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第六章
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ユリウスの手が、足の間に伸びる。
触れた瞬間ジゼルはびくりと体を震わせた。
「怖いか?」
耳元で囁かれ、ジゼルはふるふると首を振る。
「ちが・・でも、あなたの手だと思うと・・」
その先を言うのが恥ずかしくてジゼルは口を噤む。
「俺の手だと思うと?」
だが、ユリウスはその先を聞き出そうと言葉尻を拾う。
「言いかけた言葉を飲み込まれると、気になる」
そう声を掛けながら、再びユリウスの指が秘裂に沿って彼女の敏感な部分を撫でる。
「・・!!!」
胸を愛撫されていたのに、なぜその部分が反応するのかわからない。耳を弄られた時も、そこが熱く疼いた。ドミニコに触れられた時は、こんな風にならなかった。
何が違うのだろう。ドミニコだってジゼルの胸に触った。彼の手も、今ユリウスが触れている場所を触れた。なのに、今のようにはならなかった。
(もうドミニコのことを考えるのはやめよう)
彼とは二度と会うことはないだろう。もし、万が一会うことがあったとしても、彼はもう赤の他人でしかない。
大事なのは過去ではなく、今であって、未来だ。
過去の失敗は失敗として受け入れ、前を向いて生きていかなければならない。
祖母の言葉を思い出し、そう心に決めたのはついこの前のことだ。
「は・・あ、ああ」
ユリウスの指がずぶりと奥に入り込み、ジゼルはきゅっと締めつけた。
「もの凄い締め付けだ。まだ指しか入れていないのに」
「だ、だって・・んん」
「こっちも寂しそうだ」
「ひゃっ!」
そう言ってまた胸を口に含み、反対側の乳首を摘まむ。両胸と陰部を同時に弄られ、ジゼルは悲鳴と共に体を弓なりに反らせた。
そのまま胸をしゃぶりながら、中の指を折り曲げ内側から押し上げる。ジゼルの頭の中は一瞬にして真っ白になった。
「は、あ、ああ」
足の指がきゅっと丸まり、体中に力が入る。間を置かず口に含まれた乳首に歯が当てられて、ジゼルはぎゅ~っとシーツをきつく握り締めて、枕に押しつけた頭を左右に擦り付け身悶えた。
「綺麗だ。そんな風に乱れるあなたも、とても綺麗だ」
「や、そんなところで、話さないで」
「ほら、俺の指をこんなに締めつけて、中からどんどん蜜が溢れてくる」
敏感になった乳首に、ユリウスが話すたびにフッフッと息が吹きかけられる。
「や、言わないで」
「嫌? 嫌なら止めるが、本当にそれでいいのか?」
ざらりと舌で今さっき噛んだところを舐め回し、ユリウスは意地悪く目を細める。
ユリウスが与える刺激と甘美な痺れ、そして込みあげる快感に翻弄されてジゼルの頭はおかしくなりそうだった。
「!!!!」
「またイったか」
さっきより更に大きな波が来て、ジゼルはまるで水から上がった魚みたいに口をパクパクさせる。
そんなジゼルに呼吸を送るように、ユリウスが唇を重ねる。
舌が再び絡みつき、クチュクチュと音が頭に響く。ジワジワと溢れ出る蜜は、ユリウスの指の滑りを良くし、いつの間にか指がもう一本追加されていた。
「んんん」
二本の指がジゼルの中を動き回り、喉の奥でジゼルがうめき声を漏らした。
差し込まれた指がある部分に触れ、親指が別の場所を押し潰した。
「ああ、ああぁっ!!」
自分の体なのに、なぜそうなるのかまるでわからない。内と外からの刺激にジゼルは息が止まった。
「や、ユリ・・なに、なにを・・」
ヒューっと息を吐き出し、彼が今自分に何をしたのか尋ねた。
「女性のこの辺りに感じる部分があって、今、俺がそこを擦った。それから、ここは女性の特に敏感な部分で、そこも今触った。どうだ?」
「や、あ、ああ」
再度ユリウスが同じ箇所を同時に触り、ジゼルはまた嬌声を上げて身を強張らせた。
体の奥からドクドクと止めどなく愛液が流れていく。
「も、もう・・あ、や、し、死んじゃう」
心臓が早鐘のように打ち、破裂してこのまま死んでしまうのではと慄く。
「死にはしないが、天国には行けるかもしれない。そろそろ俺も限界だ」
「えっ」
激しく呼吸をして、心臓の音が耳に響いてよく聞き取れなかった。
尋ね返すジゼルの目の前で、ユリウスが履いていたズボンを脱ぎ去った。
「!!!!!」
肌より少し色の濃いユリウスの陰茎は、極限まで張り詰めしっかりと勃ち上がっていた。
それを見てジゼルはゴクリと唾を飲み込む。
ドミニコのものは、いつもシーツの下に隠れていたため、実際に見たことはなかった。
