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第218話 手にしたものと、失ったもの

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「クリスさん・・・ごふっアルは・・・」

「大丈夫!クラリア君が回復しているよ。生きているから安心してくれ」

僕らを助けたのはクリス達だった。

「兄貴!無事っすか!」

そしてホルンが僕の身を案じ視界に飛び込んでくる。

「ホルンさん・・・」

「クラリア君!ノエル君もかなりダメージを負ってる早く!」

クリスがクラリアを呼び、僕へと駆け付けるとすぐに回復の呪文を唱えた

「ヒール」

胸の痛みがすっと消え、ダスタンと戦った時の怪我も癒えていく。

「・・・ありがとうございますクラリアさん。」

「いえ、無事でなによりです」

今度こそ助かった・・・

「・・・あっアルは!」

僕はガバっと起き上がると、座ったままサーヤさんに抱き着かれそのまま背中をさすっているアルの姿があった

「アル・・・恥ずかしくないんですか、この状況でイチャイチャして」

「いや、お前・・・感動の再会に水さすなよ」

人が心配しているのにと思ったが、まぁ感動の再会か・・・

周りを見渡すと、いるのはクラリアとホルンとクリス、それとグリーンウッドさんに隣にはもう一人エルフの女性が立っている。

冒険者は全員地面に、倒れ首が落ちている人もいるようだ。

周囲を確認しおわると、グリーンウッドが声をかけてきた

「ノエル君、こっちがディアナだ。俺の妹なんだよ」

「あっそうなんですね、初めましてノエルです」

「初めましてディアナです。クリスや兄から助けていただいたと・・・心から感謝しています」

妹・・・グリーンウッドが必死に探す理由も分かるきがする。

「なんでグリーンウッドさんの妹なのにベクトル石はクリスさんが?」

僕が質問すると、クリスさんは少し照れた様子で

「ディアナは僕の彼女なんだ」

「えっ彼女?」

キョトンとしたが、クリスは当たり前だろという事のように続ける

「そうさ、命を懸けてまで探しにいくのは愛の為以外にないだろ?」

「えっえぇ・・・まぁ・・・ふ~ん」

正直、驚きはしたがどうでもいい情報だった。いや・・・まぁアルと同じ理由だけど・・・なんかクリスが言うと薄っぺらく聞こえるな。

それにそんな事を言うクリスにディアナは顔を赤くしている。あっちいけ

「兄貴がこんなにボロボロになるなんて、信じれないっすね」

「そうね・・・ノエルさんも人だったのね・・・」

「・・・お二人は何言ってるんですか、僕は出会った時から人じゃないですか」

怪我も治り落ち着いた僕へ、クラリアとホルンはそういうが

「もう歩けるのかい?ここを離れたほうがいいんじゃないのかい?」

「えっあぁそうですね、とりあえず移動しましょうか・・・。そこのバカップル移動しますよ」

今だ抱き合う2人の周りには、点描がとんでいそうだが先を促す

「・・・サーヤ行こうぜ」

「そうね・・・」

オリハルコンの剣と、追ってきた冒険者をイベントリへと仕舞い、僕らは戦地から離れて行った。もう追手はこりごりな為証拠は残さないようにしておく。

「ノエル君、アルフレッドと一緒に助けにきてくれてありがとう」

「いえ、いいんですよ・・・アルの頼みだったので」

「そう、ありがとう」

「俺からも・・・ノエルありがとう」

「アルはこれから帰るまで、サーヤさんちイチャイチャしないでくれるのが一番のお礼ですよ」

「・・・わかったっつーの」

サーヤさんに頭を下げられるが、言わなければいけない事はあった。

「サーヤさん・・・ガナートさんは・・・救えませんでした。ごめんなさい」

「ノエル、お前じゃない。俺だ、俺が助けれなかった・・・サーヤ申し訳ない」

「いいのよ・・・二人とも。あなた達のせいじゃないわ・・・」

サーヤさんとの会話は少なく終わり、アルと列の後ろの方へと行った。細かな説明はアルに任せ、次にクリスさん達がなぜあの場所にいたのか聞くことに

「クリスさん、改めて助けていただいてありがとうございます。正直・・・オーティマスであなたたちを置き去りにしたようなもんなのに」

「いや助けてもらったのは僕達だ。イクサスって人から聞いたよ、僕らを解放してくれたのは君のおかげだってね」

「えっそうなんですか?」

「そうさ。君のお願いだから解放するってね。簡潔に説明もなしに外に放り出されたよ。で、ここの街道を歩いて行けば2日後ぐらいにあえるんじゃないかって言われたけど・・・本当にその通りでビックリしてるんだけどね」

「・・・そうですか」

「だからね、僕らも君にお礼が言いたかったんだ。ありがとう」

クリスがそういうと、続いてグリーンウッド、ディアナ、ホルン、クラリアもお礼を述べた。

「い、いえいえ・・・」

イクサスは何を読んで・・・僕とここで出会えると思ったんだ・・・また疑わしく思えた

「ノエル君達ももう王国に戻るつもりかい?」

「ですね・・・もとから戦争には興味ありませんし、サーヤさんを助けた今、この地にいる意味がありません」

とはいった物の、正直ぼくは王国の冒険者に2度も襲われた。いまじゃ王国がそこまで好きとは言えない気持ちだ

「それなら・・・僕らも一緒に帰ってもいいかな?」

「・・・この状況で断り辛いこと言いますね」

「いや・・・まぁ・・・頼むよ。僕は元からこっちにきてはいけなわけだし、クラリア君やホルン君もそうだからね」

「そうですね・・・クリスさんには大きな大きな貸しが何個もあるにしても、助けて貰ったのも事実・・・アルと後で話をしますよ。僕らもこの後どうやってサーヤさんを救ったか口裏を合わす必要があるので」

結局最後の最後まで子守りか・・・と思わないでもないが、やはり命の恩人というのは大きく、ないがしろには出来なかった。

僕らはそのままだだっ広い平原を通り、ルークサールの黒の門に続く谷まで歩き続けた。

正面から帰れるのは僕とアルとグリーンウッドさんだけ、だがそれにしても僕らも少し日にちは立ちすぎている。他の人はブリンクでこっそりと連れて行かなければならないので、話し合いをするために一度谷の上へと移動することになった。

谷の上までくるが、まだここは僕が潰した崖の隠し通路付近よりスードリカ平原よりのようだ。

傷は癒えたが、流石に僕とアルは疲れが出ている為に身を隠せる場所についたことにより一度休憩となった。

「私高いところ苦手になったっす・・・」

「ホルン婆はもう斥候として生きていけねーな」

「ホルン婆?」

アルの呼び名にサーヤさんが反応する。

「また婆っていったっす!叩くっすよアル君!」

「やれるもんならやってみろよ」

ムキーっといった感じで、ホルンはアルへとジャンプしてポンっと叩く

「へへーん、一本っす」

「・・・上等じゃねーか」

ホルンの行動はアルを挑発させたように、追い掛け回そうとしていた。

「ん・・・?」

その行動に、スキンシップぐらいなら死霊術の制限いない?・・・と思った。

だが僕は、イクサスの顔が頭に浮かんできていた。

まさか・・・?

「クリスさん、今ホルンさんに動くなって制限できます?」

「え?動くな・・・は制限外だから無理だね。前にも言ったけどそれは命令術のほうだね」

「う~ん、じゃあ制限内で何かできることあります?」

「どうしてだい?」

「う~ん・・・今もまだ制限術にホルンさんやクラリアさんは掛かっているのかと思い」

「え?僕が解かない限りは解けないはずだけど・・・クラリア君いいかい」

離れて座っているクラリアさんを呼ぶと

「はい、なんでしょうか」

「う~ん、制限が掛かっているか確かめればいいんだよね?」

「はい、そうですよ」

そうか・・・と少し考えた後にクリスは

「クラリア君、体重はいくつだい?」

「えっ・・・そんな事いえません!」

「え?」

答えが返ってこない事に驚きを隠せない様子のクリス。

やっぱり・・・イクサスさん、死霊術の上書きかなんかしているなこれ・・・

そして僕はおおかたの予想はついていたので驚きはしない・・・だが、ホルンとクラリアは危険はないのか・・・?

