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暁翔が立ち上がり手を差し出す。央樹はそれに素直に捉まり立ち上がった。すると暁翔が央樹の着ていたシャツのボタンを開け始める。
「え、ちょっ、暁翔……」
「動くな。今日はおれが脱がすよ。我慢できる?」
「……する」
「『good boy』、央樹はホントにいい子」
嬉しそうな顔で央樹を褒めながら、暁翔は央樹の服を全て脱がせた。それからすぐに風呂の場所を聞いて、移動する。自分もテキパキと着ていたものを脱ぎ捨てると、央樹と二人で狭いバスルームに入ってシャワーを出した。
「シャワーなら二人でも浴びれそうだね。今日は頭からつま先まで全部洗わせて」
いいね、と暁翔が微笑む。その怜悧な笑顔に央樹は逆らえない。当然のように頷くと、暁翔が央樹の髪を撫でた。
「まずは髪から洗おうか」
シャンプーを手に取った暁翔が央樹の髪を洗い始める。立ったまま向かい合っているので、央樹の目の前にはちょうど暁翔の首から鎖骨あたりがある。細いと思っていたけれど、意外と大きな喉仏と、太めの鎖骨が浮き出たそこは、ちゃんと男らしくてドキドキする。視線を下にすると張りのある胸とうっすらと筋の入った腹が見えた。茂みまで視線を落としてしまってから央樹は慌てて視線を逸らした。
さすがに不躾にそこまで見るわけにいかない。
「……央樹、おれの体、興味ある?」
「え、えと……」
「ある? ない? 言って」
強く聞かれると、それはコマンドと同じように作用する。央樹は小さく、ある、と答えた。
「央樹は素直だね。えらいよ」
暁翔は央樹からシャンプーを流しながらそう答えた。それから一度シャワーを止め、こちらを見やる。前髪をかき上げた暁翔の目がまっすぐに刺さるようだった。
「今度は央樹がおれの体洗ってくれる?」
「え……」
「できないならいいよ。強制はしない」
ボディソープを手に取り、暁翔は央樹の胸にその手を滑らせた。心臓がドキリと跳ね、そのまま速度を速める。
「洗いあうって、こと?」
「そうだね」
暁翔が頷く。央樹はおずおずと自分も手にボディソープを取って、それを泡立てた。その様子を見ていた暁翔が微笑む。
「本当に央樹はいい子だよ。おれの理想のSubだ」
暁翔は嬉しそうに笑んでから、央樹の頬にキスをして、その体を抱きしめた。そのまま背中を撫でられ、ぞくぞくと肌が震える。
「撫でられて、感じた?」
耳元で暁翔の低い声が響く。それだけでも体が敏感になった気がした。
「か、感じた、わけじゃ……」
「そっか。じゃあ、おれの体もこのまま洗ってくれる?」
暁翔の言葉に央樹が頷く。おずおずと腕を暁翔の背中に廻し、その肌に手のひらを滑らせる。固い背中を感じ、それだけでなんだか興奮してしまう。
「いいね、上手」
暁翔は央樹の背中に手を滑らせ、腰を抱き寄せた。当然、二人の体がピタリとつく。すると、男同士なのだから、当然下半身も重なる様に付いてしまう。央樹はそれが恥ずかしくて、待って、と口にした。
「どうかした?」
「あ、あんまり、くっつかないで……」
「……それは、央樹が少し興奮してるから?」
やはりバレていた。暁翔の手が心地良くて、暁翔の背中に触れていることが嬉しくて、それは央樹の中心にも影響してしまっていた。恥ずかしくて央樹はぎゅっと目を閉じた。
「ごめん、なさい……」
「謝る事じゃないよ。じゃあ……少しだけ、えっちなプレイ、してもいい?」
暁翔はそう聞いてくれるが、央樹にそれを拒む要素は何もない。央樹が小さく頷く。
「じゃあ、少し触るよ」
暁翔は央樹の体を離し、ゆっくりと壁に押し付けた。そのまま胸に手を滑らせ、興奮でふっくらと色づいた央樹の乳首に指を寄せる。引っ掻くように刺激され、央樹は、ん、と声を漏らした。それから暁翔を見上げる。
「いいよ、声出しても」
「ん、ん、やっ……」
