9 / 18
第2章 myself
第2話 反対のワタシ
しおりを挟む_ねぇ…どんな感じだった?_
鏡の中のワタシが不気味な笑みを浮かべた。
「わた…し?」
首を右にかしげて聞くと、
_そう、ワタシは、お前だ。_
ワタシが真似をして答えた。
「どんな感じだったって、どういうこと?」
首を元に戻すと、
_両親を殺した気分だよ。_
ワタシも戻した。どうやら、会話ができること以外は普通の鏡らしい。
「なんでそんなこと聞くの?」
私は、鏡に顔を近づけた。
_気になるからだよ。さぁ…どんな感じだったか、教えてくれないか?_
ワタシの顔も近づいた。
同じ顔なのに、少し…不気味に見えた。
「…物を捨てるのに感情がいると思う?…飲み終わったペットボトル、食べ終わったお菓子の袋…それらを【大切だ】なんて思うの?私は思わないな~。」
私は、鏡から離れ、腕組をした。
ワタシも真似をする。
_なるほど…お前にとって家族とは【使い捨て】なのだな。_
「そんな感じかな~。じゃ、今度は私が質問するね。」
ワタシに会って、浮かんだ疑問。
「思い通りにならないなら消せばいい…これを私の心に囁きかけたのは…あなた?」
_…クッククク……。よく分かったな。そう…ワタシだ_
私は、俯いて肩を震わせた。
_どうした。ワタシが憎いか?…殺したいか?_
俯いたからワタシの顔は見えなかったけど…もう真似はしてない…そんな気がした。
「…ぁははははっ!!そう!あなただったんだ!」
私は、堪えきれず顔を上げ、声を出して笑った。
_何がおかしい?_
顔を上げてわかった。
ほんとに、ワタシは私の真似をしていなかった。今は、少し驚いた顔をしている。
「いや~まさか、ほんとにあなただったなんて思わなくて、思わず笑っちゃった。」
_な、カマかけたのか!_
さっきよりも目が開かれ、さらに驚いた表情に変わった。
「そ~だよ~。ふふっ…おかしかった~。」
私は、その様子がおかしくて、涙が出ていた。
_わ、笑うな!
ワタシは、頬を赤く染め、恥ずかしがっていた。
「ごめんごめん。向こう向かないでよ~。」
私は鏡を軽くノックした。すると、ハッとしたような顔のワタシが振り向いた。
_…って!そんなことより、早く寝ないと、明日学校だろう?_
私もハッとした。そう言えば、明日も学校があるんだった…。
「忘れてた!!ありがとう!おやすみ。」
_あぁ…よく寝て…明日頑張れ
復讐の始まりだ。_
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説
お嬢様、お仕置の時間です。
moa
恋愛
私は御門 凛(みかど りん)、御門財閥の長女として産まれた。
両親は跡継ぎの息子が欲しかったようで女として産まれた私のことをよく思っていなかった。
私の世話は執事とメイド達がしてくれていた。
私が2歳になったとき、弟の御門 新(みかど あらた)が産まれた。
両親は念願の息子が産まれたことで私を執事とメイド達に渡し、新を連れて家を出ていってしまった。
新しい屋敷を建ててそこで暮らしているそうだが、必要な費用を送ってくれている以外は何も教えてくれてくれなかった。
私が小さい頃から執事としてずっと一緒にいる氷川 海(ひかわ かい)が身の回りの世話や勉強など色々してくれていた。
海は普段は優しくなんでもこなしてしまう完璧な執事。
しかし厳しいときは厳しくて怒らせるとすごく怖い。
海は執事としてずっと一緒にいると思っていたのにある日、私の中で何か特別な感情がある事に気付く。
しかし、愛を知らずに育ってきた私が愛と知るのは、まだ先の話。
寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい
白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。
私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。
「あの人、私が
女子高生は卒業間近の先輩に告白する。全裸で。
矢木羽研
恋愛
図書委員の女子高生(小柄ちっぱい眼鏡)が、卒業間近の先輩男子に告白します。全裸で。
女の子が裸になるだけの話。それ以上の行為はありません。
取って付けたようなバレンタインネタあり。
カクヨムでも同内容で公開しています。
隣の席の女の子がエッチだったのでおっぱい揉んでみたら発情されました
ねんごろ
恋愛
隣の女の子がエッチすぎて、思わず授業中に胸を揉んでしまったら……
という、とんでもないお話を書きました。
ぜひ読んでください。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子
ちひろ
恋愛
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子の話。
Fantiaでは他にもえっちなお話を書いてます。よかったら遊びに来てね。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる