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第十章

3【*】

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「甘いな……どこもかしこも……この甘さはくせになる」

目を見つめたまま彼がそう言い、さっきまで口を付けていた部分に指を一本差し込む。

「あ……ん……」

内側をなぞるように長い指が蠢き、再び乳首を口に含まれきゅんと中が痙攣する。
やがて指が二本、三本と追加されていき、何度も出し入れされることでぐちゅぐちゅと水音が激しくなり、圧迫感ととも親指で下の蕾をぐっと押されたことで、目がチカチカとしてまたもや奥から流れ出てくる。

「ん……あ……」

ピクピクとして軽く達したのが彼にも伝わったのか、彼の指が引き抜かれた。

「大丈夫か?」

もう指だけでは満足できなくなり、彼の問いにこくこくと頷いた。

羽織っていた黒いガウンの紐を解いて合わせが開かれると、彼の屹立した下半身が見えた。
やっぱり下着を履いていなかった。そう思っていると彼が先走りが僅かに出たそれを持ち上げ、濡れそぼった入り口に当てた。
あの人の時は良く見ることもなかったので、大きさを比べることはできないが、かえってそれで良かったのだと思う。目の前にいるのは彼ではない。
今初めて体を合わせる人に全神経を注ぐ。

「ゆっくりいく。止めて欲しかったら言ってくれ」

寡黙な彼らしく、あまり多くは語らなかったが、それでも私の体を気遣い、宣言したとおりゆっくりと分け行ってくる。

入り口を解したとは言え、まだ奥は狭く膣道いっぱいになって彼が進む。締め付けようとする私と押し広げようとする彼のものがぴたりと一分の隙もなく包み込む。

「熱い……」

彼が呟く。彼のものも私の中でどくどくと脈打っているのがわかる。途中、その侵入を阻むように処女膜が押し返すと、そこで彼は一旦動きを止めた。

優しく頭を撫で唇を寄せてくる。

「痛ければ、遠慮なく叫べ。あなたが痛いと思うだけ私に爪を立てても噛んでもいい。あなただけが痛みに耐える必要はない。私にもその痛みを伝えてくれ」

私が頷くのを見て微笑むと、彼が一気に奥まで貫いた。

「◇☆#*※★」

声にならない悲鳴が洩れ、思わず彼の肩に噛みついた。

「ぐうっ」

噛まれた痛みと奥まで貫いた快感で彼も圧し殺した声を絞り出す。

「全部…入った」

顎の力を緩めて歯形の付いた彼の肩を眺めながら、耳元で彼の声を聞いてジンとする痛みの余韻が遠ざかるのを待つ。

破瓜の痛みってこんなに痛かっただろうか。みっちりと自分の中いっぱいに彼を感じながら、今彼とひとつになった感動が押し寄せてくる。

「いけるか?」

そっと気遣い訊ねてくる声にゆっくりと頷くと、更に奥へと押し込んで次に中ほどまで引き抜き、また奥へとゆっくりと律動が始まった。

抜けそうになる瞬間、無意識に彼を捉えようと膣道が収縮し、奥を突かれる度に喘ぎ声が洩れる。

指を絡ませた手を頭の上で寝台に押し付けられ、繰り返すリズムで乳房が揺れ動く。それを彼の口が捉えて交互に吸い上げられると、何度も小さく達する。

結合している部分から彼が手を差し込み秘芽を弄ぶと、中と外、胸の三ヶ所を攻められて最初の波が押し寄せた。

それを悟った彼がぴたりと動きを止めて私の頬に手を添えて覗き込む。これまで見たことがないほど深い緑と赤みの増したレッドオレンジに私の影が写り込んでいる。

「まだだ……」

言われなくても自分の中のまだ大きく固い彼を感じているのでわかる。

「もう一度、今度は一緒に行こう」

再び腰を動かし始める。何度もって溢れる愛液で滑りが良くなった私の中を角度を変えて気持ちいいところを探りながら擦りあげると、その度に私の様子を見ながら同じところを何度も突く。

耳に彼の息づかいと自分の喘ぎ声、結合部分からのぐちゅぐちゅとした水音が部屋に響き渡る。

上にいる彼から汗が飛び散り、自分の額にも汗が浮き出て髪が額に張り付く。

汗ばんだ上半身が密着し、敏感になった乳首が彼の固い胸に触れて激しくなる動きによって何度も擦れあう刺激が膣の奥、子宮の入り口に突き当たる彼の先端の刺激と相まって頭の芯が痺れるような感覚に襲われる。

「アイリ……いくぞ」

次第に高まる興奮に再び大きな絶頂がやってくる気配を感じたとき、掠れた声で荒い息の下から絞り出す。

「ルイス……レン……もう……もう」

彼がぐっと腰を引いて抜けそうになったところを勢いよく突き出し、最奥を穿った瞬間、経験したこのない絶頂が襲い、間髪を入れずに彼の体がぶるりと震え彼から熱いものが中に吐き出されるのがわかった。それを更に搾り取るように膣壁が痙攣する。

ぐいぐいと収縮しながら彼を締め付け、やがて彼が両脇に肩肘を突き肩の横に顔を埋めてきて、ずるりと私の中から引き抜いた。どろりと体の中から彼のものが引き抜かれるのと合わせて何かが溢れる。
すぐ横に横たわった彼が荒い息の中からため息を吐いて、私を腕の中に引き寄せ頭に唇を寄せた。
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