指先で両の乳首を摘ままれ、そのまま指の腹で擦られるとやはり感じてしまう。央樹は自分の腿をぎゅっと掴んでその快感を逃していた。けれどそれはすぐに暁翔に見つかってしまう。
「そんなところ握ってたら赤くなるから、おれに掴まってて」
暁翔は央樹の手を取り、自分の背中に廻させた。戸惑う央樹が暁翔を見上げると、暁翔は央樹の額にキスをした。
「嫌だったらちゃんとセーフワード言ってよ」
「……嫌、じゃない……」
多少の恥ずかしさはあるが、優しく体に触れられるのは好きだ。相手が暁翔だと思えば、なぜか余計にそう感じた。
「じゃあ、もう少し触るよ」
暁翔は言いながら、央樹の中心に手を伸ばした。長い指に包まれ扱かれると、それだけで心地いい。
「あ、暁翔……」
「気持ちいい? よかったら言葉にして」
「……いい……」
くちゅ、と自分の先走りが混ぜられる音が響くのがとても恥ずかしいが、今の央樹にはちょうどいい恥ずかしさだった。我慢すれば、きっと暁翔が褒めてくれる。
「うん、ちゃんと言えて偉いよ。じゃあ、央樹、おれの目見て。『look』」
コマンドに導かれ、央樹は暁翔の顔を見つめる。その表情が一瞬驚いたようなものになったが、やがて優しいものになる。
「そのまま見てて。逸らしちゃダメだよ」
暁翔は微笑みながら、自分の手を強く速く動かした。
「あ、あき、いっちゃ……」
「うん。そのまま、おれの目見て、いって?」
こんなの恥ずかしいのに、嫌なのに、視線を外せない。これが命令だからというだけじゃなくて、相手が暁翔だからなのだろう。この優しいパートナーの命令を聞きたい自分が居る。
「あ、んっ――!」
びくびくと体が痙攣し、央樹が中心から白濁を吐き出す。すると暁翔はふわりと央樹を抱きしめた。
「ありがとう、央樹。おれのコマンド全部きいてくれて、ホントに嬉しい――さ、このまま体洗ってあげるね。あがったら美味しいご飯作ってあげる」
「うん、嬉しい」
央樹が素直に言葉にすると、暁翔はさらに央樹を強く抱きしめた。
「え、ちょっ、暁翔……」
「動くな。今日はおれが脱がすよ。我慢できる?」
「……する」
「『good boy』、央樹はホントにいい子」
嬉しそうな顔で央樹を褒めながら、暁翔は央樹の服を全て脱がせた。それからすぐに風呂の場所を聞いて、移動する。自分もテキパキと着ていたものを脱ぎ捨てると、央樹と二人で狭いバスルームに入ってシャワーを出した。
「シャワーなら二人でも浴びれそうだね。今日は頭からつま先まで全部洗わせて」
いいね、と暁翔が微笑む。その怜悧な笑顔に央樹は逆らえない。当然のように頷くと、暁翔が央樹の髪を撫でた。
「まずは髪から洗おうか」
シャンプーを手に取った暁翔が央樹の髪を洗い始める。立ったまま向かい合っているので、央樹の目の前にはちょうど暁翔の首から鎖骨あたりがある。細いと思っていたけれど、意外と大きな喉仏と、太めの鎖骨が浮き出たそこは、ちゃんと男らしくてドキドキする。視線を下にすると張りのある胸とうっすらと筋の入った腹が見えた。茂みまで視線を落としてしまってから央樹は慌てて視線を逸らした。
さすがに不躾にそこまで見るわけにいかない。
「……央樹、おれの体、興味ある?」
「え、えと……」
「ある? ない? 言って」
強く聞かれると、それはコマンドと同じように作用する。央樹は小さく、ある、と答えた。
「央樹は素直だね。えらいよ」
暁翔は央樹からシャンプーを流しながらそう答えた。それから一度シャワーを止め、こちらを見やる。前髪をかき上げた暁翔の目がまっすぐに刺さるようだった。
「今度は央樹がおれの体洗ってくれる?」
「え……」
「できないならいいよ。強制はしない」
ボディソープを手に取り、暁翔は央樹の胸にその手を滑らせた。心臓がドキリと跳ね、そのまま速度を速める。
「洗いあうって、こと?」
「そうだね」
