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第154話 レイス
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さっきは冒険者に注視していた為、出てきたときには中の様子をみれていなかった
薄暗いトンネルのような通路に、たいまつが掛かっているがそのたいまつの日が青白いような不思議な色をしている
「ライトフローディング」×2
光量をもう少し確保するために、光を2個とばし先の様子が見えるようにしていく
「デックス、ガナート前へ。その後ろにノエル君とホルドと私、最後尾をシスレーさんとアンナで行くわ」
サーヤさんの隊列の指示のもと、さきほどの冒険者のおかげか罠の警戒はせずにすんだ為に対ゴーストを想定した隊列で進む
コツコツコツと足音がなるそのトンネル。両隣の壁は鉄格子の部屋があり牢屋に見える
牢屋の中にはいかにもな白骨化した死体や、スケルトンが出ようとして鉄格子の隙間から手を伸ばしている
鉄格子の中には、宝箱のようなものも見受けられ、あとで回収だなと思う
シスレーが心配で少し後ろを振り返ると、アンナさんにしっかりと左手を掴まれていた
だが、スケルトンには強気なようで僕らが無視して通り過ぎた、手を伸ばしていたやつらを、威勢をはるかのように
「無駄にビックリさせんじゃねーぞ!」
「ちょっとアンナさん、引っ張らないで」
カランと骨が地面に落ちた音と、アンナさんの暴言、シスレーの落ち着かせる声が聞こえる
「さっきの冒険者がいってた仲間っていうのみあたらねーな」
「だね、いるのはスケルトン、結構時間が経ってるやつらか」
先頭にいるデックスさん達も周囲を気にしながら、歩いていたが特段レイスなんてものもおらず、ゴーストさえもいない様子だ
「ノエル君何か感じるかしら?」
「いえ・・・いや、入口を入ったときからずっとひんやりとした感覚は続いていますね」
「分かったわ、ありがとう」
通路の突き当りに大きな扉が現れた
「いかにもな場所だな」
「ここだな」
「・・・僕もここの前に立つと寒さを増しました」
「うちも感じるので恐らくここにレイスか・・・ゴーストはいるでしょう」
このトンネルを入る時に気合を入れたのに、またここで次は明らかに敵がいると分かってる場所へ踏み入れなければいけない
正直、未知との体験は楽しいが・・・魔物は別だ、わざわざ戦いたくなんてない。それがCランクと分かっているレイスというゴーストの上位種
「ノエル君、大丈夫だよ」
僕のその気持ちをまた見透かしたように、後ろからシスレーが声をかけてくれた
本当にシスレーは僕の心が読めているのか不思議になってしまう
もう一度フーっと深呼吸とすると、みんなも同様に気合を入れている様子がみてとれた
サーヤさんも杖を握りなおしている
「デックスいいわよ」
「おう」
その入口よりもまた重そうな両開きの扉の片側を空けていく
僕の目にはすぐに扉の向こう側の光景が目に飛び込んできた
倒れている女性のシルエットと、2mほどの高さで宙に浮かされている女性。その宙に浮いた女性の周りを死神のような布をたらした浮遊する魔物とその周囲にゴーストらしきモヤが2体
「いるぞ!」
「いくわ!中で戦うわよ!」
僕が見ている光景をみな見たようで、迅速な指示のもとみなが動き、僕のマジックミサイルもゴースト1体へ飛んでいくのが見えた
マジックミサイルがゴースト1体に当たると、ゴーストの人の形を形成している左手と頭がかき消えた
その様子をみて死神の魔物、恐らくレイスから
「カッカッカッカッカ」
不気味な笑い声が聞こえる
「サンクチュアリ!」
隣にいるホルドさんから、スキル名が聞こえると白い半円型のベールのようなものが僕らを包み込んだ
「ガナート!ゴーストから!ノエル君も!冒険者に気を付けて!」
敵の行動なんてターン制バトルなどではない為、こちらから一方的に攻め立てるのだ
「アイスアロー!」
「ウィンドブラスト!」
「アゾールフラッシュ」
魔法の弾幕がゴーストを一気に襲う。ゴーストは昨日同様に近づいて何か攻撃をしている様子だったが、ホルドさんの防護壁のおかげか耳鳴りも頭痛も何もない
だが、隣では少し苦しい顔をしたサーヤさんを見て、かまぼこ板のお守りの効果もあるのかと思う
ガナートさんとサーヤさんの魔法で、ゴースト1体、僕の魔法で1体倒し終わるとゴーストを倒し切るが・・・
その間、レイスは何をしていた?
