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98 ■ MAHOROBA 02 ■
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「…プランティア様…」
アカシアは動揺している。
「……」
「……」
ブラウニーとアドルフさんが地母神に見惚れてるのがわかる。
いや、わかります、自分の顔だから言いにくいですけど、まさに天女ですわ!!
アドルフさんはともかく、ブラウニー!! ……くっ!
たしかに私と比べると可憐なイメージと……顔はそっくりでも、なんか格の違いみたいなものがある!! ……ほぼ、ほぼ、私だから許す。許すけど! くっ……!
くそう……私の本体やばい、男も女も一目で魅了してくる! うう、そりゃそうだけれども、本体には勝てないのね…!!
これはブラウニー盗られるって言われるのもわかるわ!
てかやっと神様の名前わかったよ! プランティア様っていうのね!!
「おお……やっと会えたなぁ!! プランティア!!」
恍惚として魔王が言う。
しかし、プランティア様は魔王を無視して、アカシアに刺さっていた剣を壊し、そして大切そうにギュッと抱きしめた。
「おいおい、無視かァ? ……アカシアなんぞ放っておいて、オレと遊ぼうや」
それを見て、魔王は顔を歪める。
あれ? プランティア様、アカシアの事、なんか……。
え? 私、アカシア選んでないけど……??
でもこれ、明らかにアカシアのこと好きな女の子に見えるんですけど!?
そしてめちゃくちゃ魔王に怒ってますね……?
なんかわかるんだけど、よくも私のアカシアに! みたいな……。
「……見た目がプラムだから、プラムがアカシアに抱きついているみたいで気分が悪い……」
ブラウニー……しょうがないな。顔がほぼ私だものな……。これは仕方ない。
プランティア様は、私達をチラ、と見て少し微笑んだ後、さっきから無視していた魔王を睨みつけ――
ドン!!
無表情で魔王に特大の銀色の光弾を叩きつけ――ふっとばした!
「グォッ……!?」
魔王が粒子になって四散する――えええ!?
そして、それによりまきおこった爆風に、私達も吹っ飛びそうになった。
「うわ……っと!?」
「きゃあ!」
「プラム……!」
ブラウニーとアドルフさんが二人で私を支えてくれ、三人が三人ともに魔力防壁をお互いに掛け合う。
要塞が崩れる音が収まって、パラパラ、と瓦礫が落ちるだけになる頃、怖くて瞑っていた目を開けると――
ちょっと! ふっとばした方向の要塞が消えて失くなってますよ!!
地母神の力怖!!!
「てか、地母神、絶対アカシアのこと好きだよな……」
ブラウニーがぼそっと言った。
「ああ、うん、そう見えるね……」
私が答えて。
「いや、絶対好きだろ……」
アドルフさんも同意見を述べる。
「……っ」
それが聞こえたのか、プランティア様が、ビクっとした後、顔がカーっと赤くなってプルプル肩を震わせた。
口がアワアワして泣きそうな顔……うわ、自分と同じ顔なのに可憐だとか思ってしまった。
「可憐だな」
「可憐だ」
男共が!
いや、私も正直そう思う!
そして顔が自分だから何も言えない! 悔しい!!
「……?」
一方アカシアはどうしたんだろうって顔してる……うわあ!! 鈍感だよ!!!
それとも気付かないフリでもしてるのか!!
