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81 ■ BlackBox 02 ■
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ブラウニーとアドルフさん。
二人が身体的特徴がそっくりなのが、私は常々気になっていた。
「……ねえ、アドルフさん。自分で気がついてる?」
「ん? なにがだ?」
「えっと…アドルフさんとブラウニーってそっくりだよ」
「……」
アドルフさんがピク、とした。
「あ……あー、気がついてる気がついてる、似てるよな。自分でも不思議だわ。やっぱそう思うか? お互い孤児だし、ひょっとしたら血繋がってるかもな!」
「それだけじゃなくて……アドルフさん、額に傷があるよね。ブラウニーにも、そっくりなのが、あるんだよね」
「……」
「……」
しばらく、お互い無言になった。
私はその無言に、アドルフさんがこの件を敢えて今まで話題にしてなかったのだな、と気がついた。
あ……。聞いちゃいけなかったかな……。
「――そうだな」
アドルフさんは、無言でしばらく何か考えたあと、そう言った。
「え」
「恐らくお前が気づいてるだろうこと、オレもわかってる。自分の事だしな。実は……今まで、いつそれを言われるかとビクビクしていた」
「どうして?」
「自分で自分の得体が知れないからな。ブラウニーに初めて出会った時びっくりした。ガキの頃のオレにそっくりだったからな。髪色以外は。…その髪も今や銀に染まりつつ合って……。最初は単純に血が繋がってるのかな、とか親近感を覚えたさ。……でも、わかるだろう。お前なら。そんなもんじゃないんだよ、……まるで双子だ」
「ブラウニーも似てるとは思ってるみたいだけど、そこまでは考えてなかったみたい」
「あいつは今他に考えることがいっぱいあるからな。お前のことで頭がいっぱいだ、あいつは」
額をつん、とつつかれた。
ちょっと恥ずかしい。
「オレには怖いものは結構あるが。その一つが自分の記憶だ。お前たちを引き取ってから余計に自分の記憶を知るのが怖くなった。記憶を取り戻した時にオレは、今の自分を失う気がしていて怖い」
……シスター・イラも記憶喪失ではないけれど、前世の記憶を思い出したせいで、性格がガラリと変わってたもんね……。
ココリーネは前の自分を思い出して苦しんだクチだ。
そう思うと、アドルフさんがそれを恐れる気持ちはわかる。
「年齡はかなり違うが、オレの身体とブラウニーの身体は同一、もしくは複製の肉体なんだろう。なんでかはわからないがな。どんなに似てても古傷まで同じ双子はありえない。オレがブラウニーなのか、ブラウニーがオレなのか。どっちだったとしても、オレは知りたくない」
「額の傷って、やっぱり拾われた頃にはあったの?」
「……あったはずだ」
複製……もしそうだとしたら、ブラウニーが傷を負った後、ということになる……。
ブラウニーは赤ちゃんの頃から私と一緒だ。
傷を負ったのも私が原因だ。
かたや、アドルフさんは10歳くらいより前の自分を知らない。そう考えると……。
私は改めてアドルフさんを見た。
アドルフさんは……少し目を逸した。
「お願いなんだが……」
アドルフさんがとても静かだ。
ちょっと軽く聞いてみようって気持ちだった。
まさかこんな重たい話になるなんて……。
「オレのことは、今まで通り、アドルフ、だと思っていてくれ。オレはお前たちの父親でいたいし、お前たちが大事なんだよ。記憶なんていらない。アドルフとして生きてきた事やそして現在(いま)がとても大事なんだ。」
「……」
「そしてプラム、おまえも、そう思おうとしてたんじゃないのか?」
「……うん。そうだよ。」
「そうか、良かった。だからさ、この話はもうこれでよしとしないか?」
「うん。わかった。私もアドルフさんがアドルフさんのままがいいよ! ブラウニーだってアドルフさんが大好きなんだし、アドルフさんがアドルフさんじゃなくなるのは、私達も嫌だよ」
「嬉しい事いってくれるね。……そっか。なら良かった」
アドルフさんは安心した顔になって、頭をくしゃくしゃ、としてくれた。嬉しい。
「それじゃあ、ちょっと視るね」
「頼むわ。……この場所はあまり動きはないが、いつ動くかわからんから、そっちはオレが見ておこう」
※※※※※※※
それから私はしばらく、この異界を視てみた。
赤い土の世界がずっと広がっていた。
ゲートは稀にあって、そこから魔物がでていったりしてる。
帰ってくる魔物は、違う魔物ばかりだ。
「ゲートはあるにはあるけど、使えるかどうかわからないからなぁ」
「アドルフさん、なんかすっごいドロドロした明るい川がいっぱい流れてるよ」
「おじさん泣きたい、プラムいいかな? それ多分溶岩ってやつだな」
「ようがん」
これが溶岩か!物語で読んだことあるくらいだよ!!
