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第十一章
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渡された手紙を読み終えて、私は彼の顔を見た。
「これは………本当…なのですか?彼女の妄想では?」
「その可能性もあった」
彼はあったと過去形で言った。
「確証があるのですね」
私が言葉尻を押さえて訊ね返したので、彼は片眉を上げた。
「その手紙に書かれている人物が実は街にいる。ここ何日か彼に接触していたんだ。近づいて色々と聞き出そうとしてね」
彼が言う人物とは、クリスティアーヌの父が亡くなった時に同行していた御者だった。彼の事故についてはこの前ルイスレーンから聞いていた。その事故事態が仕組まれていたものだと、彼女の手紙には書いてあった。その御者を街で見かけたと、かつての使用人が言ってきた。その御者は自分が具合が悪くならなかったら旦那様は助かったかもしれないと、事故の後責任を感じて子爵家を辞めていて、本当に何年ぶりかの再会だったらしい。
お酒が好きでいつも飲んでばかりいたその男は、昔を懐かしむ昔の同僚に、酒に酔った勢いで、自分の腹痛は仮病だったと漏らしたというのだ。
「まさか、事故は叔父が?あ……」
そこで思い出したことをルイスレーンに話した。父が叔父に会いに行った理由……縁を切ると意を決して会いに行ったことを。
「母もきっとそのことを覚えていておかしいと思ったのかもしれません」
「クリスティアーヌの父のこと、そして母上のこと。私はその話を聞いて母上の死についても調べる必要があると思う。母上は病気で先が短いと覚悟をされていたからこそ、後に遺されるクリスティアーヌのためにできることをされたのだろう」
陛下への手紙には、疑惑についてもし可能であれば調べて欲しいと書いてあった。もちろん貴族の継承に関わることなので国としてもきちんと取り締まる必要がある。だが、確たる証拠もなく動けないのもまた道理。それゆえに、彼女は自ら動いたとも考えられる。
「この件について、陛下から調査を委任されている。私に任せて貰えるなら、母上のことについても調べてみよう」
このところ帰りが遅かったのは、そんなことがあったからなのかと驚いた。
「陛下から命令されただけではない。このままうまむやにしては、ご両親も浮かばれないだろう」
「私に何かできることは?私……クリスティアーヌの問題でもあります。ルイスレーンばかりに負担をかけては申し訳ありません」
「そう思ってくれるのは嬉しいが、今回は気持ちだけいただいておこう。クリスティアーヌ…アイリの身に危険があってはと考えると下手に動けない」
「でも……」
「そんなに気になるなら、別の方法で私に報いてくれると嬉しい」
「別の?私にできることなら何でもします」
何もできないことを申し訳なく思い、代わりに私ができることがあると聞かされ、喜んで向き直った。
「何でもと言ったね」
一段低くなった彼の声と、獲物を捕えるような瞳を見て、話が私の思っていたものと違うことを察した。
「あの……ルイスレーン……その、私が何でもと言ったのは……」
「あなたの……クリスティアーヌのためにだけではなく、私がこの先も安心してあなたと過ごすためにすることだ。負担に思う必要はない」
腰を抱えられもう一度寝台に寝かされ、頭の横に彼が片手を突く。もう片方がするりと夜着の隙間から素肌を登っていき、思わずぞくりとした。
「だが、どうしてもと言うなら、こうやって私を癒してくれると嬉しい」
下から這い上がった大きくてごつごつとした手が乳房を掴んだ。
そのままゆっくりと揉みながら親指と人差し指で中心がつまみ上げられ、びくりと震えた。
「ル……ルイスレーン……」
彼が体を寄せて下腹部の硬くなったものを足の間に擦り付け、彼の準備が整ったことを示すと、私も反応してじわりと内から潤っていく。
「本当に…いいの?」
手を伸ばしガウンの隙間から彼の肌を撫でる。硬い筋肉に覆われた逞しい体。鍛え上げた男性の体ってこんなにもぞくぞくするもの?それとも彼だからかしら。
半身を起こして脇から腕を入れて彼の肩に後ろから手をまわして抱きついた。
「これは………本当…なのですか?彼女の妄想では?」
「その可能性もあった」
彼はあったと過去形で言った。
「確証があるのですね」
私が言葉尻を押さえて訊ね返したので、彼は片眉を上げた。
「その手紙に書かれている人物が実は街にいる。ここ何日か彼に接触していたんだ。近づいて色々と聞き出そうとしてね」
彼が言う人物とは、クリスティアーヌの父が亡くなった時に同行していた御者だった。彼の事故についてはこの前ルイスレーンから聞いていた。その事故事態が仕組まれていたものだと、彼女の手紙には書いてあった。その御者を街で見かけたと、かつての使用人が言ってきた。その御者は自分が具合が悪くならなかったら旦那様は助かったかもしれないと、事故の後責任を感じて子爵家を辞めていて、本当に何年ぶりかの再会だったらしい。
お酒が好きでいつも飲んでばかりいたその男は、昔を懐かしむ昔の同僚に、酒に酔った勢いで、自分の腹痛は仮病だったと漏らしたというのだ。
「まさか、事故は叔父が?あ……」
そこで思い出したことをルイスレーンに話した。父が叔父に会いに行った理由……縁を切ると意を決して会いに行ったことを。
「母もきっとそのことを覚えていておかしいと思ったのかもしれません」
「クリスティアーヌの父のこと、そして母上のこと。私はその話を聞いて母上の死についても調べる必要があると思う。母上は病気で先が短いと覚悟をされていたからこそ、後に遺されるクリスティアーヌのためにできることをされたのだろう」
陛下への手紙には、疑惑についてもし可能であれば調べて欲しいと書いてあった。もちろん貴族の継承に関わることなので国としてもきちんと取り締まる必要がある。だが、確たる証拠もなく動けないのもまた道理。それゆえに、彼女は自ら動いたとも考えられる。
「この件について、陛下から調査を委任されている。私に任せて貰えるなら、母上のことについても調べてみよう」
このところ帰りが遅かったのは、そんなことがあったからなのかと驚いた。
「陛下から命令されただけではない。このままうまむやにしては、ご両親も浮かばれないだろう」
「私に何かできることは?私……クリスティアーヌの問題でもあります。ルイスレーンばかりに負担をかけては申し訳ありません」
「そう思ってくれるのは嬉しいが、今回は気持ちだけいただいておこう。クリスティアーヌ…アイリの身に危険があってはと考えると下手に動けない」
「でも……」
「そんなに気になるなら、別の方法で私に報いてくれると嬉しい」
「別の?私にできることなら何でもします」
何もできないことを申し訳なく思い、代わりに私ができることがあると聞かされ、喜んで向き直った。
「何でもと言ったね」
一段低くなった彼の声と、獲物を捕えるような瞳を見て、話が私の思っていたものと違うことを察した。
「あの……ルイスレーン……その、私が何でもと言ったのは……」
「あなたの……クリスティアーヌのためにだけではなく、私がこの先も安心してあなたと過ごすためにすることだ。負担に思う必要はない」
腰を抱えられもう一度寝台に寝かされ、頭の横に彼が片手を突く。もう片方がするりと夜着の隙間から素肌を登っていき、思わずぞくりとした。
「だが、どうしてもと言うなら、こうやって私を癒してくれると嬉しい」
下から這い上がった大きくてごつごつとした手が乳房を掴んだ。
そのままゆっくりと揉みながら親指と人差し指で中心がつまみ上げられ、びくりと震えた。
「ル……ルイスレーン……」
彼が体を寄せて下腹部の硬くなったものを足の間に擦り付け、彼の準備が整ったことを示すと、私も反応してじわりと内から潤っていく。
「本当に…いいの?」
手を伸ばしガウンの隙間から彼の肌を撫でる。硬い筋肉に覆われた逞しい体。鍛え上げた男性の体ってこんなにもぞくぞくするもの?それとも彼だからかしら。
半身を起こして脇から腕を入れて彼の肩に後ろから手をまわして抱きついた。
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