36 / 41
救われない結末
しおりを挟む
ベンの必死の説得を黙って聞いていたシエルは、とても困惑していた。
レメディオス家の一員としても、ベンの幼馴染としても、セレンの友達としても。
何一つ、誰の役にも立てないと思っている自分に、ベンは「何もしなくていい」と言う。
「ただ生きているだけでみんなが幸せになる」のだと。
その言葉を素直に受け止めて歓喜する自分と、果たしてそうだろうかと猜疑する自分がいる。
ベンは本心からシエルの命を惜しんでいるのではなく、このまま消滅した後の罪悪感をなくす為に引き留めているだけにすぎないのではないか。
悪魔の体を乗っ取ったとはいえ、シエルの精神は少なからず悪魔の影響を受けていた。
体内から浄化魔法で穴を穿ちレイチェルを体外へ押し出した、その後。
シエルは叶うことのないベンへの恋情と劣等感、そして密かに抱えていた孤独感に目をつけられた。
メディは精神に語りかけてシエルの心の闇を暴き、融合すれば望んだ結末になると唆して膨大なシエルの魔力を体内に取り込もうとした。
ベンに話した通り、自分が犠牲になって悪魔と心中すればみんなを守れると思った彼女はメディの提案に同意した。
メディは喜々としてシエルを支配しようとしたが、彼女の意志の強さと圧倒的な魔力量によって捻じ伏せられ、反対に身体を乗っ取られてしまった。
『バカナ……!ワレガ…コンナ小娘ゴトキニ…!!』
断末魔の悲鳴を上げながら、メディの精神はシエルの魔力結晶の中へと吸収されていく。
悪魔の肉体の核となったシエルはその時、死の恐怖よりも深い心の安らぎに満たされていた。
このまま消滅してしまえば、もう魔法が上手く使えなくて思い悩むことも、恥さらしだと嗤われることもない。
何よりこれ以上ベンとレイチェルが仲睦まじく寄り添う姿を永遠に見なくてもよいのだと思うと、心がすっと軽くなった。
(みんなを守りたいからなんて建前。いい子ぶっているだけで、本当は私は自分勝手なの。傷つくのが怖いから逃げたいだけ。好きな人が他の誰かと幸せになっても愛せるなんて嘘。愛せそうにないから愛せる自分になりたいだけ。傷つくのが恐ろしいから目を背けているだけ。ずっと心を欺いたまま生きていくことなんてできない。私はただみんなが好ましく思う理想の女の子を演じていただけなの。きっと本性を知ったらみんな離れていく。だってみんな、いい子の私が好きなんだもの)
シエルは魔力を放出してベンの身体を風圧で弾き飛ばした。
それが――彼女の出した答えだった。
ベンがまた余計なことを言う前に、決心を揺さぶられる前に、大きく羽根を広げて一気に飛躍した。
目指す先は地平線と空の果ての間にある灼熱の太陽。
頭の天辺から足の先まで塵一つなく燃え尽きれば、きっとずっと茨のように絡みついている薄幸感から解放されるに違いなかった。
「シエル!行くな!!シエル……!」
もう地上からずっと高いところまで来ているのに、ベンの悲痛に満ちた叫び声が追いかけて来る。
聞こえるはずのない幻聴に一瞬、頑なになっていた冷たい氷が溶けかけた。
けれどシエルはそのまま、思いを断ち切るように更にスピードを上げて、楽園の炎の中に飛び込んでいった―――。
悪魔となったシエルが空の彼方に消えて間もなく、セレンとデオの石化が解除された。
二人が元に戻ったことで悪魔が完全に消滅したことを悟る。
空に向かってシエルを呼び戻そうと叫んでいたベンはその場に崩折れるように膝をついた。
それから彼は警察隊が駆け付けるまで、誰の呼びかけにも応えずただただ呆然と悪魔が飛び去っていった方向を見つめていた。
老婆のようになってしまったレイチェルは現場から少し離れたところで顔色を失って地面にへたり込んでいるところを発見され、闇アイテムの所持と使用の容疑で連行された。
メディの腕輪によって奪われた魔力はベンがフレデリック副学長の元に転送したことで無事に持ち主の元に還された。
こうして半年以上続いていた魔力窃盗事件はたった一人の女子生徒の犠牲で収束し、レイチェルが全面的に容疑を認めたことによってあっさりと幕を下ろした。
その夜、レメディオス家のリビングは5年前のような沈痛な空気に満ちていた。
