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番外編

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家の外は、雨が降り始めていた。そんな中、ユウマはヒロに呼び出された。


「おっ!きたきたー!会ちょーー!!」
ヒロは雨の中、呑気にブランコをこいでいた。
「おまえ…今日台風が来るんだぞ!?何考えてるんだ!」
ユウマはヒロに怒った。
「えー?会長の顔が見たかったから♡」
「はぁ…なんかあったのか?」
ユウマが聞くと、ヒロはブランコをこぐのをやめ、
「…お母さんとお父さんがまた喧嘩した。」
と、呟いた。
「そんなことだろうとは思った。」
ユウマはヒロの前まで歩み寄ると、そっと抱きしめ、
「泣きたい時は泣いていいぞ。」
と言って、頭を撫でた。
「…ユウマくん…。離婚したらどうしよう。」
「その時は俺のとこに来い。俺が守るから。」
ユウマがそう言うと、ヒロはクスクスと笑った。
「そういうセリフは、僕に勝ってから言ってよ~!」
「なっ!笑うなよ!」
ヒロとユウマは顔を見合わせて笑った。その時だった。いきなり雨が降り出し、その数秒後に強い風が2人を襲った。
「やばっ!台風来てるんだった!」
ユウマはすぐにヒロから離れ、公園の出口へと向かった。
「ユウマくん!待ってよ!」
ヒロも慌ててユウマの後を追ったが、風でうまく歩けない。近くの家の窓が割れ、カーテンが飛び出し、木々はいつもの姿とは大きく変わり、生き物のように動いていた。
「おい!はやく来……」
ユウマがそう言いかけたその時、ブランコの近くにあった木が大きく揺れ、ヒロの方に傾いた。
「ヒロっ!!!」
ユウマは風邪が吹き荒れる中、走った。メロスのように……


「うっ……ユウマ…くん?」
ヒロが起き上がろうと顔を上げると、そこは、ユウマの腕の中だった。急いで起き上がり、ユウマの体を揺さぶった。

「ユウマくん?…起きて?」


返事はない。

「僕をからかおうとしても無駄だよ?…ねぇ!起きて!…起きてよ…」

ヒロは目に涙を浮かべていた。
「こんなことで死なないでよ!」
横殴りの雨がヒロの体をうつ。
「…まだユウマくんから好きって言葉…聞いてないよ…」
「それはお前も同じだろ。」
ユウマが何事も無かったかのように起き上がった。
「えっ?ユウマくん…生きて…」
ヒロの涙をそっと親指で拭うと、
「当たり前だ!こんなことでは死なない…。それに、ヒロを残したままじゃ死ねない。」
と、言った。
「ほら、帰るぞ。」
ユウマは照れくさそうに手を差し出した。
「うん!」
ヒロは満面の笑みを浮かべ、その手を握った。






「今日は、た~っぷりできるね♡」
「ぃや……これ以上は…」
「え?ごめーん。台風の音で聞こえなぁい♪」
「らめぇぇぇぇ!!!」








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台風大丈夫でしたか!?家の屋根吹き飛んでる方、窓ガラス割れてる方、気をつけてくださいね!
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