56 / 85
第54話 ほう、こういう編成もありですね。
しおりを挟むテシテシ、テシテシ、ポンポン、場所が変わっても朝の起こしは変わらない。これで今日も頑張れるというものだ。3人に挨拶を交わすと、早速昨日の様子を尋ねることにした。
「ところで、3人とも夜は異常なかった?」
代表してジェミニが答えた。
「特に異常はなかったです。マーブル殿が牛肉達を探知しているですが、まだ遠くにいるらしいです。」
「そうか、みんな、ありがとう。おかげでグッスリ眠ることができたよ。」
私がお礼を言いながらそれぞれにモフモフしていく。3人はとても喜んでくれた。私達がじゃれ合っていると戦姫の3人が声をかけてきた。
「アイスさんは起きていらっしゃるかしら?」
「アンジェリカさんですか、おはようございます。では朝食の準備をいたしますか。」
「毎回のことですが、非常に助かります。わたくし達はそういった練習をしていないのでどうしても上手にできないのです。」
「ははっ、お気になさらず。私も好きでやっていることですので。」
「そうおっしゃってくれると少しは気が楽になりますわ。」
「まあ、それはそうとして、移動中の食事の準備などの仕事も含めた上での今回の依頼ということで。」
「そ、そうですの。1ヶ月はわたくし達の食事の用意も含めた依頼でした。」
本人達はそのつもりはなかったようだが、そうすることにして納得してもらった。用意したのは前祝いとしてのミノタウロスの肉だった。今回は少し贅沢に白パンを用意した。といっても、他の素材は自前で準備できるので実質今回の遠征でかかっている費用の大半は水の容器と白パンが占めていた。逆に言うと、必要経費はそれだけだった。朝食ができたので、食器に盛ってみんなに配っていく。みんなの反応はよかった。
朝食も終わって少しまったりしていたが、マーブルがミノタウロスの集団が近づいてきたことを報告してくれた。報告といっても、いつも通りの可愛い鳴き声だけどね。ついでなので、今回の作戦を伝える。
「さて、ミノタウロスの集団が迫ってきております。とはいえ、私達は別働隊なのですぐに戦闘を行うわけではありません。ある程度戦線が膠着してきたときに私達の出番となります。その前提で今回の作戦を伝えます。」
「ということは、わたくし達はしばらくは様子見でよろしいのかしら?」
「そういうことです。とはいえ、今回の作戦はあなたたち戦姫の3人とオニキスが戦闘のメインとなります。」
「えっ? アイスさん達は? だってたくさんの牛肉ですわよ?」
「ははっ、アンジェリカさんもわかってきましたね。私達の分は先日たっぷり補充しましたので大丈夫ですよ。ちなみに朝食べた肉がそのミノタウロスですよ。」
「「「ええーーーーーっ!!」」」
いきなりの発言に3人とも驚きを隠せないようだった。
「いやに美味しかったと思ったら、そういうことでしたのね。なるほど、さりげなく出せるくらいは、すでに大量に確保なさっていたのですね。」
「そういうことです。ですので、私達は今回最低限しか倒さない予定です。ということで、みなさんのサポートに廻りますので、よろしく。」
「納得しましたわ。何なりとおっしゃってくださいな。オニキスを加えた新戦姫の実力をお見せいたしますわよ!!」
「はいっ、私達の実力を王都の冒険者達に知らしめます。」
「王都の冒険者ごときに遅れはとらない。」
「ぴーーーーっ!!」
戦姫のみんなは気合十分のようだ。とはいえ私達の出番はしばらく先だから落ち着きましょうね。
「さて、今回の状況説明と作戦についてですが、こちらは防衛施設があるとはいえ、実は一部未完成の部分があります。恐らくそこが主戦場となります。一応ギルド長と作戦を詰めたとき、そこに誘い込んで後ろから攪乱する感じで行動すると向こうには説明しましたが、現地を目の当たりにしてそれは無意味と判断しました。」