「うそだ!うそだあぁ!」
まだ6歳の幼いケヴィンが癇癪を起して泣き叫ぶ。
走って部屋を飛び出そうとした背中を抱きしめて止めたのはリアだった。
うわーんと感情任せに声を上げて泣く弟につられて、散々泣き腫らした目からまた涙が溢れ出してくる。
搾取された魔力結晶が悪魔と共に消滅したことで、シエルが目を覚ます可能性は無に等しくなった。
リアもエリックも、それを目の当たりにしていたベンですら未だ現実を受け止めきれずにいる。
それでも家族にはシエルのことを報告しなければならなかった。
いつか目覚めるはずだとその場凌ぎの嘘をついても、いずれは事実を話さなければならない時が来る。
期待すればしていた分だけ、望みがないと知った時の絶望感から立ち直ることが難しくなる。
気丈に話を聞いていたエミリも、弟の心に共鳴して堰を切ったように噦り上げた。
いつもは騒がしいくらいに元気いっぱいのエミリが、声も出さず、嗚咽を堪えるようにして泣いている。
顔を合わせれば憎まれ口を叩き合うリースも、そんなエミリを優しく抱きしめて肩を震わせた。
滅多に涙を見せない負けず嫌いの妹達の傍にエリックが寄り添い、その髪を優しく撫でる。
(シエルがいないなんて、想像したくもない…)
今朝と変わらない部屋の中に視線を這わせて、頭ではいないとわかっているのにシエルの姿を探してしまう。
一瞬ソファに座って穏やかな笑顔を浮かべている彼女の姿が目に飛び込んで、はっと目を見開く。
だがそれは幻で、エリックが見たいと望んだ記憶が呼び起こされたに過ぎなかった。
エリックは自嘲気味に笑って、顔を伏せた。
この家の父親役である自分が涙を流しているところなど、子ども達にも誰にも見られたくなかった。
お互いを慰め合いながら悲しみにふける家族の輪には入らず、ベンはただ一人シエルの部屋にいた。
自分の魔力によって呼吸を繰り返すだけになってしまった彼女の傍に腰を下ろし、柔らかくて白い手を握ったり撫でたりしながら、彼もまたその頬を濡らしている。
あの後、事件の当事者として事情聴取を受けたベンは、レイチェルから悪魔の体内で起こっていたことをすべて聞いた。
シエルは最後までベンがレイチェルを愛しているのだと信じ込んでいた。
(俺があの女を本気で愛していると思って、捨て身で助けようとしたんだな…悪魔にまでなって…。お前がこうなったのも全部俺のせいだ。あの夜にはっきり俺の気持ちを伝えていれば…お前が愛しいから抱いたんだって伝えていたら、あれが同情だったなんて思わせなかったのに…)
シエルに余計な心配をかけさせまいと、黙っていたのは間違いだった。
はじめから計画を全て説明していたなら、レイチェルとの関係を誤解させることも死を選ぶほど絶望させることもなかっただろう。
全てが終わった後でもちゃんと話せば、シエルならわかってくれるなんて考えは傲慢だった。
彼女を失ったのは、彼女の信頼を利用し彼女自身の心を蔑ろにしてきた罰だ。
(お前が好きだ、シエル……ずっと、どうしようもなく……)
眠り姫に手を伸ばして、その愛おしい顔を覗き込む。
ぽたぽたと落ちた雫がシエルの青白い頬を伝ってシーツに溶けて消えていく。
「愛してる…ずっと、愛している。シエル…」
レメディオス家の一員としても、ベンの幼馴染としても、セレンの友達としても。
何一つ、誰の役にも立てないと思っている自分に、ベンは「何もしなくていい」と言う。
「ただ生きているだけでみんなが幸せになる」のだと。
その言葉を素直に受け止めて歓喜する自分と、果たしてそうだろうかと猜疑する自分がいる。
ベンは本心からシエルの命を惜しんでいるのではなく、このまま消滅した後の罪悪感をなくす為に引き留めているだけにすぎないのではないか。
悪魔の体を乗っ取ったとはいえ、シエルの精神は少なからず悪魔の影響を受けていた。
体内から浄化魔法で穴を穿ちレイチェルを体外へ押し出した、その後。
シエルは叶うことのないベンへの恋情と劣等感、そして密かに抱えていた孤独感に目をつけられた。
メディは精神に語りかけてシエルの心の闇を暴き、融合すれば望んだ結末になると唆して膨大なシエルの魔力を体内に取り込もうとした。
ベンに話した通り、自分が犠牲になって悪魔と心中すればみんなを守れると思った彼女はメディの提案に同意した。
メディは喜々としてシエルを支配しようとしたが、彼女の意志の強さと圧倒的な魔力量によって捻じ伏せられ、反対に身体を乗っ取られてしまった。
『バカナ……!ワレガ…コンナ小娘ゴトキニ…!!』
断末魔の悲鳴を上げながら、メディの精神はシエルの魔力結晶の中へと吸収されていく。
悪魔の肉体の核となったシエルはその時、死の恐怖よりも深い心の安らぎに満たされていた。
このまま消滅してしまえば、もう魔法が上手く使えなくて思い悩むことも、恥さらしだと嗤われることもない。
何よりこれ以上ベンとレイチェルが仲睦まじく寄り添う姿を永遠に見なくてもよいのだと思うと、心がすっと軽くなった。
(みんなを守りたいからなんて建前。いい子ぶっているだけで、本当は私は自分勝手なの。傷つくのが怖いから逃げたいだけ。好きな人が他の誰かと幸せになっても愛せるなんて嘘。愛せそうにないから愛せる自分になりたいだけ。傷つくのが恐ろしいから目を背けているだけ。ずっと心を欺いたまま生きていくことなんてできない。私はただみんなが好ましく思う理想の女の子を演じていただけなの。きっと本性を知ったらみんな離れていく。だってみんな、いい子の私が好きなんだもの)
シエルは魔力を放出してベンの身体を風圧で弾き飛ばした。
それが――彼女の出した答えだった。
ベンがまた余計なことを言う前に、決心を揺さぶられる前に、大きく羽根を広げて一気に飛躍した。
目指す先は地平線と空の果ての間にある灼熱の太陽。
頭の天辺から足の先まで塵一つなく燃え尽きれば、きっとずっと茨のように絡みついている薄幸感から解放されるに違いなかった。
「シエル!行くな!!シエル……!」
もう地上からずっと高いところまで来ているのに、ベンの悲痛に満ちた叫び声が追いかけて来る。
聞こえるはずのない幻聴に一瞬、頑なになっていた冷たい氷が溶けかけた。
けれどシエルはそのまま、思いを断ち切るように更にスピードを上げて、楽園の炎の中に飛び込んでいった―――。
悪魔となったシエルが空の彼方に消えて間もなく、セレンとデオの石化が解除された。
二人が元に戻ったことで悪魔が完全に消滅したことを悟る。
空に向かってシエルを呼び戻そうと叫んでいたベンはその場に崩折れるように膝をついた。
それから彼は警察隊が駆け付けるまで、誰の呼びかけにも応えずただただ呆然と悪魔が飛び去っていった方向を見つめていた。
老婆のようになってしまったレイチェルは現場から少し離れたところで顔色を失って地面にへたり込んでいるところを発見され、闇アイテムの所持と使用の容疑で連行された。
メディの腕輪によって奪われた魔力はベンがフレデリック副学長の元に転送したことで無事に持ち主の元に還された。
こうして半年以上続いていた魔力窃盗事件はたった一人の女子生徒の犠牲で収束し、レイチェルが全面的に容疑を認めたことによってあっさりと幕を下ろした。
その夜、レメディオス家のリビングは5年前のような沈痛な空気に満ちていた。
「うそだ!うそだあぁ!」
まだ6歳の幼いケヴィンが癇癪を起して泣き叫ぶ。
走って部屋を飛び出そうとした背中を抱きしめて止めたのはリアだった。
うわーんと感情任せに声を上げて泣く弟につられて、散々泣き腫らした目からまた涙が溢れ出してくる。
搾取された魔力結晶が悪魔と共に消滅したことで、シエルが目を覚ます可能性は無に等しくなった。
リアもエリックも、それを目の当たりにしていたベンですら未だ現実を受け止めきれずにいる。
それでも家族にはシエルのことを報告しなければならなかった。
いつか目覚めるはずだとその場凌ぎの嘘をついても、いずれは事実を話さなければならない時が来る。
期待すればしていた分だけ、望みがないと知った時の絶望感から立ち直ることが難しくなる。
気丈に話を聞いていたエミリも、弟の心に共鳴して堰を切ったように噦り上げた。
いつもは騒がしいくらいに元気いっぱいのエミリが、声も出さず、嗚咽を堪えるようにして泣いている。
顔を合わせれば憎まれ口を叩き合うリースも、そんなエミリを優しく抱きしめて肩を震わせた。
