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敵わない

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しばらくメディの体内をうろついていると、どこからか女性の啜り泣くような声が聞こえて来た。
その微かな声を頼りに進めば、レイチェルらしき人の姿が見えた。
ようやく見つけた、とシエルは足を速める。
それがレイチェルだとわかるくらいすぐ傍まで近づいた時、様子が可笑しいことに気付いた。
レイチェルはローブのフードを深く被り、膝を抱えて泣いていた。
彼女は確かにレイチェルだった。
レイチェルなのだが、ローブの袖からのぞく肌が、例えるなら萎びた根菜のようだった。
手も足も骨だけになってしまったかのように細く、その声も気付いてみればずいぶん嗄れていた。
彼女は、メディの腕輪ゴルゴネイオンを使用した代償からか、老婆のような姿に変わり果てていたのだった。

「……レイチェルさん」

声をかけると、ピタリと泣き声が止む。
シエルがいることに驚いたのだろう、勢い良く顔を上げた。
その顔はもう華やかだったレイチェルの面影はなく、頬も痩せこけて目玉がぎょろりと飛び出ていた。

「なによ…!なんで、ここにいるのよ…!」
「あなたを迎えに来たの。さあ、ここから出ましょう」
「何言ってるの?! こんなっ…!こんな姿、見せられるわけないじゃない!!!」

しゃがれ声で、レイチェルが叫んだ。
止まっていた涙が、再び滝のように流れ落ちていく。

「こんな姿じゃ…っ!ベンの前に出られない…!!耐えられない…!!」
「大丈夫、ベンは人を見かけで判断するような人じゃないわ。姿が変わってしまっても、レイチェルさんはレイチェルさんだか…」
「馬鹿じゃないの?!本気でそんなこと言ってるワケ?!こんな、ヨボヨボで、シワまみれの女のどこがいいっていうのよ…?!姿が変わっても愛情は変わらない…なんて、そんな物語みたいな愛があるわけないでしょう?!!下手な慰めはいらない!!もう放って置いて!!!」

絶叫するように言い放つと、レイチェルは声を上げて泣き始めてしまった。
彼女を馬鹿にしたかったわけでも、傷つけたかったわけでもない。
けれどシエルが何を言っても、彼女にとっては苦痛なのだろう。
どうしたら自分の気持ちが伝わるのかわからず、シエルは途方に暮れた。



「…まだ、いたの」

どのくらい時間が経っただろうか。
レイチェルの気持ちが少し落ち着き始めた時、ふと顔を上げてみればまだそこにシエルがいた。
心配そうにこちらの様子を伺っているシエルの顔を見て、レイチェルは毒気を抜かれてしまった。

(なぜ、そんな顔をしているのよ…)

シエルは、老婆になったレイチェルを悲しそうな目で見つめている。
老婆よりも酷い、人間とも思えない醜い姿を見ても、馬鹿にすることもせず、嘲り笑うこともしない。
レイチェルにはシエルが何をしたいのか、何をしに来たのか全く理解ができなかった。

「…何を考えているのか知らないけど、放っておいてって言ったでしょ」
「でも…あなたを放っては置けないよ。あなたはベンの恋人だから。ベンの大切な人は、私が絶対に助ける」

(は? どういう意味?)

レイチェルはぽかんとして、シエルを見つめ返した。
シエルの顔は、真剣だった。
言葉からも、表情からも、嘘を吐いているようには見えない。

「あなた…、ベンが好きなんじゃないの…?あなたにとって私は邪魔な存在でしょ…?なぜ助けるの?助けない方が邪魔者が消えてラッキーじゃない」

シエルはレイチェルの質問に、すぐには答えなかった。
そうだろうな、とレイチェルは思った。
誰だって自分が好きで、自分が可愛い。
愛した人には愛されたいと思うし、愛されて幸せになりたいと思う。
その為に他人を排除したいと思うことは、何も自分やシエルに限ったことではない。
褒められた感情ではないかもしれないが、持ってはいけない感情でもない。

