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ジーン様は前髪をかきあげ、私の顔の表情を確認している。

少し汗ばみ火照っているのがわかる。

「大丈夫か?」

「すいません……息が……どうやればいいか……」
「こういう時は、鼻でするのだ」

そう言って再びジーン様の唇が触れて、キスを続けるうちに体が寝台に仰向けに倒される。

今度は教えてもらったとおり鼻で呼吸を繰り返す。
ジーン様の意外に柔らかい黒髪に指を差し込み自分からも彼を引き寄せると、ジーン様が膝を寝台に乗せマットレスが沈み込む。

すると口づけをしたまま脇に手を差し込まれ体を起こされ、ジーン様の膝の上に腰を足で挟むような形で抱き抱えられた。

お尻の下に逞しいジーン様の硬い太ももと熱が感じられて、あそこに熱が集まり濡れてくるのがわかった。

ほんの僅かな隙間を空けて唇が離されると、ジーン様は深々とため息を吐き出した。
その吐息がぞくぞくするほど色っぽくて、お腹の辺りがきゅんとした。

「今の君がどれほど私をそそる顔をしているか知っているか?」

ジーン様の片方の手のひらが優しく私の背中を上下に撫で、もう片方の手が裾が上がった太ももに回る。

どんな顔をしているのか想像がつかず、困惑する。そそる顔ってどんな顔?わからないが、ジーン様の顔に浮かんでいる表情がそうなのだろうか。

「私だけが知っていればいいから」

太ももに触れるジーン様の手が裾の中に潜り、内腿を撫でられると体がぴくりと跳ねた。

「怖いか?」

腰が引けそうになる私の背中をジーン様が引き寄せる。

「怖いのは……ジーンではなくて……自分が……おかしくなりそうで……怖い」

「恐がらなくていい。どんな君でも受け止めるから、理性は棄てて心のままに……」
「あ……!」

ジーン様の手が内腿を滑り、股の中心に指先が当たっただけで声が洩れた。

薬のせいで悶えていたあの時とは違って、今は意識もはっきりしている。だから自分の反応に驚いた。

指先に次第に力が加わり押し潰され、中心の割れ目に沈んでいく。
そのまま上下に擦られて背中を何かがぞくぞくとしたものが走った。

「は……あ……」

いつの間にか勝手に腰を揺らして自分からジーン様の指に股間を擦り寄せていた。

「ジーン……」

布越しに触れられているだけでは物足りなくなり、名前を呼んだのを彼は察したのか、中心を押し潰しているのとは違う指が横から入り込んで柔らかな丘を指の背が撫でた。

「熱くてとろけそうだ」

「言わないで……」

自分の状態を口で言われると恥ずかしくなる。

自分でも触れたことなどない敏感な部分を、ジーン様が触れていると思うだけでおかしくなりそうだ。

「ここも……」
「ひゃあ!」

勃ち始めた胸の乳首を軽く摘ままれて、上擦った声が上がった。

「胸……私……大きくなくて……」

すっぽりとジーン様の大きな手に隠れてしまう自分の胸のお粗末さが気になる。
ティアナさんの溢れるようなたわわな胸と比べてしまう。

「誰と張り合っているのかわかるが、今は私に集中して欲しい」

肩から夜着を一気に引き下げると、上半身が丸見えになり隠そうとした手を払い除けられて、片方の乳房を口に含まれた。

「ん……んん…」

大きな口に食まれ熱い舌が乳輪をねっとりと舐めた後に、舌先がピンと勃った乳首をつついてから甘咬みされ、勝手に体が反る。

同時に股間に当てられていた指が中心に食い込み、体の中から涌き出てくる熱いものがどくどくと溢れだし、ジーン様がそれを私の敏感な部分に擦り付けた。

「あ……」

背中を抱き抱えられて寝台に再び仰向けにされると、あっという間にすべての服を脱がされて下着まで取り払われた。

どこを隠したらいいか戸惑っているうちに太もも持ち上げられて、そこにジーン様の頭が降りてきて熱くなったそこに口が寄せられた。

「ひゃあ……あ、そこは」

私が上半身を起こしてジーン様の頭を押し退けようとしたのと、ジーン様がそこに口を付けたのは同時だった。

「あ……」

熱い舌が下から上に舐めあげられて、押し退けようとした手が止まった。

「そんな…そんなところ……汚い」

ジュルジュルと啜る音が聞こえ、ざらりとした舌の感触も生々しい。

「甘いね」

顔を上げたジーン様が舌舐めずりをして私を見下ろす。

そのまま片足を持ち上げられると、自分の肩にかけて更に足を開かせられた。

舌だけでなくそこに指も加わり、長い指が差し込まれ中を縦横無尽に掻き回されて、それだけで達してしまった。

びくびくと自分のあそこがジーン様の指を締め付ける。

やがて波が収まるとジーン様が指を引き抜き、膝立ちになり、目の前で自分も服を脱ぎ捨てる。
下着を取り払うと、目の前にお臍に付く位に持ち上がったジーン様の大きないちもつが目に入った。

「不安か?」

訊ねられてふるふると首を振る。

「一度受け入れられたのですから、今度も大丈夫」

本当は少し不安があったが、何よりジーン様の一部であるそれを、自分に与えられる歓びの方が大きかった。
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