滅多に涙を見せない負けず嫌いの妹達の傍にエリックが寄り添い、その髪を優しく撫でる。
(シエルがいないなんて、想像したくもない…)
今朝と変わらない部屋の中に視線を這わせて、頭ではいないとわかっているのにシエルの姿を探してしまう。
一瞬ソファに座って穏やかな笑顔を浮かべている彼女の姿が目に飛び込んで、はっと目を見開く。
だがそれは幻で、エリックが見たいと望んだ記憶が呼び起こされたに過ぎなかった。
エリックは自嘲気味に笑って、顔を伏せた。
この家の父親役である自分が涙を流しているところなど、子ども達にも誰にも見られたくなかった。
お互いを慰め合いながら悲しみにふける家族の輪には入らず、ベンはただ一人シエルの部屋にいた。
自分の魔力によって呼吸を繰り返すだけになってしまった彼女の傍に腰を下ろし、柔らかくて白い手を握ったり撫でたりしながら、彼もまたその頬を濡らしている。
あの後、事件の当事者として事情聴取を受けたベンは、レイチェルから悪魔の体内で起こっていたことをすべて聞いた。
シエルは最後までベンがレイチェルを愛しているのだと信じ込んでいた。
(俺があの女を本気で愛していると思って、捨て身で助けようとしたんだな…悪魔にまでなって…。お前がこうなったのも全部俺のせいだ。あの夜にはっきり俺の気持ちを伝えていれば…お前が愛しいから抱いたんだって伝えていたら、あれが同情だったなんて思わせなかったのに…)
シエルに余計な心配をかけさせまいと、黙っていたのは間違いだった。
はじめから計画を全て説明していたなら、レイチェルとの関係を誤解させることも死を選ぶほど絶望させることもなかっただろう。
全てが終わった後でもちゃんと話せば、シエルならわかってくれるなんて考えは傲慢だった。
彼女を失ったのは、彼女の信頼を利用し彼女自身の心を蔑ろにしてきた罰だ。
(お前が好きだ、シエル……ずっと、どうしようもなく……)
眠り姫に手を伸ばして、その愛おしい顔を覗き込む。
ぽたぽたと落ちた雫がシエルの青白い頬を伝ってシーツに溶けて消えていく。
「愛してる…ずっと、愛している。シエル…」
0
お気に入りに追加
383
あなたにおすすめの小説
秘された王女はひたむきに愛を貫く~男友達だった幼馴染の執着愛~
水瀬 立乃
恋愛
※露骨な性表現がありますので苦手な方はお控えください※
素直になれないクール女子な主人公と、素直に愛情表現するワンコ系男子の幼馴染が結婚するまでの物語です。
舞台は魔法が存在する魔法国パレシア。
主人公のメイリス・クロウ(25歳)と、彼女と同郷で幼馴染のゲイル・ラーバント(25歳)は性別を超えた親友だった。
冷静沈着で大人しいメイリスと、社交的で楽しいことが好きなゲイル。
正反対の性格なのに気が合って、二人は幼い頃からいつも一緒だった。
メイリスは国立研究機関に、ゲイルは国家防衛機関にそれぞれ就職してからも、その心地よい関係は変わらなかった。
しかしある日、ゲイルが酒に酔ってメイリスを押し倒したことで関係が一変する。
長く続けてきた友達関係を壊したくない二人はそれぞれ最善の方法で修復しようとするのだが、性格の違いが邪魔をしてすれ違う。
第一章は友達〜恋人になるまでとその後のらぶ甘な二人。
第二章では出生の秘密が明らかになり、ライバルからの妨害もあって切ない展開に。
第三章はすれ違っていた二人がそれぞれの試練を乗り越えてお互いの大切さを再確認します。
最後にはハッピーエンドです。
*2022/8/21、完結しました。
旧タイトル:ファンタジーの世界で男友達だった幼馴染に溺愛されるお話
※小説家になろう様でも掲載しています
ドS王子は溺愛系
王冠
恋愛
外見も中身も普通の自称″地味女代表″であるレティア•ビドワール侯爵令嬢が、人外と言えるほど美形の王太子の婚約者になってしまった。私は外野で見ていたいんですぅ!!と婚約破棄を申し出るもバッサリ断られて、ただただ溺愛される話。
※かなりゆるゆるなご都合主義の物語ですので、笑って許して下さい。
※R回(微妙でも)には※付けます。
後半は割とがっつりR18なので、苦手な人はお控え下さい。
3/27 HOT女性ランキングが2位になっておりました!!