そして、また先程のような光の筋が湧き上がり、ワタワタしたプランティア様はアカシアを連れて昇っていく。
「――アカシア……」
「……」
私のその声に、少しだけ微笑みをこちらに向けて、アカシアはプランティア様と光の筋の先へと消えていった。
私達は目が点になってその様子を見送った……。
「……娘、お前ホントに女神の分霊(わけみたま)ってやつだったんだな。そっくりだった」
アドルフさんが言った。わかる。私も本音は眉唾だった。
「…すぐに帰っちゃったね」
「恐らく人間界にはあまり降りれない事情があるんだろう。そうじゃなきゃ、お前をここに送らないと思うぞ、お父さんは」
「どうみてもアカシアを助けに来ただけだな。どうせなら魔王を殺していってくれたらよいものを……で、あいつはどこだ、視えない。気配を感じるから死んでない」
ブラウニーが目を凝らす。
「……」
ブラウニーがそういうから、私も感じ取ってみた。
……たしかに気配を感じる気がする。
「ええ……あれで死なないの!?」
「多分、本当は殺したかったんだと思う……けど多分、オレが万が一天空神になるのは避けたかったんだろう。地母神にしたら、オレが天空神になったらオレを選ばなきゃいけないんじゃないのかな」
「……なるほど」
「……よし、今のうちだ。ブラウニー、魔王(あいつ)が出てきたら、気を引いてろ。プラム、近くにいてくれ。手伝いが必要そうなら頼むから」
アドルフさんが、『絶対圏』の魔力を使って、小さな部屋を作り出した。
そこへ一人で入る。
「魔力で覆ってはみたが、こんな部屋すぐに壊されそうだな。まあないよりマシだな」
私は外から問いかける。
「どうするの?」
「アイツを倒しちゃいけないなら――あいつを封印するしかないだろ」
「そんな事できるの?」
「わからん、がやる。ただ、アカシアがオレを信じろって言ったなら、やる価値があるんだろう。さて、魔王が再びでてこないうちにおじさんは一仕事するよ。恐らく魔力を大量に使うから、拡張やら魔力の流れの調節とかできそうならやってくれ、プラム」
「……わかったよ。多分それは得意」
「よし、期待してる」
アドルフさんはウインクして作業を開始した。
――彼は、ナイフで自分の指先を切って、血を流した。
その指で、地面に難しい文字列を書き込んでいく。
それは完成するに連れて、星のような形になっていく。
魔王が血まみれで姿を現し、ブラウニーの方へ向かう。血が黒い。
そして、周りの瘴気が集まって、傷を修復し、自身を形どっていく。
だがそのスピードはゆっくりだ。
地母神の一撃はかなりのダメージだったように見える。
これは……私達にもなんとかできるレベルに魔王は落ちたのでは?
「あの女……!! オレを粉々にしやがって!! 地母神は……どこだ!!」
「落ち着けよ。アカシアを連れて帰ったぞ。地母神殺せる~とか軽口叩いてた割に、台無しだな」
アカシアが磔にされていた樹は少しずつ崩れ去りつつある。
……アドルフさんは瓦礫に隠れた向こうで死角になってるけれど、目につかないように私は少しだけ離れよう。
「チッ」
舌打ちした魔王。
そして、私の方を見た。
げっ……!?
アドルフさんから距離置いてよかった!!
「……おい、分霊! お前がプランティアを祈りで喚び出したんだろう! もう一度呼べ!!」
「いや、無理! さっきのはアカシアがいたからだよ! 絶対!!」
「チッ! 何故! 降臨してまでアカシアを……まさかアカシアを選んだのか!? そこに分霊が選んだヤツがいるっていうのに……!! プランティア! どういう事だ!」
魔王が空のない天を見上げる。
答えは返ってくるはずもないけども。
「プランティアが相手を、選んだ……クク、そうか。このオレを無視して世界を作り上げるつもりか! しかも天空神候補ではなく、従僕のアカシアを!!」
何この言い方。まるでブラウニーがモブモブ言われた時みたいな言われようだ。
アカシアがモブとは、とても思えないけれど魔王からしたら女神の相手候補には入らない存在なのかもしれない。
ん? 地母神がアカシアを選んだのなら、攻略対象選びは終了じゃない?
それって、もう攻略対象と私を添い遂げさせようとする運命(ルート)は失われるのでは?
私達、普通の生活に手が届くようになったのでは……?
いや、でも……目の前には魔王がいて、どう見ても荒ぶっている。
攻略対象選び終了! お疲れ様! おうちにかえりまーす! とはならないな……!
