っていられないな……」
フラつきながら、林の中からレノが出てくる。
「レノ兄ちゃん!?」
「!? マナ!? 俺の事をレノ兄ちゃんと呼んでくれるのか!? 一体いつ以来だろう……」
レノが喜びを噛み締めているのと反対に、自分自身の発言に戸惑っているユーキ。
「え!? 何で僕今、レノ兄ちゃんなんて……」
「んふふ~、どうやら今のマナちゃんはぁ、昔のマナちゃんの記憶とぉ、ユウちゃんとしての記憶が混在している状態みたいですねぇ」
「セラ!!」
セラの存在を確認して、嬉し涙を流しながらセラに近付くレノ。
「セラ……良かった……今度は幻や幽霊なんかじゃないんだな!? 正真正銘、本物の生きているセラなんだな!?」
「レノ……」
だがレノを見たセラが、何故か顔を赤くしながら猫師匠の背中に隠れてしまう。
「ど、どうしたんだセラ!? まさかこの兄を忘れた訳ではないだろう?」
最後の別れだと思って、色々恥ずかしいセリフを言った事を思い出し、レノと顔を合わせられないセラであった。
「セラ~! レノお兄ちゃんだぞ~! 隠れてないで出ておいで~!」
「う、うるさいです!! あっち行けです!!」
「あ、でも僕達はセラさんが殺されたって聞きましたけど、どういうことなんですか?」
「ん? ああ、セラが殺されたのは本当ニャ! しかし、ある人物によって、干し椎茸のように蘇ったニャ!」
「いや、干し椎茸って……」
「こっちに向かってる筈だから、もうそろそろ来る頃ニャ」
「来ました……」
「ドンピシャ!?」
ナイスタイミングで現れたフィー。
「ええ!? フィーじゃないの!? 何であなたこんな所に?」
「お知り合いですか? パティさん」
「え? ええ! あたしがグレールの猫師匠の家に居た時、メイドとして一緒に住んでたのよ」
「メイドさん、ですか?」
「お久しぶりです、パトリシアお嬢様!」
「お嬢様ー!?」
「パティさんってお嬢様だったんですか?」
お嬢様という言葉に、皆が驚く。
「え!? ち、違うわよ!? 猫師匠の家なんて、王都にあるとはいえ、狭くて小さい平屋だったんだから!! 猫師匠とこの娘が面白がって、勝手に言ってるだけなんだから!!」
「猫は狭い場所が好きニャ!」
「あ、それはそうと、まさかセラを復活させたのって……」
「そうニャ! このフィーがやったんニャ!」
「ええ~!? いや、だって!? 何でフィーにそんな事が出来るのよ!?」
「だってフィーはネクロマンサーだからニャ!」
「ネクロマンサー!?」
「ネクロマンサーといったら死霊使い……え!? という事はまさか、セラさんは……」
メルクの言葉に、急に暗い表情になる猫師匠とセラ。
「セラ……自分の口で説明するニャ……」
「ハイですぅ……えへっ、実はですねぇ……私は本当に一度死んじゃったんですぅ、でもフィーちゃんの能力で蘇る事が出来ましたぁ。まあ、一応蘇る事は出来たんですけどもぉ……」
「出来たけど何? お姉ちゃん!?」
頭をよぎる不安を抑えながら、セラに尋ねるユーキ。
「猫さんが言ったようにぃ、フィーちゃんはネクロマンサーなんですぅ。ネクロマンサーというのは死霊使い……死者の魂を操るんですぅ。肉体の復元までは出来ないんですぅ」
「え!? そ、それじゃあセラお姉ちゃんは生き返った訳じゃ……」
「残念ながら、そういう事ですぅ。今はまだ肉体を保っていられますがぁ、時と共にいずれは肉体が朽ちて……」
今にも泣き出しそうなユーキを見たセラが、慌ててネタばらしをする。
「……っていうのは全部嘘なんですけどねぇ!」
「へ!? 嘘!?」
「そうですよぉ、今の話は全部嘘ですよぉ! あ! でもぉ、一度死んじゃったのは本当ですからねぇ!」
「え? え? ちょっと待ってよ!? じ、じゃあ肉体が朽ちるとかいう話は?」
「朽ちませんよぉ」
「じゃあ居なくなったりしない?」
「いつまでもずっとマナちゃんの側に居ますよぉ」
「僕を心配させない為に、嘘付いてるんじゃ?」
「なら、改めて触ってみますかぁ? 本当に生きてるって実感出来ますよぉ」
そう言われて、改めてセラに抱き付いてみるユーキ。
「どうですかぁ?」