暁翔が頷く。央樹はおずおずと自分も手にボディソープを取って、それを泡立てた。その様子を見ていた暁翔が微笑む。
「本当に央樹はいい子だよ。おれの理想のSubだ」
暁翔は嬉しそうに笑んでから、央樹の頬にキスをして、その体を抱きしめた。そのまま背中を撫でられ、ぞくぞくと肌が震える。
「撫でられて、感じた?」
耳元で暁翔の低い声が響く。それだけでも体が敏感になった気がした。
「か、感じた、わけじゃ……」
「そっか。じゃあ、おれの体もこのまま洗ってくれる?」
暁翔の言葉に央樹が頷く。おずおずと腕を暁翔の背中に廻し、その肌に手のひらを滑らせる。固い背中を感じ、それだけでなんだか興奮してしまう。
「いいね、上手」
暁翔は央樹の背中に手を滑らせ、腰を抱き寄せた。当然、二人の体がピタリとつく。すると、男同士なのだから、当然下半身も重なる様に付いてしまう。央樹はそれが恥ずかしくて、待って、と口にした。
「どうかした?」
「あ、あんまり、くっつかないで……」
「……それは、央樹が少し興奮してるから?」
やはりバレていた。暁翔の手が心地良くて、暁翔の背中に触れていることが嬉しくて、それは央樹の中心にも影響してしまっていた。恥ずかしくて央樹はぎゅっと目を閉じた。
「ごめん、なさい……」
「謝る事じゃないよ。じゃあ……少しだけ、えっちなプレイ、してもいい?」
暁翔はそう聞いてくれるが、央樹にそれを拒む要素は何もない。央樹が小さく頷く。
「じゃあ、少し触るよ」
暁翔は央樹の体を離し、ゆっくりと壁に押し付けた。そのまま胸に手を滑らせ、興奮でふっくらと色づいた央樹の乳首に指を寄せる。引っ掻くように刺激され、央樹は、ん、と声を漏らした。それから暁翔を見上げる。
「いいよ、声出しても」
「ん、ん、やっ……」
指先で両の乳首を摘ままれ、そのまま指の腹で擦られるとやはり感じてしまう。央樹は自分の腿をぎゅっと掴んでその快感を逃していた。けれどそれはすぐに暁翔に見つかってしまう。
「そんなところ握ってたら赤くなるから、おれに掴まってて」
暁翔は央樹の手を取り、自分の背中に廻させた。戸惑う央樹が暁翔を見上げると、暁翔は央樹の額にキスをした。
「嫌だったらちゃんとセーフワード言ってよ」
「……嫌、じゃない……」
多少の恥ずかしさはあるが、優しく体に触れられるのは好きだ。相手が暁翔だと思えば、なぜか余計にそう感じた。
「じゃあ、もう少し触るよ」
暁翔は言いながら、央樹の中心に手を伸ばした。長い指に包まれ扱かれると、それだけで心地いい。
「あ、暁翔……」
「気持ちいい? よかったら言葉にして」
「……いい……」
くちゅ、と自分の先走りが混ぜられる音が響くのがとても恥ずかしいが、今の央樹にはちょうどいい恥ずかしさだった。我慢すれば、きっと暁翔が褒めてくれる。
「うん、ちゃんと言えて偉いよ。じゃあ、央樹、おれの目見て。『look』」
コマンドに導かれ、央樹は暁翔の顔を見つめる。その表情が一瞬驚いたようなものになったが、やがて優しいものになる。
「そのまま見てて。逸らしちゃダメだよ」
暁翔は微笑みながら、自分の手を強く速く動かした。
「あ、あき、いっちゃ……」
「うん。そのまま、おれの目見て、いって?」
こんなの恥ずかしいのに、嫌なのに、視線を外せない。これが命令だからというだけじゃなくて、相手が暁翔だからなのだろう。この優しいパートナーの命令を聞きたい自分が居る。
「あ、んっ――!」
びくびくと体が痙攣し、央樹が中心から白濁を吐き出す。すると暁翔はふわりと央樹を抱きしめた。
「ありがとう、央樹。おれのコマンド全部きいてくれて、ホントに嬉しい――さ、このまま体洗ってあげるね。あがったら美味しいご飯作ってあげる」
「うん、嬉しい」
央樹が素直に言葉にすると、暁翔はさらに央樹を強く抱きしめた。
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