地母神はでっかい宿題を置いていった…。
「さっきから大層なことを述べてるけど、ようは振られたんだよ、お疲れ、魔王様」
ブラウニーは、自分の背に生えた翼から無数の翅を引きちぎってばらまいた。
散らばった翅は、銀色に光る剣になった。
ブラウニー、それ使ったら……、と心配になる。
「――ああ、お前。ブラウニー。腹の虫が収まらない我の相手をしてくれるという訳か。そんな普通の器で! そんな小さな翼で! 勘違いも甚だしい……ああ、そうだな……そこの地母神の分霊にお前が死ぬざまを見せてやろう。その後その分霊はオレが教育して堕落させ、地母神にその情報を送り続け、あの女を堕落に傾けてやる……」
魔王も黒い剣を無数に浮かべた。
ああ、ブラウニー。……そうだね、神性を使わないと無理……だね。
私は少し唇を噛んだ。
「くっだらねぇ、小さいやつだな。ただの嫌がらせじゃねぇか」
「黙れ。なんという期待外れな結果だ。悠久の時を経て、我には天空神も殺したい衝動がずっと在った。なのに、資格者どもは全員育たず、何故、お前のようなただの人間が我に立ち塞がる……? ……何故お前のようなゴミを始末しなければならない! この我が!」
かつて、教会でアカシアが広げた以上の瘴気が魔王から溢れ出し、波のようになって全てブラウニーに向かう。
ブラウニーは、直前で聖属性魔力を練り上げ、自身の周りに光球をつくりあげて浮かび上がった。
「こうなったからにはしょうがないってヤツだろう。大体巻き込まれてるのはこっちの方なんだよ! どれだけ大層に謳(うた)われたってオレたちには――ただの迷惑話だ!」
光球の中から、銀の剣になった翅が無数に飛び出して、魔王に向かう。
「ブラウニー…?」
ブラウニーの背中の翼がひとつ増えてる!
私はハラハラした。
……身体の補強してないよ!心配だよ!!
私は必死に祈った。
神様、ブラウニーをお守りください……!
プランティア様、魔王が大嫌いなら、ブラウニーにいっぱい祝福つけてあげてくださいよ……!!
アカシアは動揺している。
「……」
「……」
ブラウニーとアドルフさんが地母神に見惚れてるのがわかる。
いや、わかります、自分の顔だから言いにくいですけど、まさに天女ですわ!!
アドルフさんはともかく、ブラウニー!! ……くっ!
たしかに私と比べると可憐なイメージと……顔はそっくりでも、なんか格の違いみたいなものがある!! ……ほぼ、ほぼ、私だから許す。許すけど! くっ……!
くそう……私の本体やばい、男も女も一目で魅了してくる! うう、そりゃそうだけれども、本体には勝てないのね…!!
これはブラウニー盗られるって言われるのもわかるわ!
てかやっと神様の名前わかったよ! プランティア様っていうのね!!
「おお……やっと会えたなぁ!! プランティア!!」
恍惚として魔王が言う。
しかし、プランティア様は魔王を無視して、アカシアに刺さっていた剣を壊し、そして大切そうにギュッと抱きしめた。
「おいおい、無視かァ? ……アカシアなんぞ放っておいて、オレと遊ぼうや」
それを見て、魔王は顔を歪める。
あれ? プランティア様、アカシアの事、なんか……。
え? 私、アカシア選んでないけど……??
でもこれ、明らかにアカシアのこと好きな女の子に見えるんですけど!?
そしてめちゃくちゃ魔王に怒ってますね……?
なんかわかるんだけど、よくも私のアカシアに! みたいな……。
「……見た目がプラムだから、プラムがアカシアに抱きついているみたいで気分が悪い……」
ブラウニー……しょうがないな。顔がほぼ私だものな……。これは仕方ない。
プランティア様は、私達をチラ、と見て少し微笑んだ後、さっきから無視していた魔王を睨みつけ――
ドン!!
無表情で魔王に特大の銀色の光弾を叩きつけ――ふっとばした!
「グォッ……!?」
魔王が粒子になって四散する――えええ!?