「暖かい……」
「ちゃんと鼓動も聴こえるでしょぉ?」
「うん、聴こえる……」
「でしょうね! セラの話、矛盾してると思ったわ!」
「え!? そうなんですか?」
「ふむ……肉体が使用不能になって魂が抜け出るのが死ならば、ネクロマンサーによって強制的に魂を肉体に定着させている間に治癒魔法をかければ、当然復活出来る理屈だからね」
「な、なるほど……」
「どうせ、こんな笑えないドッキリを企んだのは……」
「ああもう! バラすのが早すぎるニャ! もう少し粘れたニャ!」
「だってぇ~、マナちゃんの顔見てたら心が苦しくなってぇ」
2人のやり取りを聞いたユーキがピクリとなる。
「2人が企んだの?」
殺気を感じた2人が慌てて言い訳をする。
「ご、ごめんなさいマナちゃん! 悪気は無かったんですけどぉ、猫さんに言われてつい……」
「ああ~! ズ、ズルいニャ、セラ! お前だって楽しそうに乗って来たニャ!」
「だ、だけど私言いましたよねぇ! マナちゃんを泣かせるような事だけはしないってぇ!」
「もうとっくに泣いてるわー!! バカああああ!!」
「オイ! 俺はいつまで放ったらかしにされるんだ!?」
まさかの、2話連続で放ったらかしのカオスだった。
メルクの背中に隠れながら、恐る恐る尋ねるパティ。
「どうしたのさパティ!? メル君に隠れて」
いつものユーキの様子に、パアッと表情が明るくなり、ユーキに抱きつくパティ。
「良かったー! ユーキー!!」
「うわっ!! 何だよパティ、いきなり!? いやまあ、いきなりなのはいつもの事だけど……」
「うんうん、そうよ! いつものパティさんよ!」
「ふむ……どうやら先程のセラ君の結界によって、元のユーキ君に戻ったみたいだな」
「元の!? マ、マナちゃん!! 私達の事は分かるか!?」
元に戻ったと聞いて、慌ててユーキに質問するマルス国王。
「当たり前じゃない! 父様! 母様!」
「よ、良かった~!!」
「また振り出しに戻ったのかと思って、心配しちゃったわ~」
ホッと胸をなで下ろすマルス国王とレナ王妃。
「あれ? セラさんの結界で元に戻ったのなら、マルス様達の事を両親と認識してるのは変なんじゃ? さっきもユーキさんはセラさんの事をお姉ちゃんって呼んでましたし……今までは呼び捨てだったのに……」
「ふむ、確かに……ユーキ君! 今の君はどういう状態なのかね? 私達の事を、どの程度認識しているのか?」
「え!? どの程度って言われても……あ、ところで君は誰?」
「なっ!! ……なんて事だ……」
まさかのユーキの言葉に、激しくうなだれるアイバーン。
「ああ、ご、ごめん!! 冗談!! 冗談だから!! アイバーンのアイ君! 変態のアイ君! ちゃんと分かってるから~!!」
「そ、そうか! 変態という事さえ分かっていてくれれば、それでいい!!」
「いや、ダメでしょう……」
「変態、と聞いては黙っていられないな……」
フラつきながら、林の中からレノが出てくる。
「レノ兄ちゃん!?」
「!? マナ!? 俺の事をレノ兄ちゃんと呼んでくれるのか!? 一体いつ以来だろう……」
レノが喜びを噛み締めているのと反対に、自分自身の発言に戸惑っているユーキ。
「え!? 何で僕今、レノ兄ちゃんなんて……」
「んふふ~、どうやら今のマナちゃんはぁ、昔のマナちゃんの記憶とぉ、ユウちゃんとしての記憶が混在している状態みたいですねぇ」
「セラ!!」
セラの存在を確認して、嬉し涙を流しながらセラに近付くレノ。
「セラ……良かった……今度は幻や幽霊なんかじゃないんだな!? 正真正銘、本物の生きているセラなんだな!?」
「レノ……」
だがレノを見たセラが、何故か顔を赤くしながら猫師匠の背中に隠れてしまう。
「ど、どうしたんだセラ!? まさかこの兄を忘れた訳ではないだろう?」
最後の別れだと思って、色々恥ずかしいセリフを言った事を思い出し、レノと顔を合わせられないセラであった。
「セラ~! レノお兄ちゃんだぞ~! 隠れてないで出ておいで~!」
「う、うるさいです!! あっち行けです!!」
「あ、でも僕達はセラさんが殺されたって聞きましたけど、どういうことなんですか?」