「……ベンが、好きだから」

小さな声で、シエルが答えた。
考えている合間に零れ落ちてしまったような、儚げな音だった。

「私は、ずっとずっとベンが好きだった。本当に大好きなの」
「それなら尚更…」
「だから、ベンが幸せなら選ばれなくてもいいの」
「は?」
「私がベンに選ばれなくても、ベンが選らんだ人と幸せになれるのならそれでいい。それが…私の愛し方なの」
「…傍にいられなくてもいいっていうの?他の女と結婚して子どもができても?会えなくなっても愛せるっていうの?」
「――愛せるよ」

迷いのない声に、息を呑む。

「寂しく思うときもきっとあるし、とても辛いと思う。でも、ベンが選んだことだから。私はベンが大好きだけど、彼を変えてまで傍にいたいとは思わない。ベンにはありのままでいて欲しいし、ベンにはきっとあなたが必要だよ」

シエルの瞳が、真っ直ぐにレイチェルを射抜く。
偽りのない、純粋な愛情がそこにあった。
レイチェルは泣きたくなった。
先程のような、絶望から来る涙ではない。
嬉しくて、悲しい。
悔しいけど、愛しい。
レイチェルの目に浮かんだのは、言葉では形容できない、そんな涙だった。

「だから帰りましょう?ベンもレイチェルさんのことを待っているから」
「さぁどうかしら…。でも、そこまで言うならあなたとここから出てもいいわよ…?」
「本当…?!ありがとう…!」

シエルが満面の笑みでレイチェルの手を取る。
骨に皮がついただけの、骸骨のような手だ。
それでもシエルは、その手を大切そうに握る。
手のひらから感じる温かさに、レイチェルの頬に涙が伝った。

(負けだわ…。最初から、勝てるわけない。勝負にもならないわ…)

レイチェルの涙を不安からくる涙だと勘違いしたのだろう。
シエルがレイチェルを抱きしめ、大丈夫だよと微笑んだ。

「ベンは、レイチェルさんのことを心から愛しているもの。どんなレイチェルさんでも、レイチェルさんはレイチェルさんだよ。ベンがそんなことで心変わりしないことは、私が補償する。だから、これからもベンをよろしくお願いします」

ぺこりと頭を下げるシエルに、レイチェルは可笑しくなって吹き出した。

(何よそれ。まるでベンの母親みたいじゃない)

レイチェルがくすくすと笑い出すと、きょとんとしていたシエルも次第に同じように笑い始めた。
ただ言葉もなく、楽しそうに笑う声だけが響く。

「私達、きっと良い友達になれると思うの。ベンを好きな者同士として」

そうして最後にそんなことを言ったシエルに、レイチェルはいろんな感情を通り越して呆れてしまった。

(なれるわけないでしょう…。本当に、馬鹿な子…!)



メディと対峙していたベンは、その異変を即座に感じ取っていた。
何があったのか、一瞬メディの動きが鈍くなった。
その隙をついて強力な攻撃魔法を腹部に目がけて放つ。
攻撃は僅かに逸らされたものの、脇腹を貫通した。
メディはグアァと呻き声を上げたが、こんなもので動きを止める悪魔ではない。
すぐに再生して、反撃が来る――そう思っていたのだが、予想は外れた。
魔力の高まりを感じて、ベンはメディから距離を取った。
心臓がどくどくと煩いくらいに鳴っている。
期待がむくむくと膨らみ、焦燥感がどんどん高まっていく。

(この魔力は……!)

ベンはメディの中に感じ慣れた魔力があるのを感じ取っていた。
自分の魔力のなかにも僅かに巡っている、愛おしい感覚。

(シエル…!)