そして、それによりまきおこった爆風に、私達も吹っ飛びそうになった。
「うわ……っと!?」
「きゃあ!」
「プラム……!」
ブラウニーとアドルフさんが二人で私を支えてくれ、三人が三人ともに魔力防壁をお互いに掛け合う。
要塞が崩れる音が収まって、パラパラ、と瓦礫が落ちるだけになる頃、怖くて瞑っていた目を開けると――
ちょっと! ふっとばした方向の要塞が消えて失くなってますよ!!
地母神の力怖!!!
「てか、地母神、絶対アカシアのこと好きだよな……」
ブラウニーがぼそっと言った。
「ああ、うん、そう見えるね……」
私が答えて。
「いや、絶対好きだろ……」
アドルフさんも同意見を述べる。
「……っ」
それが聞こえたのか、プランティア様が、ビクっとした後、顔がカーっと赤くなってプルプル肩を震わせた。
口がアワアワして泣きそうな顔……うわ、自分と同じ顔なのに可憐だとか思ってしまった。
「可憐だな」
「可憐だ」
男共が!
いや、私も正直そう思う!
そして顔が自分だから何も言えない! 悔しい!!
「……?」
一方アカシアはどうしたんだろうって顔してる……うわあ!! 鈍感だよ!!!
それとも気付かないフリでもしてるのか!!
そして、また先程のような光の筋が湧き上がり、ワタワタしたプランティア様はアカシアを連れて昇っていく。
「――アカシア……」
「……」
私のその声に、少しだけ微笑みをこちらに向けて、アカシアはプランティア様と光の筋の先へと消えていった。
私達は目が点になってその様子を見送った……。
「……娘、お前ホントに女神の分霊(わけみたま)ってやつだったんだな。そっくりだった」
アドルフさんが言った。わかる。私も本音は眉唾だった。
「…すぐに帰っちゃったね」
「恐らく人間界にはあまり降りれない事情があるんだろう。そうじゃなきゃ、お前をここに送らないと思うぞ、お父さんは」
「どうみてもアカシアを助けに来ただけだな。どうせなら魔王を殺していってくれたらよいものを……で、あいつはどこだ、視えない。気配を感じるから死んでない」
ブラウニーが目を凝らす。
「……」
ブラウニーがそういうから、私も感じ取ってみた。
……たしかに気配を感じる気がする。
「ええ……あれで死なないの!?」
「多分、本当は殺したかったんだと思う……けど多分、オレが万が一天空神になるのは避けたかったんだろう。地母神にしたら、オレが天空神になったらオレを選ばなきゃいけないんじゃないのかな」
「……なるほど」
「……よし、今のうちだ。ブラウニー、魔王(あいつ)が出てきたら、気を引いてろ。プラム、近くにいてくれ。手伝いが必要そうなら頼むから」
アドルフさんが、『絶対圏』の魔力を使って、小さな部屋を作り出した。
そこへ一人で入る。
「魔力で覆ってはみたが、こんな部屋すぐに壊されそうだな。まあないよりマシだな」
私は外から問いかける。
「どうするの?」
「アイツを倒しちゃいけないなら――あいつを封印するしかないだろ」
「そんな事できるの?」
「わからん、がやる。ただ、アカシアがオレを信じろって言ったなら、やる価値があるんだろう。さて、魔王が再びでてこないうちにおじさんは一仕事するよ。恐らく魔力を大量に使うから、拡張やら魔力の流れの調節とかできそうならやってくれ、プラム」
「……わかったよ。多分それは得意」
「よし、期待してる」
アドルフさんはウインクして作業を開始した。
――彼は、ナイフで自分の指先を切って、血を流した。
その指で、地面に難しい文字列を書き込んでいく。
それは完成するに連れて、星のような形になっていく。
魔王が血まみれで姿を現し、ブラウニーの方へ向かう。血が黒い。
そして、周りの瘴気が集まって、傷を修復し、自身を形どっていく。
だがそのスピードはゆっくりだ。
地母神の一撃はかなりのダメージだったように見える。
これは……私達にもなんとかできるレベルに魔王は落ちたのでは?