はわわわわ!!(感涙)
読んで頂けた皆様のおかげです!!ありがとうございます!!
大嫌いな次期騎士団長に嫁いだら、激しすぎる初夜が待っていました
扇 レンナ
恋愛
旧題:宿敵だと思っていた男に溺愛されて、毎日のように求められているんですが!?
*こちらは【明石 唯加】名義のアカウントで掲載していたものです。書籍化にあたり、こちらに転載しております。また、こちらのアカウントに転載することに関しては担当編集さまから許可をいただいておりますので、問題ありません。
――
ウィテカー王国の西の辺境を守る二つの伯爵家、コナハン家とフォレスター家は長年に渡りいがみ合ってきた。
そんな現状に焦りを抱いた王家は、二つの伯爵家に和解を求め、王命での結婚を命じる。
その結果、フォレスター伯爵家の長女メアリーはコナハン伯爵家に嫁入りすることが決まった。
結婚相手はコナハン家の長男シリル。クールに見える外見と辺境騎士団の次期団長という肩書きから女性人気がとても高い男性。
が、メアリーはそんなシリルが実は大嫌い。
彼はクールなのではなく、大層傲慢なだけ。それを知っているからだ。
しかし、王命には逆らえない。そのため、メアリーは渋々シリルの元に嫁ぐことに。
どうせ愛し愛されるような素敵な関係にはなれるわけがない。
そう考えるメアリーを他所に、シリルは初夜からメアリーを強く求めてくる。
――もしかして、これは嫌がらせ?
メアリーはシリルの態度をそう受け取り、頑なに彼を拒絶しようとするが――……。
「誰がお前に嫌がらせなんかするかよ」
どうやら、彼には全く別の思惑があるらしく……?
*WEB版表紙イラストはみどりのバクさまに有償にて描いていただいたものです。転載等は禁止です。
【R-18】敗戦国の元侯爵令嬢は、公爵と国王に溺愛される
桜百合
恋愛
祖国が戦に敗れたことでバルサミア国の奴隷となった元侯爵令嬢カリーナ。奴隷として雇われた公爵家の主人リンドに惹かれていくが、叶わない恋だと諦める。そんな時カリーナに接近してきたのはまさかの国王アレックスであった。元侯爵令嬢カリーナが本当の愛と幸せを手に入れるお話。
※こちらのお話は『今日であなたを忘れます〜』の本筋となったお話です。
(アレックスが可哀想…という感想を多くいただいたので、IFストーリーとして上記の作品の掲載をはじめました。)
途中までのシーンはRシーン以外ほとんど同じですが、中盤以降からお話がガラリと変わります。
※R要素は後半に多めです。R部分には★マークをつけてあります。
※去年の4月にムーン様に投稿した処女作となります。あえて当時の文体のまま、掲載しておりますので、至らぬ点は多めに見ていただけると助かります。
【R18】悪役令嬢は王子に愛を乞われる
夕日(夕日凪)
恋愛
※連載中の『悪役令嬢は南国で自給自足したい』のIF話になります。
リーベッヘ王国の王太子フィリップ・ブラバンドは、我儘三昧な婚約者ビアンカ・シュラット侯爵家令嬢との婚約破棄を考えていた。しかし近頃、婚約者の様子がなんだかおかしい。急に可愛くなってしまった婚約者に王子は恋をしてしまって…。だけどある日彼女からお願いされたのは婚約破棄!?『悪役令嬢』ってなんなんだ?