心の中でベンが名前を呼んだ瞬間、メディの腹部が膨れ上がったかと思うと、眩い光と共に大きな穴が穿たれた。
メディが断末魔のような叫び声を上げる中、ベンは腹に開けられた穴から何かが飛び出して来るのを見た。
飛び出してきたものは人のようで、ごろごろと転がって地面に蹲った。
腹の中で、両腕を付きだした状態のシエルの姿が小さく見える。
恐らくシエルが中からこの人間を突き飛ばしたのだろう。
だがシエルは中から出て来る様子はない。
見守っていた一瞬の間に、穴が物凄いスピードで塞がっていく。

「シエル……!!」

メディから転がり出て来た人間が、掠れた声で叫んだ。
ベンは何もできないまま、シエルが再びメディの中へ消えていくのを見ていることしかできなかった。

『生意気ナ…ワレヲ謀ッテイタノカ…!生キテカエシハシナイ…』

生きて帰しはしない。
それが誰に向かっての言葉なのか理解して、その場にいたベン達も、レイチェルも絶望に青褪めた。

(なによ…!『やり残したことがある』って、馬鹿じゃないの?!!本当に死ぬわよ…!!)

別れ際、一緒に外に出ると思っていたシエルは「まだここに残る」と言った。
理由を聞く前にシエルが光の魔法を放ち、瞬きする内に突き飛ばされて助けられてしまった。
禁断魔法の反動で魔力が消えてしまったレイチェルには、シエルを助ける術が何もない。

(馬鹿…!ばかシエル…!!ベンが私を本当に好きだって思ってるのは、あんただけよ!!!死んだら…死んだら、承知しないから…!!)

レイチェルは心の中で悪態を吐きながら、転がるように近くにあった家の石垣の陰に身を潜める。
このままあそこにいて、ベンに正体を知られたくなかった。
それに、あの場にいても逃げることしかできない自分は足手まといになるだけだ。

「――デオ!あれの動きを一瞬止められるか?」

魔法と魔法が激しくぶつかる音がする。
その中にベンの声が聞こえて、レイチェルは伏せていた頭を上げた。
息を上げながら、ベンが離れた場所にいるデオに向かって叫んでいる。
レイチェルがメディの体内から出た後、再開されたメディとの戦闘は苛烈を極めていた。
メディもついに本気を出したのか、スピードが先程よりも格段に上がっている。
シエルも悪魔の体内で抵抗しているようだが、少しずつ魔力が吸収されているようだった。
初めにメディが言った通りシエルの魔力はかなり上質なようで、僅かな量でもメディがパワーアップしているのがわかる。

「止めろったって…!止めてどうすんだよ!」
「口からあれの中に入って、シエルを助け出す!」
「ハァ?! お前正気かよ?!」
「ああ、本気だ!それ以外にシエルを助ける方法が思いつかない!」

迫って来る攻撃をすれすれのところで避けながら、ベン達は会話を続ける。

「あのシエルは魔力が具現化した思念体だ!正直いつ吸収されてもおかしくない!だがこいつの再生力を上回る程の攻撃魔法を、俺達は使えない!だが内側からなら比較的ダメージを与えやすいはずだ!さっきシエルがやったように!」
「言いたいことはわかるけど危険すぎんだろ!大体、思念体ってそう簡単になれんのか?!」
「やったことはないが、やり方はわかる!思念体になったら、俺の体を担いで逃げてくれ!」
「お前が規格外すぎて、もうどこから突っ込んでいいかわかんねぇけどな!成功する可能性が低すぎるだろう!失敗したら無駄死にだぜ?!」
「無謀なことはわかってる!だけどやらなきゃシエルが死ぬかも知れない!俺は絶対にシエルを助ける!」

身体を丸めて気配を消しながら、レイチェルはその会話を静かに聞いていた。
ベンから発せられる言葉の一つひとつから、シエルへの強い想いが伝わってくる。

(……ほらね、シエル。全部あなたの勘違いよ)

心臓が苦しくなって、レイチェルはぎゅうとローブの胸の辺りを握り締めた。

(私、わかってたの。わかってて、あなたの思惑に乗ってあげたのよ。じゃないとあなた…、諦めないじゃない。ずっとあのまま、私を助けるまであのまま…悪魔の中にいるつもりだったんでしょ)

ほろり、と枯れたはずの涙が一粒零れ落ちる。
その涙で、レイチェルはベンへの恋心が昇華していくのを感じた。

(…シエル。私の大切なベンを守ってくれるんでしょう?それなら、ベンの大切なシエルあなたも守って…!!死んだりなんかしたら、許さないわよ…!!)

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