ゴーストに注視していたが、レイスの動向も少しは伺っていた。僕らがターン制でないのと同様にレイスもわざわざこちらの攻撃を待つ必要なんてなかった
「グガガガガ、オロカナ」
喋っている事が聞き取れるぐらいには人の言葉のように聞こえたと同時に
レイスから黒い炎のような衝撃波が地面を這うように飛び掛かってくる
「みなさん衝撃がきます!」
ホルドさんからその声が響くと
僕は無意識にシスレーの手を掴んでいた
その黒い衝撃はホルドさんの防護壁にぶち当たると、防護壁が弾いていく
「長く持ちません!攻撃を!」
「ガナート!ノエル君!」
「分かってる!アイスピラー!」
「アゾールフラッシュ!」
「エアロバースト!」
魔法の押収かと思ったが、ガナートさんの魔法は黒い衝撃破に飲み込まれるように消えていく
サーヤさんの上級魔法ですら、衝撃に阻まれて相殺された
消されなかったのは僕の光魔法だけだが、レイスだって動く。僕の煌めく光の礫だけでは簡単に避けられる為、黒の衝撃破を抜けたからと言って攻略にはなっていない
その間も絶えず、レイスの攻撃は防護壁を破ろうとしていた
「ぐっ・・・MPが・・・」
ホルドさんはマジックポーションを一飲みするが、もう長くはもたない様子は見て取れた
ピキピキピキとひび割れているかのように、防護壁がやぶれようとしている
「ノエル君、同時に!」
「はい、いきます!」
ふと思い出したように、サーヤさんから貰った弾速Upの杖に持ち直し
「アゾールフラッシュ」
「フリーズコントロール!」
ガナートさんの言葉に、僕の光魔法を追従するようにガナートさんの氷の粒子が波になっているかのようなもが飛ぶ
ただでさえ煌めく光の粒が、青い氷の粒子をまとい更に幻想的な攻撃となっていた
広範囲によるその僕とガナートさんの攻撃は黒い衝撃はを押し返すように進み、レイスへ向かった
弾速Upとガナートさんの魔法に押されてか、先ほどよりも2倍ほど速いその魔法はレイスを捉えた
そう思った時に、僕らを覆っていた光の防護壁がパリンっと音を立てたかのように消え去った
「ぐっ・・・」
「俺の後ろに・・・」
津波、土砂崩れそんな物に飲み込まれたかのような目の前で押し寄せてくる波
デックスさんが大楯を構え身を挺して守ろうとしているのが見えたが、それでは防ぎきれないと思い
ブリンク!
咄嗟だった。最初から掴んでいたシスレーとすぐ隣にいたサーヤさん、弾速Upの杖を落としながら掴んでいた
レイスの後ろに移動したために、残してきた4人が黒い衝撃破に飲まれているのが見えた。僕が落とした弾速UPの杖も黒い炎にやかれ燃えている
「え!?デックス!アンナ!」
「サーヤさん!攻撃を!」
「レイ!」
シスレーはブリンクに慣れているため、すぐに状況を把握しサーヤさんに攻撃するように促す
レイスは僕とガナートさんの攻撃をちゃんと受けていたようで、その垂れた布が所々消滅し、左手に持っていた剣を落としていた
「ナニ、バカナ!?」
攻撃力で信頼のあるレイを使う、体を貫通していったが、布でくるまれている中身がどうなっているのか分からず、ダメージがそれほど無さそうだった
レイスはデックスさん達に浴びせていた衝撃破を止めてこちらに向き直す
衝撃破をくらっていた4人は、全員倒れていたが微かに動いている為、呪い状態になっているのだと分かる
「コレデモカ!」
黒の玉が3個同時に飛んでくるのがみえ
「マジックミサイル!」
マジックミサイルで迎撃
「カカカカ」
「コココココ」
意味の分からない笑い方をしているのはどんな気持ちなのか、オーク達と違い人の言葉と笑い方に一層不気味さをましているのだろう
先ほどの黒い衝撃破は準備時間がいるのか、使用してこない様子だ
だが、僕も決定打がなかった。ここが外ならホーリライトの攻撃も試せるが、今回用意していた魔法はアゾールフラッシュのみだった
レイもさほど効果がないようなら、僕の攻撃手段はアゾールフラッシュが要だ
サーヤさんも先ほど上級魔法を撃ってしまい、初級魔法のウィンドスラッシュしか使用していなかった
レイスの右手から放たれる、黒色の粒子状の波
それをアゾールフラッシュでかきけし、その横でサーヤさんのウィンドスラッシュがかすかなダメージを与え続けている状況が続く
「ムダダニンゲン!」
レイスの攻撃が一段と上がると、光の礫を押し返して僕はシスレーとサーヤさんを守るために盾と一緒にその攻撃を受けてしまった
「うがっ・・・」
左手が焼けつくような痛みに襲われ、今にもその左手を切り落としたい気分に陥る
「ノエル君!」
シスレーはこの戦闘では何もできず、ただ様子をみていただけだったが、護符は常に準備してくれていたのか直ぐに僕の左手に護符をあてがってくれた
シュウウっと左手は煙をはきながら、焼けつく痛みが消えていく。
「オワリダ」
その間にまた衝撃破の準備が出来たのか、黒い煙がレイスの周りに広がっていく
ブリンク、フラッシュ!