「たまにねぇ、あっちの世界のダンジョンとかでもそういうのあるのよ~、おじさん溶岩嫌い……」
「あ、森みたいなとこはあった」
「それは朗報だな」
「変な実が……」
「……まあ、食わなきゃいいからな」
「この森……アドルフさんが作ったヒースの人工森に似てる…」
「へえー」
「あ……建物がある、大きいお城……みたいな」
「……プラム。勘だが、それ視るのやめたほうが」
「あっ」
「何!?」
「目が合っちゃった!」
「誰と!?」
「知らない人と!!」
「人がいるのか!?」
「なんか角生えてるけど人だよ!」
「魔族じゃねええかあああああ!!」
私はすぐさま、視界を切った。
「や、やばいかな。場所バレするかな」
深淵を覗く時また深淵も……こっち見てたよ!!!
「……ちょっと移動するか。さっきの森とかに飛べるか?」
「ちょっとやってみる」
私はアドルフさんの腕を掴んで、ヒースの蒼い森に似た、その場所へ跳んだ。
「……本当だ。オレが作った森に似ている」
アドルフさんが言った。
私達は地形を観察するために、その場に留まった。
「ここから見えるあっちの赤い土地は動いてるが……ここは動かないな」
「そうだね」
「よし、ここをキャンプ地とする!」
「おー!!」
森には普通の水が流れていた。
アドルフさんが、何か機材を使って調べてる。
「…大丈夫そうだな。絶対とは言えないが、これは普通の水だと思う」
「あ、アドルフさん鹿がいるよ。私達の世界とは見た目違うけど」
「……襲ってこないな」
「全て地上に出てきて襲ってくる魔物、ってわけじゃないのかな」
「……食えるかな」
「あ、アドルフさん!?」
「しょうがないでしょ!?」
「おなかすいてるんか?これ食べるかの?」
突如、皿が差し出された。
更には切られた見たことないフルーツが載っている。
「あ、ありがとう」
「どうも……だが、ここのフルーツは……」
「……」
「……」
「……」
「だーーーーーーーっ!?」
「きゃーーーーーーっ!?」
「なんぢゃーーーー!?」
三者三様の絶叫が森に響き渡った。
アドルフさんは私を抱きかかえて距離を取った。
その、皿を差し出してきた――
赤子のようにちっこいお爺さんはお爺さんで、ビックリしている。
「…どちら様で」
警戒した声でアドルフさんが尋ねる。
「ここら辺を根城ににしとるもんだが。お客さん久しぶり。急いでフルーツ切ってもってきたんじゃが。いらんかったんかいの」
「いや、ここの実食べたら魔王の所有物になるって聞いてるからな。気持ちだけ頂こう」
「おま……何言ってるの? そんな訳ないぢゃん?」
ぢゃん!?
「そうなの!?」
「そんなフルーツあったら今頃人間界は魔王様のコレクションだらけじゃ」
このおぢいちゃんを信じていいのかどうか……。
「(……じゃあ、あの聖書の解釈は間違えているのか?)」
アドルフさんはわかんね~って顔してる。
「前にも人が来たのか?」
「そうじゃな。迷い込んで稀にくる。最後に来たのは10年以上前じゃったかの」
「おじいちゃん、魔族なの?」
「そーじゃよ。現役は引退したがの」
「現役?」
「魔王軍の」
「……それって人間の敵ってこと?」
「かつて、はの。ブラック企業の生き残りじゃ……」
ブラック企業!?
「今はただの終活61年継続中のじーちゃんじゃの」
終活!? 魔族の終活ってそんな年月かかるの!?
「お前たちが人間だからしゃべっちゃおうかなぁ。内緒なんだけど。……わし、魔族だけど中身は違う世界の人間なんよ~魔族とは合わなくての~」
「……あ」
「……う」
「なんぢゃ」
「転生者かあ!?」
「まさか……新たな攻略対象!?こんなおぢいちゃんと愛を育むルートが!?」
「なんてことだ娘よ! まさかお前、そんな趣味が!」
「ある訳ないでしょ!?」
「何を言っておんのじゃ…? お前ら怖…」
私達は一旦落ち着くことにした。
「……地球の人?」
「……お、おおおおおお!! 人間な上に地球の話が通じるんかい!!」
ビンゴー!
「ああ~帰りたいのう、ちたま……」
ちたまってなんだ。
地球のことか。専門用語やめて下さい。
「あ、わし、モリヤマって呼んで」
モリヤマさん。
「……あれ、そういえば10年前くらいに来た思春期銀髪小僧も地球を知っとったの……ん?」
モリヤマのおじいちゃんは、アドルフさんを見た。
「あの時の銀髪小僧がちょうど桃色の髪の少女と背の高い銀髪隻眼の男を知らないかと……ああ、そうかそこの赤土荒野ではぐれたから、今ここにお前らが来たわけか(手をポン)」
え? それってブラウニー? でも10年前!?
てか思春期ってなによ!?
「ん? じゃが……隻眼のお前、あの時の銀髪小僧じゃないのか? 魔王様には会えたんかの? 良く生きておったな」
「は……?」
「ん? それとも。ドッペルのほうか? どっちも銀髪でそっくりじゃったから見分けつかんわ。なんで片目なんじゃ? さてはあの後、魔王様にでも取引で要求でもされたか?」
アドルフさんの顔が蒼白になって、口元を抑える。
「ドッペルの方なら、結構長生きじゃな。そろそろあれから……何年経つんじゃ? お前よく死ななかったな。余計なお世話じゃが。ああ、ひょっとしてあの本体(オリジナル)の小僧を殺して本物になったんかの??」
……このおじいちゃん、何を言ってるの!?
二人が身体的特徴がそっくりなのが、私は常々気になっていた。
「……ねえ、アドルフさん。自分で気がついてる?」
「ん? なにがだ?」
「えっと…アドルフさんとブラウニーってそっくりだよ」
「……」
アドルフさんがピク、とした。
「あ……あー、気がついてる気がついてる、似てるよな。自分でも不思議だわ。やっぱそう思うか? お互い孤児だし、ひょっとしたら血繋がってるかもな!」
「それだけじゃなくて……アドルフさん、額に傷があるよね。ブラウニーにも、そっくりなのが、あるんだよね」
「……」
「……」
しばらく、お互い無言になった。
私はその無言に、アドルフさんがこの件を敢えて今まで話題にしてなかったのだな、と気がついた。
あ……。聞いちゃいけなかったかな……。
「――そうだな」
アドルフさんは、無言でしばらく何か考えたあと、そう言った。
「え」
「恐らくお前が気づいてるだろうこと、オレもわかってる。自分の事だしな。実は……今まで、いつそれを言われるかとビクビクしていた」
「どうして?」
「自分で自分の得体が知れないからな。ブラウニーに初めて出会った時びっくりした。ガキの頃のオレにそっくりだったからな。髪色以外は。…その髪も今や銀に染まりつつ合って……。最初は単純に血が繋がってるのかな、とか親近感を覚えたさ。……でも、わかるだろう。お前なら。そんなもんじゃないんだよ、……まるで双子だ」
「ブラウニーも似てるとは思ってるみたいだけど、そこまでは考えてなかったみたい」
「あいつは今他に考えることがいっぱいあるからな。お前のことで頭がいっぱいだ、あいつは」
額をつん、とつつかれた。
ちょっと恥ずかしい。
「オレには怖いものは結構あるが。その一つが自分の記憶だ。お前たちを引き取ってから余計に自分の記憶を知るのが怖くなった。記憶を取り戻した時にオレは、今の自分を失う気がしていて怖い」
……シスター・イラも記憶喪失ではないけれど、前世の記憶を思い出したせいで、性格がガラリと変わってたもんね……。
ココリーネは前の自分を思い出して苦しんだクチだ。
そう思うと、アドルフさんがそれを恐れる気持ちはわかる。
「年齡はかなり違うが、オレの身体とブラウニーの身体は同一、もしくは複製の肉体なんだろう。なんでかはわからないがな。どんなに似てても古傷まで同じ双子はありえない。オレがブラウニーなのか、ブラウニーがオレなのか。どっちだったとしても、オレは知りたくない」
「額の傷って、やっぱり拾われた頃にはあったの?」
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かたや、アドルフさんは10歳くらいより前の自分を知らない。そう考えると……。
私は改めてアドルフさんを見た。
アドルフさんは……少し目を逸した。
「お願いなんだが……」
アドルフさんがとても静かだ。
ちょっと軽く聞いてみようって気持ちだった。
まさかこんな重たい話になるなんて……。
「オレのことは、今まで通り、アドルフ、だと思っていてくれ。オレはお前たちの父親でいたいし、お前たちが大事なんだよ。記憶なんていらない。アドルフとして生きてきた事やそして現在(いま)がとても大事なんだ。」
「……」
「そしてプラム、おまえも、そう思おうとしてたんじゃないのか?」
「……うん。そうだよ。」
「そうか、良かった。だからさ、この話はもうこれでよしとしないか?」
「うん。わかった。私もアドルフさんがアドルフさんのままがいいよ! ブラウニーだってアドルフさんが大好きなんだし、アドルフさんがアドルフさんじゃなくなるのは、私達も嫌だよ」
「嬉しい事いってくれるね。……そっか。なら良かった」
アドルフさんは安心した顔になって、頭をくしゃくしゃ、としてくれた。嬉しい。
「それじゃあ、ちょっと視るね」
「頼むわ。……この場所はあまり動きはないが、いつ動くかわからんから、そっちはオレが見ておこう」
※※※※※※※
それから私はしばらく、この異界を視てみた。
赤い土の世界がずっと広がっていた。
ゲートは稀にあって、そこから魔物がでていったりしてる。
帰ってくる魔物は、違う魔物ばかりだ。
「ゲートはあるにはあるけど、使えるかどうかわからないからなぁ」
「アドルフさん、なんかすっごいドロドロした明るい川がいっぱい流れてるよ」
「おじさん泣きたい、プラムいいかな? それ多分溶岩ってやつだな」
「ようがん」
これが溶岩か!物語で読んだことあるくらいだよ!!
「たまにねぇ、あっちの世界のダンジョンとかでもそういうのあるのよ~、おじさん溶岩嫌い……」
「あ、森みたいなとこはあった」
「それは朗報だな」
「変な実が……」
「……まあ、食わなきゃいいからな」
「この森……アドルフさんが作ったヒースの人工森に似てる…」
「へえー」
「あ……建物がある、大きいお城……みたいな」
「……プラム。勘だが、それ視るのやめたほうが」
「あっ」
「何!?」
「目が合っちゃった!」
「誰と!?」
「知らない人と!!」
「人がいるのか!?」
「なんか角生えてるけど人だよ!」
「魔族じゃねええかあああああ!!」
私はすぐさま、視界を切った。
「や、やばいかな。場所バレするかな」
深淵を覗く時また深淵も……こっち見てたよ!!!