「無意味ですか? それはどうしてですの?」
「ミノタウロスは脳筋とはいえ、基本的にはこれだけの数で攻めるということはしないはずです。というこは、今回はそれなりに知恵の回る個体が存在すると言ってもいいでしょう。で、その未完成の部分を確認してしまうと、そこに誘い込んでいることが相手ににわかってしまうわけです。では、誘い込んでいるのがわかったら、アンジェリカさんならどうなさいますか?」
「わたくしでしたら、敢えて誘いにかかった振りをして少数の精鋭を用意して別口を攻めるかもしれませんね、、、、あっ、そういうことですの?」
「そういうことです。とはいえ、これが誘いだと気付かずに力攻めする場合もありますが、どちらにしても私達は遊撃隊ですから少数精鋭の方を襲うことも、このまま普通に後方攪乱も出来るわけです。恐らく牛肉達は少数精鋭を率いて別口から防衛施設を突破すると私は考えます。では、その少数精鋭でどこを攻めるかと言えば、防備をしっかりと固めているところを攻めると思います。何せミノタウロスですから、施設を強引に破壊する行動をとることができるわけです。しかも、ここは一生懸命作ったとはいえ、急ごしらえでしかも、今回の戦闘用に作ったものですから、街や王都ほど頑丈にはできておりません。」
「ということは、近接部隊の少ないところをミノタウロスの精鋭部隊が襲うということですか?」
「ご名答です。ですから、私達はそれを狙います。何せ精鋭部隊ということは、それだけ肉質も素晴らしいでしょうからねえ。」
戦姫の3人は驚くと同時に肉基準で行動する私に半ば呆れるような表情だった。
「ということで、作戦です。マーブルの探知によると恐らくミノタウロスは55前後、そのうち30ちょいは未完成の部分に殺到すると思います。ここは誘い込んで多数の近接自慢の冒険者達が少数のミノタウロスを迎撃しますので、ほぼ間違いなく守り切れると思います。ということで、私は弓兵が多くいる部分の安全を優先してそこの地形を相手に気付かれない程度に柔らかくして行動を阻害します。また、逃げられないように退却路を沼化するつもりです。それが完了したらみなさんの援護に入ります。」
「では、まずアンジェリカ隊員は精鋭部隊でも比較的弱そうだと思う牛肉から攻撃していってください。ライム隊員とオニキス隊員はアンジェリカ隊員の守りと補助を頼みます。」
「作戦に異を唱えるわけではありませんが、なぜ弱そうな相手から狙うんですの?」
「基本的に魔物はボスを倒してしまうと退却してしまうことが多いです。今回の目的はあくまで敵の殲滅が狙いですので、ボスは最後に倒しましょう、というわけです。最悪ここでボスを足止めしている限り残りの牛肉達は戦わざるを得ないですから。」
「なるほど、理解しましたわ。私にお任せあれ!!」
「ぼく、がんばるよー!!」「ぴーー!!」
アンジェリカさんが敬礼で、ライムとオニキスはその場でピョンと跳ねて応えた。
「次はセイラ隊員、貴方も弱そうな牛肉を片っ端から弓で射かけてください。マーブル隊員はセイラ隊員の弓の援護とセイラ隊員自身の護衛を頼みます。」
「了解だよ!!」「ミャア!」
2人とも敬礼で応えた。
「ルカ隊員はセイラ隊員が弱らせたミノタウロスを魔法でとどめを刺すのが任務です。ジェミニ隊員はルカ隊員の警護を頼みます。近寄ったら遠慮なく倒して構いません。」
「了解。」「わたしにお任せです!」
言葉と裏腹にルカさんの敬礼のキレは見事の一言だった。ジェミニは言うに及ばず。
「では、作戦開始まで待機です。出番までまだしばらくかかりますので今のうちに休んでおいてください。」
