7 / 210
第7話 さてと、人材が欲しいですね。
しおりを挟む
さてと、父上(実感がないけど、一応そういう関係)から許可をもらったので、これからトリニトの住民の生活向上に向けて頑張るとしますか。
やることは山積みではあるが、何と言っても人が足りない!! いや、ほぼ最底辺のここであれば私とマーブル達だけでも2年もあれば楽勝で達成できるが、それでも一緒に行動してくれる人は必要だ。というわけで、昼までは散策、昼以降は狩りと採集をしばらく続けていった。
いい人材はまず大都市に行ってしまう。また、素質があったとしてもトリニトでは教育ができずにそのまま埋もれてしまう者も大勢いるだろう。そうでなくてもいい人材というものはそうそう見つかるものではないからねえ。っと思っていたら早速1人目が見つかった。灯台下暗しとは言ったもので、私に協力的な一部の屋敷の守備兵だった。彼らは戦闘訓練でいい結果が出せずに落ちこぼれとして扱われていたが、密かに鑑定してみると、落ちこぼれどころか一国の親衛隊も務まるほどの能力を持っていた。
では、なぜここでは落ちこぼれだったかというと、彼らは剣術スキルが低いか、そもそも剣術スキルを持っていない者達だった。その代わりに騎乗スキルを持っていたのだ。その中で騎乗スキルMAXを持っていた人物がいたので、彼をまずスカウトしたのだ。残りの者達は後日スカウトすることにした。彼の名はウルヴといった。話をすると思いの外馬が合ったのも彼をスカウトする要因だった。
ちなみに騎乗スキルは初期の鑑定では見つからない上、トリニトは貧しいのでそもそも馬などの騎乗できる存在がない、というか用意できない。先手を打って、他に持って行かれないように真っ先にこちらに引き込んでおいた。
2人目も案外あっさりと見つかった。彼は教会に所属していたが、教会の方針を無視して安い値段で治療を行っていたところ、司教から破門を言い渡された人物で、アインという名だった。私が目を見張ったのは、その恐ろしいまでのパワーを持っていたところだ。教会を追い出された後でも、彼は治療を続けていただけでなく、持ち運ぶのに大変な重さがあるものでも平気で運んでいた。私も重量軽減でそういったことは可能だが、彼の場合はそういったものは一切使わず自分の腕力だけでそれをこなしていた。実際声をかけて話してみるとやはり馬が合った。パワーがもの凄いので脳筋かと思ったが、そういったことはなく逆に理屈っぽい場合も多々あった。こちらの目的を話すと彼は喜んでスカウトに応じてくれた。
いい感じで続けていくと、3人目が見つかった。彼は大通りを外れるかどうかの場所で魔導具を売っていたのだが、自作らしく、その魔導具も魔力を通すと自動的に痒いところを掻くものだったり変なものが多かった。住民達も変な魔導具屋という認識でしかなかった。しかし、鑑定してみるとランクがやばかった。レア度がハンパなく高かった。面白そうなものや便利そうなものもいくつかあったので購入してみたが、一番ヤバかったのが値段だった。とにかく安いのだ。本人曰く、材料費が値段の9割だそうだ。これなら商業ギルドで登録しても十分儲けがでそうなのに、それをしていなかった。聞いたら足下を見て判断していてむかつくとのことだった。やはり馬が合ったので事情を説明してスカウトしたら、あっさり応じてくれた。彼の名はラヒラスという名だ。
私も懐に余裕があるわけではないので、とりあえずこの3人をスカウトしたところで一旦終了することにした。彼らには私の離れ小屋で生活してもらうことにしたが、いかんせん手狭なので父上に話をして小屋の拡張許可をもらい拡張することにした。とはいえ、材料や費用は自分で負担することが条件だったが。まあ、材料や費用については十分用意できる状態だったので問題はなかった。連日持ち込んだ肉類や野菜類が好評で食事関係の人達について財政面で余裕が出てきたそうだし、冒険者ギルドでも、持ち込んだ素材がかなり良質だったため、いい値段で即完売したどころか、品不足で催促がやたらと来るようになったそうだ。そのため、最初に持ち込んだ分の不足額は数日で回収できた。
時間も時間だったので、離れ小屋に彼らを連れて戻り、夕食にする。ラヒラスはともかく、ウルヴもアインもほぼ歩き通しで腹ぺこだろう。幸いにも全員が座れる分の広さはあったので、全員で一緒に食べることにした。もちろん、マーブル達も一緒だよ。夕食は歓迎の意味も込めてオーク肉のステーキとモツ鍋にした。3人は驚きつつも喜んで食べてくれた。マーブル達もご満悦だった。彼らは信用できると判断してねぐらにも招待した。もちろん、汗臭い状態をどうにかしたかった、というのが主目的だけど。水術で風呂の用意と洗濯をし、洗濯物はその場で乾燥させていると、彼らは驚きのあまり放心していた。驚いている彼らを余所に、離れ小屋に戻る。戻った後に今後の予定を伝え、確認する。
「では、みんな聞いて欲しい。私は父上である伯爵に許可をもらい、商業ギルドを潰してから2年以内にここの税収を2倍以上にする約束をしたのは先程話したけど、正直商業ギルドを潰さなくても2年でお釣りが来るとは思っているが、私の狙いは税収よりもここの商業ギルドを始めとしたゴミを掃除してトリニトの住民の生活を良くしていこうというものだ。」
3人は頷いたが、ラヒラスが意見を言ってきた。
「アイス様、商業ギルドを始めとしたゴミ掃除についてはしばらく放っておいても大丈夫だと思う。」
「ほう、ラヒラスの意見を聞こうか。」
「アイス様によって、屋台に文句を付けてきたゴミが掃除され、商業ギルドとグルになっていた話はトリニトどころか周辺地域でも噂になってきているから、この辺りの商業ギルドはそれをどうにかしようと躍起になっている。恐らくこちらに対して報復措置を執ってくるのは間違いないけど、それでもかなり時間がかかるよ。だから、商業ギルドの身動きが取れないうちにできるだけ、住民達の生活向上を図るべきだと思う。」
「俺もラヒラスの意見に賛成だ。」
アインもラヒラスの意見に同意する。
「なるほど、確かにそれもそうだね。では、先にやっておきたいことがあるから、そっちを行いますか。」
「先にやっておきたいこととは?」
アインが興味深そうに聞いてきた。
「まずは、ここの増築だ。流石に今日はいいとしても、むさい野郎4人では狭い。というわけで、君達の個室といくつかの部屋を増築したい。父上からは材料も費用も自己負担でという条件付だが許可はもらってあるから、その木材などを集めようと思う。」
「なるほど。俺らの部屋を作ってくれるのはありがたい。ただ、材木集めだとラヒラスとウルヴでは重すぎて厳しいのでは?」
「うん、それは承知しているから、ウルヴとラヒラスには別の仕事を頼もうと思っている。」
「まず、ラヒラス。君は騎乗用の馬みたいな魔導具は作れるかな?」
「その程度なら作れるよ。ただ、ゴブリン程度でいいから魔石は必要だね。あとは木材も欲しい所だね。」
「それでいいなら大丈夫だ。では、それは用意するからよろしく。」
「アイス様、私は?」
「ウルヴは私達と一緒に来てもらうが、君には植物を採集してもらいたい。君は茶菓子に造詣ががあったはずだ。」
「私のことをそこまでご存じだったとは。承知しました。」
「で、俺は木材を伐ったり運んだりすればいいんだな?」
「うん、アインはそれで頼むよ。で、私とマーブルとライムでみんなの護衛というか、魔物を倒していくよ。ジェミニは伐採班で頼むね。」
「ニャッ!」
「キュウ(了解です!)!」
「ピー!」
マーブル達はいつものように敬礼で応える。うん、可愛すぎてたまらん。3人もマーブル達の仕草に目尻が下がる。
「あ、ラヒラスはもう一つ、大工に話をつけてほしい。材料はこちらで用意するから必要なものとかかる金額を話し合って欲しい。」
「了解したよ。材料来ないと作成できないしね。」
「そういうこと。では頼むね。」
「それで、その後はどうするつもり? ある程度流れを知っておきたいのだけど。」