僕は左手をクラリアに向けた

「どういうことだ・・・え?ノエル君どうしたんだい」

「ノ、ノエルさん・・・怖いです」

「今、クラリアさんとホルンさんにはもうクリスさんの制限術は掛かっていません」

僕は左手を下げないまま、淡々と話していく

「うそ・・・」

「えっなぜだい!?僕が解除しない限りは・・・解けないはずなのに」

「それは後から話ます。アル!ホルンさんを警戒してこちらにきてください」

僕は今だ追いかけっこをしているアルとホルンを呼びつける。

ホルンはどうしたの?という風に素早く来るようすは・・・正直、僕の警戒を薄れさせる。アルに警戒をと言ってもホルンの方が素早く意味をなしてなかった

「・・・どうした?・・・お前何、人を殺しそうな顔してんだよ」

「クラリアさんとホルンさん以外、僕の後ろに。2人はそちらに歩いていってください」

「どうしたっすか兄貴!?」

ホルンがこちらに近づこうとするために、ホルンへも右手を向ける。

「えっ・・・」

「どうしたノエル・・・」

「いいから、早く」

僕の説明のない言葉にすぐに従うのは理由を知った、クリスとクラリアだけ。だがクリスも動くことでディアナやグリーンウッドが動き、クラリアもホルンを引き付けるように歩いていく。

全員が僕の言う事に従い、クラリアとホルンは崖側、僕が中央に位置し隣にアル、その他の王国の人は後ろへと位置した。

「・・・で、どうした」

「クリスさんの死霊術が解けてます」

みんなに聞こえるように簡潔に伝える。

「本当か?」

「はい、クラリアさんで確認しました。ホルンさんも恐らく同じでしょう」

僕がその事実を伝えると、明らかに動揺を始めたホルン。死霊術が解けた解けてないは本人は分からない?自分で気づかないといけないのだろうか

「あ、あにき!解けてるならまた死霊術かけてくれてかまわないっす!」

「そ、そうです。私もそれで構いません!」

だが、僕が喋りだす前に2人からそう進言してくれる、話が早くて助かる。恐らく今だ僕が向けている手に気が気ではないのだろう。

「良かった、ではクリスさんお願いします」

僕は振りむいて、クリスに死霊術を催促するが・・・

「・・・」

俯き動こうとしない様子。

「え?どうしました?」

「・・・ごめん、出来ないんだ」

「出来ない?」

「え!?なんでっすかクリスさん!」

「クリスさん!お願いします!」

クリスの出来ないという言葉にホルンもクラリアも戸惑いを見せる。

「・・・行動制限術は同じ対象には使えない」

苦虫をかみつぶしたような顔でそう言いきった。

「えっ・・・じゃ私らにはもうクリスさんは使えないってことっすか!?」

「・・・そうだ」

・・・初級魔法だ、そういう仕様なんだろう。

ガクンと膝から崩れるクラリア。

「えっ・・・ちょっとまって欲しいっす!私ら死霊術解けても関係なく兄貴たちに助太刀したっす!」

ホルンは必死にブンブンと手を振り、弁明のような言葉を並べ始め。クラリアは今までの僕の行動から、諦めたように両手で顔を覆い俯いている。

「ノエル、クラリアも・・・ホルンも帝国人だがいいやつだろ」

アルが僕を諭そうとする。あればけホルン婆だの殺されかけたと言っていたのに。

「・・・こちらに危害を加えようとしていないのは伝わってきてます。ただ・・・この先信用できるかといわれたらまだ難しいですよね」

・・・イクサスから解放する時に気が付いていればと後悔。だが、そんな後悔よりも今、この2人をどうするかを考えなければ

「そうだよノエル君!ホルン君は何も言わなくても真っ先に君たちを助けに駆け付けたんだよ!」

「それは僕も感謝してます」

クリスもクラリア達を助けようと、何かないかと言葉を尽くすが、僕の心には響かない。もう僕の中では結論が出ているのだから。

向けた両手を下げずにただじっと、クラリアとホルンを見る。

「神様お助けください・・・」

「兄貴・・・私何もやらないっす・・・信じてほしいっす」

ボソボソと神に祈りを捧げるクラリアと、涙目になりながら僕の目を必死に見つめるホルン。

「ノエル・・・頼む。2人を殺さないでくれ」

「・・・」

サーヤさんを救い、正直このまま逃がしても構わない気もするが・・・

今回のことで空間魔法を多くの人に知られてしまった。戦地でも見知らぬ人に見られたと思う・・・いやもしかすると僕の事を知っている人にも見られている可能性だってある。

そんな中で確実に僕が使った、帝国にいたという証人は少ないほうがいい。

「クラリアさんもホルンさんも、人柄は好きです。ですが、出会った場所が悪かった。信用できません・・・殺します」

「ノエル・・・」

「神さま・・・う・・・どうか・・・」

アルはもう何も言っても無理だと悟ったのか、僕の名前だけを小さく呟いた。クラリアは・・・泣きながら嗚咽まじりに祈っていた。

「あ・・・あにき・・・私、を信じてくれっす・・・」

声は震えているが、ホルンはいまだにまっすぐに僕を見つめる

「信じれません、ごめんなさい」

「う・・・私は、もう仲間・・だとおもってるっす・・・」

「短い期間でした。お世話になりました」

僕は出来ることなら自ら死を選んで欲しいと願っている。その為かジリジリと両手を向けたままホルンたちへ詰め寄っていた。

「まだ仲間っすよ・・・私達・・・私は兄貴を信じるっす・・・」

ホルンはそういうとジャンプした。

本当に崖から飛び降りたのだ。

ホルンの最後の言葉・・・僕を信じる?自ら飛んだら僕が助けにいくとでも思ったのだろうか。

僕は自ら飛んでくれたらいいと願っているのに、助けるわけがなかった。

ホルンも覚悟をみせる為か両手で口を覆い静かに飛んだ。だが、僕は三度目だから慣れたかと呑気に構えていた。

ジャンプしたホルンがスローモーションのように落ちていく。徐々に体は谷に飲まれ、顔も見えなくなりすでに僕は見送る気持ちでいた時だ。


「ホルン!」


僕の気持ちとは裏腹にアルは走っていた。そしてアルはそのまま崖へダイブしホルンを捕まえようとした。

崖際でうつぶせで倒れこんだアルの姿。

「ホルーン!!!」


アルの伸ばした手・・・それは空を裂いたようだ。


なぜアルは助けようとする?そりゃ空間魔法はアルにとって関係ないかもしれないけど、ホルンはアルを殺そうとした帝国人のはず。制限術が掛かっていない今、牙をむかれたらこっちがやられるかもしれないのに・・・

サーヤさんも助けた今、脅威は少ない方がいいに決まっている。

アルの行動が分からず、頭が混乱しそうになっていた。

「ノエル!お前は本当に人かよ!」

!?

人という言葉に雷に打たれたようだった。

アルの言葉で、すっとスイッチが切れたような感じだった・・・だが、僕はこのスイッチを入れた覚えはなかった。勝手に今回は入っていた・・・

心はざわめき、焦りのようなもどかしさに包まれた。

ホルンを死なせたくない!今はその気持ちでいっぱいになっていた。

ブリンク!

ブリンクを繰り返しホルンを掴み、上へと戻す。

「うっ・・・うへへ・・あ、にき・・・信じてたっす・・うっ・・・」

ホルンは泣きながら笑いそう言った。

「・・・ごめんなさいホルンさん、クラリアさん」

「うっ・・うっ・・・」

泣き崩れた、クラリアと耐えてはいたがやはり恐怖はかなりあったのか足がすくんだ様子のホルンも崩れる。

そして後ろからクリス達も集まりクラリア達を励まし、アルもホルンに声を掛けそのアルへサーヤさんも寄り添う。

僕はその光景を見ながらあとずさりのように離れていく。

「僕はまだ本当に人なんだよね・・・」

誰に問うでもなく、ぽつりと独り言が無意識に出ていた・・・
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