307 / 369
第29話「秘密の撮影会」
秘密の撮影会(4)
しおりを挟む
いつもならばそのまま冒頭の続きに突入して、揉めごとなど忘れてしまうところだが、今夜の有夏は違った。
一瞬の隙をついて平手で幾ヶ瀬の頬を張る。
「アデッ? ひどいっ!」
パンッと小気味良い音が鳴ると同時に、さすがに怯んだ相手の手からスマホを取り上げてやった。
待ち受けが目に入り、ゾッとする。
「何これっ!」
日付とアナログ時計の表示の下に、半目をとじて口を突き出した自分の間抜け面を見たからだ。
「ちょっと、有夏。返してよ」
スマホをひょいと取り上げて袖口で画面を拭く幾ヶ瀬に、悪びれた様子はない。
張られた頬が赤くなっているが、さしたるダメージもなさそうだ。
「おま……、それ、さっき! やっぱり写真とって……消せよっ!」
案の定というか、当然というか。
幾ヶ瀬は首を振る。
一瞬の隙をついて平手で幾ヶ瀬の頬を張る。
「アデッ? ひどいっ!」
パンッと小気味良い音が鳴ると同時に、さすがに怯んだ相手の手からスマホを取り上げてやった。
待ち受けが目に入り、ゾッとする。
「何これっ!」
日付とアナログ時計の表示の下に、半目をとじて口を突き出した自分の間抜け面を見たからだ。
「ちょっと、有夏。返してよ」
スマホをひょいと取り上げて袖口で画面を拭く幾ヶ瀬に、悪びれた様子はない。
張られた頬が赤くなっているが、さしたるダメージもなさそうだ。
「おま……、それ、さっき! やっぱり写真とって……消せよっ!」
案の定というか、当然というか。
幾ヶ瀬は首を振る。
0
お気に入りに追加
79
あなたにおすすめの小説
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
体育座りでスカートを汚してしまったあの日々
yoshieeesan
現代文学
学生時代にやたらとさせられた体育座りですが、女性からすると服が汚れた嫌な思い出が多いです。そういった短編小説を書いていきます。
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる