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第246話 ダンジョンの方が今は平和なり

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「いやぁ~笑った。流石ノエルだぜ」

「普段の兄貴とのギャップがありすぎて、ずるいっすよあれは」

「そうね、あれは・・・うふふふ」

僕がドロップ品をもって戻ると、アル達はいまだに笑いの余韻に浸っている。

僕の手には肉が葉っぱに包まれた物と魔石が1つ。固定ドロップではなく、ランダムで色々と落ちるようだ。

これだけでだと銅貨1枚にはなら無さそうで、外での狩りかダンジョンでの狩りかどちらも甲乙つけがたくなる。

「あれ結構難しいんですからね、それにやってみたら楽しいんですから」

「やっぱ恥ずかしくはねーのかよ」

「はい、気分的には達成感を味わっていて高揚してます」

「おいっ、真面目な顔してまた笑わすな。あの時のラビットハンターの時の顔してるぞアッハッハッハ」

「ヒー、ヒーお腹がよじれるっす」

本当の事なのに。



一通りアル達の笑いが収まるのを待つと後は適当に魔物を見つけ狩りをするという。

「僕スライムを見たいのですが、どこにいるんですか?」

「お前スライム見たことないのか?」

「はい、出会った事ないですよ」

RPGの定番中の定番、まだ僕はそいつに出会っていなかった。願わくばぷにぷにで目と口が付いていてくれと願う。

「スライムは南側の水辺や洞窟などの湿った所にいるわ、ちょっとここら辺じゃ見つけれないわね」

「う~ん、残念です」

「特に目的もないし、ここから南に下って行けば1匹はいるんじゃね?」

「そうね、そうしましょうか」

「あっ次ホーンラビットでたら私に狩らせてほしいっす!」

「いいぜ、しっかり働けFランク」

「ムキー!すぐに追い抜くっすから!」



特段目的もない散歩のようなダンジョン探索は緩く進む。

「サーヤさん、コアはどこにあるんですか?」

「私も詳しくは知らないのよ、東側にあるというだけで壊されたくないからかそれも秘密なのかもしれないわね」

「なるほど、興味本位で覗きにいく輩もいそうですもんね」

「お前みたいなやつだろ」

「兄貴、コアは壊さないでくれっす。なんちて」

「そりゃ見たいですけど・・・」

「暇だからって探そうとするなよ」

「そうよ、無意味に疑われるような事は止めといた方がいいわよ」

「みんな私の言葉聞いてたっすか?コアをこあさないでってうまい事いったっすよ」

「分かりましたよ、でも一人ぶらついて見つかったら仕方ないですよね」

どんな物か見るぐらいならいいじゃないかと思うが、アル達に釘を刺されてしまった。



「おっあのホーンラビット何か角が長くないか?」

アルが指さす方角、ホーンラビットは基本角は15~20cmなのに対して遠目からでも、明らかに長いのが分かるのは通常の倍ぐらいの長さがあるからだ。

「そうっすね、ちょっとした亜種っすかね?」

「そうね、見た目のままロングホーンラビットよ。あまり見かけない個体よ」

「やった、じゃあやってやるっすよ!」

やる気のホルンが腕をブンブン回し、肩をならしながら前に出ていく。

「いやまてホルン、ノエル頼むぜ」

「僕?まぁいいですが」

「えっ私でも大丈夫っすよ、わざわざ兄貴が行く必要はないっすよ」

「いいから、ここはノエルに任せてようぜ。こっちこいよ」

あぁ~、アルはレアな魔物なら僕が倒せば何かいいものが落ちるとでも思っているのか。

詳しくは言わないのは、ポーカーなどを控えている為のアルの浅ましさが見え透いていた。

ホルンもこっちにこいと言われて、嬉しそうに尻尾を振る様に行ってしまう。

「私が倒そうかしら?もしかしたらいいアイテム落ちるかもしれないし」

「サーヤ、やめとけ。ほんとここはノエルに任せた方がいいって」

「私は運がいいのよ?ここでいいアイテム落ちてもみんなで分けるから安心して」

そう微笑んだサーヤさんは杖を構えた。

アルもこうなってはとめる事は出来ないと踏んで、右手で目と額を抑えあーあと後悔だけを残した表情をした。

長い角をこちらに向けて、走ってくるホーンラビット。見た目のわりにホーンラビットは攻撃的な性格だ。ただロングホーンラビットは長すぎる角がかえってバランスを悪くし、通常のホーンラビットよりも足が遅かった。

「ウィンドスラッシュ!」

ただ角が長いだけだったロングホーンラビットは、初級魔法の前では簡単に消滅した。

サーヤさんがホーンラビットが消滅した場所を確認しに行く。

「何がおちたっすかね」

「どうでしょう」

「・・・」

僕とアルはサーヤさんが運が悪いというのは知っている。期待なんてしていないのだ。

トボトボと杖だけを持って戻ってくるサーヤさんの様子にやっぱりなという感想だ。

「何も落ちなかったわ」

「そうか、残念だったな」

「ほらー、やっぱり私が狩っておけば良かったっすよ。姉貴、運が悪いんじゃないっすか?」

ホルン、結構サーヤさんにぐいぐいと行くな。

「そんな事ないわよ、たまたまよ。次はみておきなさい」

「次はないっすよ、そんなにチャンスは巡ってこないっす。次は私の番」

そんな言い合いをしている女性二人を置いて、アルは僕にこっそりと耳打ちをする。

「強引でもいいから、次はブリンクとレイで一瞬で倒せよ」

「えー、別にお金に困ってないので二人にやらせてあげばればいいじゃないですか」

「金はいくらっても困らねーんだよ」

「ふ~ん・・・サーヤさーん、ホルーン。アルは二人を全く信用せずに、僕に倒せといってますよー」

「は?お前、なに裏切ってんだよ!」

僕が2人に大声で呼びかけると、言い合いの勢いそのままにこちらに向かってくると

「アル君!私を信用するっす」

「アルフレッド!一回のドロップで判断するのは早計よ!私への信頼はその程度だったの!」

「えっいやそんな訳じゃないが・・・」

「アル君!」

「アルフレッド!」

女性二人の圧にアルでさえもタジタジになっている。

アルが詰められている姿は見ていて楽しい。僕はいいドロップよりもいい物が見れたと大満足だ。



ゆったりと散歩気分で歩くのんびりとした時間だが、見晴らしのいい場所にたどり着く。

平原の中に朽ちた遺跡の残骸。神殿があったかのような佇まいに四方の壁は取り払われ、天井も残っていない。

残されているのは支柱と2階部分の床が所々掛けてはいるが、残された足場はしっかりとしているようなオブジェクトのような物。

「これはなんだ?」

「そうね~、この建物自体に意味はないのだけれど、たまに宝箱が落ちている事があるわ」

「へー、いいじゃねーか」

「それよりそろそろお昼にしませんか。上に登ればホーンラビットも来ないでしょうし」

「いいっすね、お腹ぺこぺこっす」

「ここを登るの?危なくないかしら?」

「どんくさーやさんでも大丈夫だと思いますが」

「ちょっと!それにどんくさサーヤよ!混ざってるわ」

「なんすかどんくさーやって!?」

「登ってゆっくりしたら教えてあげますよ」

アルはサーヤさんがいじられている様子を気まずそうに見ていた。いじっていいのか悩んでいる様子。

「アルフレッドはそんな事思ってないわよね」

「あぁ当たり前だろ」

目が思いっきり泳いでいるが詰まらずに言えたのは偉いと思う。

「じゃあ僕先に行って足場がしっかりしているのか確認してくるので」

「お、おれも行くか?」

サーヤさんの弁護もそろそろぼろが出そうな様子で逃げようと僕について行こうとするが、

「ふふ、僕一人で大丈夫ですよ」

僕はその思惑を手に取る様に分かり、お断りをいれる。

「本当にそう思ってるのかしら?ねえ」

「あっあぁ本当だって」

「姉貴も完璧なお人じゃなくて親近感わいたっす」

ブリンク

まだ下でホルンが煽るもんだから、一層サーヤさんがアルに弁明を求めている。

僕は一人、崩れた2階部分を歩き出す。

「うんうん、やっぱり崩れかけたオブジェなのかな?ボロボロに見えてもくろくはないな」

トントンと足で床が崩れるのか確認するが、崩れる様子はない。欠片一つもだ。

ある程度調べ終わるが、この遺跡は2階建てではなく3階建てだった様子の残骸が一カ所だけ残されている。

支柱1本の上に屋根ではない足場があるのを見つけるが、2m×2mほどの場所に一部が崩れかけた場所。

その足場にチラリと見える赤色の物体。僕はすぐにピンときた宝箱なのだと。

すぐさまブリンクすると、3階部分の小さな足場へ。

「へへーん、大正解」

目の前には赤い色の少しの装飾のある宝箱を発見

ミミックという存在がいるのを知っているので、一応フリーズタッチで少し氷つかすが反応はない。

「ミミックではなさそう、後は鍵と罠があるかないかだな」

宝箱の後ろに回り、勢いよく開ける・・・

ブリンク

どうだ!?

鍵は掛かっていなかった為、開けたと同時にブリンクで一度下まで降りたが特に毒煙だとか矢とかが飛び出たわけではない。

何とも無さそう?まぁ用心に越したことはないからね

安全を確認しもう一度ブリンクで3階にあがり、宝箱の様子をみるが何とも無さそうだ。

「ふー・・・シスレーがいないだけで宝箱を開けるにも一苦労だ。一つの宝箱にMPどんだけ使ってるんだろ」

そんな小言をいいつつも、宝箱の中身を確認。

あけ放った宝箱の中には偶像のようなトロフィーに人形が付いたものが一つ。

「・・・なんだこれ?」

偶像を手に取ると宝箱は、魔物が消滅するように消えて行った。

「消えた・・・とうよりも、これ何だろう?まさかアーティファクトではないよね?」

人型の偶像が付いたトロフィー。剣と盾を持ち、鎧に兜と戦士の見た目をしている。作りは石?石膏のような白っぽさがある。

ブリンク

「お待たせしました」

「おせーって、ん?何持ってんだ?」

「上に宝箱があって入ってました」

「宝箱やっぱあるのかよ!?お前そういうのは一緒にだろ普通」

「シスレーもいないし、罠があっては困るでしょう」

「んなのホルンが出来るだろ?一応斥候なんだろあいつも」

「あっ・・・私そういうのはちょっと・・・できねっす」

「お前なにもできねーな・・なぁサーヤこれ何か知ってるか?」

「何もとはなんすか!?このー」

ポカポカポカバキポカポカポカ

ホルンがアルに失礼な事を言われ、可愛らしく叩いているが一瞬鳴ってはいけない音が聞こえた気がしたが、それよりもサーヤさんの方を向く。

「・・・よくここで採れる置物よ。魔物もドロップするわよそれ」

まだ少しムスっしたサーヤさんだが、答えてくれた。

「置物ですか?何か効果とか使い道とかはあります?」

「ないんじゃないかしら?みんなゴミ扱いしている物だから」

「ゴミですか」

「好きな人は集めている人もいるから、持って帰ってもいいと思うわよ」

いわゆる無意味な収集物か。まぁイベントリに入れていたら邪魔にならないしいいか。そんな気持ちでイベントリへ収納。

無駄な労力だったが、これもこのダンジョンがあまり大した事がないという事が分かる出来事だった。

「ノ、ノエル・・・回復・・・」

「はいはい、ファーストエイド」

ただし大した事はないからと言って怪我がないとは限らない様だ。アルはホルンにじゃれているようでしっかりと仕返しをされていた。
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