ラヒラスが聞いてきた。うん、彼は先程の発言といい、魔導具作成もそうだけど、それ以上に知略がもの凄いのではと感じたので、予定を話しておけばそれに対する対策も取っておいてくれそうだ。途中で変更することもありそうだけど、とりあえず話しておく必要はあるだろう。それに他のみんなにもある程度知ってもらった方が良さそうだ。
「ここの拡張が終わったら、最優先はゴミ掃除だ。ゴミ掃除を済ませないといくら経済が回っても住民の生活につながらない。ゴミ掃除を念頭に置いて、トリニトの経済を良くしていく。具体的には狩りや採集で手に入れたものを積極的にここに卸していく。もちろん、商業ギルドには一切卸さない。トリニトの整備にも手を付けたいところだけど、残念ながらその体力はないと思っている。経済を回しつつ、農業事業にも手を付けていく感じかな。流れでなくて申し訳ないけど、2年でできることってこの程度が精一杯かな。」
「なるほど、確かにアイス様の言うとおりだね。じゃあ、ゴミ掃除に対しての手を打っておこうと思うけどそれでいいかな?」
「ああ、対策はラヒラスに任せる。ただ、こっちにも報告は頼むよ。」
「それは大丈夫だよ。」
よし、人材は確保できた。しかも恐らくこの3人は求めたくても簡単に手に入れられない程の素質があるはずだ。今は一冒険者ではなく領主の息子だ。父上達がどう考えているのかはわからないし、正直どうでもいいけど、少なくとも私は住民の生活向上を意識して行動していこう。とはいえ、マーブル達との楽しい生活が何よりも優先だけどね。
そろそろ寝る時間になったが、もう一度言います。狭いです。今日は3人は食堂で寝てもらい、私はいつもの部屋で寝ることにした。彼ら曰く、気さくに接してもらっているが雇われていることに変わりはないのでここでいいとのこと。一応敷物としてフォレストウルフの毛皮を敷いたが、彼ら曰く、これでも今までよりも快適に寝られるそうだ。流石はトリニトといったところかな(泣)。
部屋割も終わったので、私達はいつもの部屋に戻ると、マーブル達が話してくる。
「アイスさん、彼らもの凄い人物ですね! これだけ凄い人達滅多にいませんよ!!」
「ニャア!」
「あるじすごいー。」
「そうなんだ。ジェミニの話を聞いてホッとしたよ。さあ、明日も頑張ろうね。」
「ニャア!!」
「頑張って木をたくさん伐るです!!」
「ボク頑張ってみんなをまもるー!!」
うん、マーブル達もやる気だ。私は嬉しいよ。
「では、私達も寝ますか。お休み、マーブル、ジェミニ、ライム。」
「ニャア。」
「アイスさん、お休みです。」
「あるじー、おやすみー。」
明日もいい一日になってくれるといいなあ。
やることは山積みではあるが、何と言っても人が足りない!! いや、ほぼ最底辺のここであれば私とマーブル達だけでも2年もあれば楽勝で達成できるが、それでも一緒に行動してくれる人は必要だ。というわけで、昼までは散策、昼以降は狩りと採集をしばらく続けていった。
いい人材はまず大都市に行ってしまう。また、素質があったとしてもトリニトでは教育ができずにそのまま埋もれてしまう者も大勢いるだろう。そうでなくてもいい人材というものはそうそう見つかるものではないからねえ。っと思っていたら早速1人目が見つかった。灯台下暗しとは言ったもので、私に協力的な一部の屋敷の守備兵だった。彼らは戦闘訓練でいい結果が出せずに落ちこぼれとして扱われていたが、密かに鑑定してみると、落ちこぼれどころか一国の親衛隊も務まるほどの能力を持っていた。
では、なぜここでは落ちこぼれだったかというと、彼らは剣術スキルが低いか、そもそも剣術スキルを持っていない者達だった。その代わりに騎乗スキルを持っていたのだ。その中で騎乗スキルMAXを持っていた人物がいたので、彼をまずスカウトしたのだ。残りの者達は後日スカウトすることにした。彼の名はウルヴといった。話をすると思いの外馬が合ったのも彼をスカウトする要因だった。
ちなみに騎乗スキルは初期の鑑定では見つからない上、トリニトは貧しいのでそもそも馬などの騎乗できる存在がない、というか用意できない。先手を打って、他に持って行かれないように真っ先にこちらに引き込んでおいた。
2人目も案外あっさりと見つかった。彼は教会に所属していたが、教会の方針を無視して安い値段で治療を行っていたところ、司教から破門を言い渡された人物で、アインという名だった。私が目を見張ったのは、その恐ろしいまでのパワーを持っていたところだ。教会を追い出された後でも、彼は治療を続けていただけでなく、持ち運ぶのに大変な重さがあるものでも平気で運んでいた。私も重量軽減でそういったことは可能だが、彼の場合はそういったものは一切使わず自分の腕力だけでそれをこなしていた。実際声をかけて話してみるとやはり馬が合った。パワーがもの凄いので脳筋かと思ったが、そういったことはなく逆に理屈っぽい場合も多々あった。こちらの目的を話すと彼は喜んでスカウトに応じてくれた。
いい感じで続けていくと、3人目が見つかった。彼は大通りを外れるかどうかの場所で魔導具を売っていたのだが、自作らしく、その魔導具も魔力を通すと自動的に痒いところを掻くものだったり変なものが多かった。住民達も変な魔導具屋という認識でしかなかった。しかし、鑑定してみるとランクがやばかった。レア度がハンパなく高かった。面白そうなものや便利そうなものもいくつかあったので購入してみたが、一番ヤバかったのが値段だった。とにかく安いのだ。本人曰く、材料費が値段の9割だそうだ。これなら商業ギルドで登録しても十分儲けがでそうなのに、それをしていなかった。聞いたら足下を見て判断していてむかつくとのことだった。やはり馬が合ったので事情を説明してスカウトしたら、あっさり応じてくれた。彼の名はラヒラスという名だ。
私も懐に余裕があるわけではないので、とりあえずこの3人をスカウトしたところで一旦終了することにした。彼らには私の離れ小屋で生活してもらうことにしたが、いかんせん手狭なので父上に話をして小屋の拡張許可をもらい拡張することにした。とはいえ、材料や費用は自分で負担することが条件だったが。まあ、材料や費用については十分用意できる状態だったので問題はなかった。連日持ち込んだ肉類や野菜類が好評で食事関係の人達について財政面で余裕が出てきたそうだし、冒険者ギルドでも、持ち込んだ素材がかなり良質だったため、いい値段で即完売したどころか、品不足で催促がやたらと来るようになったそうだ。そのため、最初に持ち込んだ分の不足額は数日で回収できた。
時間も時間だったので、離れ小屋に彼らを連れて戻り、夕食にする。ラヒラスはともかく、ウルヴもアインもほぼ歩き通しで腹ぺこだろう。幸いにも全員が座れる分の広さはあったので、全員で一緒に食べることにした。もちろん、マーブル達も一緒だよ。夕食は歓迎の意味も込めてオーク肉のステーキとモツ鍋にした。3人は驚きつつも喜んで食べてくれた。マーブル達もご満悦だった。彼らは信用できると判断してねぐらにも招待した。もちろん、汗臭い状態をどうにかしたかった、というのが主目的だけど。水術で風呂の用意と洗濯をし、洗濯物はその場で乾燥させていると、彼らは驚きのあまり放心していた。驚いている彼らを余所に、離れ小屋に戻る。戻った後に今後の予定を伝え、確認する。
「では、みんな聞いて欲しい。私は父上である伯爵に許可をもらい、商業ギルドを潰してから2年以内にここの税収を2倍以上にする約束をしたのは先程話したけど、正直商業ギルドを潰さなくても2年でお釣りが来るとは思っているが、私の狙いは税収よりもここの商業ギルドを始めとしたゴミを掃除してトリニトの住民の生活を良くしていこうというものだ。」
3人は頷いたが、ラヒラスが意見を言ってきた。
「アイス様、商業ギルドを始めとしたゴミ掃除についてはしばらく放っておいても大丈夫だと思う。」
「ほう、ラヒラスの意見を聞こうか。」
「アイス様によって、屋台に文句を付けてきたゴミが掃除され、商業ギルドとグルになっていた話はトリニトどころか周辺地域でも噂になってきているから、この辺りの商業ギルドはそれをどうにかしようと躍起になっている。恐らくこちらに対して報復措置を執ってくるのは間違いないけど、それでもかなり時間がかかるよ。だから、商業ギルドの身動きが取れないうちにできるだけ、住民達の生活向上を図るべきだと思う。」
「俺もラヒラスの意見に賛成だ。」
アインもラヒラスの意見に同意する。
「なるほど、確かにそれもそうだね。では、先にやっておきたいことがあるから、そっちを行いますか。」
「先にやっておきたいこととは?」
アインが興味深そうに聞いてきた。
「まずは、ここの増築だ。流石に今日はいいとしても、むさい野郎4人では狭い。というわけで、君達の個室といくつかの部屋を増築したい。父上からは材料も費用も自己負担でという条件付だが許可はもらってあるから、その木材などを集めようと思う。」
「なるほど。俺らの部屋を作ってくれるのはありがたい。ただ、材木集めだとラヒラスとウルヴでは重すぎて厳しいのでは?」
「うん、それは承知しているから、ウルヴとラヒラスには別の仕事を頼もうと思っている。」
「まず、ラヒラス。君は騎乗用の馬みたいな魔導具は作れるかな?」
「その程度なら作れるよ。ただ、ゴブリン程度でいいから魔石は必要だね。あとは木材も欲しい所だね。」
「それでいいなら大丈夫だ。では、それは用意するからよろしく。」
「アイス様、私は?」
「ウルヴは私達と一緒に来てもらうが、君には植物を採集してもらいたい。君は茶菓子に造詣ががあったはずだ。」
「私のことをそこまでご存じだったとは。承知しました。」
「で、俺は木材を伐ったり運んだりすればいいんだな?」
「うん、アインはそれで頼むよ。で、私とマーブルとライムでみんなの護衛というか、魔物を倒していくよ。ジェミニは伐採班で頼むね。」
「ニャッ!」
「キュウ(了解です!)!」
「ピー!」
マーブル達はいつものように敬礼で応える。うん、可愛すぎてたまらん。3人もマーブル達の仕草に目尻が下がる。
「あ、ラヒラスはもう一つ、大工に話をつけてほしい。材料はこちらで用意するから必要なものとかかる金額を話し合って欲しい。」
「了解したよ。材料来ないと作成できないしね。」
「そういうこと。では頼むね。」
「それで、その後はどうするつもり? ある程度流れを知っておきたいのだけど。」
ラヒラスが聞いてきた。うん、彼は先程の発言といい、魔導具作成もそうだけど、それ以上に知略がもの凄いのではと感じたので、予定を話しておけばそれに対する対策も取っておいてくれそうだ。途中で変更することもありそうだけど、とりあえず話しておく必要はあるだろう。それに他のみんなにもある程度知ってもらった方が良さそうだ。
「ここの拡張が終わったら、最優先はゴミ掃除だ。ゴミ掃除を済ませないといくら経済が回っても住民の生活につながらない。ゴミ掃除を念頭に置いて、トリニトの経済を良くしていく。具体的には狩りや採集で手に入れたものを積極的にここに卸していく。もちろん、商業ギルドには一切卸さない。トリニトの整備にも手を付けたいところだけど、残念ながらその体力はないと思っている。経済を回しつつ、農業事業にも手を付けていく感じかな。流れでなくて申し訳ないけど、2年でできることってこの程度が精一杯かな。」
「なるほど、確かにアイス様の言うとおりだね。じゃあ、ゴミ掃除に対しての手を打っておこうと思うけどそれでいいかな?」
「ああ、対策はラヒラスに任せる。ただ、こっちにも報告は頼むよ。」
「それは大丈夫だよ。」
よし、人材は確保できた。しかも恐らくこの3人は求めたくても簡単に手に入れられない程の素質があるはずだ。今は一冒険者ではなく領主の息子だ。父上達がどう考えているのかはわからないし、正直どうでもいいけど、少なくとも私は住民の生活向上を意識して行動していこう。とはいえ、マーブル達との楽しい生活が何よりも優先だけどね。
そろそろ寝る時間になったが、もう一度言います。狭いです。今日は3人は食堂で寝てもらい、私はいつもの部屋で寝ることにした。彼ら曰く、気さくに接してもらっているが雇われていることに変わりはないのでここでいいとのこと。一応敷物としてフォレストウルフの毛皮を敷いたが、彼ら曰く、これでも今までよりも快適に寝られるそうだ。流石はトリニトといったところかな(泣)。
部屋割も終わったので、私達はいつもの部屋に戻ると、マーブル達が話してくる。
「アイスさん、彼らもの凄い人物ですね! これだけ凄い人達滅多にいませんよ!!」
「ニャア!」
「あるじすごいー。」
「そうなんだ。ジェミニの話を聞いてホッとしたよ。さあ、明日も頑張ろうね。」
「ニャア!!」
「頑張って木をたくさん伐るです!!」
「ボク頑張ってみんなをまもるー!!」
うん、マーブル達もやる気だ。私は嬉しいよ。
「では、私達も寝ますか。お休み、マーブル、ジェミニ、ライム。」
「ニャア。」
「アイスさん、お休みです。」
「あるじー、おやすみー。」
明日もいい一日になってくれるといいなあ。
0
お気に入りに追加
1,122
あなたにおすすめの小説
天職はドロップ率300%の盗賊、錬金術師を騙る。
朱本来未
ファンタジー
魔術師の大家であるレッドグレイヴ家に生を受けたヒイロは、15歳を迎えて受けた成人の儀で盗賊の天職を授けられた。
天職が王家からの心象が悪い盗賊になってしまったヒイロは、廃嫡されてレッドグレイヴ領からの追放されることとなった。
ヒイロは以前から魔術師以外の天職に可能性を感じていたこともあり、追放処分を抵抗することなく受け入れ、レッドグレイヴ領から出奔するのだった。
集団転移した商社マン ネットスキルでスローライフしたいです!
七転び早起き
ファンタジー
「望む3つのスキルを付与してあげる」
その天使の言葉は善意からなのか?
異世界に転移する人達は何を選び、何を求めるのか?
そして主人公が○○○が欲しくて望んだスキルの1つがネットスキル。
ただし、その扱いが難しいものだった。
転移者の仲間達、そして新たに出会った仲間達と異世界を駆け巡る物語です。
基本は面白くですが、シリアスも顔を覗かせます。猫ミミ、孤児院、幼女など定番物が登場します。
○○○「これは私とのラブストーリーなの!」
主人公「いや、それは違うな」
一人だけ竜が宿っていた説。~異世界召喚されてすぐに逃げました~
十本スイ
ファンタジー
ある日、異世界に召喚された主人公――大森星馬は、自身の中に何かが宿っていることに気づく。驚くことにその正体は神とも呼ばれた竜だった。そのせいか絶大な力を持つことになった星馬は、召喚した者たちに好き勝手に使われるのが嫌で、自由を求めて一人その場から逃げたのである。そうして異世界を満喫しようと、自分に憑依した竜と楽しく会話しつつ旅をする。しかし世の中は乱世を迎えており、星馬も徐々に巻き込まれていくが……。
俺の召喚獣だけレベルアップする
摂政
ファンタジー
【第10章、始動!!】ダンジョンが現れた、現代社会のお話
主人公の冴島渉は、友人の誘いに乗って、冒険者登録を行った
しかし、彼が神から与えられたのは、一生レベルアップしない召喚獣を用いて戦う【召喚士】という力だった
それでも、渉は召喚獣を使って、見事、ダンジョンのボスを撃破する
そして、彼が得たのは----召喚獣をレベルアップさせる能力だった
この世界で唯一、召喚獣をレベルアップさせられる渉
神から与えられた制約で、人間とパーティーを組めない彼は、誰にも知られることがないまま、どんどん強くなっていく……
※召喚獣や魔物などについて、『おーぷん2ちゃんねる:にゅー速VIP』にて『おーぷん民でまじめにファンタジー世界を作ろう』で作られた世界観……というか、モンスターを一部使用して書きました!!
内容を纏めたwikiもありますので、お暇な時に一読していただければ更に楽しめるかもしれません?
https://www65.atwiki.jp/opfan/pages/1.html
クラス転移から逃げ出したイジメられっ子、女神に頼まれ渋々異世界転移するが職業[逃亡者]が無能だと処刑される
こたろう文庫
ファンタジー
日頃からいじめにあっていた影宮 灰人は授業中に突如現れた転移陣によってクラスごと転移されそうになるが、咄嗟の機転により転移を一人だけ回避することに成功する。しかし女神の説得?により結局異世界転移するが、転移先の国王から職業[逃亡者]が無能という理由にて処刑されることになる
初執筆作品になりますので日本語などおかしい部分があるかと思いますが、温かい目で読んで頂き、少しでも面白いと思って頂ければ幸いです。
なろう・カクヨム・アルファポリスにて公開しています
こちらの作品も宜しければお願いします
[イラついた俺は強奪スキルで神からスキルを奪うことにしました。神の力で学園最強に・・・]
巻き込まれ召喚・途中下車~幼女神の加護でチート?
サクラ近衛将監
ファンタジー
商社勤務の社会人一年生リューマが、偶然、勇者候補のヤンキーな連中の近くに居たことから、一緒に巻き込まれて異世界へ強制的に召喚された。万が一そのまま召喚されれば勇者候補ではないために何の力も与えられず悲惨な結末を迎える恐れが多分にあったのだが、その召喚に気づいた被召喚側世界(地球)の神様と召喚側世界(異世界)の神様である幼女神のお陰で助けられて、一旦狭間の世界に留め置かれ、改めて幼女神の加護等を貰ってから、異世界ではあるものの召喚場所とは異なる場所に無事に転移を果たすことができた。リューマは、幼女神の加護と付与された能力のおかげでチートな成長が促され、紆余曲折はありながらも異世界生活を満喫するために生きて行くことになる。
*この作品は「カクヨム」様にも投稿しています。
**週1(土曜日午後9時)の投稿を予定しています。**
タブレット片手に異世界転移!〜元社畜、ダウンロード→インストールでチート強化しつつ温泉巡り始めます〜
夢・風魔
ファンタジー
一か月の平均残業時間130時間。残業代ゼロ。そんなブラック企業で働いていた葉月悠斗は、巨漢上司が眩暈を起こし倒れた所に居たため圧死した。
不真面目な天使のせいでデスルーラを繰り返すハメになった彼は、輪廻の女神によって1001回目にようやくまともな異世界転移を果たす。
その際、便利アイテムとしてタブレットを貰った。検索機能、収納機能を持ったタブレットで『ダウンロード』『インストール』で徐々に強化されていく悠斗。
彼を「勇者殿」と呼び慕うどうみても美少女な男装エルフと共に、彼は社畜時代に夢見た「温泉巡り」を異世界ですることにした。
異世界の温泉事情もあり、温泉地でいろいろな事件に巻き込まれつつも、彼は社畜時代には無かったポジティブ思考で事件を解決していく!?
*小説家になろうでも公開しております。
俺だけLVアップするスキルガチャで、まったりダンジョン探索者生活も余裕です ~ガチャ引き楽しくてやめられねぇ~
シンギョウ ガク
ファンタジー
仕事中、寝落ちした明日見碧(あすみ あおい)は、目覚めたら暗い洞窟にいた。
目の前には蛍光ピンクのガチャマシーン(足つき)。
『初心者優遇10連ガチャ開催中』とか『SSRレアスキル確定』の誘惑に負け、金色のコインを投入してしまう。
カプセルを開けると『鑑定』、『ファイア』、『剣術向上』といったスキルが得られ、次々にステータスが向上していく。
ガチャスキルの力に魅了された俺は魔物を倒して『金色コイン』を手に入れて、ガチャ引きまくってたらいつのまにか強くなっていた。
ボスを討伐し、初めてのダンジョンの外に出た俺は、相棒のガチャと途中で助けた異世界人アスターシアとともに、異世界人ヴェルデ・アヴニールとして、生き延びるための自由気ままな異世界の旅がここからはじまった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる