29 / 382
第5話「中世ヨーロッパの男娼館での営みを妄想してシテみる」
中世ヨーロッパの男娼館での営みを妄想シテみる(2)
しおりを挟む
「最初のころは幾ヶ瀬、優しかったし。有夏に色々話しかけながらってか。気遣ってくれてるのが分かったってか。うんー……?」
幾ヶ瀬は明らかに焦った様子。
「そ、そりゃ最初の頃は俺も緊張してたし。でも今も優しくしてるつもりなんだけど……」
「ぅうーん……」
ドサマギで顔を近づける幾ヶ瀬。
有夏はその額を押さえつけてグイと押しのける。
「そもそもなんだけど。有夏たち、何回したっけ?」
「いや、回数はちょっと……」
「回を追うにつれて幾ヶ瀬、雑になってく」
「それは……、そんなことは……」
口ごもり狼狽してるのかと思いきや、幾ヶ瀬は一瞬ポッと頬を染めた。
回数かぁ、なんて呟いている。
「けど本当に何回になるんだろ。そもそも俺達、何年? 4年ほどになるよね」
「うん? さぁ……」
「最初の10回くらいまでは覚えてたんだけどな。だんだん分かんなくなってきて。一晩で何回したかも分からなかったりするし。あぁっ、俺惜しいことしてる! ちゃんと数えてメモっときゃ良かった。体位ごとに統計とっときゃ良かった」
「…………何の統計」
「いや、待って待って。対面座位が一番多くない? それは間違いないよ。有夏だって好きでしょ、ね?」
「………………幾ヶ瀬」
「いやその……ごめん。気になって……」
それでも回数とか統計とか。
幾ヶ瀬、頭の中で数字がグルグル回っているのが分かる。
「日中、脳内でも再生してるし。本当に回数まではちょっと……。1回いくらとか金がかかるんだったらちゃんと覚えてるし、家計簿にもつけるんだけど」
「家計簿って……何の項目だよ。あー幾ヶ瀬のそういうトコ、キライだわ」
脳内で再生も、家計簿につけるも引っかかるが、しかし有夏は金がらみで過剰な反応を示す幾ヶ瀬のそういうトコに顔をしかめた。
「1回いくらって……下品だな。え、それってもちろん有夏が貰う方でいいんだよね」
呆れ顔での問いかけに、しかし幾ヶ瀬は真剣な表情を崩さなかった。
「それはまぁ……通常であれば、俺が有夏に払うってことになるのかな。でもお互い良い思いをしてるんだから、そういうのは気にしなくても、ね?」
「………………」
「そもそも1回ってどういうこと? 一回射精したら終わりなの? その後また2回目始めたら料金は×2ってこと?」
「……知らねぇし」
幾ヶ瀬は明らかに焦った様子。
「そ、そりゃ最初の頃は俺も緊張してたし。でも今も優しくしてるつもりなんだけど……」
「ぅうーん……」
ドサマギで顔を近づける幾ヶ瀬。
有夏はその額を押さえつけてグイと押しのける。
「そもそもなんだけど。有夏たち、何回したっけ?」
「いや、回数はちょっと……」
「回を追うにつれて幾ヶ瀬、雑になってく」
「それは……、そんなことは……」
口ごもり狼狽してるのかと思いきや、幾ヶ瀬は一瞬ポッと頬を染めた。
回数かぁ、なんて呟いている。
「けど本当に何回になるんだろ。そもそも俺達、何年? 4年ほどになるよね」
「うん? さぁ……」
「最初の10回くらいまでは覚えてたんだけどな。だんだん分かんなくなってきて。一晩で何回したかも分からなかったりするし。あぁっ、俺惜しいことしてる! ちゃんと数えてメモっときゃ良かった。体位ごとに統計とっときゃ良かった」
「…………何の統計」
「いや、待って待って。対面座位が一番多くない? それは間違いないよ。有夏だって好きでしょ、ね?」
「………………幾ヶ瀬」
「いやその……ごめん。気になって……」
それでも回数とか統計とか。
幾ヶ瀬、頭の中で数字がグルグル回っているのが分かる。
「日中、脳内でも再生してるし。本当に回数まではちょっと……。1回いくらとか金がかかるんだったらちゃんと覚えてるし、家計簿にもつけるんだけど」
「家計簿って……何の項目だよ。あー幾ヶ瀬のそういうトコ、キライだわ」
脳内で再生も、家計簿につけるも引っかかるが、しかし有夏は金がらみで過剰な反応を示す幾ヶ瀬のそういうトコに顔をしかめた。
「1回いくらって……下品だな。え、それってもちろん有夏が貰う方でいいんだよね」
呆れ顔での問いかけに、しかし幾ヶ瀬は真剣な表情を崩さなかった。
「それはまぁ……通常であれば、俺が有夏に払うってことになるのかな。でもお互い良い思いをしてるんだから、そういうのは気にしなくても、ね?」
「………………」
「そもそも1回ってどういうこと? 一回射精したら終わりなの? その後また2回目始めたら料金は×2ってこと?」
「……知らねぇし」
0
お気に入りに追加
82
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

BL短編まとめ(甘い話多め)
白井由貴
BL
BLの短編詰め合わせです。
主に10000文字前後のお話が多いです。
性的描写がないものもあればがっつりあるものもあります。
性的描写のある話につきましては、各話「あらすじ」をご覧ください。
(※性的描写のないものは各話上部に書いています)
もしかすると続きを書くお話もあるかもしれません。
その場合、あまりにも長くなってしまいそうな時は別作品として分離する可能性がありますので、その点ご留意いただければと思います。
【不定期更新】
※性的描写を含む話には「※」がついています。
※投稿日時が前後する場合もあります。
※一部の話のみムーンライトノベルズ様にも掲載しています。
■追記
R6.02.22 話が多くなってきたので、タイトル別にしました。タイトル横に「※」があるものは性的描写が含まれるお話です。(性的描写が含まれる話にもこれまで通り「※」がつきます)
誤字脱字がありましたらご報告頂けると助かります。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる