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過去編

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【神功左千夫】

矢張り、目隠ししたままもっと搾り取って置けばよかった。

そして、こんなことで興奮すると言ってくれる。
それは嬉しいことだ。

「……僕が、女性…だったら、よかった……?」

率直な疑問だった。
お尻にと彼は言うけど、僕が女性だったら女性器に挿れてくれた?
もっと、貴方は楽しかった?

ペニスは女性には無いけど、尿道だけだったら女にも有る。
そう思いながら僕は尿道バイブのスイッチを入れた。
九鬼は僕に対して子供を生したいとかそこまでは絶対考えていない、それは理解してる。
でも、女性だったら、もっと彼を楽しませることができたのか。

九鬼が女好きなのは分かってる。
これから先、いつか女性の元に戻るのは分かってるのに。

これだけ思い悩んでも彼から視線を向けるだけで僕は興奮する。
尿道バイブをクリクリと回しながら前立腺を中から刺激する。
そして、アナルの入口を少しずつ血液の集まり始めた彼のペニスへと擦りつけた。

「はぁ…………ッ、ぁああッ、……ぅ、次で、一番、強く……なりま、す…ッ」

そう言って僕はペニスの根元をバイブごと握り締める。
このまま前立腺を抉ればドライに持っていけるかと思ったが矢張りドライまでの道のりは刺激が……強い。


【九鬼】

左千夫クンの痴態を静かに見つめていると、突然彼の口から零れた言葉に目を見開いた。
憶測でしかないが、もしかして彼は先ほどのボクと麗華ちゃんの行為に嫉妬しているのだろうか?
いや、まさか彼がそんな事を考えるとは思わない。

頭の中でぐるぐると思考が回っている内に、左千夫クンのアナルがペニスに擦りついた。
どんどん強くなっていくバイブの音と、彼の喘ぎが空気と混じる。

「……ボクの勘違いかもしれないケド……もしかして左千夫クン、嫉妬してるの?」

悶えている彼へと視線をじっと向けながら、冷静に言葉を落とした。
まさかそんな事はありえないか、と思っているのに、何故か心の中は動揺している。

「君が女性だろうと男性だろうと、してる行為は変わらなかったと思うヨ」

一度そこで沈黙を挟むと、腰をわずかに浮かして半勃ち状態のペニスで彼のアナルの入口を軽く突いた。

「……嫉妬……してくれてるのは、……ちょっと嬉しい、かも」

こんな事を言うつもりはなかった。
自分の頭はこんがらがっていて、彼に何を伝えればいいのかわからない。
そんな気持ちを誤魔化すように、視線を尿道バイブへ向けるとそれをピストンさせるように変化させた。
一番威力を強くした途端に、彼の尿道バイブは前立腺を突くだろう。

「…ほら、ボクのペニス、お迎えしていいヨ」


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