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第7話 さてと、人材が欲しいですね。
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さてと、父上(実感がないけど、一応そういう関係)から許可をもらったので、これからトリニトの住民の生活向上に向けて頑張るとしますか。
やることは山積みではあるが、何と言っても人が足りない!! いや、ほぼ最底辺のここであれば私とマーブル達だけでも2年もあれば楽勝で達成できるが、それでも一緒に行動してくれる人は必要だ。というわけで、昼までは散策、昼以降は狩りと採集をしばらく続けていった。
いい人材はまず大都市に行ってしまう。また、素質があったとしてもトリニトでは教育ができずにそのまま埋もれてしまう者も大勢いるだろう。そうでなくてもいい人材というものはそうそう見つかるものではないからねえ。っと思っていたら早速1人目が見つかった。灯台下暗しとは言ったもので、私に協力的な一部の屋敷の守備兵だった。彼らは戦闘訓練でいい結果が出せずに落ちこぼれとして扱われていたが、密かに鑑定してみると、落ちこぼれどころか一国の親衛隊も務まるほどの能力を持っていた。
では、なぜここでは落ちこぼれだったかというと、彼らは剣術スキルが低いか、そもそも剣術スキルを持っていない者達だった。その代わりに騎乗スキルを持っていたのだ。その中で騎乗スキルMAXを持っていた人物がいたので、彼をまずスカウトしたのだ。残りの者達は後日スカウトすることにした。彼の名はウルヴといった。話をすると思いの外馬が合ったのも彼をスカウトする要因だった。
ちなみに騎乗スキルは初期の鑑定では見つからない上、トリニトは貧しいのでそもそも馬などの騎乗できる存在がない、というか用意できない。先手を打って、他に持って行かれないように真っ先にこちらに引き込んでおいた。
2人目も案外あっさりと見つかった。彼は教会に所属していたが、教会の方針を無視して安い値段で治療を行っていたところ、司教から破門を言い渡された人物で、アインという名だった。私が目を見張ったのは、その恐ろしいまでのパワーを持っていたところだ。教会を追い出された後でも、彼は治療を続けていただけでなく、持ち運ぶのに大変な重さがあるものでも平気で運んでいた。私も重量軽減でそういったことは可能だが、彼の場合はそういったものは一切使わず自分の腕力だけでそれをこなしていた。実際声をかけて話してみるとやはり馬が合った。パワーがもの凄いので脳筋かと思ったが、そういったことはなく逆に理屈っぽい場合も多々あった。こちらの目的を話すと彼は喜んでスカウトに応じてくれた。
いい感じで続けていくと、3人目が見つかった。彼は大通りを外れるかどうかの場所で魔導具を売っていたのだが、自作らしく、その魔導具も魔力を通すと自動的に痒いところを掻くものだったり変なものが多かった。住民達も変な魔導具屋という認識でしかなかった。しかし、鑑定してみるとランクがやばかった。レア度がハンパなく高かった。面白そうなものや便利そうなものもいくつかあったので購入してみたが、一番ヤバかったのが値段だった。とにかく安いのだ。本人曰く、材料費が値段の9割だそうだ。これなら商業ギルドで登録しても十分儲けがでそうなのに、それをしていなかった。聞いたら足下を見て判断していてむかつくとのことだった。やはり馬が合ったので事情を説明してスカウトしたら、あっさり応じてくれた。彼の名はラヒラスという名だ。
私も懐に余裕があるわけではないので、とりあえずこの3人をスカウトしたところで一旦終了することにした。彼らには私の離れ小屋で生活してもらうことにしたが、いかんせん手狭なので父上に話をして小屋の拡張許可をもらい拡張することにした。とはいえ、材料や費用は自分で負担することが条件だったが。まあ、材料や費用については十分用意できる状態だったので問題はなかった。連日持ち込んだ肉類や野菜類が好評で食事関係の人達について財政面で余裕が出てきたそうだし、冒険者ギルドでも、持ち込んだ素材がかなり良質だったため、いい値段で即完売したどころか、品不足で催促がやたらと来るようになったそうだ。そのため、最初に持ち込んだ分の不足額は数日で回収できた。
時間も時間だったので、離れ小屋に彼らを連れて戻り、夕食にする。ラヒラスはともかく、ウルヴもアインもほぼ歩き通しで腹ぺこだろう。幸いにも全員が座れる分の広さはあったので、全員で一緒に食べることにした。もちろん、マーブル達も一緒だよ。夕食は歓迎の意味も込めてオーク肉のステーキとモツ鍋にした。3人は驚きつつも喜んで食べてくれた。マーブル達もご満悦だった。彼らは信用できると判断してねぐらにも招待した。もちろん、汗臭い状態をどうにかしたかった、というのが主目的だけど。水術で風呂の用意と洗濯をし、洗濯物はその場で乾燥させていると、彼らは驚きのあまり放心していた。驚いている彼らを余所に、離れ小屋に戻る。戻った後に今後の予定を伝え、確認する。
「では、みんな聞いて欲しい。私は父上である伯爵に許可をもらい、商業ギルドを潰してから2年以内にここの税収を2倍以上にする約束をしたのは先程話したけど、正直商業ギルドを潰さなくても2年でお釣りが来るとは思っているが、私の狙いは税収よりもここの商業ギルドを始めとしたゴミを掃除してトリニトの住民の生活を良くしていこうというものだ。」
3人は頷いたが、ラヒラスが意見を言ってきた。
「アイス様、商業ギルドを始めとしたゴミ掃除についてはしばらく放っておいても大丈夫だと思う。」
「ほう、ラヒラスの意見を聞こうか。」
「アイス様によって、屋台に文句を付けてきたゴミが掃除され、商業ギルドとグルになっていた話はトリニトどころか周辺地域でも噂になってきているから、この辺りの商業ギルドはそれをどうにかしようと躍起になっている。恐らくこちらに対して報復措置を執ってくるのは間違いないけど、それでもかなり時間がかかるよ。だから、商業ギルドの身動きが取れないうちにできるだけ、住民達の生活向上を図るべきだと思う。」
「俺もラヒラスの意見に賛成だ。」
アインもラヒラスの意見に同意する。
「なるほど、確かにそれもそうだね。では、先にやっておきたいことがあるから、そっちを行いますか。」
「先にやっておきたいこととは?」
アインが興味深そうに聞いてきた。
「まずは、ここの増築だ。流石に今日はいいとしても、むさい野郎4人では狭い。というわけで、君達の個室といくつかの部屋を増築したい。父上からは材料も費用も自己負担でという条件付だが許可はもらってあるから、その木材などを集めようと思う。」
「なるほど。俺らの部屋を作ってくれるのはありがたい。ただ、材木集めだとラヒラスとウルヴでは重すぎて厳しいのでは?」
「うん、それは承知しているから、ウルヴとラヒラスには別の仕事を頼もうと思っている。」
「まず、ラヒラス。君は騎乗用の馬みたいな魔導具は作れるかな?」
「その程度なら作れるよ。ただ、ゴブリン程度でいいから魔石は必要だね。あとは木材も欲しい所だね。」
「それでいいなら大丈夫だ。では、それは用意するからよろしく。」
「アイス様、私は?」
「ウルヴは私達と一緒に来てもらうが、君には植物を採集してもらいたい。君は茶菓子に造詣ががあったはずだ。」
「私のことをそこまでご存じだったとは。承知しました。」
「で、俺は木材を伐ったり運んだりすればいいんだな?」
「うん、アインはそれで頼むよ。で、私とマーブルとライムでみんなの護衛というか、魔物を倒していくよ。ジェミニは伐採班で頼むね。」
「ニャッ!」
「キュウ(了解です!)!」
「ピー!」
マーブル達はいつものように敬礼で応える。うん、可愛すぎてたまらん。3人もマーブル達の仕草に目尻が下がる。
「あ、ラヒラスはもう一つ、大工に話をつけてほしい。材料はこちらで用意するから必要なものとかかる金額を話し合って欲しい。」
「了解したよ。材料来ないと作成できないしね。」
「そういうこと。では頼むね。」
「それで、その後はどうするつもり? ある程度流れを知っておきたいのだけど。」
ラヒラスが聞いてきた。うん、彼は先程の発言といい、魔導具作成もそうだけど、それ以上に知略がもの凄いのではと感じたので、予定を話しておけばそれに対する対策も取っておいてくれそうだ。途中で変更することもありそうだけど、とりあえず話しておく必要はあるだろう。それに他のみんなにもある程度知ってもらった方が良さそうだ。
「ここの拡張が終わったら、最優先はゴミ掃除だ。ゴミ掃除を済ませないといくら経済が回っても住民の生活につながらない。ゴミ掃除を念頭に置いて、トリニトの経済を良くしていく。具体的には狩りや採集で手に入れたものを積極的にここに卸していく。もちろん、商業ギルドには一切卸さない。トリニトの整備にも手を付けたいところだけど、残念ながらその体力はないと思っている。経済を回しつつ、農業事業にも手を付けていく感じかな。流れでなくて申し訳ないけど、2年でできることってこの程度が精一杯かな。」
「なるほど、確かにアイス様の言うとおりだね。じゃあ、ゴミ掃除に対しての手を打っておこうと思うけどそれでいいかな?」
「ああ、対策はラヒラスに任せる。ただ、こっちにも報告は頼むよ。」
「それは大丈夫だよ。」
よし、人材は確保できた。しかも恐らくこの3人は求めたくても簡単に手に入れられない程の素質があるはずだ。今は一冒険者ではなく領主の息子だ。父上達がどう考えているのかはわからないし、正直どうでもいいけど、少なくとも私は住民の生活向上を意識して行動していこう。とはいえ、マーブル達との楽しい生活が何よりも優先だけどね。
そろそろ寝る時間になったが、もう一度言います。狭いです。今日は3人は食堂で寝てもらい、私はいつもの部屋で寝ることにした。彼ら曰く、気さくに接してもらっているが雇われていることに変わりはないのでここでいいとのこと。一応敷物としてフォレストウルフの毛皮を敷いたが、彼ら曰く、これでも今までよりも快適に寝られるそうだ。流石はトリニトといったところかな(泣)。
部屋割も終わったので、私達はいつもの部屋に戻ると、マーブル達が話してくる。
「アイスさん、彼らもの凄い人物ですね! これだけ凄い人達滅多にいませんよ!!」
「ニャア!」
「あるじすごいー。」
「そうなんだ。ジェミニの話を聞いてホッとしたよ。さあ、明日も頑張ろうね。」
「ニャア!!」
「頑張って木をたくさん伐るです!!」
「ボク頑張ってみんなをまもるー!!」
うん、マーブル達もやる気だ。私は嬉しいよ。
「では、私達も寝ますか。お休み、マーブル、ジェミニ、ライム。」
「ニャア。」
「アイスさん、お休みです。」
「あるじー、おやすみー。」
明日もいい一日になってくれるといいなあ。
やることは山積みではあるが、何と言っても人が足りない!! いや、ほぼ最底辺のここであれば私とマーブル達だけでも2年もあれば楽勝で達成できるが、それでも一緒に行動してくれる人は必要だ。というわけで、昼までは散策、昼以降は狩りと採集をしばらく続けていった。
いい人材はまず大都市に行ってしまう。また、素質があったとしてもトリニトでは教育ができずにそのまま埋もれてしまう者も大勢いるだろう。そうでなくてもいい人材というものはそうそう見つかるものではないからねえ。っと思っていたら早速1人目が見つかった。灯台下暗しとは言ったもので、私に協力的な一部の屋敷の守備兵だった。彼らは戦闘訓練でいい結果が出せずに落ちこぼれとして扱われていたが、密かに鑑定してみると、落ちこぼれどころか一国の親衛隊も務まるほどの能力を持っていた。
では、なぜここでは落ちこぼれだったかというと、彼らは剣術スキルが低いか、そもそも剣術スキルを持っていない者達だった。その代わりに騎乗スキルを持っていたのだ。その中で騎乗スキルMAXを持っていた人物がいたので、彼をまずスカウトしたのだ。残りの者達は後日スカウトすることにした。彼の名はウルヴといった。話をすると思いの外馬が合ったのも彼をスカウトする要因だった。
ちなみに騎乗スキルは初期の鑑定では見つからない上、トリニトは貧しいのでそもそも馬などの騎乗できる存在がない、というか用意できない。先手を打って、他に持って行かれないように真っ先にこちらに引き込んでおいた。
2人目も案外あっさりと見つかった。彼は教会に所属していたが、教会の方針を無視して安い値段で治療を行っていたところ、司教から破門を言い渡された人物で、アインという名だった。私が目を見張ったのは、その恐ろしいまでのパワーを持っていたところだ。教会を追い出された後でも、彼は治療を続けていただけでなく、持ち運ぶのに大変な重さがあるものでも平気で運んでいた。私も重量軽減でそういったことは可能だが、彼の場合はそういったものは一切使わず自分の腕力だけでそれをこなしていた。実際声をかけて話してみるとやはり馬が合った。パワーがもの凄いので脳筋かと思ったが、そういったことはなく逆に理屈っぽい場合も多々あった。こちらの目的を話すと彼は喜んでスカウトに応じてくれた。
いい感じで続けていくと、3人目が見つかった。彼は大通りを外れるかどうかの場所で魔導具を売っていたのだが、自作らしく、その魔導具も魔力を通すと自動的に痒いところを掻くものだったり変なものが多かった。住民達も変な魔導具屋という認識でしかなかった。しかし、鑑定してみるとランクがやばかった。レア度がハンパなく高かった。面白そうなものや便利そうなものもいくつかあったので購入してみたが、一番ヤバかったのが値段だった。とにかく安いのだ。本人曰く、材料費が値段の9割だそうだ。これなら商業ギルドで登録しても十分儲けがでそうなのに、それをしていなかった。聞いたら足下を見て判断していてむかつくとのことだった。やはり馬が合ったので事情を説明してスカウトしたら、あっさり応じてくれた。彼の名はラヒラスという名だ。
私も懐に余裕があるわけではないので、とりあえずこの3人をスカウトしたところで一旦終了することにした。彼らには私の離れ小屋で生活してもらうことにしたが、いかんせん手狭なので父上に話をして小屋の拡張許可をもらい拡張することにした。とはいえ、材料や費用は自分で負担することが条件だったが。まあ、材料や費用については十分用意できる状態だったので問題はなかった。連日持ち込んだ肉類や野菜類が好評で食事関係の人達について財政面で余裕が出てきたそうだし、冒険者ギルドでも、持ち込んだ素材がかなり良質だったため、いい値段で即完売したどころか、品不足で催促がやたらと来るようになったそうだ。そのため、最初に持ち込んだ分の不足額は数日で回収できた。
時間も時間だったので、離れ小屋に彼らを連れて戻り、夕食にする。ラヒラスはともかく、ウルヴもアインもほぼ歩き通しで腹ぺこだろう。幸いにも全員が座れる分の広さはあったので、全員で一緒に食べることにした。もちろん、マーブル達も一緒だよ。夕食は歓迎の意味も込めてオーク肉のステーキとモツ鍋にした。3人は驚きつつも喜んで食べてくれた。マーブル達もご満悦だった。彼らは信用できると判断してねぐらにも招待した。もちろん、汗臭い状態をどうにかしたかった、というのが主目的だけど。水術で風呂の用意と洗濯をし、洗濯物はその場で乾燥させていると、彼らは驚きのあまり放心していた。驚いている彼らを余所に、離れ小屋に戻る。戻った後に今後の予定を伝え、確認する。
「では、みんな聞いて欲しい。私は父上である伯爵に許可をもらい、商業ギルドを潰してから2年以内にここの税収を2倍以上にする約束をしたのは先程話したけど、正直商業ギルドを潰さなくても2年でお釣りが来るとは思っているが、私の狙いは税収よりもここの商業ギルドを始めとしたゴミを掃除してトリニトの住民の生活を良くしていこうというものだ。」
3人は頷いたが、ラヒラスが意見を言ってきた。
「アイス様、商業ギルドを始めとしたゴミ掃除についてはしばらく放っておいても大丈夫だと思う。」
「ほう、ラヒラスの意見を聞こうか。」
「アイス様によって、屋台に文句を付けてきたゴミが掃除され、商業ギルドとグルになっていた話はトリニトどころか周辺地域でも噂になってきているから、この辺りの商業ギルドはそれをどうにかしようと躍起になっている。恐らくこちらに対して報復措置を執ってくるのは間違いないけど、それでもかなり時間がかかるよ。だから、商業ギルドの身動きが取れないうちにできるだけ、住民達の生活向上を図るべきだと思う。」
「俺もラヒラスの意見に賛成だ。」
アインもラヒラスの意見に同意する。
「なるほど、確かにそれもそうだね。では、先にやっておきたいことがあるから、そっちを行いますか。」
「先にやっておきたいこととは?」
アインが興味深そうに聞いてきた。
「まずは、ここの増築だ。流石に今日はいいとしても、むさい野郎4人では狭い。というわけで、君達の個室といくつかの部屋を増築したい。父上からは材料も費用も自己負担でという条件付だが許可はもらってあるから、その木材などを集めようと思う。」
「なるほど。俺らの部屋を作ってくれるのはありがたい。ただ、材木集めだとラヒラスとウルヴでは重すぎて厳しいのでは?」
「うん、それは承知しているから、ウルヴとラヒラスには別の仕事を頼もうと思っている。」
「まず、ラヒラス。君は騎乗用の馬みたいな魔導具は作れるかな?」
「その程度なら作れるよ。ただ、ゴブリン程度でいいから魔石は必要だね。あとは木材も欲しい所だね。」
「それでいいなら大丈夫だ。では、それは用意するからよろしく。」
「アイス様、私は?」
「ウルヴは私達と一緒に来てもらうが、君には植物を採集してもらいたい。君は茶菓子に造詣ががあったはずだ。」
「私のことをそこまでご存じだったとは。承知しました。」
「で、俺は木材を伐ったり運んだりすればいいんだな?」
「うん、アインはそれで頼むよ。で、私とマーブルとライムでみんなの護衛というか、魔物を倒していくよ。ジェミニは伐採班で頼むね。」
「ニャッ!」
「キュウ(了解です!)!」
「ピー!」
マーブル達はいつものように敬礼で応える。うん、可愛すぎてたまらん。3人もマーブル達の仕草に目尻が下がる。
「あ、ラヒラスはもう一つ、大工に話をつけてほしい。材料はこちらで用意するから必要なものとかかる金額を話し合って欲しい。」
「了解したよ。材料来ないと作成できないしね。」
「そういうこと。では頼むね。」
「それで、その後はどうするつもり? ある程度流れを知っておきたいのだけど。」
ラヒラスが聞いてきた。うん、彼は先程の発言といい、魔導具作成もそうだけど、それ以上に知略がもの凄いのではと感じたので、予定を話しておけばそれに対する対策も取っておいてくれそうだ。途中で変更することもありそうだけど、とりあえず話しておく必要はあるだろう。それに他のみんなにもある程度知ってもらった方が良さそうだ。
「ここの拡張が終わったら、最優先はゴミ掃除だ。ゴミ掃除を済ませないといくら経済が回っても住民の生活につながらない。ゴミ掃除を念頭に置いて、トリニトの経済を良くしていく。具体的には狩りや採集で手に入れたものを積極的にここに卸していく。もちろん、商業ギルドには一切卸さない。トリニトの整備にも手を付けたいところだけど、残念ながらその体力はないと思っている。経済を回しつつ、農業事業にも手を付けていく感じかな。流れでなくて申し訳ないけど、2年でできることってこの程度が精一杯かな。」
「なるほど、確かにアイス様の言うとおりだね。じゃあ、ゴミ掃除に対しての手を打っておこうと思うけどそれでいいかな?」
「ああ、対策はラヒラスに任せる。ただ、こっちにも報告は頼むよ。」
「それは大丈夫だよ。」
よし、人材は確保できた。しかも恐らくこの3人は求めたくても簡単に手に入れられない程の素質があるはずだ。今は一冒険者ではなく領主の息子だ。父上達がどう考えているのかはわからないし、正直どうでもいいけど、少なくとも私は住民の生活向上を意識して行動していこう。とはいえ、マーブル達との楽しい生活が何よりも優先だけどね。
そろそろ寝る時間になったが、もう一度言います。狭いです。今日は3人は食堂で寝てもらい、私はいつもの部屋で寝ることにした。彼ら曰く、気さくに接してもらっているが雇われていることに変わりはないのでここでいいとのこと。一応敷物としてフォレストウルフの毛皮を敷いたが、彼ら曰く、これでも今までよりも快適に寝られるそうだ。流石はトリニトといったところかな(泣)。
部屋割も終わったので、私達はいつもの部屋に戻ると、マーブル達が話してくる。
「アイスさん、彼らもの凄い人物ですね! これだけ凄い人達滅多にいませんよ!!」
「ニャア!」
「あるじすごいー。」
「そうなんだ。ジェミニの話を聞いてホッとしたよ。さあ、明日も頑張ろうね。」
「ニャア!!」
「頑張って木をたくさん伐るです!!」
「ボク頑張ってみんなをまもるー!!」
うん、マーブル達もやる気だ。私は嬉しいよ。
「では、私達も寝ますか。お休み、マーブル、ジェミニ、ライム。」
「ニャア。」
「アイスさん、お休みです。」
「あるじー、おやすみー。」
明日もいい一日になってくれるといいなあ。
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