「ん? ああ、セラが殺されたのは本当ニャ! しかし、ある人物によって、干し椎茸のように蘇ったニャ!」
「いや、干し椎茸って……」
「こっちに向かってる筈だから、もうそろそろ来る頃ニャ」
「来ました……」
「ドンピシャ!?」
ナイスタイミングで現れたフィー。
「ええ!? フィーじゃないの!? 何であなたこんな所に?」
「お知り合いですか? パティさん」
「え? ええ! あたしがグレールの猫師匠の家に居た時、メイドとして一緒に住んでたのよ」
「メイドさん、ですか?」
「お久しぶりです、パトリシアお嬢様!」
「お嬢様ー!?」
「パティさんってお嬢様だったんですか?」
お嬢様という言葉に、皆が驚く。
「え!? ち、違うわよ!? 猫師匠の家なんて、王都にあるとはいえ、狭くて小さい平屋だったんだから!! 猫師匠とこの娘が面白がって、勝手に言ってるだけなんだから!!」
「猫は狭い場所が好きニャ!」
「あ、それはそうと、まさかセラを復活させたのって……」
「そうニャ! このフィーがやったんニャ!」
「ええ~!? いや、だって!? 何でフィーにそんな事が出来るのよ!?」
「だってフィーはネクロマンサーだからニャ!」
「ネクロマンサー!?」
「ネクロマンサーといったら死霊使い……え!? という事はまさか、セラさんは……」
メルクの言葉に、急に暗い表情になる猫師匠とセラ。
「セラ……自分の口で説明するニャ……」
「ハイですぅ……えへっ、実はですねぇ……私は本当に一度死んじゃったんですぅ、でもフィーちゃんの能力で蘇る事が出来ましたぁ。まあ、一応蘇る事は出来たんですけどもぉ……」
「出来たけど何? お姉ちゃん!?」
頭をよぎる不安を抑えながら、セラに尋ねるユーキ。
「猫さんが言ったようにぃ、フィーちゃんはネクロマンサーなんですぅ。ネクロマンサーというのは死霊使い……死者の魂を操るんですぅ。肉体の復元までは出来ないんですぅ」
「え!? そ、それじゃあセラお姉ちゃんは生き返った訳じゃ……」
「残念ながら、そういう事ですぅ。今はまだ肉体を保っていられますがぁ、時と共にいずれは肉体が朽ちて……」
今にも泣き出しそうなユーキを見たセラが、慌ててネタばらしをする。
「……っていうのは全部嘘なんですけどねぇ!」
「へ!? 嘘!?」
「そうですよぉ、今の話は全部嘘ですよぉ! あ! でもぉ、一度死んじゃったのは本当ですからねぇ!」
「え? え? ちょっと待ってよ!? じ、じゃあ肉体が朽ちるとかいう話は?」
「朽ちませんよぉ」
「じゃあ居なくなったりしない?」
「いつまでもずっとマナちゃんの側に居ますよぉ」
「僕を心配させない為に、嘘付いてるんじゃ?」
「なら、改めて触ってみますかぁ? 本当に生きてるって実感出来ますよぉ」
そう言われて、改めてセラに抱き付いてみるユーキ。
「どうですかぁ?」
「暖かい……」
「ちゃんと鼓動も聴こえるでしょぉ?」
「うん、聴こえる……」
「でしょうね! セラの話、矛盾してると思ったわ!」
「え!? そうなんですか?」
「ふむ……肉体が使用不能になって魂が抜け出るのが死ならば、ネクロマンサーによって強制的に魂を肉体に定着させている間に治癒魔法をかければ、当然復活出来る理屈だからね」
「な、なるほど……」
「どうせ、こんな笑えないドッキリを企んだのは……」
「ああもう! バラすのが早すぎるニャ! もう少し粘れたニャ!」
「だってぇ~、マナちゃんの顔見てたら心が苦しくなってぇ」
2人のやり取りを聞いたユーキがピクリとなる。
「2人が企んだの?」
殺気を感じた2人が慌てて言い訳をする。
「ご、ごめんなさいマナちゃん! 悪気は無かったんですけどぉ、猫さんに言われてつい……」
「ああ~! ズ、ズルいニャ、セラ! お前だって楽しそうに乗って来たニャ!」
「だ、だけど私言いましたよねぇ! マナちゃんを泣かせるような事だけはしないってぇ!」
「もうとっくに泣いてるわー!! バカああああ!!」
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