「……ちょっと移動するか。さっきの森とかに飛べるか?」
「ちょっとやってみる」
私はアドルフさんの腕を掴んで、ヒースの蒼い森に似た、その場所へ跳んだ。
「……本当だ。オレが作った森に似ている」
アドルフさんが言った。
私達は地形を観察するために、その場に留まった。
「ここから見えるあっちの赤い土地は動いてるが……ここは動かないな」
「そうだね」
「よし、ここをキャンプ地とする!」
「おー!!」
森には普通の水が流れていた。
アドルフさんが、何か機材を使って調べてる。
「…大丈夫そうだな。絶対とは言えないが、これは普通の水だと思う」
「あ、アドルフさん鹿がいるよ。私達の世界とは見た目違うけど」
「……襲ってこないな」
「全て地上に出てきて襲ってくる魔物、ってわけじゃないのかな」
「……食えるかな」
「あ、アドルフさん!?」
「しょうがないでしょ!?」
「おなかすいてるんか?これ食べるかの?」
突如、皿が差し出された。
更には切られた見たことないフルーツが載っている。
「あ、ありがとう」
「どうも……だが、ここのフルーツは……」
「……」
「……」
「……」
「だーーーーーーーっ!?」
「きゃーーーーーーっ!?」
「なんぢゃーーーー!?」
三者三様の絶叫が森に響き渡った。
アドルフさんは私を抱きかかえて距離を取った。
その、皿を差し出してきた――
赤子のようにちっこいお爺さんはお爺さんで、ビックリしている。
「…どちら様で」
警戒した声でアドルフさんが尋ねる。
「ここら辺を根城ににしとるもんだが。お客さん久しぶり。急いでフルーツ切ってもってきたんじゃが。いらんかったんかいの」
「いや、ここの実食べたら魔王の所有物になるって聞いてるからな。気持ちだけ頂こう」
「おま……何言ってるの? そんな訳ないぢゃん?」
ぢゃん!?
「そうなの!?」
「そんなフルーツあったら今頃人間界は魔王様のコレクションだらけじゃ」
このおぢいちゃんを信じていいのかどうか……。
「(……じゃあ、あの聖書の解釈は間違えているのか?)」
アドルフさんはわかんね~って顔してる。
「前にも人が来たのか?」
「そうじゃな。迷い込んで稀にくる。最後に来たのは10年以上前じゃったかの」
「おじいちゃん、魔族なの?」
「そーじゃよ。現役は引退したがの」
「現役?」
「魔王軍の」
「……それって人間の敵ってこと?」
「かつて、はの。ブラック企業の生き残りじゃ……」
ブラック企業!?
「今はただの終活61年継続中のじーちゃんじゃの」
終活!? 魔族の終活ってそんな年月かかるの!?
「お前たちが人間だからしゃべっちゃおうかなぁ。内緒なんだけど。……わし、魔族だけど中身は違う世界の人間なんよ~魔族とは合わなくての~」
「……あ」
「……う」
「なんぢゃ」
「転生者かあ!?」
「まさか……新たな攻略対象!?こんなおぢいちゃんと愛を育むルートが!?」
「なんてことだ娘よ! まさかお前、そんな趣味が!」
「ある訳ないでしょ!?」
「何を言っておんのじゃ…? お前ら怖…」
私達は一旦落ち着くことにした。
「……地球の人?」
「……お、おおおおおお!! 人間な上に地球の話が通じるんかい!!」
ビンゴー!
「ああ~帰りたいのう、ちたま……」
ちたまってなんだ。
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「あ、わし、モリヤマって呼んで」
モリヤマさん。
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モリヤマのおじいちゃんは、アドルフさんを見た。
「あの時の銀髪小僧がちょうど桃色の髪の少女と背の高い銀髪隻眼の男を知らないかと……ああ、そうかそこの赤土荒野ではぐれたから、今ここにお前らが来たわけか(手をポン)」
え? それってブラウニー? でも10年前!?
てか思春期ってなによ!?
「ん? じゃが……隻眼のお前、あの時の銀髪小僧じゃないのか? 魔王様には会えたんかの? 良く生きておったな」
「は……?」
「ん? それとも。ドッペルのほうか? どっちも銀髪でそっくりじゃったから見分けつかんわ。なんで片目なんじゃ? さてはあの後、魔王様にでも取引で要求でもされたか?」
アドルフさんの顔が蒼白になって、口元を抑える。
「ドッペルの方なら、結構長生きじゃな。そろそろあれから……何年経つんじゃ? お前よく死ななかったな。余計なお世話じゃが。ああ、ひょっとしてあの本体(オリジナル)の小僧を殺して本物になったんかの??」
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