「あの女……!! オレを粉々にしやがって!! 地母神は……どこだ!!」
「落ち着けよ。アカシアを連れて帰ったぞ。地母神殺せる~とか軽口叩いてた割に、台無しだな」
アカシアが磔にされていた樹は少しずつ崩れ去りつつある。
……アドルフさんは瓦礫に隠れた向こうで死角になってるけれど、目につかないように私は少しだけ離れよう。
「チッ」
舌打ちした魔王。
そして、私の方を見た。
げっ……!?
アドルフさんから距離置いてよかった!!
「……おい、分霊! お前がプランティアを祈りで喚び出したんだろう! もう一度呼べ!!」
「いや、無理! さっきのはアカシアがいたからだよ! 絶対!!」
「チッ! 何故! 降臨してまでアカシアを……まさかアカシアを選んだのか!? そこに分霊が選んだヤツがいるっていうのに……!! プランティア! どういう事だ!」
魔王が空のない天を見上げる。
答えは返ってくるはずもないけども。
「プランティアが相手を、選んだ……クク、そうか。このオレを無視して世界を作り上げるつもりか! しかも天空神候補ではなく、従僕のアカシアを!!」
何この言い方。まるでブラウニーがモブモブ言われた時みたいな言われようだ。
アカシアがモブとは、とても思えないけれど魔王からしたら女神の相手候補には入らない存在なのかもしれない。
ん? 地母神がアカシアを選んだのなら、攻略対象選びは終了じゃない?
それって、もう攻略対象と私を添い遂げさせようとする運命(ルート)は失われるのでは?
私達、普通の生活に手が届くようになったのでは……?
いや、でも……目の前には魔王がいて、どう見ても荒ぶっている。
攻略対象選び終了! お疲れ様! おうちにかえりまーす! とはならないな……!
地母神はでっかい宿題を置いていった…。
「さっきから大層なことを述べてるけど、ようは振られたんだよ、お疲れ、魔王様」
ブラウニーは、自分の背に生えた翼から無数の翅を引きちぎってばらまいた。
散らばった翅は、銀色に光る剣になった。
ブラウニー、それ使ったら……、と心配になる。
「――ああ、お前。ブラウニー。腹の虫が収まらない我の相手をしてくれるという訳か。そんな普通の器で! そんな小さな翼で! 勘違いも甚だしい……ああ、そうだな……そこの地母神の分霊にお前が死ぬざまを見せてやろう。その後その分霊はオレが教育して堕落させ、地母神にその情報を送り続け、あの女を堕落に傾けてやる……」
魔王も黒い剣を無数に浮かべた。
ああ、ブラウニー。……そうだね、神性を使わないと無理……だね。
私は少し唇を噛んだ。
「くっだらねぇ、小さいやつだな。ただの嫌がらせじゃねぇか」
「黙れ。なんという期待外れな結果だ。悠久の時を経て、我には天空神も殺したい衝動がずっと在った。なのに、資格者どもは全員育たず、何故、お前のようなただの人間が我に立ち塞がる……? ……何故お前のようなゴミを始末しなければならない! この我が!」
かつて、教会でアカシアが広げた以上の瘴気が魔王から溢れ出し、波のようになって全てブラウニーに向かう。
ブラウニーは、直前で聖属性魔力を練り上げ、自身の周りに光球をつくりあげて浮かび上がった。
「こうなったからにはしょうがないってヤツだろう。大体巻き込まれてるのはこっちの方なんだよ! どれだけ大層に謳(うた)われたってオレたちには――ただの迷惑話だ!」
光球の中から、銀の剣になった翅が無数に飛び出して、魔王に向かう。
「ブラウニー…?」
ブラウニーの背中の翼がひとつ増えてる!
私はハラハラした。
……身体の補強してないよ!心配だよ!!
私は必死に祈った。
神様、ブラウニーをお守りください……!
プランティア様、魔王が大嫌いなら、ブラウニーにいっぱい祝福つけてあげてくださいよ……!!
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