しばらくして、地響きが起きた。ミノタウロスの集団がやってきたのだ。防衛拠点では冒険者達が慌ただしく動き出す。集団で行動するのが苦手だから指揮しているトーマスさんもさぞ苦労していることだろう。あちこちで喚声が聞こえた。戦いが始まったのだ。しばらく様子をみていたが、後続部隊はいなさそうだ。では、こちらも仕事にかかりますか。たまにこちらに偵察のミノタウロスがやってきたが、ジェミニが音も出さず近づいて仕留める。仕留めた後は血抜きと浄化、そして収納だ。今回は私もいろいろと準備している最中だったので、血抜きと洗浄をライムとオニキスにやってもらった。
外側の沼化の準備が終わったので、こちらも行動開始だ。マーブルに闇魔法でこちらの気配を消してもらう。私達が後方にいることはミノタウロス達にはわからない。うまく後方に移動完了できたので、戦況を把握する。私から見て右側には弓自慢の冒険者が、正面には魔法使いが時間差で攻撃しており今のところ寄せ付けていない。左側は一部抜けられる部分があり、それを巡っての攻防が続いており、こちらも冒険者側が有利に展開していた。
しばらく戦場を眺めているとミノタウロス側で動きがあった。予想通り控えていた精鋭部隊が動き出した。冒険者の方もそれに気付いたが、人に余裕はなく動くに動けない状態だった。では、次の仕掛けに入りますか。右側の地形をぬかるませてミノタウロスの動きを制限する。弓隊もこれに力を得て右側のミノタウロス達は次々に倒れていく。左側は別働隊の動きに力を得て冒険者達への圧力が強まったが、それも少しの間だけだろう。なぜなら正面の精鋭部隊はこれから私達が美味しく頂くからだ。
「では、私達もこれより行動を開始します、先程の指示通りに行動してください。バーニィ起動。では、突撃!!」
私の号令と共にメンバーがミノタウロス達を襲う。最初に攻撃したのは意外にもライムだった。ライムはアンジェリカさんの攻撃目標を確認するとそのミノタウロスの顎めがけて体当たりを仕掛けた。死角から不意打ちのような形で攻撃を受けたミノタウロスが大きくのけぞる。その隙を見逃すはずもなくアンジェリカさんが見事な突きでミノタウロスを貫く。その一撃は心臓を貫通しミノタウロスは息絶える。アンジェリカさんはその後も敵中に突入するも包囲されないようにうまく移動して敵の攻撃を捌きつつ攻撃を繰り出す。とはいえ、相手はミノタウロス。いくらアンジェリカさんが強くても捌ききれずに攻撃を喰らいそうになるが、オニキスが盾となってミノタウロスの攻撃を防ぐ。ってオニキスまじか、凄え。君って生まれて3日くらいだよね?末恐ろしい子。ライムはライムで体当たりを繰り出してアンジェリカさんの反撃の切っ掛けを作る。ライムもここまでできるんだね、でも、無理はしないでね。それはオニキスにも言えるからね。
さてと、セイラ、マーブルコンビはどうかな? っと、セイラさんは一番遠くから射撃を行っていた。セイラさんが矢を放つたびにマーブルが風魔法を乗せて威力やスピードをつける。矢が放たれるたびにミノタウロス達の自慢の体を貫いていく。何が凄いかって百発百中はもちろんだが、敢えてアンジェリカさんやルカさんがとどめをさせるように攻撃力を司る腕を当てていることだ。それに合わせて風魔法を乗せるマーブルもやはりできる猫。
こちらはルカさんとジェミニのコンビ。ルカさんはここぞとばかりに詠唱の長めの魔法を放っていた。それに気付いたミノタウロスがルカさんを攻撃しようと近づくが、ジェミニがそれらをあっさりと仕留めていた。うーん、こっちはこっちで上手くやっているようですな。
さて、私はというと、3組とも上手く連携がとれていたので出番がなかった。周りを見渡すと、どの戦線も大丈夫そうだったので、沼化を元に戻して氷の壁に切り替えていた。これでミノタウロスたちは全員美味しいお肉になることが確定したので、門の上にいた魔法使い部隊に、こちらは大丈夫だから弓部隊と連携してそちらのミノタウロスたちの殲滅を頼んだ。弓が得意とはいえ、ミノタウロスにとどめを刺せる冒険者は少ないので、火力が必要だからだ。あと、フレンドリーファイアは勘弁して欲しかったというのもある。魔法使い部隊は精鋭部隊の奇襲に慌てていたが、こちらの頼みで落ち着きを取り戻して弓隊の所へ向かっていた。よし、残るはボスとその取り巻き数体だ。さてと、いきますか。