男性の性器を見るのも、こんな風に肥大して勃ち上がっているのを見るのも、初めてのことだった。
触れた瞬間ジゼルはびくりと体を震わせた。
「怖いか?」
耳元で囁かれ、ジゼルはふるふると首を振る。
「ちが・・でも、あなたの手だと思うと・・」
その先を言うのが恥ずかしくてジゼルは口を噤む。
「俺の手だと思うと?」
だが、ユリウスはその先を聞き出そうと言葉尻を拾う。
「言いかけた言葉を飲み込まれると、気になる」
そう声を掛けながら、再びユリウスの指が秘裂に沿って彼女の敏感な部分を撫でる。
「・・!!!」
胸を愛撫されていたのに、なぜその部分が反応するのかわからない。耳を弄られた時も、そこが熱く疼いた。ドミニコに触れられた時は、こんな風にならなかった。
何が違うのだろう。ドミニコだってジゼルの胸に触った。彼の手も、今ユリウスが触れている場所を触れた。なのに、今のようにはならなかった。
(もうドミニコのことを考えるのはやめよう)
彼とは二度と会うことはないだろう。もし、万が一会うことがあったとしても、彼はもう赤の他人でしかない。
大事なのは過去ではなく、今であって、未来だ。
過去の失敗は失敗として受け入れ、前を向いて生きていかなければならない。
祖母の言葉を思い出し、そう心に決めたのはついこの前のことだ。
「は・・あ、ああ」
ユリウスの指がずぶりと奥に入り込み、ジゼルはきゅっと締めつけた。
「もの凄い締め付けだ。まだ指しか入れていないのに」
「だ、だって・・んん」
「こっちも寂しそうだ」
「ひゃっ!」
そう言ってまた胸を口に含み、反対側の乳首を摘まむ。両胸と陰部を同時に弄られ、ジゼルは悲鳴と共に体を弓なりに反らせた。
そのまま胸をしゃぶりながら、中の指を折り曲げ内側から押し上げる。ジゼルの頭の中は一瞬にして真っ白になった。
「は、あ、ああ」
足の指がきゅっと丸まり、体中に力が入る。間を置かず口に含まれた乳首に歯が当てられて、ジゼルはぎゅ~っとシーツをきつく握り締めて、枕に押しつけた頭を左右に擦り付け身悶えた。
「綺麗だ。そんな風に乱れるあなたも、とても綺麗だ」
「や、そんなところで、話さないで」
「ほら、俺の指をこんなに締めつけて、中からどんどん蜜が溢れてくる」
敏感になった乳首に、ユリウスが話すたびにフッフッと息が吹きかけられる。
「や、言わないで」
「嫌? 嫌なら止めるが、本当にそれでいいのか?」
ざらりと舌で今さっき噛んだところを舐め回し、ユリウスは意地悪く目を細める。
ユリウスが与える刺激と甘美な痺れ、そして込みあげる快感に翻弄されてジゼルの頭はおかしくなりそうだった。
「!!!!」
「またイったか」
さっきより更に大きな波が来て、ジゼルはまるで水から上がった魚みたいに口をパクパクさせる。
そんなジゼルに呼吸を送るように、ユリウスが唇を重ねる。
舌が再び絡みつき、クチュクチュと音が頭に響く。ジワジワと溢れ出る蜜は、ユリウスの指の滑りを良くし、いつの間にか指がもう一本追加されていた。
「んんん」
二本の指がジゼルの中を動き回り、喉の奥でジゼルがうめき声を漏らした。
差し込まれた指がある部分に触れ、親指が別の場所を押し潰した。
「ああ、ああぁっ!!」
自分の体なのに、なぜそうなるのかまるでわからない。内と外からの刺激にジゼルは息が止まった。
「や、ユリ・・なに、なにを・・」
ヒューっと息を吐き出し、彼が今自分に何をしたのか尋ねた。
「女性のこの辺りに感じる部分があって、今、俺がそこを擦った。それから、ここは女性の特に敏感な部分で、そこも今触った。どうだ?」
「や、あ、ああ」
再度ユリウスが同じ箇所を同時に触り、ジゼルはまた嬌声を上げて身を強張らせた。
体の奥からドクドクと止めどなく愛液が流れていく。
「も、もう・・あ、や、し、死んじゃう」
心臓が早鐘のように打ち、破裂してこのまま死んでしまうのではと慄く。
「死にはしないが、天国には行けるかもしれない。そろそろ俺も限界だ」
「えっ」
激しく呼吸をして、心臓の音が耳に響いてよく聞き取れなかった。
尋ね返すジゼルの目の前で、ユリウスが履いていたズボンを脱ぎ去った。
「!!!!!」
肌より少し色の濃いユリウスの陰茎は、極限まで張り詰めしっかりと勃ち上がっていた。
それを見てジゼルはゴクリと唾を飲み込む。
ドミニコのものは、いつもシーツの下に隠れていたため、実際に見たことはなかった。
男性の性器を見るのも、こんな風に肥大して勃ち上がっているのを見るのも、初めてのことだった。
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