そのため段階の時にレイスの後ろ側へ移動し、攻撃と同時にシスレー達が襲われないように意識をこちらに向けた
アゾールフラッシュがレイスの後頭部を捉えた
「グォォォ!」
だがその攻撃では倒せなかった
レイスの黒の煙は消え去り、魔法を中断できたまでは成功だったがレイスの右手に持つ杖が僕を襲った
レイスが物理攻撃をしかけてきてもおかしくなかったが、ブリンクで空中にいたため避けることもできず、ブリンクも発動しなかったため、MP切れだった
杖で地面に叩きつけられ
「ごふっ」
「タノシカッタゾニンゲン」
もう一度その杖の先、尖っている部分が僕に襲おうとしたとき
「ウィンドスラッシュ!」
緑の風の刃が杖の先を斬り飛ばした
「チ、コシャクナ!」
タタタタタタッ
レイスが杖を持ち変え、また叩きつけようとしたときにその聞きなれた軽やかな走る音が聞こえた
「ソードダンス!」
シスレーのスキルの声が聞こえたと同時に、光の斬った残像を残しレイスは消滅していったのだ
薄暗いトンネルのような通路に、たいまつが掛かっているがそのたいまつの日が青白いような不思議な色をしている
「ライトフローディング」×2
光量をもう少し確保するために、光を2個とばし先の様子が見えるようにしていく
「デックス、ガナート前へ。その後ろにノエル君とホルドと私、最後尾をシスレーさんとアンナで行くわ」
サーヤさんの隊列の指示のもと、さきほどの冒険者のおかげか罠の警戒はせずにすんだ為に対ゴーストを想定した隊列で進む
コツコツコツと足音がなるそのトンネル。両隣の壁は鉄格子の部屋があり牢屋に見える
牢屋の中にはいかにもな白骨化した死体や、スケルトンが出ようとして鉄格子の隙間から手を伸ばしている
鉄格子の中には、宝箱のようなものも見受けられ、あとで回収だなと思う
シスレーが心配で少し後ろを振り返ると、アンナさんにしっかりと左手を掴まれていた
だが、スケルトンには強気なようで僕らが無視して通り過ぎた、手を伸ばしていたやつらを、威勢をはるかのように
「無駄にビックリさせんじゃねーぞ!」
「ちょっとアンナさん、引っ張らないで」
カランと骨が地面に落ちた音と、アンナさんの暴言、シスレーの落ち着かせる声が聞こえる
「さっきの冒険者がいってた仲間っていうのみあたらねーな」
「だね、いるのはスケルトン、結構時間が経ってるやつらか」
先頭にいるデックスさん達も周囲を気にしながら、歩いていたが特段レイスなんてものもおらず、ゴーストさえもいない様子だ
「ノエル君何か感じるかしら?」
「いえ・・・いや、入口を入ったときからずっとひんやりとした感覚は続いていますね」
「分かったわ、ありがとう」
通路の突き当りに大きな扉が現れた
「いかにもな場所だな」
「ここだな」
「・・・僕もここの前に立つと寒さを増しました」
「うちも感じるので恐らくここにレイスか・・・ゴーストはいるでしょう」
このトンネルを入る時に気合を入れたのに、またここで次は明らかに敵がいると分かってる場所へ踏み入れなければいけない
正直、未知との体験は楽しいが・・・魔物は別だ、わざわざ戦いたくなんてない。それがCランクと分かっているレイスというゴーストの上位種
「ノエル君、大丈夫だよ」
僕のその気持ちをまた見透かしたように、後ろからシスレーが声をかけてくれた
本当にシスレーは僕の心が読めているのか不思議になってしまう
もう一度フーっと深呼吸とすると、みんなも同様に気合を入れている様子がみてとれた
サーヤさんも杖を握りなおしている
「デックスいいわよ」
「おう」
その入口よりもまた重そうな両開きの扉の片側を空けていく
僕の目にはすぐに扉の向こう側の光景が目に飛び込んできた
倒れている女性のシルエットと、2mほどの高さで宙に浮かされている女性。その宙に浮いた女性の周りを死神のような布をたらした浮遊する魔物とその周囲にゴーストらしきモヤが2体
「いるぞ!」
「いくわ!中で戦うわよ!」
僕が見ている光景をみな見たようで、迅速な指示のもとみなが動き、僕のマジックミサイルもゴースト1体へ飛んでいくのが見えた
マジックミサイルがゴースト1体に当たると、ゴーストの人の形を形成している左手と頭がかき消えた
その様子をみて死神の魔物、恐らくレイスから
「カッカッカッカッカ」
不気味な笑い声が聞こえる
「サンクチュアリ!」
隣にいるホルドさんから、スキル名が聞こえると白い半円型のベールのようなものが僕らを包み込んだ
「ガナート!ゴーストから!ノエル君も!冒険者に気を付けて!」
敵の行動なんてターン制バトルなどではない為、こちらから一方的に攻め立てるのだ
「アイスアロー!」
「ウィンドブラスト!」
「アゾールフラッシュ」
魔法の弾幕がゴーストを一気に襲う。ゴーストは昨日同様に近づいて何か攻撃をしている様子だったが、ホルドさんの防護壁のおかげか耳鳴りも頭痛も何もない
だが、隣では少し苦しい顔をしたサーヤさんを見て、かまぼこ板のお守りの効果もあるのかと思う
ガナートさんとサーヤさんの魔法で、ゴースト1体、僕の魔法で1体倒し終わるとゴーストを倒し切るが・・・
その間、レイスは何をしていた?
ゴーストに注視していたが、レイスの動向も少しは伺っていた。僕らがターン制でないのと同様にレイスもわざわざこちらの攻撃を待つ必要なんてなかった
「グガガガガ、オロカナ」
喋っている事が聞き取れるぐらいには人の言葉のように聞こえたと同時に
レイスから黒い炎のような衝撃波が地面を這うように飛び掛かってくる
「みなさん衝撃がきます!」
ホルドさんからその声が響くと
僕は無意識にシスレーの手を掴んでいた
その黒い衝撃はホルドさんの防護壁にぶち当たると、防護壁が弾いていく
「長く持ちません!攻撃を!」
「ガナート!ノエル君!」
「分かってる!アイスピラー!」
「アゾールフラッシュ!」
「エアロバースト!」
魔法の押収かと思ったが、ガナートさんの魔法は黒い衝撃破に飲み込まれるように消えていく
サーヤさんの上級魔法ですら、衝撃に阻まれて相殺された
消されなかったのは僕の光魔法だけだが、レイスだって動く。僕の煌めく光の礫だけでは簡単に避けられる為、黒の衝撃破を抜けたからと言って攻略にはなっていない
その間も絶えず、レイスの攻撃は防護壁を破ろうとしていた
「ぐっ・・・MPが・・・」
ホルドさんはマジックポーションを一飲みするが、もう長くはもたない様子は見て取れた
ピキピキピキとひび割れているかのように、防護壁がやぶれようとしている
「ノエル君、同時に!」
「はい、いきます!」
ふと思い出したように、サーヤさんから貰った弾速Upの杖に持ち直し
「アゾールフラッシュ」
「フリーズコントロール!」
ガナートさんの言葉に、僕の光魔法を追従するようにガナートさんの氷の粒子が波になっているかのようなもが飛ぶ
ただでさえ煌めく光の粒が、青い氷の粒子をまとい更に幻想的な攻撃となっていた
広範囲によるその僕とガナートさんの攻撃は黒い衝撃はを押し返すように進み、レイスへ向かった
弾速Upとガナートさんの魔法に押されてか、先ほどよりも2倍ほど速いその魔法はレイスを捉えた
そう思った時に、僕らを覆っていた光の防護壁がパリンっと音を立てたかのように消え去った
「ぐっ・・・」
「俺の後ろに・・・」
津波、土砂崩れそんな物に飲み込まれたかのような目の前で押し寄せてくる波
デックスさんが大楯を構え身を挺して守ろうとしているのが見えたが、それでは防ぎきれないと思い
ブリンク!
咄嗟だった。最初から掴んでいたシスレーとすぐ隣にいたサーヤさん、弾速Upの杖を落としながら掴んでいた
レイスの後ろに移動したために、残してきた4人が黒い衝撃破に飲まれているのが見えた。僕が落とした弾速UPの杖も黒い炎にやかれ燃えている
「え!?デックス!アンナ!」
「サーヤさん!攻撃を!」
「レイ!」
シスレーはブリンクに慣れているため、すぐに状況を把握しサーヤさんに攻撃するように促す
レイスは僕とガナートさんの攻撃をちゃんと受けていたようで、その垂れた布が所々消滅し、左手に持っていた剣を落としていた
「ナニ、バカナ!?」
攻撃力で信頼のあるレイを使う、体を貫通していったが、布でくるまれている中身がどうなっているのか分からず、ダメージがそれほど無さそうだった
レイスはデックスさん達に浴びせていた衝撃破を止めてこちらに向き直す
衝撃破をくらっていた4人は、全員倒れていたが微かに動いている為、呪い状態になっているのだと分かる
「コレデモカ!」
黒の玉が3個同時に飛んでくるのがみえ
「マジックミサイル!」
マジックミサイルで迎撃
「カカカカ」
「コココココ」
意味の分からない笑い方をしているのはどんな気持ちなのか、オーク達と違い人の言葉と笑い方に一層不気味さをましているのだろう
先ほどの黒い衝撃破は準備時間がいるのか、使用してこない様子だ
だが、僕も決定打がなかった。ここが外ならホーリライトの攻撃も試せるが、今回用意していた魔法はアゾールフラッシュのみだった
レイもさほど効果がないようなら、僕の攻撃手段はアゾールフラッシュが要だ
サーヤさんも先ほど上級魔法を撃ってしまい、初級魔法のウィンドスラッシュしか使用していなかった
レイスの右手から放たれる、黒色の粒子状の波
それをアゾールフラッシュでかきけし、その横でサーヤさんのウィンドスラッシュがかすかなダメージを与え続けている状況が続く
「ムダダニンゲン!」
レイスの攻撃が一段と上がると、光の礫を押し返して僕はシスレーとサーヤさんを守るために盾と一緒にその攻撃を受けてしまった
「うがっ・・・」
左手が焼けつくような痛みに襲われ、今にもその左手を切り落としたい気分に陥る
「ノエル君!」
シスレーはこの戦闘では何もできず、ただ様子をみていただけだったが、護符は常に準備してくれていたのか直ぐに僕の左手に護符をあてがってくれた
シュウウっと左手は煙をはきながら、焼けつく痛みが消えていく。
「オワリダ」
その間にまた衝撃破の準備が出来たのか、黒い煙がレイスの周りに広がっていく
ブリンク、フラッシュ!
そのため段階の時にレイスの後ろ側へ移動し、攻撃と同時にシスレー達が襲われないように意識をこちらに向けた
アゾールフラッシュがレイスの後頭部を捉えた
「グォォォ!」
だがその攻撃では倒せなかった
レイスの黒の煙は消え去り、魔法を中断できたまでは成功だったがレイスの右手に持つ杖が僕を襲った
レイスが物理攻撃をしかけてきてもおかしくなかったが、ブリンクで空中にいたため避けることもできず、ブリンクも発動しなかったため、MP切れだった
杖で地面に叩きつけられ
「ごふっ」
「タノシカッタゾニンゲン」
もう一度その杖の先、尖っている部分が僕に襲おうとしたとき
「ウィンドスラッシュ!」
緑の風の刃が杖の先を斬り飛ばした
「チ、コシャクナ!」
タタタタタタッ
レイスが杖を持ち変え、また叩きつけようとしたときにその聞きなれた軽やかな走る音が聞こえた
「ソードダンス!」
シスレーのスキルの声が聞こえたと同時に、光の斬った残像を残しレイスは消滅していったのだ
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