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第190話 アルのせい

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「ホルン・・・」

「クラリアさん、仲間にあったら今までありがとうって伝えてください」

僕は崖沿いへ、ホルンへ連れて行く

「じゃあどうぞ」

「は?」

「いや僕だってわざわざ人を殺したくないので、自ら死を選択したのなら自分でとんでくださいよ」

「・・・てめぇ」

「あれ?怖くなりました?」

「・・・やってやるよ」

僕らの様子を少し離れた様子で見守る4人

ホルンもいざ自分から飛ぶとなると、足がすくみ動かない様子だ

「どうしました?」

「う、うるせー、最後にいい景色ながめてんだよ。こんなぜ、絶景二度とおがめねーだろ」

「ですねいい眺めです、でも長いですよ。えいっ」

僕は後ろからホルンの背中をおした

「えっ」

ホルンがスローで落ちていく様はゆっくりと見えた

後ろでクラリアがホルンと叫ぶ声が聞こえ

「きゃああああ」

以外にも叫び声は女性のような声を出すホルン

落ちていくさなかを見守る




ブリンク

ホルンを掴むと、もう一度崖の上へブリンクで戻る

「きゃあぁぁ・・・あ?」

「おかえりなさい」

「は・・・な、なんだ・・・」

ホルンは今起きたことが分からず、だが力がぬけてぺたりと地面へ座り込む

「え?勇気が出ないようなので、予行練習をと。ほら一度体験したと思うので次はできますよ。ぴょんってとんでください」

僕の言葉に後ろからため息が。恐らくアルだろう

「は・・・い、いみがわからねー・・・お前・・・なにした・・・」

「ですから予行練習ですよ。もう一回やります?」

僕は、座り込んだホルンをぐいぐいとひっぱり崖端まで連れて行き

「やめ・・・やめてくれ・・・」

「え?」

「し、死にたくない・・・怖い・・・」

「でも、僕らの邪魔になるのですいません。お願いしますよ」

「やだぁ・・・死にたくないよぉ~・・・」

ホルンは泣き出してしまった。よっぽど怖かったのだろうか、先ほどの潔さはなくなっていた

「じゃあどうするんですか?」

「う・・・う・・・でも・・・仲間は・・・うれ・うれない・・・」

「あっそうですか、じゃあさようならな。えい」

泣き崩れたホルンを押してまた崖へと突き落とした

ふんふん、次はこれぐらいかな?

ブリンク!

先ほどより長く落としブリンクできゃっちしまた戻る

「かはっ・・・はぁ・・・ぐ・・・」

泣いているのと合わさり、過呼吸のようになっている

「あっそろそろMPきれそうなので、予行練習は終わりです」

「ぐすぐす・・・う・・・はぁ・・・」

僕の言葉に反応できていない様子なので、また引きづる様にホルンを崖端へと連れて行こうとすると

「お・・・おねがい・・・します・・・いやぁ~・・・なる・・・喋る・・・喋ります・・・」

泣きながらも必死に何か訴えている様子に、クラリアとクリスが駆け寄ってくる

「ホルン!」

「ク、クラリアさ、さん・・・し、しにたくないですー・・・ぐすぐす」

「だ、大丈夫よ・・・お願いししますクリス様・・」

「うん!ノエル君もいいね!」

「え?はい」

「行動制限!」

なぜ僕に確認をと思うが、クリスの行動制限術は今回は3秒ほどで成功した。よっぽど死にたくなかったようだ

「う・・う・・・う・・・」

「大丈夫よホルン・・・もうこれでひとまず安心よ・・・」

そこからクリスはクラリアにかけように制限をホルンにもかけた

ふー僕の仕事はひと段落だ。ホルンが泣き止むまで質問もできないようだから、ひとまず落ち着くまでアルの所にいっておくか

「お前・・・流石に俺もひくわ」

「ノエル君は・・・怖いところがあるんだな・・・クリスのいってたことは本当のようだ」

「いやいや、僕は最初から殺す気なんてなかったですから」

「嘘つくなよ、あれは感情がないただの人形にみえたぞ」

「失礼な!アルが自分の手を汚すのが嫌で僕になすりつけようとしたから、手荒ですが心を入れ替えてもらったんです!」

「うわっバレてんのか!」

「当たりまえですよ!まったく、やっとクリスさんやクラリアさんに僕はまともだと思って貰えてたのに、また変な目でみられるじゃないですか」

「お前はまともじゃねーんだよ、冷酷異常者が」

「女の子に負ける雑魚風情が!」

「は?負けてねーよ!」

僕らの悪口合戦をしている間に、ホルンは落ち着きを取り戻したようだ。それにクリスやグリーンウッドがホルンに質問し事情をすでに聞き出していた

「くそ、もうお前の相手なんかしてられるか」

「僕もですよ、はい当分リコールも食事もぬき!」

「それは卑怯だろ!」

「アル、汗臭いのであっちいってください」

僕らも事情を聞きに、クリス達がいる場所へむかう

「ひっ・・・」

ホルンは僕をみると小さく声をもらした

「・・・色々ときいたから、僕からつたえるね」

クリスはホルンから聞いた話を喋り始める

ホルンの役目は黒の門を襲撃する人らの見張り番。洞窟の存在が知られない様にするための見張り

アル達は洞窟とはルートをそれていたが、怪しいと思い処理するつもりだったようだ

連れ去られた魔法使いの話は、クラリアの方が詳しくあまり知らなかったようだ

「ということらしいけど、他に聞くことはあるかい?」

「いや今の所はないな、また思いついたら質問する」

「分かりました・・・あのホルン君の縄はもう解いてもいいですかアルフレッドさん」

「・・・本当に大丈夫なんだろうな、おい女」

「はい・・・なにもしねっす・・・・」

「アル、レディには優しく接してあげないと」

「お前、どの口がそんな事いってんだよ」

「僕はアルに命令されて仕方なくああいった手段をとったので、ホルンさん怖い思いをして憎むのはアルにしてくださいね」

「ひっ・・・りょ、りょうかいっす」

「くくく、普通にお前が怖がられてるじゃねーか」

「なぜ僕の様な人畜無害、善良な市民がレディに怖がられないといけないんですか!」

とりあえずの、合流したごたつきは落ち着きを取り戻した

ここから本来のサーヤさん達を奪還する動きへと入るのだ

ホルンはクラリアへべったりと引っ付き、僕の視線から外れようと必死な為

「ひとまず、夕食しながらにしますか」

すでに時間は8時を過ぎている、美味しいものでも食べれば落ち着くだろという事で夕食の準備だ

グリーンウッドとクリスには、彼らが用意したパンやりんごを渡し

僕はサリアの長細いブレッドにハムやレタスなどを挟んだBLTもどきを、クラリアさんとホルンさんに配り自分も同じようにそれを持つ

「おい、俺も貰ってねーぞ」

「あっどうぞ」

「石じゃねーか!いるか!」

「さっき夕食抜きといいました。クラリアさん達どうぞ食べていいですよ。他にデザートが欲しかったら言ってくださいね」

「・・・なぜ彼女らは俺たちより旨そうな物をたべてるんだ」

「それがノエル君だからさ、グリーンウッドも早くなれたほうがいいよ」

夕食内格差が出来たがそんな事は僕のせいではない


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