※このお話単体で読めるようになっています。
※男性視点からのスタートとなります。
※王子が婚約者に困惑しつつも溺愛に突き進むお話となっております。
余命一年の転生モブ令嬢のはずが、美貌の侯爵様の執愛に捕らわれています
つゆり 花燈
恋愛
『一年後に死亡予定の嫌われ婚約者が、貴方の幸せのために出来る事~モブで悪女な私の最愛で最悪の婚約者~』が、タイトルを『余命一年の転生モブ令嬢のはずが、美貌の侯爵様の執愛に捕らわれています』に変更し、2月15日ノーチェブックス様より書籍化しました。
応援して下さった皆様にお礼申し上げます。本当にありがとうございます。
お知らせ:
書籍化該当シーンや類似シーンが本編から削除されています。
書籍とweb版は設定が大きく異なります。ご了承ください。
✼••┈┈••✼••┈┈••✼••┈┈••✼
この物語は失った少女の魂を追い求め望まぬ永遠を手に入れた青年と、必ず18歳で死んでしまう少女の物語。
『リーベンデイルの生きた人形』 それは、奴隷制度のないこの国で、愛玩用に売買される美しい愛玩奴隷の隠語だ。
伯爵令嬢と王家の影、二つの顔を持つアリシティアは、幼い頃からリーベンデイルの生きた人形を追っていた。
この世界は、アリシティアが前世で読んだ物語と類似した世界で、アリシティアは番外編で名前が出た時点で死んでいるモブ中のモブ。
そんな彼女は、幼い頃、物語のヒーローの1人ルイスと出会う。だが、この先アリシティアが何もしなければ、ルイスは19歳で物語のヒロインであるお姫様を庇って死んでしまう。
そんなルイスの運命を変えたいと願ったアリシティアは、物語の中では名前すら出てこない、ルイスの死の間際ですら存在さえも思い出して貰えない彼の婚約者となり、ルイスの運命を変えようとする。だが、アリシティアは全てに失敗し、幼いルイスに嫌われ拒絶される。そしてルイスは、物語通りお姫様に恋をした。
それでも、1年後に死亡予定の彼女は、リーベンデイルの生きた人形を追いながら、物語のクライマックス、王太子暗殺事件とルイスの死を阻止するため、運命に抗おうとする。
だが彼女は知らぬ間に、物語の中に隠された、複雑に絡み合う真実へと近づいていく。
R18のシーンには、【R18】マークをつけています。
※マークは、改定前の作品から変更した部分です。
SSとして公開していたシーンを付け加えたり、意図をわかりやすく書き直しています。
頂いたコメントのネタバレ設定忘れがあります。お許しください。
※このお話は、2022年6月に公開した、『モブで悪女な私の最愛で最悪の婚約者』の改訂版です。
あの夜をもう一度~不器用なイケメンの重すぎる拗らせ愛~
sae
恋愛
イケメン、高学歴、愛想も良くてモテ人生まっしぐらに見える高宮駿(たかみやしゅん)は、過去のトラウマからろくな恋愛をしていない拗らせた男である。酔った勢いで同じ会社の美山燈子(みやまとうこ)と一夜の関係を持ってまう。普段なら絶対にしないような失態に動揺する高宮、一方燈子はひどく冷静に事態を受け止め自分とのことは忘れてくれと懇願してくる。それを無視できない高宮だが燈子との心の距離は開いていく一方で……。
☆双方向の視点で物語は進みます。
☆こちらは自作「ゆびさきから恋をする~」のスピンオフ作品になります。この作品からでも読めますが、出てくるキャラを知ってもらえているとより楽しめるかもです。もし良ければそちらも覗いてもらえたら嬉しいです。
⭐︎本編完結
⭐︎続編連載開始(R6.8.23〜)、燈子過去編→高宮家族編と続きます!お付き合いよろしくお願いします!!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる