上 下
33 / 68

32

しおりを挟む
覚悟を決めて部屋に入って彼女に近づくと、ドレスを脱がされ下着だけになって、シーツの間で身悶えていた。

こちらに背中を見せ、横たわる彼女の肩の細さが目についた。

彼女はこんなにか弱かっただろうか。

恐る恐る彼女に触れると、艶かしく声を出して反応する。

薬のせいで朦朧とする彼女が、何を夢見て涙を流すのか。

本当にこのまま彼女の純潔を散らすのが自分でいいのか。

自分の名を呼び涙を流す彼女を見て、なぜこうなる前に見つけ出せなかったのかと後悔する。

薬のせいで敏感になっているとは言え、反応が良すぎる。一体全体彼女を何故他の男に委ねようと思ったのか、己の愚かさを悟った。

ほんの少し前、自分は他の女性に求婚した。

儚げに見えて、しかし何か一本貫いたようなあの人に魅せられた。

あの人とセレニアは見た目も何もかも違う。

あの人には彼女を気遣う家族が居て、セレニアにはいない。

あの人は自らの意思で思い人に身を捧げたのに、セレニアは謀らずも命を救われんがために今から純潔を失うのだ。

彼女をしつこく迫る親戚から護るため、ティアナを諦めさせるため便宜結婚を申し出た。

この先彼女がこの関係を終わらせたいと思ってももう引き返せない。自分はどうしたいのか。
彼女をいずれは手放す?

彼女とのあの夜のキスは触れた唇から火花が散るかと思えるほどに熱かった。

自分の手で自らの秘所に手を伸ばし、何とか熱を散らそうとする仕草がいじらしく、すかさず手を出した。

まだ男を受け入れたことのないそこは、指一本でもやっとの狭さだったが、すでに濡れていてすんなりと飲み込む。

足を開かせ更に奥へと滑り込ませると、火傷しそうな位熱くなっていて、その感触に自分の下腹部が反応した。

後ろから包み込むように付き添い、思わず目の前に見えた脈打つ彼女の項に舌を這わせ、そのまま耳を食んだ。

指を増やして彼女の中をまさぐっていると、今度は胸を揉み始めた。

小振りなふたつの乳房を慣れない手付きで揉んですでに主張し始め勃った乳首をつまみ上げている。

片方の手を外させ、自分が代わりにその胸を包み込むと、手の中にすっぽり収まる大きさでも、その柔らかさと手に吸い付くような肌触りが心地よかった。

不意に彼女が自分の名を呼んで、こちらに顔を向ける。

自分に触れているのが私だと知っているのか。彼女の青い瞳は潤み、一筋涙が流れた。

喘ぎ声を発するその官能的な唇を塞ごうとして、思い止まった。

唇は彼女が自分で望んだ時に触れるべきだ。

薬で朦朧としている今は、奪うべきではない。

口づけは彼女が覚醒し、真に私との行為を自らの意思で望んだ時にこそ、交わすべきだ。

代わりに頬の涙に口づけしてから彼女を仰向けにし、足を持ち上げて大きく開かせた。

一度抜いた指を再び入れる。ぷっくりと膨れた愛芽が目に入り、そこに唇を寄せ舌で舐め上げると、指を入れていたところがきつく締まった。

ズボンの前をはだけ、自身の勃起したものから滲み出るものを彼女の割れ目にそっと擦り付けると、それだけで彼女のあそこがひくついた。

「セレニア……すまない。私を罵り憎んでも構わない。だが、このまま君を見捨てることは出来ない」

猛った自身をゆっくりと蜜口に挿入する。

最初抵抗を見せたかのように思ったが、先端が入ると彼女の膣壁が収縮し、引き込まれそうになる。

「は……あ……ああ」

痛みに顔をしかめながらも、一気に貫くと、彼女は恍惚の表情を浮かべた。

根本まで飲み込むと、彼女がぎゅっと抱きついてきた。

「ジーン……様」

これ以上ないほどに蕩けた声で囁かれ、彼女の中の自分が更に膨れ上がった。

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

腹黒王子は、食べ頃を待っている

月密
恋愛
侯爵令嬢のアリシア・ヴェルネがまだ五歳の時、自国の王太子であるリーンハルトと出会った。そしてその僅か一秒後ーー彼から跪かれ結婚を申し込まれる。幼いアリシアは思わず頷いてしまい、それから十三年間彼からの溺愛ならぬ執愛が止まらない。「ハンカチを拾って頂いただけなんです!」それなのに浮気だと言われてしまいーー「悪い子にはお仕置きをしないとね」また今日も彼から淫らなお仕置きをされてーー……。

今夜は帰さない~憧れの騎士団長と濃厚な一夜を

澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ラウニは騎士団で働く事務官である。 そんな彼女が仕事で第五騎士団団長であるオリベルの執務室を訪ねると、彼の姿はなかった。 だが隣の部屋からは、彼が苦しそうに呻いている声が聞こえてきた。 そんな彼を助けようと隣室へと続く扉を開けたラウニが目にしたのは――。

【完結】冷酷眼鏡とウワサされる副騎士団長様が、一直線に溺愛してきますっ!

楠結衣
恋愛
触ると人の心の声が聞こえてしまう聖女リリアンは、冷酷と噂の副騎士団長のアルバート様に触ってしまう。 (リリアン嬢、かわいい……。耳も小さくて、かわいい。リリアン嬢の耳、舐めたら甘そうだな……いや寧ろ齧りたい……) 遠くで見かけるだけだったアルバート様の思わぬ声にリリアンは激しく動揺してしまう。きっと聞き間違えだったと結論付けた筈が、聖女の試験で必須な魔物についてアルバート様から勉強を教わることに──! (かわいい、好きです、愛してます) (誰にも見せたくない。執務室から出さなくてもいいですよね?) 二人きりの勉強会。アルバート様に触らないように気をつけているのに、リリアンのうっかりで毎回触れられてしまう。甘すぎる声にリリアンのドキドキが止まらない! ところが、ある日、リリアンはアルバート様の声にうっかり反応してしまう。 (まさか。もしかして、心の声が聞こえている?) リリアンの秘密を知ったアルバート様はどうなる? 二人の恋の結末はどうなっちゃうの?! 心の声が聞こえる聖女リリアンと変態あまあまな声がダダ漏れなアルバート様の、甘すぎるハッピーエンドラブストーリー。 ✳︎表紙イラストは、さらさらしるな。様の作品です。 ✳︎小説家になろうにも投稿しています♪

悪役令嬢は王太子の妻~毎日溺愛と狂愛の狭間で~

一ノ瀬 彩音
恋愛
悪役令嬢は王太子の妻になると毎日溺愛と狂愛を捧げられ、 快楽漬けの日々を過ごすことになる! そしてその快感が忘れられなくなった彼女は自ら夫を求めるようになり……!? ※この物語はフィクションです。 R18作品ですので性描写など苦手なお方や未成年のお方はご遠慮下さい。

【R-18】逃げた転生ヒロインは辺境伯に溺愛される

吉川一巳
恋愛
気が付いたら男性向けエロゲ『王宮淫虐物語~鬼畜王子の後宮ハーレム~』のヒロインに転生していた。このままでは山賊に輪姦された後に、主人公のハーレム皇太子の寵姫にされてしまう。自分に散々な未来が待っていることを知った男爵令嬢レスリーは、どうにかシナリオから逃げ出すことに成功する。しかし、逃げ出した先で次期辺境伯のお兄さんに捕まってしまい……、というお話。ヒーローは白い結婚ですがお話の中で一度別の女性と結婚しますのでご注意下さい。

騎士団長との淫らな秘めごと~箱入り王女は性的に目覚めてしまった~

二階堂まや
恋愛
リクスハーゲン王国の第三王女ルイーセは過保護な姉二人に囲まれて育った所謂''箱入り王女''であった。彼女は王立騎士団長のウェンデと結婚するが、獅子のように逞しく威風堂々とした風貌の彼とどう接したら良いか分からず、遠慮のある関係が続いていた。 そんなある日ルイーセはいつものように森に散歩に行くと、ウェンデが放尿している姿を偶然目撃してしまう。何故だかルイーセはその光景が忘れられず、それは彼女にとって性の目覚めのきっかけとなるのだった。さあ、官能的で楽しい夫婦生活の始まり始まり。 +性的に目覚めたヒロインを器の大きい旦那様(騎士団長)が受け入れて溺愛らぶえっちに至るというエロに振り切った作品なので、気軽にお楽しみいただければと思います。 +R18シーン有り→章名♡マーク +関連作 「親友の断罪回避に奔走したら断罪されました~悪女の友人は旦那様の溺愛ルートに入ったようで~」

【完結】お義父様と義弟の溺愛が凄すぎる件

百合蝶
恋愛
お母様の再婚でロバーニ・サクチュアリ伯爵の義娘になったアリサ(8歳)。 そこには2歳年下のアレク(6歳)がいた。 いつもツンツンしていて、愛想が悪いが(実話・・・アリサをーーー。) それに引き替え、ロバーニ義父様はとても、いや異常にアリサに構いたがる! いいんだけど触りすぎ。 お母様も呆れからの憎しみも・・・ 溺愛義父様とツンツンアレクに愛されるアリサ。 デビュタントからアリサを気になる、アイザック殿下が現れーーーーー。 アリサはの気持ちは・・・。

一宿一飯の恩義で竜伯爵様に抱かれたら、なぜか監禁されちゃいました!

当麻月菜
恋愛
宮坂 朱音(みやさか あかね)は、電車に跳ねられる寸前に異世界転移した。そして異世界人を保護する役目を担う竜伯爵の元でお世話になることになった。 しかしある日の晩、竜伯爵当主であり、朱音の保護者であり、ひそかに恋心を抱いているデュアロスが瀕死の状態で屋敷に戻ってきた。 彼は強い媚薬を盛られて苦しんでいたのだ。 このまま一晩ナニをしなければ、死んでしまうと知って、朱音は一宿一飯の恩義と、淡い恋心からデュアロスにその身を捧げた。 しかしそこから、なぜだかわからないけれど監禁生活が始まってしまい……。 好きだからこそ身を捧げた異世界女性と、強い覚悟を持って異世界女性を抱いた男が異世界婚をするまでの、しょーもないアレコレですれ違う二人の恋のおはなし。 ※いつもコメントありがとうございます!現在、返信が遅れて申し訳ありません(o*。_。)oペコッ 甘口も辛口もどれもありがたく読ませていただいてます(*´ω`*) ※他のサイトにも重複投稿しています。

処理中です...