ボスとその取り巻きがいるところに突っ込むと、取り巻きが3体一斉にこちらに襲いかかってきたが、正直動きが単調だから躱すのは楽だった。隙が大きかった1体の側面に回ってバンカーを喰らわす。
「バーニィバンカー!!」
折角だから気合を込めてぶち込む。取り巻きの1体は見事に頭が吹き飛んだ。残るは2体だが、これもあっさりと沈める。残るはボスだけになったが、流石にボスを倒してしまうと目立ってしまう、ということでここはアンジェリカさんに倒してもらうとします。で、肝心のアンジェリカさんは、と、お、丁度倒しきったところかな。都合の良いことにこちらに向かってくる。
「アンジェリカ隊員、こちらが今回の部隊を率いているボスです。頼めますか?」
「ええ、隊長、頼まれましたわ!!」
二つ返事で引き受けてくれた。
「ライム隊員とオニキス隊員も引き続きアンジェリカ隊員の補助を頼みます。」
「「ぴーーーーっ!!」」
よし、では私は倒した素材を回収しますか。素材を回収している間にアッサリとアンジェリカさんがボスを仕留めてしまった。もちろん他のミノタウロスよりも強かったので1対1では勝てるにしてもこれほどアッサリ倒すとは思わなかった。
「わたくしアンジェリカがミノタウロスのボスを倒しましたわ!!」
アンジェリカさんがミノタウロスのボスの首を掲げると、周りから歓声が起こった。
「流石は戦姫だ。俺たちも負けてらんねーぞ!」
「「「「おーーーーーーーーーっ!!!」」」」
これで大勢は決した。ミノタウロス達は次々に倒されていきついに全部を倒すことができた。それを確認したトーマスさんは、大声で、
「ミノタウロスどもは俺たちが全部倒した。さあ、堂々と王都に凱旋するぞ、しかし、その前にここで祝杯を挙げようではないか!!」
「「「「おーーーーーーーーーっ!!!」」」」
周りからの歓声が凄かったが、私達の周りにマーブルが風魔法で覆ってくれて周りからの雑音を消してくれた。メンバーの様子を見ると多少疲れてはいるが、ほとんど怪我なく討伐できたようだ。拠点の連中については知らん。とりあえずみんな無事でよかった。
「みなさま、お疲れ様でした。これにて今作戦は終了です。さて、拠点で祝杯を挙げるそうですが、みなさんはどうされますか?」
「言うまでもありませんわ。わたくしたちが祝杯を挙げる場所は『ねぐら』をおいて他にありません!」
「そうですよね。あんな所にいたら、さっきの戦闘よりも危ないし。」
「うるさいところ嫌い。」
「わかりました、事情を説明して別のところで祝杯を挙げると伝えて我々だけでやるとしましょう。」
私はマーブルのみを連れて防衛拠点に行き、トーマスさんに事情を説明すると、トーマスさんは理解を示してくれたので、拠点を後にしてみんなと合流、人の来そうもないところで転送ポイントを作ってもらい、ねぐらに移動してから祝杯を挙げた、というか、ねぐらに戻ったらいつも通りの感じだった。何せ全員酒飲まないしね。ということで、普段と変わらないねぐらでの一夜を過ごしてこの日は終わった。
0
お気に入りに追加
592
あなたにおすすめの小説
異世界着ぐるみ転生
こまちゃも
ファンタジー
旧題:着ぐるみ転生
どこにでもいる、普通のOLだった。
会社と部屋を往復する毎日。趣味と言えば、十年以上続けているRPGオンラインゲーム。
ある日気が付くと、森の中だった。
誘拐?ちょっと待て、何この全身モフモフ!
自分の姿が、ゲームで使っていたアバター・・・二足歩行の巨大猫になっていた。
幸い、ゲームで培ったスキルや能力はそのまま。使っていたアイテムバッグも中身入り!
冒険者?そんな怖い事はしません!
目指せ、自給自足!
*小説家になろう様でも掲載中です
うっかり『野良犬』を手懐けてしまった底辺男の逆転人生
野良 乃人
ファンタジー
辺境の田舎街に住むエリオは落ちこぼれの底辺冒険者。
普段から無能だの底辺だのと馬鹿にされ、薬草拾いと揶揄されている。
そんなエリオだが、ふとした事がきっかけで『野良犬』を手懐けてしまう。
そこから始まる底辺落ちこぼれエリオの成り上がりストーリー。
そしてこの世界に存在する宝玉がエリオに力を与えてくれる。
うっかり野良犬を手懐けた底辺男。冒険者という枠を超え乱世での逆転人生が始まります。
いずれは王となるのも夢ではないかも!?
◇世界観的に命の価値は軽いです◇
カクヨムでも同タイトルで掲載しています。
巻き込まれ召喚されたおっさん、無能だと追放され冒険者として無双する
高鉢 健太
ファンタジー
とある県立高校の最寄り駅で勇者召喚に巻き込まれたおっさん。
手違い鑑定でスキルを間違われて無能と追放されたが冒険者ギルドで間違いに気付いて無双を始める。
やがて最強になる結界師、規格外の魔印を持って生まれたので無双します
菊池 快晴
ファンタジー
報われない人生を歩んできた少年と愛猫。
来世は幸せになりたいと願いながら目を覚ますと異世界に転生した。
「ぐぅ」
「お前、もしかして、おもちなのか?」
これは、魔印を持って生まれた少年が死ぬほどの努力をして、元猫の竜と幸せになっていく無双物語です。
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です!
小説家になろうでも10位獲得しました!
そして、カクヨムでもランクイン中です!
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。
いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。
欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・
●●●●●●●●●●●●●●●
小説家になろうで執筆中の作品です。
アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。
現在見直し作業中です。
変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。
アラフォーおっさんの週末ダンジョン探検記
ぽっちゃりおっさん
ファンタジー
ある日、全世界の至る所にダンジョンと呼ばれる異空間が出現した。
そこには人外異形の生命体【魔物】が存在していた。
【魔物】を倒すと魔石を落とす。
魔石には膨大なエネルギーが秘められており、第五次産業革命が起こるほどの衝撃であった。
世は埋蔵金ならぬ、魔石を求めて日々各地のダンジョンを開発していった。
妻を寝取ったパーティーメンバーに刺殺された俺はもう死にたくない。〜二度目の俺。最悪から最高の人生へ〜
橋本 悠
ファンタジー
両親の死、いじめ、NTRなどありとあらゆる`最悪`を経験し、終いにはパーティーメンバーに刺殺された俺は、異世界転生に成功した……と思いきや。
もしかして……また俺かよ!!
人生の最悪を賭けた二周目の俺が始まる……ってもうあんな最悪見たくない!!!
さいっっっっこうの人生送ってやるよ!!
──────
こちらの作品はカクヨム様でも連載させていただいております。
先取り更新はカクヨム様でございます。是非こちらもよろしくお願いします!
ぐ~たら第三王子、牧場でスローライフ始めるってよ
雑木林
ファンタジー
現代日本で草臥れたサラリーマンをやっていた俺は、過労死した後に何の脈絡もなく異世界転生を果たした。
第二の人生で新たに得た俺の身分は、とある王国の第三王子だ。
この世界では神様が人々に天職を授けると言われており、俺の父親である国王は【軍神】で、長男の第一王子が【剣聖】、それから次男の第二王子が【賢者】という天職を授かっている。
そんなエリートな王族の末席に加わった俺は、当然のように周囲から期待されていたが……しかし、俺が授かった天職は、なんと【牧場主】だった。
畜産業は人類の食文化を支える素晴らしいものだが、王族が従事する仕事としては相応しくない。
斯くして、父親に失望された俺は王城から追放され、辺境の片隅でひっそりとスローライフを始めることになる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる