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3 はじめてのちゅーとその先の攻防について
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アザクラちゃん……浅倉大志。あさくらたいし。20歳。大学生。172センチ。たぶん攻になる。
マキシマ……牧島充希。まきしまみつき。20歳。大学生。188センチ。おそらく受になる。
────────────────
[chapter:3 はじめてのちゅーとその先の攻防について]
────────────────
「……ところでマキシマって経験あるん?」
アザクラちゃんが俺をちょいちょいつつきながらそんなことを言う。
「あるように見える、か?」
「うんにゃ」
「だろうなぁ」
ないよ。まっさらだよ。新品だよー。ははっ。
知識としては一応……健全な男子としてならある方だと思うけど……いかんせん[[rb:未経験 > まっさら]]な俺。
先日、唐突な合コンの帰りに酔っぱらいながらも両思いだと発覚して納得してさも当然のように俺もアザクラちゃんもお互いにお互いを押し倒そうとして事故った夜のことから、まずは一旦頭を整理していきたい。
アザクラちゃんと俺の思いは通じあったはずだが、話を付き合わせてみると大事なところを擦り合わせる必要が出てきた。うむむ、解せぬ。それに二人して頭を抱えているこの現状をどうにか打開したい、というのが俺の本音。
だって俺もアザクラちゃんもお互いにお互いを抱きたい派だったのだ。
どうにかしたい。どうにかしないといけない。平和的に話し合いで着地点を見つけないといけない。
だって、そうじゃなきゃいつまでもアザクラちゃんとエロいことが出来ないんだから!
二人の今後のラブラブ作戦会議をするためにお呼ばれしたアザクラちゃんの部屋はいい匂いがしてちっとも落ち着かない。
やらかいクッションに置いた尻がふかふかでそわそわする。こういうのどこで売ってるんだろう。あとで買ったとこ教えてもらお。
「んで、童貞?」
「……んあー。そ、ですね……アザクラちゃんのご想像におまかせします」
俺が机に突っ伏してする告白にアザクラちゃんはによによして、うんうん、と嬉しそうに頷いている。
え、何その顔かわいい。俺のアザクラちゃんかわいい。食べたい。舐めたい。キスしたい。えげつないべろちゅーしたい。あー、えっちしてぇな。アザクラちゃんと俺で。触って、繋がって、ぐちゃぐちゃに混ざってみたい。
「あの………………男同士ってどーすんのエッチ……」
「そこから!?」
「え、どこから話せばいいの? ……アザクラちゃんにちゅーするのはアリよりのアリでしょうか?」
「それはアリでしょ!?」
「アリ!?」
え、やったじゃん俺、アリだってよ。とにかく性的接触経験がない俺にとって全部アザクラちゃんがはじめてなんだけど、これいったら笑われるだろうか。というか男同士ってなにするの。どうするの。このまま好きでいていいの。触りたいとか思ってていいの。
「つーか、ちゅー……て。マキシマかっわよ……」
にまにましてるアザクラちゃんこそかわいいかよ。くそかわだし。さいつよ。正義。語彙? そんなん死ぬしかない。古代の偉人はいいことばを残しました。いとをかし。やべえ。
「んんんんん、はよ喰いたい……」
「俺も」
互いに食うつもりの俺たち、互いに出方を待ってるというか、そう、今後の作戦をたてたいわけで。
「ちゅー、してぇ……」
はぁ、と息を吐く。切実に思う。だって好きだし。好き同士だし。相思相愛だし。そこは問題クリアしてるわけだ。なんの障害もない。俺とアザクラちゃんは両思いなわけだし。いちおう、たぶん、恋人、だし。……男だってだけで。
「きもちくなる?」
いやそれは、してみないとわかんなくね?
「そりゃ好きな人とだったら、ヤんのきもちくないわけないじゃ……」
ん。
ふ、と目の前に影がさして。
視界にいっぱいいっぱいのアザクラちゃん。
近いな。……というかこれ。
接触事故では。
ぶつかって、唇に、やわこいの、ふにふにして、知らない体温、溶けて、皮膚の粘膜、擦れて、え、え、と、これは────完全に事故ってないかこれ????
「ンっ、ふ……う、うー!?」
思考がバラバラになって感情が散り散りのピースばっかになってバラけてよくわかんなくなって、息が出来なくて苦しくて焦った。
口のなか、探るように俺の舌をなぞってるアザクラちゃんの舌が────あっちくて、ぬるぬるしてる!
「……な、マキシマ、きもちーい?」
ぐちゃぐちゃに掻き乱された俺と、余裕綽々で舌ぺろするアザクラちゃん。
涎でべとべとの口を開けっ放して、俺は乱れた息のままアザクラちゃんをぽかんと見つめる。
「……え、えぁ、は……?」
においとかおんどとか、あじ、とか。そういうのぐちゃぐちゃになって混じって、よくわかんなくなって。ふわふわの、唇の、感触とか、いまさっき、経験済みになったとかよくわかんないので。とりあえず、えっと。
「まっ……て、もっかい……して」
俺のおねだりにアザクラちゃんがにこーって笑って、むちょむちょかわいい猫顔をしたなってぼんやりしてるうちになんか────ぱくんと食われた。
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アザクラちゃん……浅倉大志。あさくらたいし。20歳。大学生。172センチ。たぶん攻になる。
マキシマ……牧島充希。まきしまみつき。20歳。大学生。188センチ。おそらく受になる。
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[chapter:3 はじめてのちゅーとその先の攻防について]
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「……ところでマキシマって経験あるん?」
アザクラちゃんが俺をちょいちょいつつきながらそんなことを言う。
「あるように見える、か?」
「うんにゃ」
「だろうなぁ」
ないよ。まっさらだよ。新品だよー。ははっ。
知識としては一応……健全な男子としてならある方だと思うけど……いかんせん[[rb:未経験 > まっさら]]な俺。
先日、唐突な合コンの帰りに酔っぱらいながらも両思いだと発覚して納得してさも当然のように俺もアザクラちゃんもお互いにお互いを押し倒そうとして事故った夜のことから、まずは一旦頭を整理していきたい。
アザクラちゃんと俺の思いは通じあったはずだが、話を付き合わせてみると大事なところを擦り合わせる必要が出てきた。うむむ、解せぬ。それに二人して頭を抱えているこの現状をどうにか打開したい、というのが俺の本音。
だって俺もアザクラちゃんもお互いにお互いを抱きたい派だったのだ。
どうにかしたい。どうにかしないといけない。平和的に話し合いで着地点を見つけないといけない。
だって、そうじゃなきゃいつまでもアザクラちゃんとエロいことが出来ないんだから!
二人の今後のラブラブ作戦会議をするためにお呼ばれしたアザクラちゃんの部屋はいい匂いがしてちっとも落ち着かない。
やらかいクッションに置いた尻がふかふかでそわそわする。こういうのどこで売ってるんだろう。あとで買ったとこ教えてもらお。
「んで、童貞?」
「……んあー。そ、ですね……アザクラちゃんのご想像におまかせします」
俺が机に突っ伏してする告白にアザクラちゃんはによによして、うんうん、と嬉しそうに頷いている。
え、何その顔かわいい。俺のアザクラちゃんかわいい。食べたい。舐めたい。キスしたい。えげつないべろちゅーしたい。あー、えっちしてぇな。アザクラちゃんと俺で。触って、繋がって、ぐちゃぐちゃに混ざってみたい。
「あの………………男同士ってどーすんのエッチ……」
「そこから!?」
「え、どこから話せばいいの? ……アザクラちゃんにちゅーするのはアリよりのアリでしょうか?」
「それはアリでしょ!?」
「アリ!?」
え、やったじゃん俺、アリだってよ。とにかく性的接触経験がない俺にとって全部アザクラちゃんがはじめてなんだけど、これいったら笑われるだろうか。というか男同士ってなにするの。どうするの。このまま好きでいていいの。触りたいとか思ってていいの。
「つーか、ちゅー……て。マキシマかっわよ……」
にまにましてるアザクラちゃんこそかわいいかよ。くそかわだし。さいつよ。正義。語彙? そんなん死ぬしかない。古代の偉人はいいことばを残しました。いとをかし。やべえ。
「んんんんん、はよ喰いたい……」
「俺も」
互いに食うつもりの俺たち、互いに出方を待ってるというか、そう、今後の作戦をたてたいわけで。
「ちゅー、してぇ……」
はぁ、と息を吐く。切実に思う。だって好きだし。好き同士だし。相思相愛だし。そこは問題クリアしてるわけだ。なんの障害もない。俺とアザクラちゃんは両思いなわけだし。いちおう、たぶん、恋人、だし。……男だってだけで。
「きもちくなる?」
いやそれは、してみないとわかんなくね?
「そりゃ好きな人とだったら、ヤんのきもちくないわけないじゃ……」
ん。
ふ、と目の前に影がさして。
視界にいっぱいいっぱいのアザクラちゃん。
近いな。……というかこれ。
接触事故では。
ぶつかって、唇に、やわこいの、ふにふにして、知らない体温、溶けて、皮膚の粘膜、擦れて、え、え、と、これは────完全に事故ってないかこれ????
「ンっ、ふ……う、うー!?」
思考がバラバラになって感情が散り散りのピースばっかになってバラけてよくわかんなくなって、息が出来なくて苦しくて焦った。
口のなか、探るように俺の舌をなぞってるアザクラちゃんの舌が────あっちくて、ぬるぬるしてる!
「……な、マキシマ、きもちーい?」
ぐちゃぐちゃに掻き乱された俺と、余裕綽々で舌ぺろするアザクラちゃん。
涎でべとべとの口を開けっ放して、俺は乱れた息のままアザクラちゃんをぽかんと見つめる。
「……え、えぁ、は……?」
においとかおんどとか、あじ、とか。そういうのぐちゃぐちゃになって混じって、よくわかんなくなって。ふわふわの、唇の、感触とか、いまさっき、経験済みになったとかよくわかんないので。とりあえず、えっと。
「まっ……て、もっかい……して」
俺のおねだりにアザクラちゃんがにこーって笑って、むちょむちょかわいい猫顔をしたなってぼんやりしてるうちになんか────ぱくんと食われた。
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