【BL】隣りの2人がイチャついている!

陣リン

文字の大きさ
上 下
30 / 384
第5話「中世ヨーロッパの男娼館での営みを妄想してシテみる」

中世ヨーロッパの男娼館での営みを妄想シテみる(3)

しおりを挟む
 長考に入った幾ヶ瀬を見やる有夏の視線は冷たい。
 くだらねーと顔に出てしまっている。

「出すのをとにかく我慢して、長時間楽しむってのが理想かな。いや、料金体系でいうなら1晩幾らって方がいいか。1晩抱き放題、挿れ放題、射精し放題」

「……最ッ低だ、コイツ」

 完全に引いてしまっている有夏の態度にも気付かない。

 金の絡む思案に入った幾ヶ瀬は、誰が何と言おうと真剣なのだ。

「待って待って。一晩って何時間? 日没から日の出まで? 夏と冬では夜の長さが異なるから、同じ金額ってわけにはいかないよね。だいたい日中にだってするんだし。夜に始めて昼に目覚めてもう1回って。よくあるもんね。なぁ有夏、どうしよう?」

「……どうしようって聞かれても、このヘンタイをどうしてくれようとしか言いようがないよ」

 てか、下らねんだよッ! と叫ぶ有夏を、まぁまぁと宥める幾ヶ瀬。

 性分なのだろう。
 金の絡む問題に明確な決着がつかないというのは、どうにも気持ちの悪いもので。

「1時間いくらって金額設定して、客が時間を指定するってのが妥当かな。もちろん延長アリで。そもそものシステムを構築しないと。なっ、有夏……グハッ!」

 空気が潰れるような悲鳴。

 有夏の掌底が幾ヶ瀬の側頭部をはたいたのだ。

「客って何だよ。有夏に客とらす気かよ。1人で転職しろ! コックやめて、そ・ゆう店でもすりゃいいんだ!」

 いちいち「な、有夏」と同意を求められるのが余程に鬱陶しかったようだ。
 もう一度幾ヶ瀬の頭を叩く。

 いやいや、転職ってのはエネルギーを使うもんだから、当分はちょっと考えられないよと頭をさすって苦笑いを返す幾ヶ瀬に、堪えた様子はないが。

 彼にとって可愛い有夏が怒ったところで、それはやはり可愛いものでしかないのだ。

「じゃあさ、有夏。ここをそういう店にしない?」

「は?」

「は? なに?」

「は? 意味が……」

 有夏の声がどんどん低くなっていく中、幾ヶ瀬の表情はいつになく明るい。

「有夏がこの店のNo.1で、俺が馴染みの客って設定で」

「キモイキモイ! 何言って……」
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

騙されて快楽地獄

てけてとん
BL
友人におすすめされたマッサージ店で快楽地獄に落とされる話です。長すぎたので2話に分けています。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

壁乳

リリーブルー
BL
俺は後輩に「壁乳」に行こうと誘われた。 (作者の挿絵付きです。)

【連載再開】絶対支配×快楽耐性ゼロすぎる受けの短編集

あかさたな!
BL
※全話おとな向けな内容です。 こちらの短編集は 絶対支配な攻めが、 快楽耐性ゼロな受けと楽しい一晩を過ごす 1話完結のハッピーエンドなお話の詰め合わせです。 不定期更新ですが、 1話ごと読切なので、サクッと楽しめるように作っていくつもりです。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーー 書きかけの長編が止まってますが、 短編集から久々に、肩慣らししていく予定です。 よろしくお願いします!

R指定

ヤミイ
BL
ハードです。

イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?

すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。 翔馬「俺、チャーハン。」 宏斗「俺もー。」 航平「俺、から揚げつけてー。」 優弥「俺はスープ付き。」 みんなガタイがよく、男前。 ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」 慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。 終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。 ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」 保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。 私は子供と一緒に・・・暮らしてる。 ーーーーーーーーーーーーーーーー 翔馬「おいおい嘘だろ?」 宏斗「子供・・・いたんだ・・。」 航平「いくつん時の子だよ・・・・。」 優弥「マジか・・・。」 消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。 太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。 「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」 「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」 ※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。 ※感想やコメントは受け付けることができません。 メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。 楽しんでいただけたら嬉しく思います。

隣の親父

むちむちボディ
BL
隣に住んでいる中年親父との出来事です。

大学生はバックヤードで

リリーブルー
BL
大学生がクラブのバックヤードにつれこまれ初体験にあえぐ。

処理中です...